JP2541340B2 - 血液および血液成分の白血球含量を低下させる装置および方法 - Google Patents

血液および血液成分の白血球含量を低下させる装置および方法

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、特にパック状ヒト赤血球から、より特定的
には献血者から新たに採血した全血から誘導されている
凝固防止パック状ヒト赤血球(PRC)から、全血および
それに由来する製剤の白血球含量を低下させる方法に関
する。
一人または二人以上の供血者から他の者へと全血を、
およびより最近では血液成分を輸血することは50年以上
行われている。時間の経過と研究および臨床データの蓄
積により、輸血法は大幅に改良された。現在の実務の一
観点では全血を投与することは希であり、むしろ赤血球
を必要としている患者にはパック状赤血球(以下、“PR
C")を投与し、血小板を必要としている患者には血小板
濃縮物を投与する。これらの成分は全血から遠心分離に
よって分離されるが、この方法は第三製品として血漿を
提供し、これから他の種々の有用な成分が得られる。上
記のこれらの成分に加えて、全血は種々のタイプの白血
球を含み、このうち最も重要なものは顆粒球とリンパ球
である。白血球は細菌およびウイルス感染に対して保護
を与える。
1970年中期から後期にかけて多くの研究者は、供血か
ら顆粒球を分離しそして顆粒球を欠如した患者、例えば
患者自身の血球が感染によって壊滅した患者に輸血する
ことを提案した。研究の結果、この方法は一般には有害
であることがわかった。このような輸血を受けた患者は
高熱や他の不都合な反応を呈し、そしてしばしば輸血さ
れた血球を拒絶したからである。さらに、供血者の白血
球を含むパック状血球または全血の輸血は受血者に他の
様式で有害となる可能性がある。輸血療法により誘起さ
れるウイルス性疾患の幾つかは、例えば新生児および衰
弱した成人にとって致命的感染症であるサイトメガロウ
イルス封入体病は、同種白血球の輸血によって媒介され
る。免疫障害患者に影響を及ぼす他の致命的現象は移植
片−宿主疾患(GVH)であり;これは、輸血された白血
球が受血者の皮膚、胃腸管および神経系を含む器官に実
際に不可逆的損傷を起こす疾患である。より最近になっ
て、HTLV1ウイルスは有害となった。これらのウイルス
ならびにかなりの割合でHIV(AIDS)ウイルスは白血球
に含まれており、このため白血球の除去が好ましいとみ
なされている。
従来の赤血球輸血もまた、悪性大腸の手術を受ける患
者の生存に悪影響を与えるものとして非難されている。
この悪影響は供血者の白血球を含む、赤血球以外の物質
の輸血によって媒介されると思われる。
白血球を十分低レベルまで除去した特に新たに採血し
た血から誘導されたパック状赤血球中で望ましくない反
応を避けることが本発明の目的である。
血液を基本的な3画分(パック状赤血球、血小板濃縮
物および血漿)に分離する現在使用されている遠心法で
は、白血球はかなりの量でパック状赤血球画分および血
小板濃縮物の両方に含まれる。これら血液成分の白血球
含量をできるだけ低水準に下げることが大いに望ましい
ことは一般に認められている。明確な基準はないが、患
者への投与の全に白血球含量を約100またはそれ以上の
ファクター、即ち、約1/100またはそれ以下に低下する
ことができれば、望ましくない輸血の影響の多くを減少
できることが一般に認められている。これは、1単位の
PRC(1回の献血で得られるPRCの量)の白血球総量を1
×107に低下させることにほぼ匹敵する。最近では、輸
血によるウイルス感染を避けるために、減少ファクター
は100以上、好ましくは1000以上、より好ましくは30,00
0または100,000倍またはそれ以上例えば1,000,000倍で
あるべきことがより幅広く受け入れられている。
今までに見いだされてきた白血球含量を低下させる最
も有効な手段の一つは米国特許第4,925,572号(1988年1
0月19日付米国特許願第07/259,773号)に開示されてお
り、これはPRCのベッドサイドろ過に関するものであ
る。対照的に、本発明は新たに採血した全血および新鮮
なPRC、即ち採血した時から24時間以内より好ましくは
6時間以内にろ過するPRCの濾過に関する。新鮮なPRCの
挙動は、米国特許第4,925,572の開示の中心である2な
いし35日古い血液の挙動とは非常に異なる。白血球低減
の基準も非常に異なり;上記特許のその目的は約3000な
いし10,000までのファクターだけ白血球を低減すること
である。これは多くの目的に優れているが、本発明の目
的は、約30,000以上、好ましくは約1,000,000またはそ
れ以上のファクターで白血球を低下させることである。
1単位の血液および1単位のパック状赤血球の定義 米国の血液銀行は通常は約450ミリリットル(ml)の
血液を供血者から採血し、血液凝固を防ぐために通常は
凝結防止剤を入れたバッグに装填する。ここで、このよ
うな供血中に採血した量を1単位の全血と定義する。
全血はある程度はそのまま使用されるが、ほとんどの
単位は別個に遠心分離により処理されて1単位のPRCを
得る。1単位のPRCの容積は、採血したヘマトクリット
(赤血球の容積%)−通常は37ないし54%の範囲−;お
よびPRCのヘマトクリット−一方あるいは他方の血液成
分の収量を最小にすべきかに依存して50ないし80%以上
の範囲で変化する−;によりかなり変化する。ほとんど
のPRC単位は170ないし350mlの範囲であるが、これらの
数値の上下の変動はまれではない。
赤血球を血漿から分離しそして生理的溶液に再懸濁さ
せることにより、採血した全血を別法として処理しても
よい。多くの生理的溶液が使用される。このように処理
された赤血球は使用に先立ちより長期間保存でき、そし
てある種の患者にとっては血漿を除去することに若干の
利点があるかもしれない。“アドソル”はこのような手
法の商品名であり、そしてSAG−Mはヨーロッパの一部
で使用されている別の商品名である 本明細書で使用する用語“新鮮な血液製剤”は坑凝結
全血、それから得られるパック状赤血球、および血漿か
ら分離しそして生理的溶液に再懸濁した赤血球を含み、
すべての場合に採血した後に約24時間以内に好ましくは
6時間以内に濾過するものを含む。
米国以外の世界の一部では、血液銀行および病院は約
450ml以下または以上を採血するかもしれないが、本明
細書では1“単位”は常に米国の実務によって定義さ
れ、そして1単位のPRCまたは生理的流体中の赤血球1
単位は1単位の全血に由来する量である。
本明細書においてPRCは、上記した血液製剤および他
の手段によって得られた同様の性質を有する同様の血液
製剤を言う。
PRCから白血球を除去するための従来から採用されてい
る手段 白血球を低下させたパック状赤血球を得るスピンフィ
ルターシステムはパラビシニ、ルブラ、アプゾ、ウエン
ツおよびシルヒア、Transfusion1984年24:508−510に記
載されており、これはウエンスによる他の方法CRC Cri
tical Reviews in Clinical Laboratory Sciences
1986年;24:1−20と比較される。この方法は便利であり
そして実施するのに比較的費用がかからず;広く使用さ
れている。しかしながら、白血球除去効率は、一般には
約90%またはそれ以上であるが、ある種の患者には不都
合な反応を防ぐには十分には高くはない。赤血球中の白
血球の水準をより低下させる遠心法があるが、操作する
のに非常に費用がかかる実験室的手法であり、そして製
剤の無菌性は24時間以内に使用なければならない程のも
のである。
白血球を低下させる他の方法、例えば凍結赤血球の食
塩水洗浄または脱グリセロール法は使用されているが、
経済性および高い信頼性に関して不利である。繊維をハ
ウジングに充填し全血をその繊維に通して微小凝集体お
よび白血球含量の一部を除去する多くの装置が提案され
ている。これらの装置は、実施する際には、すべて使用
前あるいは使用後または使用前後の両方に食塩水を必要
とし、そして血液銀行での使用しな全く適していない。
白血球除去装置に望ましい特性 血液銀行で使用するのに意図する白血球低下のための
理想的装置は低価格であり、比較的小型で、そして1単
位のPRCを急速に、例えば約1時間以下で処理でき、そ
して白血球含量を可能な最も低い水準に低下するもので
あろう。赤血球の高価格と入手困難性のために、この理
想的な装置は供血に含まれる赤血球の可能な限り高い割
合を取り出す。このような装置が本発明によって提供さ
れる。
この目的に合致させるために以前に開発された装置は
充填繊維の使用に基づいており、そして一般にはフィル
ターと呼ばれる。しかしながら、大きさによる分離に基
づく濾過を利用する方法は二つの理由で成功しなかっ
た。第一に、種々のタイプの白血球は顆粒球および大赤
血球−15μm以上であることができ−から5ないし7μ
mの範囲であるリンパ球の範囲である。全体的には、顆
粒球とリンパ球は正常な血液中の白血球の主たる割合あ
るいは全部を表す。赤血球は約7μm直径の範囲であ
り、すなわち大きさにおいて赤血球は除去しなければな
らない二つの主たる成分の一つの範囲に入る。第二に、
これら血球のすべては血球の正常な大きさよりも遥かに
小さい開口部を通過するように変形する。したがって、
そして白血球が種々の表面に吸着されることは顕微鏡試
験で容易に観察されるので、白血球の除去は濾過による
よりも主として吸着により行われることが広く認められ
ている。しかしながら本発明の予想外で驚くべき結果
は、制御された細孔寸法を有するある種のフィルターへ
の濾過が目標の水準の白血球低減に達するのに臨界的で
あることである。
血液成分の回収 前の章では、分離装置に送られる赤血球を高い割合で
回収することが望ましいことに言及した。赤血球の回収
が低い幾つかの原因がある: (a)接続配管内でのホールドアップによる損失; (b)濾過の終了時に装置自身に残る液体による損失; (c)装置表面への吸着による、または装置内での機械
的捕捉による損失; (d)全単位の血液の通過の完了前にフィルターの閉塞
による損失;および (e)凝固を起こし得る不適合性表面との接触による損
失。
容量 現在の血液銀行の方法で全血から分離した場合、パッ
ク状赤血球は供血者から採血したままの血液に含まれて
いる割合の白血球のみならず、いくらかの血小板(非常
に粘着性となる傾向がある)、フィブリノゲン、フィブ
リンストランド、微小な脂肪球、および通常は少量含ま
れる多数の他の成分をも含む。また含まれているもの
は、凝固を防ぐために採血時に添加されるファクターお
よび貯蔵中に赤血球の保護に役立つ栄養剤である。
赤血球を濃縮しそして残りの成分から部分的に分離す
る遠心法では、PRCに微小凝集体が形成する傾向があ
る。これらは白血球、血小板、フィブリノゲン、フィブ
リン、脂肪および他の成分とともにいくらかの赤血球を
含むかもしれない。フィブリノゲンおよび/またはフィ
ブリンにより形成されるかもしれないゲルも、血液銀行
により作られるPRCに存在するかもしれない。
白血球低減装置が多孔質構造体からなるものであれ
ば、ゲルおよび時には脂肪球は細孔上にあるいは細孔内
に集まる傾向があり、流れを抑制する閉塞を起こす。
始動(priming)の容易性と迅速性 使用の容易性はどんな白血球低減装置にとっても重要
な特性である。上記したように、白血球低減装置では、
始動の容易性は特に重要なファクターである。用語“始
動時間”はPRCがバッグからフィルターを通って患者へ
と流れる開始を意味し、、そして入口から出口までフィ
ルターハウジングを満たすのに必要な時間である。本発
明の目的は、短い始動時間、好ましくは30秒以下から12
0秒までを維持して技術者の時間を保護することであ
る。
始動前の白血球低減装置の予備調整 現在使用されている多くの装置は血液を送る前に予備
調整を、通常は生理的食塩水を通すことを要する。この
ような操作の必要性は、取り扱いを複雑にし、技術者の
時間を要し、そして無菌性の維持を危険にさらすので、
血液銀行の処理では非常に望ましくない。
このような予備調整を使用する理由はさまざまであ
る。これらは酢酸セルロース繊維を含む装置の水蒸気殺
菌中に生じた酸加水分解物の除去、天然繊維に含まれて
いるかもしれない異物の確実な除去、および繊維が吸湿
性であるならば溶血(赤血球の一体性の喪失と、続いて
赤血球内容物の外部環境への流出)の防止が含まれる。
本発明は、採血したそのままの血液に由来するPRCを
処理する前に予備調整を必要としない白血球低減装置を
提供することである。
空隙容積の定義 “空隙容積”という概念は用語“嵩密度”に関係する
が、これとは区別し得るものである。事実、用語“嵩密
度”は、比重がさまざまな広範囲の繊維に言及するとき
には、誤解を招く。例えば、ポリエステル繊維は約1.38
の比重であることができ、ジルコニアから作られる無機
繊維は5以上の比重であることができる。こうして、本
発明を実施するうえで、空隙容積を嵩密度と混同すべき
ではない。
空隙容積の概念を以下で説明する。
空隙容積、与えられた嵩密度および繊維密度の計算 嵩密度Dは、所定の容積の繊維集合体の重量をその見
かけ容積で割ったものである。通常はg/ccで表す。繊維
集合体は与えられたあるいは見かけの容積を占める一本
またはそれ以上の繊維を意味し、例えばある割合の空隙
あるいは空間を内部に有する絡み合った不織繊維の塊で
ある。
空隙容積Vを計算するためには、繊維の密度dが既知
でなければならない。この密度dもg/ccで表される。
1.1グラムの繊維集合体の容積=1/D 2.1グラムの繊維の容積=1/d 3.空隙容積Vは集合体の全容積から繊維の容積を引いた
ものである、すなわち 1/D−1/d 例: 仮定:繊維集合体の容積=10cc 集合体の重量=1g 集合体の密度D=1/10=0.1g/cc 繊維の密度d=1.38 1グラムの繊維の容積は1/1.38=0.725cc こうして空隙容積=1/D−1/d =1/0.1−1/1.38 =10−0.725 =9.275cc あるいはパーセントで表すと V=9.275/10×100 =92.75% 以下の表は特定の空隙容積と密度との相異を説明して
いる。ここに示されているように、一定の密度ではガラ
ス繊維のカラム(ガラスは例えばポリプロピレンよりも
かなり密度が大きい)は94%の空隙容積であるのに対
し、ポリプロピレンのカラムではたかだか83.3%であ
る。
細孔直径の定義 種々のフィルター基材を規定するうえで、用語“細孔
直径”を使用することは必要であろう。本明細書で使用
するこの用語は以下で述べる変形OSUF2試験により定め
られる。
繊維基材の湿潤 液体を多孔質基材の上流面と接触させそして僅かな圧
力差を与えると、多孔質基材への流れが起こり、あるい
は起こらないかもしれない。流れない条件は、液体が多
孔質構造体を作っている材料を湿潤しない状態である。
表面張力を約3ダイン/cmづつ高めた一連の液体を作
ることができる。次いで一滴の液体を多孔質表面上に置
きそして観察して液体が急速に吸収されるかあるいは表
面上に残るかを求める。例えば、この方法を0.2μmの
多孔質テトラフルオロエチレン(PTFE)フィルターシー
トに適用すると、約26ダイン/cmの液体について速やか
な湿潤が観察される。しかしながら、表面張力が約29ダ
イン/cmの液体を適用すると、この構造体は湿潤しない
状態を保った。
同様な挙動は他の合成樹脂をもちいて作られた多孔質
基材に対しても観察され、その際、湿潤−非湿潤の値は
第一には多孔質基材を作る材料の表面特性に依存し、第
二には多孔質基材の細孔径特性に依存している。例え
ば、繊維状ポリエステル、特に約20μm以下の細孔直径
を有するポリブチレンテレフタレート(以下、“PBT")
は、約50ダイン/cmの液体で湿潤するが、約54ダイン/cm
の表面張力の液体では湿潤しない。
多孔質基材のこの挙動を特性付けるために、用語“臨
界湿潤表面張力”(CWST)を以下のとおり定義する。多
孔質基材のCWSTは、その表面に表面張力2ないし4ダイ
ン/cmの一連の液体を別々に置きそして各の液体の吸収
あるいは非吸収を観察することにより求めることができ
る。ダイン/cmの単位で示される多孔質基材のCWSTは、
吸収される液体の表面張力と隣接する吸収されない液体
の表面張力との平均値として定義される。こうして、前
に述べた二つの例では、CWSTはそれぞれ約27.5と52ダイ
ン/cmである。
CWSTを測定するには、表面張力が順次2ないし4ダイ
ン/cmづつ変化する一連の標準液体を用意する。連続す
る表面張力の標準液体の少なくとも二つを細孔直径の代
表的部分に別々に滴下し、そして10分間放置する。10分
後に観察する。湿潤は、10分以内に10滴のうちの少なく
とも9滴が多孔質基材へ吸収するかあるいはあきらかな
湿潤するものとして定義される。非湿潤は、10分間で10
滴のうち少なくとも9滴が吸収しないあるいは湿潤しな
いものとして定義される。一方が湿潤し他方が湿潤しな
い表面張力が最も近接した一対が同定されるまで、順次
より高いあるいはより低い表面張力の液体を使用して試
験を続ける。次いでCWSTはその範囲内はいり、便宜上、
二つの表面張力の平均値をCWSTを特定する単一の数値と
して用いる。
表面張力を順次変化させた液体と多孔質基材とを接触
させる多くの他の方法は、上記説明を読んだ物理化学の
知識を有する者に推測できる。このような方法の一つは
連続して変化する表面張力を有する液体の表面に試験片
を浮かし、そして液体の湿潤を観察するか、あるいは用
いる繊維が水よりも密度が高ければ、沈むか浮くかを観
察することである。他の方法は、試験片を適当なジグに
取り付け、次いで試験片の下に種々の真空度を当てなが
ら試験液体で湿潤させることである。
異なる表面張力を有する適当な溶液は種々の方法で作
ることができるが、本明細書で記載した製品の開発にお
いて以下の溶液が使用される: 繊維状基材の血液による湿潤 パック状赤血球並びに全血では、赤血球は、約73ダイ
ン/cmの表面張力である血漿に懸濁している。こうし
て、パック状赤血球あるいは全血を多孔質基材に接触し
て置くと、多孔質基材のCWSTが約73ダイン/cmまたはそ
れ以上であれば自発的な湿潤が起きる。
ヘマトクリットは赤血球により占める容積のパーセン
トである。パック状赤血球のヘマトクリットは50ないし
80%の範囲にある。こうして、PRCの容積の50ないし80
%以上は赤血球自身で占められており、このため赤血球
の表面特性はPRCの湿潤挙動に影響を与える。表面張力
は測定されておりそして文献には64.5ダイン/cmと示さ
れている(“血球および蛋白質の表面張力の測定”、A.
W.ニューマン等、Annals N.Y.A.S.、1983年276−297頁
参照)。赤血球の表面張力が低下すると、例えばフィル
ターの始動中にあるいは濾過しているときに、十分には
理解されていない方法でPRCの挙動に影響を及ぼす。
PBTおよび他の合成繊維の本来のCWSTよりも高いCWST
値に繊維を予備調整することにより得られる利点は: (a)本発明の重要な一観点は、繊維表面を特定の範囲
のCWSTに転換すべく処理した繊維状基材は、始動時間、
白血球低下効率、閉塞に対する抵抗性に関してこのよう
な範囲のCWSTの外にあるCWST値を有する繊維状基材より
もうまく機能するという知見である。
(b)CWST値がグラフト化によって高められた合成繊維
状基材は、熱間圧縮すると、繊維対繊維の優れた結合を
有しそしてこの理由で本発明に使用する予備形成エレメ
ントを作るのに好ましく使用される。
(c)前の章で述べたような非湿潤に関連して血液が時
々凝固すること等の悪影響を避ける。
(d)未変成合成繊維を使用して作った装置は使用前に
食塩水で洗浄することが推奨される。この操作は望まし
くない。これは複雑な配管内でのホールドアップによる
血液の損失を生じ、コスト、操作時間および操作の複雑
性を増し、そして無菌性を失うかもしれない可能性を高
めるからである。予備洗浄の必要性はCWSTを本発明に開
示されている値に高めることにより解消される。
本発明は血液製剤の白血球含量を低下させる装置およ
び方法を提供する。
本発明は、細孔直径が0.5ないし4μm以下でありCWS
Tが53ないし80ダイン/cmである白血球吸着/濾過用繊維
状フィルターからなる新鮮な血液製剤の白血球含量を低
下させる装置である。
本発明はまた、細孔直径が0.5ないし4μm以下であ
りCWSTが55ないし80ダイン/cmである白血球吸着/濾過
用繊維状フィルターからなる新鮮な血液製剤の白血球含
量を低下させる装置をも提供する。
本発明はまた、細孔直径が0.5ないし2μm以下であ
りCWSTが60ないし70ダイン/cmでありそして65ないし84
%の平均空隙容積に熱間圧縮されている白血球吸着/濾
過用繊維状フィルターからなる、新鮮な血液製剤の白血
球含量を低下させる装置をも提供する。
本発明はまた、細孔直径が0.5ないし2μm以下であ
りCWSTが60ないし70ダイン/cmであり、そして65ないし8
4%の平均空隙容積に熱間圧縮されている熔融吹込みポ
リブチレンテレフタレート繊維の白血球吸着/濾過用繊
維状フィルターからなる、新鮮な血液製剤の白血球含量
を低下させる装置をも提供する。
本発明はまた、ゲル用ブレフィルターと、細孔直径が
0.5ないし4μm以下でありCWSTが55ないし80ダイン/cm
である白血球吸着/濾過用繊維状フィルターとからなる
新鮮な血液製剤の白血球含量を低下させる装置をも提供
する。
本発明はまた、ゲル用プレフィルターと、細孔直径が
0.5ないし2μm以下でありCWSTが60ないし70ダイン/cm
であり、そして0.22ないし0.55g/cm3の密度に熱間圧縮
されている熔融吹込みポリブチレンテレフタレート繊維
の白血球吸着/濾過用繊維状フィルターからなる、新鮮
な血液製剤の白血球含量を低下させる装置をも提供す
る。
本発明はまた、細孔直径が0.5ないし4μm以下であ
りCWSTが55ないし80ダイン/cmである白血球吸着/濾過
用多孔質フィルターからなる、新鮮な血液製剤の白血球
含量を低下させる装置をも提供する。
本発明はまた、(a)繊維の直径が20ないし30μmで
ありそして繊維の少なくとも約90%が繊維の長さの少な
くとも一部に対してウェブの平面から離れているニード
ル穿孔繊維状ウェブからなるゲル用プレフィルター; (b)74ないし84%の平均空隙容積に熱間圧縮された繊
維状ウェブからなる微小凝集体用フィルター;および (c)細孔直径が0.5ないし2μmでありCWSTが60ない
し70ダイン/cmであるフィルターであって、65ないし84
%の平均空隙容積に熱間圧縮された白血球吸着/濾過用
繊維状フィルターからなる白血球吸着/濾過用フィルタ
ー; 上記のフィルターに新鮮な血液製剤を順次通すことから
なる、少なくとも100,000のファクターだけ新鮮な血液
製剤の白血球含量を低下させる方法をも提供する。
本発明の装置の重要な利点の一つはフィルターアッセ
ンブリーの始動(すなわち、ハウジングを満たすために
十分なPRCの流れを誘起させる)に関するものであり、
これは最初に思われるよりもより複雑でしかも困難であ
る。
繊維表面のCWSTが低すぎれば、例えば未変成合成繊維
のCWSTであれば、PRCを流すのに比較的高い圧力を必要
とする。より重大なことには、フィルター基材の領域は
湿潤しないままの傾向があり、PRCの流れを防いでしま
う。さらに、特に細かくて表面積の大きい繊維および古
い血液では凝固が起こるかもしれない。
理由は十分には解明されていないが、約90ダイン/cm
以上のCWSTを有するフィルターは、2ないし5分間の範
囲の非常に長い始動時間を要することが観察されてい
る。さらに試行錯誤により、CWSTを未処理ポリエステル
繊維(52ダイン/cm)より幾分高い範囲、例えば約55ダ
イン/cmまたはそれ以上、そして約75または80ダイン/cm
以下、より好ましくは60ないし70ダイン/cmに保持する
ことが望ましいことがわかった。
本発明のフィルターエレメントは細孔寸法が0.5ない
し4μm以下、好ましくは0.5ないし2μmである。こ
れは驚くべきことである。このように細孔寸法はとにか
く通過しなければならない赤血球などの血液成分の寸法
よりもかなり小さいからである。好ましいエレメント
は、平均繊維直径2.6μmの放射線グラフトした熔融吹
込みポリブチレンテレフタレート(PBT)、好ましくは6
0ないし85%より好ましくは65ないし84%の空隙容積に
熱間圧縮されており、細孔直径が0.5ないし2μmのも
のを使用して代表的には作られる。吸着エレメントの繊
維表面は表面グラフトして、好ましくは60ないし70ダイ
ン/cmの範囲、例えば62ないし68ダイン/cmのCWSTを与え
る。ゲル用プレフィルターおよび/または微小凝集体用
プレフィルターにより閉塞から保護してもよい。そして
その機能は、赤血球を自由に通過させつつ、白血球含量
を30,000またはそれ以上のファクター減少させることで
ある。
好ましい装置では、本発明の繊維状フィルター基材の
前に一つないし二つの予備形成エレメントを置く。3種
類エレメントフィルターを使用する場合には、第一のフ
ィルター(ゲル用プレフィルター)の機能はゲルを除去
することであり;第二(微小凝集体用フィルター)は主
として微小凝集体を除去することであり(これは吸着お
よび濾過によりいくらかの白血球をも除去できるが);
および、第三(本発明のフィルター基材)(以下、吸着
/濾過用フィルターともしばしば呼ぶ)は吸着および濾
過により白血球を除去することである。唯一2種類のエ
レメントを使用する場合には、第一のゲル用フィルター
または微小凝集体用フィルターであり、続いて本発明の
吸着/濾過用フィルターであることができる。これら3
種類のエレメントの各々は一つあるいはそれ以上の別々
のまたは一体的な繊維層であることができる。それぞれ
のエレメントはCWST、空隙容積、細孔寸法および層の数
が異なっていてもよい。各々のエレメントは、それぞれ
が複数の層を含む一つあるいは二つ以上の予備成型体か
らなるものでもよい。それぞれの予備成型体は各エレメ
ント内でそれに先行する特性に関して異なっていてもよ
い。
白血球除去の高効率および高容量を達成するのに寄与
しそして装置内での血液の損失を最小にする本発明の重
要かつ新規な好ましい特徴は: (a)以前に開示された装置は流れ通路に直角の断面積
が比較的小さいものを使用しており、そしてそれに対応
して流路の深さが長い。本発明により提供される好まし
い装置は流路に直角の断面積が大きく、そしてそれに対
応して流路の深さが短い。このデザイン上の改良は、通
常は多量のゲルあるいは微小凝集体を含むPRCによる閉
塞を防ぐのに役立つ。
(b)大断面積を経済的で実際的なものとしそして予備
濾過の必要な水準を得るために、本発明で使用されるフ
ィルター構成要素は好ましくは、本発明により提供され
る装置へと集成するまで、全体的にあるいは部分的に、
自給式で他のエレメントとは独立した一体的なエレメン
トを形成するように、集成に先立って念入りに制御され
た寸法と密度のパラメーターに予備成形(以下、予備成
形と表記)される。“一体的なエレメント”とは自身の
一体性を有する単一の完全な構造体であって、前に述べ
たように集成するまで自給式で他の一体的なエレメント
とは独立していることを意味する。
予備形成は、充填繊維系では固有なハウジングの入口
と出口の圧力を不要にする。予備形成により、あるエレ
メント、例えば集成装置の第一段プレフィルター、を多
かれ少なかれ圧縮性のものとしそしてしかも次のフィル
ターよりも密度を低くあるいは高くする。この配列は寿
命を長くするのに役立つ。
予備形成は寿命の長い大断面積白血球除去装置の使用
をより実際的にものにし、これは、集成時にハウジング
に充填した繊維あるいは繊維状ウエブを使用する装置と
比較して、少なくとも等しく通常は良好な白血球除去効
率と少ないホールドアップ量の装置を伴う。
種々の装置が提案されており、幾つかはプレフィルタ
ーとして工業的に作られた種々の織布および不織布の繊
維状基材からなり、不織布繊維状マットからなるより細
かい細孔の最終段階を伴うものであり、すべての基材は
プラスチックハウジング内に充填されたものである。こ
れらの装置は予備形成による効率的な予備濾過を可能に
しておらず、加えて時々閉塞を起こす傾向があり、断面
積が小さすぎる。
(c)採血したばかりの血液は凝集体やゲルを含まない
と思われ、フィルターの閉塞を防ぐための予備濾過は必
要ではないと思われるかもしれないが、本発明者の経験
によれば、採血した直後の血液がPRC1単位あたりの白血
球数が約104以下の濾液を作ることのできるフィルター
を時々閉塞するのであり、この値は約105のファクター
の白血球含量の低下に相当する。
存在し得る異常で変わり得る閉塞因子の組み合わせの
結果を予測することはフィルターの設計者にとってすら
困難であるため、効率的なプレフィルターを組み込むこ
とが望ましい。
本発明はそれゆえに、約30,000以上のファクターの白
血球含量平均低下率を達成する目的に寄与し、採血した
ばかりの血液に由来する1単位のパック状赤血球を通し
てもほとんどあるいは全く閉塞を起こさない効率的で小
容積のゲル用プレフィルター系の任意の使用を提供す
る。
それゆえに、採血したばかりの血液に由来する1単位
のPRCに含まれるゲル含量の少なくとも実質的割合を一
貫して保持するこのような効果的なゲル用プレフィルタ
ーの使用は、本発明の一例の好ましい特徴である。これ
は、閉塞することなく1単位のPRCを一貫して送るとと
もに、内容積が少なく内部ホールドアップによる血液損
失が少ない装置の使用を可能にする。
(d)ゲル用プレフィルターは非常に僅かの圧力降下で
ゲルを除去するのに非常に効率的であり、そしてしばし
ばゲルに懸濁している微小凝集体をも除去するが、含ま
れている微小凝集体のほんの一部を除去するだけであ
る。より小さい微小凝集体の除去は、予備形成された別
の層であってもよいが本発明の好ましい形態においては
吸着/濾過用エレメントと部分的にあるいはすべて一体
的である中間細孔直径のフィルター基材を使用して一
層、二層あるいはそれ以上の層のプレフィルターで行う
ことができる。
(e)エレメントの集成体をシールするハウジングは、
使用の便利性、迅速な始動性および効率的な空気クリア
ランスを達成するように独特に設計され、この最後の要
素はPRCのホールドアップをさらに低下させることにつ
ながる。
(f)エレメントの外側寸法はエレメントを収容するハ
ウジングの対応する内側寸法よりも大きい。例えば、エ
レメントが円盤状であれば、円盤の外径をハウジングの
内径よりも0.1ないし0.5%大きくする。これは、エレメ
ントの有効面積の損失を伴うことなく締め嵌めを形成す
ることによって非常に効果的な密封を与え、そして集成
体の血液ホールドアップ量の最小化にさらに寄与する。
白血球除去装置の構成に使用する材料 繊維以外の種々の出発材料が考慮され;例えば多孔質
基材は樹脂溶液から流延して多孔質膜とすることもで
き、または焼結金属粉末または繊維基材を使用すること
もできる。費用、便利性、柔軟性、製造および制御の容
易性を考慮すると、好ましい出発材料として繊維をあげ
ることができる。
十分に湿潤した繊維状基材でもって、そして血液製剤
の表面張力を低下させるために意図的に添加される表面
活性剤の不存在下で良好な始動性を達成するために、該
当する物理化学の基礎的な考慮をすると一見して、血液
成分装置はCWSTが70ないし75ダイン/cmあるいはそれ以
上の材料から作るべきであると思われる。実際的な考慮
をすると、市販の繊維を使用することが示される。工業
的に繊維を作る合成樹脂はポリフッ化ビニリデン、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、酢酸セルロース、ナイロン
6および66、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、お
よびポリアラミド等である。樹脂の重要な特性は樹脂の
臨界表面張力である(ジスマン、“接触角、湿潤性およ
び付着性”、Adv.Chem.Ser.43、1−51、1964)。これ
らの樹脂は25ないし45ダイン/cmの範囲の臨界表面張力
(γ)を有する。経験によれば、本発明の製品に好ま
しい細孔径のフィルターのCWSTはγより10ダイン/cm
以下高いことが予想される。例えば、ポリテトラフルオ
ロエチレンではγは18でありそしてCWSTは27.5であ
り、ポリエステルPBT繊維状マットではγは45であり
そしてCWSTは52である。約52ダイン/cm以上のCWSTを有
する市販の合成繊維はない。
幾つかの天然繊維のCWSTは52以上であるが、直径が約
15μm以下の天然繊維は一般には市販されていない。繊
維の直径が約5μm以下の合成繊維ウエブは熔融ブロー
法で作ることができ、そして天然繊維と比較して、白血
球の吸着のための等しい表面積を得るためには合成繊維
は3分の1の量を要するのみであり、その結果、与えら
れた細孔直径のフィルターに作るときに少ない体積を占
める。このため天然繊維は適した低ホールドアップ容積
の白血球除去装置を作るには余り適していない。例え
ば、白血球除去のために現在使用されている市販の綿繊
維装置は75ml以上の始動容積を有し、これは本明細書に
記載されている好ましい装置の容積の二倍以上である。
さらに、この装置の製造業者はPRCを通した前後に食塩
水を通す必要があり、そしてこの装置はベッドサイドで
の使用には適していない。加えて、このように処理され
た血液は24時間以内に使用しなければならない。
表面グラフト化法は25年以上にわたり包括的研究の主
題であった。科学文献における多くの刊行物並びに多く
の特許文献はこの方法により表面変成を行う種々の方法
を記載している。このような方法の一つは、親水性(例
えば、−COOHまたは−OH)から疎水性(例えば、−CH2C
H2CH3等の飽和鎖)に変わるように選ぶことのできる第
二の基とともにアクリル基を含むモノマーを使用し、こ
れらは本発明の方法で使用されている。熱、UV、および
他の反応活性化法を使用して反応を開始しそして完了さ
せることができる。しかしながら、コバルト源放射線グ
ラフトは最も好都合に選ばれており、そして繊維状マッ
トのCWSTを変成させるために本発明で使用されている。
試行錯誤的選択により、モノマー混合物あるいは単一の
モノマーは、CWSTが52から前記した方法で測定すること
が可能ないずれの所望の値まで高められたポリブチレン
テレフタレートの繊維状マットを作ることがわかる。上
限値は、室温で約110ダイン/cm以上の表面張力をもって
液体がないことにより定められる。
本発明の開発中に、ヒドロキシル基を組み合わせたア
クリル基等のエチレン性不飽和基を含む化合物(例え
ば、2−ヒドロキシエチルメタクリレートまたはHEMA)
によりグラフトを行う基材を使用して装置を作った。第
二のアクリルモノマー、例えばメチルアクリート(MA)
またはメチルメタクリレート(MMA)、はグラフトした
多孔質ウエブのCWSTを下げる傾向があり、これはHEMAと
組み合わせて使用でき、そして割合を変えることによ
り、35ないし45から110ダイン/cm以上のCWSTを得ること
ができる。
多孔質基材のCWSTより低い表面張力の液体はその基材
を湿潤し、そして基材が貫通孔を有するならば、液体は
容易に基材を流れる。CWSTより高い表面張力の液体は低
い差圧では全く流れず、圧力を十分に高めれば流れる。
液体の表面張力がCWSTよりほんの少し高い場合は、必要
な圧力は小さい。表面張力の差が大きければ、流れを起
こすのに必要な圧力は大きい。
液体の表面張力よりも15ないし20ダイン/cm大きいCWS
Tを有する繊維状マットに加圧下で液体を送ると、流れ
は不均一に起こる傾向があり、マットの面積の幾らかは
濡れていないままであることが見いだされている。これ
は白血球除去装置では非常に不都合である。第一に圧力
降下が大きく早期に閉塞を起こすからである。第二にす
べての流れは利用できる面積のほんの一部を通るだけで
あり、第三に白血球の吸着または白血球の濾過による保
持に利用できる繊維表面積のほんの一部だけがその目的
のために使用されるだけであり、その結果、白血球除去
は効率の低いものとなるからである。
合成繊維の乏しい湿潤性の問題に対する解決策 前記表に掲げた合成樹脂のほとんどあるいはすべて並
びに他の材料の繊維表面特性は、多くの方法により、例
えば湿式酸化および乾式酸化を含めた化学反応により、
ポリマーを付着させることによる表面を被覆することに
より、そして熱、ファンデルグラッフ発電機、紫外線、
または他の種々の放射線(この中でガンマ線が特に有用
である)等のエネルギー源への暴露により活性化される
グラフト反応により、変成できる。
これら種々の方法の一例として、ステンレススチール
繊維を水湿潤性とすることができる、すなわち、約370
℃で空気中で酸化により約72ダイン/cm以上のγを与
えて薄い酸化物表面皮膜を作る。合成の有機繊維および
ガラス繊維は、一端に反応性基(例えば、エポキシド)
を他端に親水性基を含むポリマーで被覆できる。
上記の方法並びに表面変成法に詳しい当業者に既知の
他の方法を使用できるが、適当な条件下で実施するとき
には放射線グラフトは、変成用に利用できる広範囲の反
応体で、そして必要な反応を活性化するのに入手できる
装置内で、変成できる表面の種類に関してかなりの柔軟
性があるという利点を有する。本発明では、50以下から
80ダイン/cm以上のCWSTを有する合成有機繊維状基材を
作る能力ゆえに、ガンマ線グラフトに焦点を当ててい
る。生成物は非常に安定であり、水溶性抽出物の水準が
ゼロあるいはほとんどゼロであり、加えて予備形成され
たプレフィルターにまたは吸着/濾過用エレメントに使
用すると、繊維間の改良された接着が得られる。
白血球低減装置に使用する繊維直径の選択 “白血球除去装置に望ましい特性”の章で述べたよう
に、繊維表面上での白血球の吸着は白血球除去の機構と
して幅広く認められている。繊維の与えられた重量の表
面積は繊維の直径に反比例するので、そして繊維表面へ
の吸着による白血球の除去は白血球を除去する重要な機
構であるので、繊維が細かいほど容量は大きく、そして
所望の効率を達成するのに必要な繊維の重量により求め
られる量は、使用する繊維の直径が小さいほど少なくな
る。
このため、そして繊維が細いほど高い効率と長いフィ
ルター寿命にかなり一般的に寄与するので、白血球の除
去には細かい繊維を使用する傾向がある。歴史的には、
直径の小さい繊維を作るために必要な技術が進歩して来
たので、その後はそのような繊維はハウジングに充填さ
れ及び/または白血球除去に使用することが提案されて
いる。
白血球低下装置に使用する繊維の選択 ポリエステル、ポリアミド、アクリル樹脂を含めた慣
用的に使用されている多くの繊維は放射線グラフトに向
いている。これらはグラフトに必要なレベルでのガンマ
線照射による分解に対して適度の抵抗性があり、そして
利用できるモノマーが反応できる基を含むからである。
ポリプロピレン等の他のものはグラフトによる変成には
あまり適していない。
上記したように、繊維直径は可能なかぎり小さいほう
がよい。慣用の紡糸口金押し出しおよび延伸で作られる
合成繊維は現在では約6μm以下の直径のものはない。
高速気流で熔融樹脂を繊細化して繊維にし、不織布ウ
エブとして集める熔融ブロー法は1960年代および1970年
代に生産に入り、そして年毎にウエブを作る繊維直径の
下限値が広がってきた。最近では3μm以下の繊維直径
のウエブが達成され、より最近では2μm以下の平均繊
維直径の良好な品質のウエブが作られている。
ある種の樹脂は他のものよりも細い繊維の熔融ブロー
にうまく適している。適した樹脂はポリプロピレン、ポ
リメチルペンテン、ポリアミド例えばナイロン6および
ナイロン66、ポリエステルPET(ポリエチレンテレフタ
レート)等が含まれる。まだ試験されていない他の樹脂
もあるかもしれない。これらの樹脂のうち、ポリエステ
ルPETは好ましい材料である。放射線グラフトに向いて
おりそして熱間圧縮による制御された細孔寸法の予備形
成エレメントへの次の転換に向いているからである。
ポリエステルPETは本発明の製品の開発に使用される
主たる樹脂であり、そしてゲル用プレフィルターの一部
を除いて、実施例で使用されている樹脂である。しかし
ながら、繊維化できそして直径1.5μmあるいはそれ以
下の細い繊維のマットあるいはウエブとして収集できる
他の樹脂も見いだすことができ、そして必要により最適
範囲に調整されたCWSTの生成物は効率が等しいがさらに
小さい白血球低減装置にうまく適したものとなり得るこ
とに気付くべきである。同様に、ガラスおよび他の繊維
は、適当に処理すると、非常に少ない血液ホールドアッ
プ量の適した装置となることができる。
除去装置の例の説明 第1〜4図に示すように、例示した除去装置10は主と
してハウジング11と分離エレメントあるいは濾過−吸着
アッセンブリー12とからなる。ハウジング11は入口13と
出口14とがあり、入口13と出口14との間で流体の流路を
規定する。濾過−吸着アッセンブリー12は流体流路を横
切ってハウジング11内に配置されており、ゲル、脂肪
球、凝集体、白血球等の望ましくない物質をハウジング
11を流れるパック状赤血球懸濁液等の流体から分離する
作用する。
ハウジングは種々の形状の濾過−吸着アッセンブリー
を収容できるように設計できる。一つの形状は例えば角
形である。適当な流動面積が得られる限り、これらおよ
び他の可能な形状は原則としてすべて機能するであろ
う。
角形の濾過−吸着アッセンブリーは理論的には材料の
使用をより経済的なものにするが、ディスク形濾過−吸
着アッセンブリーに合うハウジングに対して以下で述べ
る方法で締り嵌めシールを使用するならば、このような
形状はあまり信頼性がないであろう。シーリングが周囲
のエッジ圧縮によって得られるならば、かなりの有効面
積がシール部で失われる。これらの理由で、締め嵌めシ
ールでディスク状濾過−吸着アッセンブリーを集成した
円筒状ハウジングが好ましいが、他の形状も使用でき
る。有効断面積約62cm2の環状ハウジングを本発明の開
発において使用した。
ハウジングは、不透過性熱可塑性材料を含めたいづれ
の不透過性材料からも作ることができる。例えば、ハウ
ジングは好ましくは、アクリル樹脂またはポリカーボネ
ート樹脂等の透明ポリマーから射出成型により作ること
ができる。このようなハウジングは容易にそして経済的
に作られるだけでなく、ハウジングを通る流体の通過を
観察できる。ハウジングは、使用中の通常の酷使、並び
に約3psi(0.2kg/cm2)までの内圧に耐えるように設計
する。これは軽量構造が可能であり。予備形成された濾
過−吸着アッセンブリーの使用により可能となる本発明
の望ましい特徴である。繊維をハウジングに充填するこ
とにより効率的に設計された濾過−吸着アッセンブリー
の繊維を圧縮するのに必要な力は、62cm2のディスクで
は約68キログラム(約1.1kg/cm2)と高く、これは重く
て嵩ばりそして高価格なハウジングの構造となる。
ハウジングは種々の形状に形成し得るが、例示した分
離装置10のハウジング11は好ましくは二つのセクショ
ク、すなわち入口セクション15と出口セクション16に形
成される。入口セクション15は円形の入口プレート20を
含み、円形入口プレート20の内面は、濾過−吸着アッセ
ンブリー12の上流面に向かう壁面21を規定する。
入口13は、壁面21と濾過−吸着アッセンブリー12の上
流面との間の入口プレナム22へ流体を送る。本発明の一
観点により与えられるように、第1図および第2図に示
されているように、入口13はハウジング11の底部または
その付近で流体を入口プレナム22に送る。
入口は種々の形状に形成し得る。しかしながら、例示
した分離装置10の入口13は縦方向入口リッジ23を含む。
入口リッジ23は、ハウジング11の直径軸Aに平行な円形
入口プレート20の外面に沿って伸びており、これは使用
時には直径軸Aをほぼ垂直に向けて配置される。入口リ
ッジ23の上端部は、血液バッグ等の流体含有バッグの底
を突き通すのに使用される中空スパイク24を受けるソケ
ットにしてもよい。入口13はさらに入口流路25を含み、
これは中空スパイク24の上端部で開き、中空スパイク24
の入口リッジ23を通って伸び、そして入口セクション15
の底部で入口プレナム22と連通している。
円形入口プレート20の壁面21は、同心円状溝27を規定
する複数のほぼ同心円状のリッジ26を含む。リッジ26は
濾過−吸着アッセンブリー12の上流面と接する。第2図
に示すように、リッジ26は入口セクション15の下方部で
終わり、流路あるいはアクセス30を規定する。アクセス
30は入口流路25と各々の円形溝27との間で伸びており、
流体を入口流路27から円形溝27へと流す。全体として、
円形溝27とアクセス30は入口プレナム22を定め、これが
入口流路25によって送られる流体を濾過−吸着アッセン
ブリー12の上流面全体にわたって分配する。凝集体およ
び他の大きい障害物が入口通路25と入口プレナム22との
接点あるいはその付近で流れを阻止するのを防ぎ、同時
にハウジング11内のホールドアップ容積を最小にするた
めに、入口プレナム22の深さはハウジング11の底部で最
大であり、そして垂直軸Aに沿って減少しハウジング11
の水平中心線で最小になる。
ハウジング11の出口セクション16は円形出口プレート
31と、円形出口プレート31の周囲から円形入口プレート
20の周囲へと伸びる円筒状カラー32とを含む。円筒状カ
ラー32は好ましくは円形出口プレート31と一体的に形成
されており、そして接着剤あるいは音波溶接等の適当な
方法により円形入口プレート20に接続されている。
円形出口プレート31の内面は、濾過−吸着アッセンブ
リー12の下流面と面する壁面33を定める。壁面33は、同
心円状溝35を定めるほぼ同心円状の複数のリッジ34を含
む。リッジ34は濾過−吸着アッセンブリー12の下流面と
接する。円形溝35は全体として、濾過−吸着アッセンブ
リー12を通る流体を集める出口プレナム36を定める。出
口プレナム36の深さは、流体の流れを不当に制限するこ
となくハウジング11内のホールドアップ容積を最小にす
るために可能な限り短くする。
本発明のもう一つの観点によって与えられるように、
壁面33はさらに、出口セクション16の頂部またはその付
近で出口14と連通するスロット40等の通路を含む。スロ
ット40は各々の円形溝35から流体を集め、そして流体を
出口14に運び、好ましくは垂直軸Aに沿って出口セクシ
ョン16の底部から頂部へと伸びる。例示した分離装置10
では、スロット40の幅は一定であるが、スロット40の深
さは出口プレナム36の深さよりも深く、垂直軸Aに沿っ
て出口セクションの底部から頂部へと大きくなる。別法
として、高さはハウジングの直径よりも低くてもよく、
幅は多様であり、また深さは一定でもよい。例えば、ス
ロットは、ハウジングの内径の約80%の範囲の距離で垂
直軸Aに沿ってハウジングの頂部から伸びていてもよ
い。
出口14は種々の形状で形成できる。しかしながら、例
示した除去装置10の出口14は、垂直軸Aに平行な出口プ
レート31の外面に沿って伸びる縦方向出口リッジ41を含
む。出口リッジ41の下端は配管コネクターとして、ある
いは配管コネクターまたは他の装置を受けるソケットと
してもよい。出口14はさらに出口通路42を含み、これは
ハウジング11の頂部あるいはその付近でスロット40と連
通し、出口リッジ41を通って伸び、そして出口リッジ41
の下端で開放している。
血液が装置へ流れ始めると、底から見たして頂部では
空であり、空気は置換されて出口通路42へとそしてその
外へと流れる。例示した装置の注意深い設計により、す
べての空気がハウジングアッセンブリーの内部から除か
れる前に出口通路42に隣接する領域にいくらかの液体が
到達する状況を低減することは可能であるが、完全に除
去することはできない。スロット40がないと、この遅い
空気の流れはいくらかの赤血球含有懸濁液を出口通路42
へと運ぶであろう。スロット40によりこのように運ばれ
た血液をスロットに流し、ここで空気は液体懸濁液から
無害に分離される。次いで空気はスロット40の上昇流レ
ベルの上の出口14へと無害に上昇し、そして液体のレベ
ルが出口プレナム36と出口通路42の頂部に到達する前に
ほとんど完全に追い出される。こうして本発明によれ
ば、空気は例示した除去装置10のハウジング11から非常
に効率的に排出される。例えば、内径が約8.9cmで、初
期空気量が36ccで、スロットは高さ約8cm、幅約0.73c
m、底部での深さ約0.2cm、頂部での深さ0.33cmの除去装
置では、1ないし2ccの血液が出口を通った後に出口を
通る残存空気量は約0.1cc以下であると推定される。
スロットと流路形状の重要性を理解するために、従来
の白血球除去装置の相当する操作を述べる。
従来の装置では、流体はハウジングの頂部から入って
底部から出る。このような装置のハウジングは代表的に
は、ハウジング上流の血液バッグとハウジング下流の透
明ドリップチャンバーとの間のプラスチック配管によっ
て患者に接続されている。始動中に、ハウジングはドリ
ップチャンバーとともに逆さまにして血液をハウジング
からドリップチャンバーへと送る。これは、いくらかの
圧力水頭が失われ、しかももっと重大なことには1ない
し2ccあるいはそれ以上の多くの空気がハウジングにま
だ捕捉されている間に流体がハウジングの出口に到達し
そしてドリップチャンバーに入ってしまうという欠点が
ある。血液銀行の方法では収集バッグに送られる空気の
量は可能な限り少なくすべきであり、1ないし2ccでも
望ましくないと要求している。
濾過−吸着アッセンブリー12は好ましくは、以下の
“繊維状エレメントの製造”で述べるように、多くの別
々に予備形成された層からなる。開発段階において、上
記した基本的内部形状を含むが、加えて濾過−吸着アッ
センブリーの厚さに関して可変可能なハウジングを試験
のために作った。この方法で、全厚さを変えた濾過−吸
着アッセンブリーの試験が可能になった。各々の場合に
は、入口および出口セクションのリッジ26、34の先端の
距離を濾過−吸着アッセンブリーの見かけ全厚さに等し
くなるように調整した。
ハウジング11内で濾過−吸着アッセンブリー12の締め
嵌めを提供するために、大形予備形成スラブから円筒カ
ラー32の内径よりも0.1ないし0.5%大きい直径に濾過−
吸着エレメントを切り取った。濾過−吸着エレメント
を、その端部で正しい円筒形を維持するように切った。
これは、僅かなオーバーサイズとともに、種々の濾過−
吸着エレメントでできた濾過−吸着アッセンブリー12外
側端部とハウジング11の内面との間で良好なエッジシー
リング、すなわち締め嵌めを与える。
ゲル用プレフィルターエレメントの製造 前記したハウジングに集成したエレメントのうちの第
一のエレメントをゲル用プレフィルターと言う。PRC試
料の一部には濾過基材を閉塞し得るゲル、脂肪球または
微小凝集体を含む。ゲルは、これが懸濁している血漿と
相が異なりそして血漿と不混和性である。フィルターの
閉塞に対処する当業界の方法は上流層の細孔の開口を連
続的にあるいは比較的小さい段階で広げることである
が、この方法は本発明の装置に適用するには非効率的で
ある。かなりの数の段階的細孔寸法の層を必要とし、そ
してこのような層は比較的大容量を占める傾向があり、
そしてこのため過剰の血液を装置内に保持するからであ
る。通常の方法は連続的にあるいは比較的少ない段階で
均一に変化する細孔寸法を必要とするが、本発明の好ま
しい製品の細孔直径は、ゲル用プレフィルター(第一エ
レメント)からすぐ隣の微小凝集体用フィルター(第二
エレメント)への移行に際して約10倍突然に変化し、そ
れによりフィルターエレメントの全容積のかなりの低下
をもたらす。
ステープル繊維を使用してニードル穿孔ウエブは作ら
れ、合成繊維用には通常はフィラメントを通常は3ない
し6cmの長さに切断しあるいは切り裂くことにより連続
フィラメントから誘導される。これらのまっすぐな長さ
のものを空気中に懸垂した後に移動ベルトに乗せ、そし
て繊維を往復している多数の鋭い針にかませる。
繊維は、不規則なループ、円および渦巻きの形状を種
々の他の不規則な形状で点在させたものをとりうる。ま
っすぐな領域は殆ど無く、そして10ミリメートル以上の
まっすぐな領域はさらに少ない。はっきりした特徴は、
繊維の少なくとも約90%は繊維長さの少なくとも一部に
対しては、他の不織布を特徴付ける平面構造体から離れ
ていることである。すなわち、ニードル穿孔基材の繊維
のかなりの割合はウエブの平面に対して平行ではない。
試験後の顕微鏡試験で分かるように、ゲルはこの種のウ
エブに容易に浸透するようであるが、ウエブ内に効果的
に保持されるようである。
ニードル穿孔ウエブの構造は、繊維がウエブの平面に
対してほとんど平行である熔融ブローウエブ等の不織布
と対比すると、繊維の向きに関して非常に対照的であ
る。
ニードル穿孔ウエブは一般には作ったままではゲル除
去用には厚く、最適な使用のために、制御された薄い厚
さへと熱間圧縮される。このように作られた布はゲルの
保持に特に有効であることが見いだされた。さらに、こ
のような布は捕集したゲルでほとんど満たすことがで
き、しかも血液を装置の下流に自由に流す。
ゲル用プレフィルターは濾過によっては微小凝集体を
直接には回収しないが、プレフィルターが保持するゲル
は微小凝集体を含み、そしてゲルとともに効率的に保持
される。
本発明の実施例で使用されている“タイプA"ゲル用プ
レフィルターは、平均直径約23μmのポリエステルPET
繊維を使用してポリエチレンイソテレフタレートにより
接着して作ったニードル穿孔ウエブからなる。公称重量
は約0.008g/cm2である。リン酸三ナトリウムの加熱溶液
と洗剤を使用して繊維潤滑剤を除去し、次いで使用前に
ウエブを十分に洗浄しそして乾燥する。
上記したウエブと同じニードル穿孔ウエブは、米国特
許第4,925,572号(1988年10月19日付米国特許願第07/25
9,773号)のゲル用プレフィルターの構成要素の一つに
使用された。ゲルおよび微小凝集体が比較的少ない採血
されたままの血液に由来するPRCでの使用では、同じプ
レフィルターが使用されたが、以下で述べるように圧縮
して厚さを薄くしたものであった。
本発明の装置で使用できる他のゲル用プレフィルター
は熔融ブロー繊維状ウエブを含む。ゲル用プレフィルタ
ーの繊維は代表的には10ないし30μm、好ましくは約20
μmの直径のものである。
好ましい微小凝集体用フィルターの製造 米国特許第4,925,572号(1988年10月19日付米国特許
願第07/259,773号)では、3層のプレフィルターが記載
されている。新鮮なPRCの使用では、より少ないプレフ
ィルター層を使用でき、閉塞の危険がほとんどまたは全
くなく何も使用する必要がない。本発明で提供される実
施例の中では、微小凝集体用フィルターとして、繊維直
径3.2μmのウエブの6.5mg/cm2層とそれに続く繊維直径
2.9μmのウエブの6.9kg/cm2層とを使用した。これらは
74ないし84%の空隙容積に圧縮される。これら両層の繊
維を表面グラフトして60ないし70ダイン/cmの範囲のCWS
Tを与える。
吸着/濾過用エレメントの製造 ゲル用プレフィルターおよび微小凝集体用フィルター
ではほんの僅かの白血球が除去される。白血球除去に本
来寄与するものは吸着/濾過用エレメントであり、これ
は好ましくは、比較的細い繊維直径の熔融ブローウエブ
の多数の同じ層の加熱圧縮予備成型体一つあるいはそれ
以上からなる。
エレメントの予備形成と集成 本発明の好ましいフィルターでは、上記のエレメント
への流れはエレメントを記述している順序、すなわちゲ
ル用プレフィルター、微小凝集体用フィルター次いで吸
着/濾過用エレメントである。ゲル用プレフィルターは
好ましくは約2ないし4層からなり、微小凝集体用フィ
ルターは好ましくは1ないし4層からなり、そして吸着
/濾過用エレメントは一般的には1ないしそれ以上の予
備形成体からなり、各々は多数の層からなる。より好ま
しい例では、吸着/濾過用エレメントは二組みのマルチ
層からなり、各々は異なる空隙容積からなる。熔融ブロ
ー法では必要とされる重量、厚さ、繊維直径および均一
性の単一層を作るのが困難なために、マルチ層は吸着/
濾過用エレメントには好ましい。
これらの多層は上記した順序で個々の予備形成層を集
成したものとして使用できるが、これらを部分的に集成
して作ることがときにはより好都合である。ゲル用プレ
フィルターの一つの好ましい形態においては、2層のニ
ードル穿孔基材と熔融ブロー基材の一つとを一緒に熱間
圧縮して一つの予備形成体とし、一方、外の2またはそ
れ以上の予備圧縮層の熔融ブローウエブを別の層として
使用する。
上記でそして実施例でのべる値は本発明の目的に合致
するが、限界値の範囲内で変わり得る。いずれの特定の
数値が十分に等しい製品を作るかを求めるためには、試
験が必要である。こうして、正確な材料、繊維直径、重
量、密度、厚さおよび層の数は幾分多様であり、同等な
あるいはより良好な結果を達成するが、本明細書に開示
されているものは本発明の目的に合致する装置の設計へ
の案内として意図するのであり、このような変形例でな
される装置は本発明の範囲内であることを理解すべきで
ある。
ゲル用プレフィルターを除いて、すべてのエレメント
を好ましくは表面処理してCWSTを約55ダイン/cm以上、
しかし75ないし80ダイン/cmを越えず、より好ましくは6
0ないし70ダイン/cmにする。
CWSTを5ダイン/cmまたはそれ以上高めるために表面
変成されている熔融ブロー繊維状マットを使用して作っ
た熱間圧縮エレメント予備形成体は、熱間圧縮とそれに
続く放射線グラフトにより作られたデイスクと比較し
て、摩耗に対する堅牢性と抵抗性に関して明らかに良好
である。このため熱間圧縮前のグラフトは好ましい;し
かしながら、熱間圧縮とそれに続くグラフトによって丈
夫なエレメントを作ることができる。
本発明の実施例は熱間圧縮を使用して予備濾過、ゲル
除去および吸着を提供すべく一緒に組み合わせた一体的
エレメントを形成しているが、樹脂接着等の他の手段で
一体的エレメントを形成することも適しており、この方
法あるいは他の同様の方法を利用する装置は本発明の範
囲内である。これらの装置の第一層の外は熔融ブロー繊
維は使用に好ましい。より細い熔融ブロー繊維または他
の細い繊維、例えば直径の大きい繊維の機械的微小繊維
化により作られる繊維は将来入手できるならば、白血球
低下にエレメントとしてそのような繊維を使用すること
は本発明の範囲内である。
予備形成エレメントをハウジング内へのエッジシーリン
グ ハウジングはほぼデイスク状のものが好ましく、より
厳密に述べるならば、部分的に正円筒形のものである。
予備形成エレメントはまた、ハウジングの内径よりも直
径が0.1ないし0.5%大きい正円筒状のものに作る。集成
すると、使用中に検知し得るほどのバイパスがない良好
なシールが得られる。
良好なシールを得るために、円形エレメントは真正な
円筒状でなければならない。その形状は、エレメントを
円形に切ることのできるすべての手段で達成できるわけ
ではない;例えば、スチールルールダイを使用して円形
に押し出す自明な手段は、許容できる外側シールを提供
しない。代わりに、切断エッジ部で真正な円筒を形を得
る手段を使用してデイスクを最終直径に切断しなければ
ならない。これは、本発明の実施において必要な直径の
円形ナイフの構成により達成されており、このナイフ
は、デイスクを切り取る予備圧縮スラブの内面と外面と
を同じ場所で優しくしかししっかりと保持しつつ真正な
円筒形に切るように回転する。
円形ハウジングは、収集PRCを含むバッグをフィルタ
ーに無菌的に取り付け、次にPRC含有バッグに圧力を加
えてPRCをフィルターから第二の収集バッグに送る手法
に適しているかもしれない。
別法では、フィルターと第二のPRC収集バッグとを、
血液収集バッグを供血者に取り付ける前に血液収集バッ
グの一部として提供する。この方法を使用すると、血液
は第一収集バッグに採血され、そのバッグはフィルター
および予備バッグとともに遠心バケットに入れ、続いて
集成体を回転させてPRCを作る。この方法の使用では、
経済性の理由でできるだけ小さいバケットを使用するこ
とが望ましい。これを可能にするためには、フィルター
は円形以外の形状、例えば角形であることが好ましいか
もしれない。角形フィルターは、その外側エッジで角形
ハウジングへと絞め嵌めによりシールできるが、それに
加えてあるいは別法として、周囲圧縮シールを備えるこ
とが好ましいかもしれない。
エレメントのCWST ゲル用プレフィルター(第一)エレメントは低いCWST
を有していても支障はなく、むしろそのような条件の方
がうまく機能するであろう。十分なPRCを装置に送って
閉塞あるいは閉塞に近い状態を起こし、次いで解体し、
検査しそして個々の層の圧力降下を試験する試験結果
は、この層のCWSTを高めることによってはどんな改良も
得ることができないことを示している。微小凝集体用フ
ィルターエレメントおよび吸着/濾過用エレメントは好
ましくはCWSTを55ないし80ダイン/cmに、より好ましく
は60ないし70ダイン/cmに、更により好ましくは62ない
し68ダイン/cmに変成する。
赤血球の回収 バッグの血液のヘマトクリット値を本発明の装置から
の流出液と比較したが、ヘマトクリットの重大な変化は
検知されなかった。
流入する血液あるいはPRCのいくらかは除去装置内の
ホールドアップのために失われる。この損失は血液ホー
ルドアップ容積として示される。
物理的特徴による多孔質基材の特性判定 細孔径を予測する式は提案されている。これらの式は
典型的には例えばBET試験によって求められる繊維直
径;嵩(見かけ)密度;および繊維密度を使用する。例
えばある式は繊維間の平均距離を計算する。しかしなが
ら、繊維間の平均距離は性能を予測する意味あるもので
はない。どんな液体の流れでも性能を制御するのは遭遇
する最大の細孔であり、そしてこれは白血球等の変形性
“粒子”では特に正しいからである。熔融ブローにより
作られるもの等の繊維状マットでは、繊維をランダムに
重ね合わせ、細孔径分布は極めて広い。繊維状マットを
形成する他の手段、例えばエアーレイイングまたはフー
ドリニアースクリーン上での形成、はまた幅広い細孔径
分布をもたらす。このような状況において、繊維間の平
均距離は明らかに性能の乏しい予想因子である。繊維直
径、繊維密度、および嵩密度のデータから細孔直径を計
算する種々の他の式が提案されているが、本発明者は、
液体の使用に対してフィルターの効果的な細孔直径を今
までに計算するのに有用と証明されているどんな式も知
らない。
例えばガス吸着による繊維表面積の測定−“BET"測定
としばしば呼ばれるが−は有用な方法である。表面積
は、吸着により白血球を除去するのに利用できる繊維表
面の程度の直接的指標だからである。加えて、熔融ブロ
ーPBTウエブの表面積を使用して繊維直径を計算でき
る。PBTを使用すると、例えば密度1.38g/ccでは:1グラ
ム当たりの繊維の全容積=1/1.38cc、この容積は繊維の
断面積にその長さを乗じたものに等しく、それゆえに、 πd2L/4=1/1.38 (1) 繊維の表面積は、 πdL=Af (2) (1)を(2)で割ると d/4=1/1.38Af そしてd=4/1.38Af=2.9/Afまたは(0.345Af-1 式中、L=1グラムあたりの繊維の全長 d=平均繊維直径(センチメートル) Af=繊維表面積cm2/g dの単位がμmであれば、Afの単位は平方メートル/
グラム(M2/g)となり、これを以下で使用する。PBT以
外の繊維では、その密度をPBTの密度と置換する。
多孔質基材をうまく複製するためにこれを記述するの
に必要な第二の特性はその細孔直径(Dp)である。この
目的で本発明者は変形OSU−F2試験を使用している。こ
の試験およびその使用方法を以下の章で述べる。
多孔質基材を述べる他の特性はグラム/立法センチメ
ートル(g/cc)で表される見かけ(嵩)密度(ρ)、繊
維密度(同じくg/cc)、センチメートル(cm)で示され
る基材のエレメントの厚さ(t)、平方センチメートル
で表される濾過エレメントを通る流れに利用できる断面
積(すべての実施例では62cm2)、およびダイン/cmで表
されるCWSTである。これらのパラメーターを定めること
により、白血球除去に使用するときの予想できる挙動の
フィルターまたは濾過−吸着エレメントを規定する。
本発明の装置を使用した血液処理 現在の血液銀行の方法では、血小板濃縮物を回収する
ことが望ましい場合には、その操作方法は: a.静脈に刺し、そして凝固防止剤をあらかじめ入れた無
菌収集バッグに約400ないし約450ml採血する。この収集
バッグは配管によりT継手を経て他の二つのバッグに接
続されており、これら二つのバッグはそれぞれ血小板バ
ッグおよび血漿バッグと呼ぶ。
b.次いで収集バッグ遠心機に入れそして2000G(すなわ
ち、重力の2000倍)を生じる条件で約3分間回転させ
て、その間に赤血球を濃縮し、PRCをバッグの底部に形
成する。
c.次いで収集バッグを、“イクスプレッサー”と呼ぶが
一般には“血漿抽出器”と呼ぶ装置に入れる。イクスプ
レッサーはバッグを圧搾して7.03×102ないし1.05×103
kg/cm2(1ないし1.5psi)の内圧を生じる。オペレータ
ーはバッグの頂部のバルブを開け、血漿とほとんどの血
小板を含む上澄液を血小板バルブに傾瀉させ、収集バッ
グには170ないし250mlのPRCを残す。白血球含量を低下
させるために本発明のフィルターにより別の工程で処理
されるのがこのPRCである。
d.一般に実施されている血液処理における残りの工程は
血漿の調製または血小板濃縮液と血漿の調製である。こ
れらについては本発明に関係ないので記載しない。
別のタイプの方法では、例えばアドソルまたはSAG−
Mと呼ばれるもの、工程1、2および3の方法は似てい
るが、より苛酷な(より高いG)回転を使用してもよ
く、そしてイクスプレッサーで上澄液を傾瀉した後に、
塩水と凝固防止剤とを含む生理的溶液に赤血球を再懸濁
させ、PRCを形成する。
本発明の実施において、これらおよび同様の方法で作
られた収集PRCを次の工程として本発明のフィルターに
送る。これは、フィルターと第二の収集バッグがPRCバ
ッグに無菌的に取り付けられた別の工程で行ってもよ
い。そして、PRCを、例えば約0.4Kg/cm2の圧力を生じさ
せる圧力カフスによってフィルターを通って第二の収集
バッグに入れる。別法として、供血者から採血する前に
全血収集バッグの下端にフィルターと第二の収集バッグ
を取り付けてもよく;次いで、血液収集バッグの上澄液
を遠心分離と傾瀉により取り除いた後に、そしてバッグ
がまだイクスプレッサーにあるうちに、イクスプレッサ
ーにより与えられる圧力を使用してPRCを第二の収集バ
ッグに移す。
実施例 全ての試験は、ヒト供血者から採血し、米国血液銀行
協会の基準に従ってアドソルあるいはCPDA−1凝結防止
剤を6時間以内に使用して1単位のPRCを与えるべく処
理した血液を使用した。PRCのヘマクリットを記録しそ
して二三の例外があったが70ないし80%の範囲内であ
り、一方、アドソル処理した血液のヘマクリットは一般
には55ないし65%の範囲内であった。処理前のPRCの白
血球含量は1マイクロリットル(μL)あたり3500ない
し17,000の範囲内であった。
始動時間は試験用ハウジングを流体で満たすに必要な
時間として定義する。
バッグ(すなわち、流入液)の白血球数はモデルZMコ
ールターカウンターを使用して求めた。白血球数は1マ
イクロリットル(μL)あたりの数として示す。従来の
遠心分離法を使用してヘマクリットを求めた。
自動計測器は全血および通常のPRCの通常の白血球含
量の範囲で操作するように設計されているので、白血球
を除去したフィルター流出液に自動計測器を使用すると
不正確な結果を与える。こうして、自動計測器の通常の
操作範囲は、本実施例で得られるレベルの103ないし107
倍である;その結果、このような低い水準での自動計測
器のデータは全く役立たない。
本発明の非常に低い水準に白血球を低下させる程度、
すなわち、105ないし107(99.999ないし99.9999%の効
果)のファクター白血球数の減少、を調べる方法はつい
最近になって得られた。その方法は、米国赤十字社(AR
C)の研究所でポール社との共同ブロジェクトで開発さ
れた。ポール社は必要な高効率フィルターを提供し、AR
Cは分析法を開発した。次いでポール社の血液研究所で
日常的に実施されているこの分析法を以下に記述する。
慣用の流動電位装置を使用してゼータ電位を求めた。
本実施例に使用したエレメントは正円形のデイスク
で、集成時には直径約88.9mmであった。総厚さtcmの積
層したエレメントを前記のとおりにハウジングに集成し
た。第1図に示すように、二つのプレナムの面の間、入
口プレート20のリッジ26の先端と出口プレート31のリッ
ジ34の先端との間、は約tcmのクリアランスであった。
血液バッグに刺した後に、この章の前半で述べた方法で
白血球数を求めた。
吸着による赤血球の損失は、特記しない限り、少なす
ぎて検知できなかった。本発明の実施例では、フィルタ
ーハウジング内のホールドアップによる損失は約30cm3
のPRCであった。
フィルター基材の細孔直径は変形OSU F2法を使用し
て求め、同伴した粒子の約99.9%が除去された時点での
硬い粒子の直径として示す。細孔寸法の測定を行うのに
使用したF2試験は、オクラホマ州立大学(OSU)で1970
年代に開発されたF2試験の変形法である。OSU試験で
は、適当な試験流体中に懸濁させた人工汚染物懸濁液を
試験フィルターに通し、一方試験中にフィルターの上流
および下流の流体を連続的にサンプリングする。自動粒
子計測器により試料を分析して5種類あるいはそれ以上
のあらかじめ選んだ粒子直径の粒子数を求め、上流の数
と下流の数との比を自動的に記録する。この比はフィル
ター業界ではベータ比として知られている。
試験した5種類あるいはそれ以上の直径の各々につい
てベータ比を縦軸にとり、粒子直径を横軸にとってプロ
ットする。ここで、通常は縦軸は対数スケールであり、
横軸はlog2スケールのグラフである。次いで各点の間で
滑らかな曲線を引く。次いで試験した範囲内でいづれの
直径に対してもベータ比をこの曲線から読み取ることが
できる。特定の粒子直径の効率をベータ比から以下の式
によって計算する: 効率(%)=100(1−1/ベータ) 例えば、ベータ=1000の場合、効率=99.9%である。
本明細書の実施例で引用した除去等級は、ベータ=1,00
0における粒子直径であり、それゆえに、引用した除去
等級における効率は99.9%である。
変形F2試験では、試験用汚染粒子としてAC微細試験ダ
スト、ACスパークプラグ社の天然シリカダスト、の水性
懸濁液を使用して1ないし20−25μmの範囲の粒子の効
率を求めた。使用前に、このダストの水性懸濁液を安定
になるまで3週間激しく混合した。細孔径特性の測定に
使用する前に、懸濁液を本発明のゲル用プレフィルター
の一つに通し、それによりフィルター表面に集まって流
れを阻止するかもしれない粒径過大の粒子を除去した。
以下の表に示すとおりに、1μm以下の細孔直径を外挿
により求めた:1μmでのベータ値 細孔直径(μm) 1000−2000 1 1200−1800 0.9 1800−2500 0.8 2500−4000 0.7 試験流量はフィルター面積1平方フィートあたり1分
間あたり100リットルであった。報告されてる各細孔寸
法測定値は4回の試験の平均である。
実施例で使用したニードル穿孔ウエブは繊維潤滑剤を
除去するために洗い、次いで乾燥した。
予備形成体の厚さは7.7cm直径の金敷きを使用して4.3
g/cm2の圧力を加えて測定した。
特記しない限り、実施例で使用した全てのエレメント
は直径88.9mmの正円形デイスクを集成したものであっ
た。複合デイスクのサブセクションの性質を血液を流し
た順序で掲げる。
ゲル用プレフィルタータイプAは3層からなってい
た。上部2層は23μm平均繊維直径PETニードル穿孔ウ
エブの8±mg/cm2のものであり、第三の最終層は7.7mg/
cm2の20μm平均繊維直径のPBT熔融ブローウエブであっ
た。3層のうちの第一層を、ウエブを165ないし170℃に
加熱するために炉内で一対の移動ベルトの間にウエブを
送り、そしてカレンダーロールに送ることにより、加熱
カレンダー加工して約0.89cmの厚さにした。第二層およ
び第三層は集成して加熱カレンダー加工して約0.1cmの
厚さにした。上記のすべてを次いで一緒にカレンダー加
工して厚さ約0.13cmにした。得られたゲル用プレフィル
ターは、おおよその密度がそれぞれ0.14、0.19および0.
32g/cm2の一体的3層からなり、最終層の細孔直径は20
ないし30μmであった。
ゲル用プレフィルタータイプBは約20μmの直径の繊
維の熔融ブローウエブの隣接する4層からなり、各々の
層は上記の通りに別々に加熱カレンダー加工して以下に
示す特性を得た: タイプBプレフィルターの別々に測定した層の厚さを
足すと約0.1cmになるが、4層を互いに積み重ねたとき
の全厚さは約0.08cmであった。最終層の細孔直径は20な
いし30μmであった。
表面変成していないPBT繊維を使用してタイプBのゲ
ル用プレフィルターすべてを作った。
開発法は、第一に実験室法(L)を使用して加熱圧縮
を行い、後に製造法(P)を使用して同じ目的を達成し
た。L法では、必要な微小凝集体用フィルターと吸着用
フィルターの層を集成してスタックにし、そして全体を
テフロン(登録商標)裏打ちしたアルミニウム合金板の
間に165℃で約40秒間圧縮した。P法では、同様のスタ
ックを165ないし170℃に加熱したテフロン(登録商標)
被覆した二枚の移動ベルトの間に約30秒間送り、次いで
一対のカレンダーロールに通して所望の密度あるいは厚
さを得た。
“フィコル(Ficoll)”法、あるいは以下では“ARC"
法とも言う方法を用いてフィルター流出液を分析して白
血球含量を求めた。この方法では白血球を濃縮液の形態
で分離し、これは含まれるすべての白血球の高い割合を
直接計数する。この方法は米国赤十字社で開発された。
この開発以前には、本発明の装置を使用して得られる非
常に低い水準の白血球、PRC1単位あたり102ないし105
を計数することのできる分析法はなかった。フィコル分
析を以下に記載する。
1.0 目的 1.1この試験方法を用いて濾過したパック状赤血球から
白血球を分離しそして白血球除去フィルターの対数効率
を求める。
2.0材料および装置 − 新鮮なPRCまたは全血1単位 − キャップ付きの5mL使い捨てポリプロピレン製試験
チューブ − 600mLトランスファーバッグ − フィルター − 加圧器 − ヘマスタットクランプ − 500mL目盛り付きシリンダー − フィコル溶液(4.1参照) − 60mL使い捨てポリプロピレンシュリンジ − 血漿抽出器 − ソバールRC−3C汎用冷凍遠心機 − 血液銀行用ピペット − 真空吸引機 − 1%修酸アンモニウム溶液(4.3参照) − アリコートミキサー − ノイバウアーヘマサイトミター − 無色のヘマトクリットチューブ − 相対照の20倍及び40倍対物レンズを備えた蛍光顕微
鏡 − 250mL使い捨てポリプロピレン遠心音 − 15mL使い捨てポリプロピレン遠心管 − 血液学的制御:通常のレベルおよび低い以上レベル
−カウンターチェック(登録商標)、ダイアグノステイ
ック社 − アクリダインオレンジ(蛍光ステイン(4.4参照) 3.0 方法 3.1 PRC単位を混合しそして流入液の白血球を計測する
のに使用するため試料を5mLのチューブに採取する。
3.2 あらかじめ秤量した600mLトランスファーバッグを
フィルター出口に、フィルター入口を血液バッグに接続
する。
3.3 300mmHgに設定した加圧器を使用してPRCでフィル
ターを始動する。
3.4 流れ始めたら、その後の濾過は200mmHgに圧力を下
げる。
3.5 濾過が終了したら、加圧を止め、収集バッグをク
ランプしそしてフィルターからバッグを取り除く。
3.6 収集バッグを秤量し、空のバッグ重量を引き、そ
して1.08(PRCの密度)で割ることにより流出液の容積
を求める。この容積を記録する。
3.7 過剰分を捨てるかあるいは塩水を加えて容積を300
mLに調整する。
3.8 目盛り付きシリンダーで300ccのフィコル溶液を計
量し、そしてそれを、トランスファーバッグのチューブ
に取り付けた60mLシリンダを使用して収集バッグに加え
る。
3.9 フィコル−血液溶液を激しく攪拌し、そしてバッ
グを血漿抽出器に入れる。
3.10配管を締めて固定しそしてシリンジを取り除く。
3.11抽出器のクランプをはめそして血液を30分間放置す
る。
3.12ヘマスタットクランプを開くことにより上層を250m
L遠心チューブに入れる。最大量のフィコルを入れてい
るときは界面を乱してはならない。
3.13抽出器クランプを外し、そして十分な量のフィコル
を使用して工程3.8を繰り返して600mLのバッグを満た
し、次いで3.9、3.10、3.11および3.12を繰り返す。
3.14ソバール(登録商標)遠心分離機で室温で15分間77
5gでチューブを遠心分離する。
3.15回転が止まってから、真空フラスコに取り付けた血
液銀行ピペットを使用して赤色ペレットから上澄み液を
取り出して捨てる。
3.16修酸アンモニウム1%の250mLでペレットを再懸濁
させる。
3.17懸濁液をアリコートミキサーで10分間混合して赤血
球をライズ(lyse)する。
3.18室温で10分間432gでチューブを遠心分離しそして前
のとおりに上澄み液を捨てる。
3.19血液銀行ピペットを使用して2−3mLの修酸アンモ
ニウムでペレットを再懸濁させてペレットを混合用に並
べる。この懸濁液を15mLのポリプロピレン遠心管に移し
て1血液単位からのすべてのペレットを一緒にする。
3.20修酸アンモニウム1%の溶液でチューブを15mLのマ
ークまで満たし、混合しそして10分間放置する。
3.21遠心分離機で室温で10分間775gで15mLチューブを回
転させる。
3.22 15mLチューブの0.5mLラインまで上澄み液を傾瀉
する。ピペッターでペレットを注意深く再懸濁させる。
0.05mLのアクリダインオレンジステインを懸濁液に加
え、チューブ重量を秤量および記録して懸濁液の最終容
積を求める。
3.23白血球の計測:すべての計測は手動で行う。
3.23.1対照液の計測: 3.23.1.1対照液の計測は、各対照液の1%修酸アンモニ
ウム中の1:100希釈液を作って毎日行った。
3.23.1.1.1可変型ピペッターを使用して対照液0.01mLを
1%修酸アンモニウム溶液0.99mLに加える。よく混合し
そして希釈液を少なくとも10分間放置して赤血球をライ
ズし、次いで0.05mLのアクリダインオレンジを加える。
3.23.1.1.2無色毛細管を使用してヘマシトミターの各側
面を、チャンバーに入れ過ぎたりあるいは不足したりし
ないように注意して満たす。
3.23.1.1.3ヘマシトミターを湿った雰囲気中で10分間放
置する(ペトリ皿の底半分に湿った濾紙でペトリ皿を覆
う)。
3.23.1.1.4相対照UV顕微鏡を使用して、ヘマシトミター
の両側面にある9個の大形ますの白血球数を計数する。
3.23.1.1.5ヘマシトミターの各面(各々9ます)からの
計数を記録する。
3.23.1.1.6μLあたりの白血球数を求めるために、以下
の式を使用する。
白血球数/μL=計測した総血球数/計測したますの総
数×希釈率×10 (18個の大形ますを計数する場合には、計測した血球の
総数×56=血球数/μL) 3.23.2流入液の白血球数 3.23.2.1流入液の白血球数は対照液の計測と同じ方法で
行うが、ただし36個の大形ます(二つのヘマシトミタ
ー)を計数する。
3.23.2.2白血球数/μLを計算するために、上記の式を
使用する。36個の大形ますを計数する場合には、総血球
数×28=血球数/μL。
3.23.2.3白血球数/μL×1000は白血球数/mLに等し
い。
3.23.2.4白血球数/mLに流出液の容積を乗じて予備濾過
試料中の総白血球数を求める(注意:この計算では流入
液の容積ではなく流出液の容積を使用する。対数減少率
は容積/容積の直接的比較であるから、ホールドアップ
容積を考慮しないからである)。
3.23.3.流出液の白血球数 3.23.3.1流出液の白血球数は、工程3.24からの未希釈最
終修酸アンモニウム懸濁液を使用して行う。
3.23.3.1.1ヘマシトミターを満たしそして前のとおりに
計数する。
3.23.3.1.2ヘマシトミターの両面で計数した血球数が30
以下である場合には、30個の血球数または5つのヘマシ
トミターを計数するまでヘマシトミターの計数を続け
る。
3.23.3.2濾過後の試料の総白血球数を以下の通りに求め
る: 3.23.3.2.1流出液の容積を最終懸濁液の容積で割って濃
度を求める。
3.23.3.2.2以下の式を使用して白血球数/μLを求め
る。
白血球数/μL=計数した総血球数/計数した総ます数
×1/濃度×10 3.23.3.2.3白血球数/μLは白血球数/mLに等しい。
3.23.3.2.4白血球数/mLに流出液の容積を乗じて濾過後
の試料の白血球数を得る。
3.23.3.2.5フィコル法は白血球の公称収率53%を与え
る。こうして、上記工程からの数値を0.53で割って濾過
後の試料の総白血球数を求める。
3.24濾過前の試料の総白血球数を濾過後の試料の総白血
球数で割りそして得られた値の対数をとることにより対
数減少率を求める。
4.0補足的な情報 4.1フィコルの処方: 100.0gフィコル*400DL 20.0gウシ血清アルブミン 2000.0mLストックEBSS(以下参照) 上記成分を2L容積のフラスコ内で混合する。1.2μm
のフィルターデイスクで次いで0.45μmのデイスクで溶
液を濾過する。4℃で貯蔵する。*フィコル400DLは分
子量がおおよそ400,000の蔗糖を透析し親水性化した合
成ポリマーであり、シグマケミカル社から市販されてい
る。
4.2ストックEBSSの処方 200.0mLのアールのバランス塩溶液(10×) 1800.0mLの脱イオン水 40.0mLのヘペス緩衝溶液 上記成分を混ぜそして4℃で貯蔵する。
使用前に室温まで暖める。
4.3修酸アンモニウムの処方: 10.0gの修酸アンモニウム 0.10gのチメロザル(thimerosal)0.43gのKH2PO4 0.57gのNa2HPO4 上記成分を1L容積のフラスコで混合しそして脱イオン
水で1Lまで希釈する。pHを調べ必要なら6.8に調整す
る。4℃で貯蔵する。使用前に室温まで暖める。
4.4アクリダインオレンジステインの処方: 4.4.1ストックアクリダインオレンジ(1000×溶液): −6.69mgアクリダインオレンジ/DI水ml −暗所で2−5℃で貯蔵 4.4.2アクリダインオレンジの使用 −ストックアクリダインオレンジをストックEBSSで希釈
する(4.2参照)。
−2−5℃の暗社で貯蔵すれば一カ月は良好。
上記の分析方法では、濾過したPRCに実際に含まれる
白血球の公称回収効率53%である。数値53%の精度は約
+15ないし−25%である;しかしながら、一回の試験を
行うときにはこれらの偏差により計算される対数減少率
はほんの僅か影響を受け、そして試験する各々のフィル
ターで4回あるいはそれ以上試験することにより精度は
高まる。
ARC分析法を用いて本発明の装置で得られる白血球除
去効率を幾つかの別の方法で述べることができる。例え
ば、総濾液中に103個の白血球を含む1単位のPRCと、濾
過前に等しい容積のPRCに含まれる白血球数109個の値を
使用すると、流出液の含量/流入液の含量の比は103/10
9=10-6であり、そして白血球除去効率は以下のように
示すことができる: (a)100(1−10-6)=99.9999% または、 (b)白血球含量は百万(1/10-6=106)のファクター
減少した。
または、 (c)対数減少率=−6 好都合の方法は用語“対数減少率”を用いそして負記
号を省略することである。負は用語“減少率”によって
暗示されているからである。この用語は広範囲に使用さ
れており、以下で効率を示すときはこれを使用する。
実施例1−6では、ポール社の職員により発明者の研
究所で作られた予備形成フィルターエレメントを用いそ
してARCからの情報なしで本発明者により考えそして開
発した材料及び方法を使用して、ARCの研究所で行われ
た。この部分の開発に対するARCの貢献は、ポール社に
より開発されそして作られたフィルターに関するフィコ
ル試験を開発しそして最初に行い、次いで出願人に試験
結果を報告することに限られた。後に、フィコル試験は
ポール社の研究所でポール社の社員により行われた。
この群の実施例は、2.6μmの繊維直径の熔融ブローP
BTウエブを用いて作り、前記したL(実験室)法を用い
て熱間圧縮した単一の予備形成体からなるものであっ
た。予備濾過を使用しなかった。試験は、47.6mm直径の
デイスクを僅かに小さい直径のポール社製ハウジングに
集成したもので行った。各々の試験ではヘマクリット50
ないし55%の新鮮なPRC4分の1単位を使用して行った。
40インチの水頭圧力で1分間あたり4ないし8ccの流量
を得た。これら実施例のデータを第1表に掲げる。6点
のうちの5点は以下の式で表される直線上あるいはその
近傍に入った。
対数減少率=18.5ρ+0.5 または ρ=(対数減少率−0.5)/18.5 (1) ここでρはグラム/ccで表される密度であり、吸着/
濾過エレメントの重量は: (0.5ρ=0.029)g/cm2 (2) この式は4.5ないし7の所望の平均対数減少率を有す
るPBTフィルターの密度を選定する指標を与える;しか
し、この範囲の上限値の対数減少率を有するフィルター
あるいは74ないし78%以下の空隙容積のものは1単位の
PRCを通す前に閉塞するかもしれず、その結果、時々生
じる閉塞を防ぐためにゲル用、微小凝集体用フィルター
またはマルチ層を必要とするかもしれない。
実施例7では、実施例4と同様の細孔直径0.9μmで
あるが、88.9mm直径の10個のデイスクを、リッジ対リッ
ジの深さが0.439cmで直径が88.6mmのハウジングに集成
した。始動は、0.4Kg/cm2の圧力で50ないし100秒間で行
い、CPDA−1凝固防止剤に集めた血液に由来するヘマク
リット70ないし80%の新鮮なPRCの全1単位を0.27Kg/cm
2の圧力で各々のデイスクに通した。10個のデイスクの
うちの5個に1単位を送るのに必要な平均時間は15ない
し25分の範囲であった。平均対数減少率は約6.4であっ
た。残り5回の試験での流れは2時間以内で0.7cc/分以
下に低下し、これらの試験を止めた。
実施例8では、実施例7と同様の10個の一体的予備形
成デイスクをタイプAのゲル用プレフィルターととも
に、リッジ対リッジの深さが0.569cmで直径が88.6mmの
ハウジングに集成し、1単位の新鮮なPRCをそれぞれに
流した。PRC1単位の全容積を0.27Kg/cm2の圧力で送っ
た。平均対数減少率は約6.4であった。
実施例9では、実施例7と同様の10個のデイスクを、
タイプBのゲル用プレフィルターとともに、リッジ対リ
ッジの深さが0.519cmで直径が88.6mmのハウジングに集
成し、実施例7と同様に1単位の新鮮なPRCをそれぞれ
に送った。PRC全容積を15ないし25分間で送った。平均
対数減少率は約6.4であった。
実施例8および9では、タイプAおよびBのプレフィ
ルターを加えると、実施例7のようにプレフィルターを
使用しない場合よりも閉塞を起こしにくくする。
実施例10は実施例9と同様に行われたが、ただし吸着
/濾過用エレメントは微小凝集体用フィルターと一体的
であり、積層体の上流面に繊維直径の大きい2層の基材
を含め、次いで熱間圧縮して予備形成一体エレメントを
得ることにより形成された。特に、最上層は3.2μmの
直径の繊維を用いて重量0.0065g/cm2のマットの形態で
つくられ、隣接層は重量が0.0069g/cm2で2.9μmの直径
の繊維を用いて作り、残りの吸着/濾過用エレメントは
繊維直径がすべて2.6μmのマルチ層からなるものであ
った。全重量は0.130g/cm2であり、圧縮して空隙容積7
6.5%(密度=0.324g/cc)、厚さ0.439cmにした。この
ようにして作られたフィルターは微小凝集体除去の能力
を有し、通常は高濃度の微小凝集体を含む供血の試料に
よって起こるかもしれない閉塞に対してより抵抗があ
る。白血球低下率および血液移行時間に関して実施例10
のフィルターの性質は実施例9と余り変わらない。実施
例10の繊維表面積は実施例9よりたかだか約1%少ない
からである。F2試験で得られた細孔寸法は両実施例では
ほとんど等しかった。ゲル用プレフィルター、微小凝集
体用フィルターおよび吸着/濾過用フィルターエレメン
トの空隙内の血液ホールドアップはそれぞれ、3.9cc、
1.6cc、及び19.1ccで総計24.6ccであった。
第2表にまとめた実施例11−14は、効率は低いが濾過
中に低い圧力降下でPRCを送り、比較的高いヘマクリッ
トの血液を処理するときに満足のいく速度で流れをおこ
す重力の使用を可能にするフィルターアッセンブリーを
作る方法を計算するために前記の式(3)および(4)
を使用することを解説している。すべて、微小凝集体用
エレメントを吸着/濾過用エレメントに組み合わせた一
体的エレメントを含み、繊維表面はCWST60ないし70ダイ
ン/cm、好ましくは62ないし68ダイン/cmに変成されてい
る。実施例11の装置はまたタイプBのゲル用プレフィル
ターを含む。
密度および厚さの他の変更も可能である。実施例11−
14のすべては、白血球除去効率を同じにあるいはより良
好に保持しつつ高密度(すなわち、低空隙容積)にする
ことができる。こうして、実施例15は実施例11と同様に
おこなったが、ただし空隙容積を76.5%に変えた。得ら
れる白血球対数減少率は6と6.5の中間値であり、エレ
メント内の血液ホールドアップ容積は約10%減少した。
同様に、実施例16は空隙容積を80.4%から78.5%に減少
させ、対数減少率は5.5ないし6で、血液ホールドアッ
プ容積を約10%減少させた実施例12のフィルターであ
る。実施例17は、空隙容積を82.4から80.4%に減少さ
せ、対数減少率は5と5.5の間であり、血液ホールドア
ップ容積を約10%減少させた実施例13のフィルターであ
る。実施例18は、空隙容積を84.3%から82.4%に減少さ
せ、対数減少率は4.5ないし5であり、血液ホールドア
ップ容積を約11%減少させた実施例14のフィルターであ
る。
実施例16、17および18の各々の空隙容積を減少させ、
これら実施例1と比べて等しいあるいはより高い高率で
血液ホールドアップ容積のさらに低いものをこの方法で
得ることができる。
実施例19は空隙容積をさらに減少させた本質的に実施
例10のフィルターである。タイプBプレフィルターをこ
の構成で使用して閉塞の機会を最小にした。プレフィル
ターの直ぐ下流は9層からなるセクションであり、すべ
て繊維直径2.6μmで、CWST66ダイン/cmで、総重量0.05
4g/cm2で、空隙容積77%(密度=0.321g/cc)および厚
さ0.168cmに圧縮した。これの下流のもう一つのセクシ
ョンは同じタイプの繊維の20層からなり、しかし、空隙
容積をより低く圧縮した。このセクションの全重量は0.
118g/cm2で、空隙容積は70%(密度=0.414g/cc)で、
厚さ0.285cmであった。前の実施例に従って血液の試験
をすると、この組み合わせは白血球の対数減少率6、全
濾過時間32分間を与えた。
約74%よりかなり低い空隙容積の使用はPRCをよりゆ
っくりと流しこうしてより高い頻度で閉塞する傾向があ
ると以前には思われた。しかしながら、本発明の別の驚
くべき特徴は、空隙容積70%は極めて適しておりそして
効率的であることがわかったことであり、60%と低い空
隙容積でもある種の特定の用途には有用であるかもしれ
ないということである。低い空隙容積を利用するとき
は、本発明を実施するのに適したエレメントを作るに
は、特定の空隙容積のみよりも、空隙容積と他の因子、
すなわち各セクションにおけるマルチ層の数、との組み
合わせである。
すべての実施例はPRCを取り扱っているが、坑凝結処
理した全血を使用するときにもほぼ同様の結果が得られ
る。
本発明の異常で非常に驚くべき特徴は、かなりの損傷
や損失を伴わずに、1μm以下の細孔直径のフィルター
に赤血球が通る能力である。このような小さい細孔のフ
ィルターを使用する能力は予想されず、そしてホールド
アップによる赤血球の損失が1単位のPRCの平均容積の1
0%以下であるような非常に小さいフィルターで白血球
含量の低減率100,000ないし1,000,000倍の好ましい目標
への研究に値する可能性は、他の方法がないので、ほと
んどなかった。
赤血球の損失は、濾過後に塩水をフィルターに通すこ
とによって低減できる。フィルターの容積にほぼ等しい
容積を通すと血液を再生する作用がある。大容量の塩水
でフィルターを洗浄することは望ましい方法ではない。
これは血液の容積を望ましくなく高め、そしていくらか
の白血球を洗い流すことにより効率を下げるかもしれな
いからである。塩水の使用は、労働に関して比較的費用
のかかる操作を要し、同時に赤血球濃縮液の無菌性を低
下させる。これらの理由で、少ないホールドアップ容積
と、これに対応して少ない赤血球損失は、塩水の使用を
無くすので、非常に好ましい。
本発明の実施例で記載した吸着/濾過用エレメントは
すべて平均繊維直径2.6μmの不織布ウエブからなる。
本発明者に入手できる種々の基材のうち、これは多量に
しかも複製可能な性質で作ることができるので、選ばれ
た。より細い繊維直径のものが将来入手できるかもしれ
ず、また現時点で外の場所でそのようなものがあれば、
上記の方法で可能な利点をもって使用されるフィルター
の開発に熟練した当業者によりそのような繊維がてきよ
うできるであろう。そのように開発された装置は本発明
の範囲内である。
より粗い繊維を使用して本発明の装置と機能的に類似
した装置を作ることができる。このような装置は本発明
の装置とほぼ同様に機能するであろうし、これは本発明
の範囲内である。
同様に、他の材料および他の表面変成法を使用して同
様の結果を得ることができ、これらも本発明の範囲内で
ある。
本発明の別の態様は以下の通りである。
1.0.5〜4μmの細孔直径及び53〜80ダイン/cmのCWSTを
有する繊維状白血球吸着/濾過フィルターを含む、新鮮
な血液製剤の白血球含量を低下させるための装置。
2.0.5〜2μmの細孔直径及び60〜70ダイン/cmのCWSTを
有する繊維状白血球吸着/濾過フィルターを含み、該フ
ィルターが65〜84%の平均空隙層に圧縮されている、新
鮮な血液製剤の白血球含量を低下させるための装置。
3.0.5〜2μmの細孔直径及び60〜70ダイン/cmのCWSTを
有する繊維状白血球吸着/濾過フィルターを含み、該フ
ィルターが、65〜84%の平均空隙容積に熱間圧縮されて
いる溶融吹込みポリブチレンテレフタレートから作られ
ている、新鮮な血液製剤の白血球含量を低下させるため
の装置。
4.ゲルプレフィルター、及び、0.5〜4μmの細孔直径
及び53〜80ダイン/cmのCWSTを有する繊維状白血球吸着
/濾過フィルターを含む、新鮮な血液製剤の白血球含量
を低下させるための装置。
5.ゲルプレフィルターを通して、その後繊維状白血球吸
着/濾過フィルターを通して血液製剤を通過させる新鮮
な血液製剤の白血球含量を低下させるための装置であっ
て、0.5〜2μmの細孔直径及び60〜70ダイン/cmのCWST
を有し、0.22〜0.55g/cm3の密度に熱間圧縮されている
溶融吹込みポリブチレンテレフタレート繊維で作られて
いる吸着/濾過フィルターを含む装置。
6.0.5〜4μmの細孔直径及び53〜80ダイン/cmのCWSTを
有する多孔質白血球吸着/濾過フィルターを含む、新鮮
な血液製剤の白血球含量を低下させるための装置。
7.新鮮な血液製剤の白血球含量を少なくとも100,000の
ファクター低下させる方法であって、かかる新鮮な血液
製剤を、 (a)繊維が20〜30μmの直径を有し、繊維の少なくと
も約90%がその長さの少なくとも一部に関してウエブの
平面から離れている、ニードル穿孔繊維状ウエブを含む
ゲルプレフィルター; (b)74〜84%の平均空隙容積に圧縮されている繊維状
ウエブを含む微小凝集体用フィルター;及び (c)0.5〜2μmの細孔直径及び60〜70ダイン/cmのCW
STを有し、65〜84%の平均空隙容積に圧縮されている繊
維状白血球吸着/濾過フィルターを含む白血球吸着/濾
過フィルター; をこの順番で含む装置を通して通過させることを含む方
法。
8.新鮮な血液製剤を第1の容器に保存し;第1の容器か
らの新鮮な血液製剤を、約0.5〜4μmの細孔直径及び5
3〜80ダイン/cmのCWSTを有する多孔質白血球吸着/濾過
フィルターを含む新鮮な血液製剤の白血球含量を低下さ
せるための装置を通して通過させることによって、新鮮
な血液製剤の白血球含量を低下させる方法。
9.該フィルターが0.5〜2μmの細孔直径を有する上記
第1項に記載の装置。
10.該フィルターが60〜70ダイン/cmのCWSTを有する上記
第1項に記載の装置。
11.該フィルターが60〜85%の平均空隙容積に熱間圧縮
されている上記第1項に記載の装置。
12.該フィルターが65〜84%の平均空隙容積に熱間圧縮
されている上記第11項に記載の装置。
13.白血球吸着/濾過フィルターの上流に微小凝集体用
フィルターを更に含む上記第1項に記載の装置。
14.白血球吸着/濾過フィルターの上流にゲルプレフィ
ルターを更に含む上記第1項に記載の装置。
15.微小凝集体用フィルターがゲルプレフィルターと白
血球吸着/濾過フィルターとの間に配置されている上記
第4項又は第15項に記載の装置。
16.白血球吸着/濾過フィルターが約50cc未満の全空隙
容積を有する上記第1項に記載の装置。
17.白血球吸着/濾過フィルターの全空隙容積が約30cc
未満である上記第16項に記載の装置。
18.吸着/濾過フィルターの繊維が、親水性基を含むモ
ノマーで放射線グラフトされている上記第1項に記載の
装置。
19.フィルター媒体が、放射線グラフトされた溶融吹込
みポリブチレンテレフタレート繊維から作られている上
記第1項に記載の装置。
20.ゲルプレフィルターが、繊維が20〜30μmの直径を
有し、繊維の少なくとも90%が繊維の長さの少なくとも
一部に関してウエブの平面から離れている繊維状ニード
ル穿孔ウエブを含む上記第4項に記載の装置。
21.ゲルプレフィルターが、繊維が10〜30μmの平均直
径を有する溶融吹込み繊維状ウエブから作られている上
記第4項に記載の装置。
22.ゲルプレフィルターが、繊維が20〜30μmの平均直
径を有し、繊維の少なくとも約90%がその長さの少なく
とも一部に関してウエブの平面から離れている繊維状ニ
ードル穿孔ウエブを含む上記第5項に記載の装置。
23.ゲルプレフィルターが10〜30μmの平均直径の繊維
を有する溶融吹込み繊維状ウエブを含む上記第5項に記
載の装置。
24.微小凝集体用フィルターが、ゲルプレフィルターと
白血球吸着/濾過フィルターとの間に配置されている上
記第5項に記載の装置。
25.微小凝集体用フィルターが、74〜84%の平均空隙容
積に圧縮されている繊維状ウエブを含む上記第15項又は
第24項に記載の装置。
26.微小凝集体用フィルターの繊維が60〜70ダイン/cmの
範囲のCWSTを有する上記第5項又は第25項に記載の装
置。
27.繊維状白血球吸着/濾過フィルターと連絡してい
る、新鮮な血液製剤を保持するための第1の容器と組合
わされている上記第1項〜第26項のいずれかに記載の装
置。
28.繊維状白血球吸着/濾過フィルターと連絡してい
る、白血球が低下された新鮮な血液製剤を保持するため
の第2の容器と組合わされており、繊維状白血球吸着/
濾過フィルターが第1の容器と第2の容器との間に配置
されている上記第27項に記載の装置。
29.第1の容器と連絡している第3及び第4の容器と組
合わされている上記第28項に記載の装置。
30.微小凝集体用フィルターが、74〜84%の平均空隙容
積に圧縮されている繊維状ウエブを含む上記第24項に記
載の装置。
31.微小凝集体用フィルターの繊維が60〜70ダイン/cmの
範囲のCWSTを有する上記第5項に記載の装置。
32.フィルターが約55〜約80ダイン/cmのCWSTを有する上
記第1項、第4項又は第6項のいずれかに記載の装置。
33.上記第1項、第3項、第6項、第15項又は第27項の
いずれかに記載の装置を通して新鮮な血液製剤を通過さ
せることを特徴とする、新鮮な血液製剤の白血球含量を
少なくとも約30,000のファクター低下させる方法。
34.フィルターが約55〜約80ダイン/cmのCWSTを有する上
記第33項に記載の方法。
35.上記第1項、第9項、第10項、第11項又は第12項の
いずれかに記載の装置を通して新鮮な血液製剤を通過さ
せることを特徴とする、新鮮な血液製剤の白血球含量を
少なくとも約1,000のファクター低下させる方法。
36.装置を通して通過させた後の白血球が低下された新
鮮な血液製剤を、第2の容器中に通過させる上記第8項
に記載の方法。
37.新鮮な血液製剤がパック状赤血球である上記第8項
に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明のフィルターエレメントを使用した例
示した低減装置の断面図である。 第2図は、第1図に示す装置の入口セクションの内面を
示す正面図である。 第3図は、第1図に示す装置の出口セクションの内面を
示す正面図である。 第4図は、第3図に示す出口セクションの断面図であ
る。

Claims (27)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】3.6μm未満の細孔直径を有する繊維質の
    白血球吸着/濾過フィルターに血液製剤を通すことを特
    徴とする、血液製剤の白血球含量を低下させる方法。
  2. 【請求項2】約0.5μm〜約2.0μmの細孔直径を有する
    白血球吸着/濾過フィルターに血液製剤を通すことを特
    徴とする、血液製剤の白血球含量を低下させる方法。
  3. 【請求項3】3.6μm未満の細孔直径および約55〜約80
    ダイン/cmのCWSTを有する白血球吸着/濾過フィルター
    に血液製剤を通すことを特徴とする、血液製剤の白血球
    含量を低下させる方法。
  4. 【請求項4】白血球吸着/濾過フィルターに新鮮な血液
    製剤を通過させる請求項1〜3のいずれかに記載の方
    法。
  5. 【請求項5】白血球吸着/濾過フィルターが約80ダイン
    /cm未満のCWSTを有する請求項1〜4のいずれかに記載
    の方法。
  6. 【請求項6】白血球吸着/濾過フィルターのCWSTが約55
    〜約80ダイン/cmの範囲内である請求項5記載の方法。
  7. 【請求項7】血液製剤の白血球含量を約1/1000以下に低
    下させる請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 【請求項8】血液製剤の白血球含量を約1/30,000以下に
    低下させる請求項6記載の方法。
  9. 【請求項9】白血球吸着/濾過フィルターが繊維質のも
    のである請求項2〜8のいずれかに記載の方法。
  10. 【請求項10】白血球吸着/濾過フィルターが負のゼー
    タ電位を有する請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
  11. 【請求項11】白血球吸着/濾過フィルターの上流でゲ
    ル用プレフィルター及び微小凝集体用フィルターの少な
    くとも一つに血液製剤を通すことを含む請求項1〜10の
    いずれかに記載の方法。
  12. 【請求項12】白血球吸着/濾過フィルターが、ハウジ
    ングへの収容前に制御された寸法および密度に予備成形
    されたものである、請求項11記載の方法。
  13. 【請求項13】3.6μm未満の細孔直径を有する繊維質
    の白血球吸着/濾過フィルターを含む、血液製剤の白血
    球含量を低下させるための装置。
  14. 【請求項14】約0.5μm〜約2.0μmの細孔直径を有す
    る白血球吸着/濾過フィルターを含む、血液製剤の白血
    球含量を低下させるための装置。
  15. 【請求項15】3.6μm未満の細孔直径および約55〜約8
    0ダイン/cmのCWSTを有する白血球吸着/濾過フィルター
    を含む、血液製剤の白血球含量を低下させるための装
    置。
  16. 【請求項16】新鮮な血液製剤の白血球含量を低下させ
    るための請求項13〜15のいずれかに記載の装置。
  17. 【請求項17】白血球吸着/濾過フィルターが繊維質の
    ものである請求項14〜16のいずれかに記載の装置。
  18. 【請求項18】白血球吸着/濾過フィルターが約80ダイ
    ン/cm未満のCWSTを有する請求項13〜17のいずれかに記
    載の装置。
  19. 【請求項19】白血球吸着/濾過フィルターのCWSTが約
    55〜約80ダイン/cmの範囲内である請求項18記載の装
    置。
  20. 【請求項20】白血球吸着/濾過フィルターの上流にゲ
    ル用プレフィルター及び微小凝集体用フィルターの少な
    くとも一つを更に含む請求項13〜19のいずれかに記載の
    装置。
  21. 【請求項21】ゲル用プレフィルター及び微小凝集体用
    フィルターを更に含み、微小凝集体用フィルターがゲル
    用プレフィルターと白血球吸着/濾過フィルターとの間
    に配置されている請求項13〜20のいずれかに記載の装
    置。
  22. 【請求項22】吸着/濾過フィルターの繊維が親水性基
    を含むモノマーで放射線グラフト処理されたものである
    請求項13〜21のいずれかに記載の装置。
  23. 【請求項23】白血球吸着/濾過フィルターが約65〜約
    84%の平均空隙容積に熱間圧縮されている請求項13〜22
    のいずれかに記載の装置。
  24. 【請求項24】白血球吸着/濾過フィルターが、ハウジ
    ングへの収容前に制御された寸法および密度に予備成形
    されている請求項13〜23のいずれかに記載の装置。
  25. 【請求項25】白血球吸着/濾過フィルターが、ヒドロ
    キシエチルメタクリレート及びメチルアクリレート又は
    メチルメタクリレートを含むモノマー混合物で変性され
    ている請求項13〜24のいずれかに記載の装置。
  26. 【請求項26】白血球吸着/濾過フィルターが負のゼー
    タ電位を有する請求項13〜25のいずれかに記載の装置。
  27. 【請求項27】血液製剤を保持するための上流の容器と
    連絡している請求項13〜26のいずれかに記載の装置を含
    む、血液製剤を処理するためのシステム。
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