JPH0642552Y2 - 移動式簡易便所 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、工事現場、キャンプ場、ゴルフ場あるいは海
水浴場等の屋外に設置されて使用される移動式簡易便所
に関する。

［従来の技術］ 従来のかかる移動式簡易便所は、一般的に、第３図に示
すように、便槽ａの上に、床板ｂ、便器ｃ、左右の踏台
ｄ及びこれらを囲みかつドアｅを有する周壁ｆならびに
該周壁ｆの上方を覆う屋根ｇ等を順次載置して構成され
ている。

そして、便槽ａは、床板ｂ、便器ｃ、踏台ｄ、周壁ｆ及
び屋根ｇ等を支持することから相当の支持強度を必要と
するものであって、そのためにFRP（ガラス繊維強化プ
ラスチック）により構成されており、かつ第４図に示す
ように、便槽ａ上方に大きな開口部ｈを有するが故に、
便槽ａの上部に補強用として鉄製のフレームｉを置き、
その上に床板ｂを重ね、前記フレームｉに周壁ｆの基部
を固着するようにしているのが一般的である。

［考案が解決しようとする問題点］ 前述のような従来の移動式簡易便所においては、便槽自
体が床板、周壁等を支持する強度メムバーの役割を果し
ているため、前述の如くFRPで構成されているのである
が、FRPはポリエステル、エポキシ、フェノールなどの
熱硬化性樹脂にガラス繊維を補強材にした成形品である
ことから高価でかつ重く、しかも焼却また粉砕などの廃
棄処理が困難であることから、社会的な環境問題となっ
ている。

また、前述のような従来の移動式簡易便所においては、
補強用の製造部材としてフレームｉを必要とするため、
このフレームｉをも余分に必要としFRPの高価なことと
相俟ってコスト高となると共に、設置時の組立作業が煩
雑であるという問題があった。

本考案は、前述の事情に鑑み案出されたものであって、
FRPを用いてなくても便槽が充分に強度メムバーの役割
を果たし、従来必要とされていた鉄製のフレームを無く
すことができ、軽量かつ安価であり、設置のための組立
作業も容易である移動式簡易便所を提供することを目的
とするものである。

［問題点を解決するための手段］ 本考案は、 便槽１の上に、床板６を介して便器及び周壁９を組立て
載置するようにした移動式簡易便所において、 前記便槽１を熱可塑性合成樹脂でブロー成形法により中
空状に成形し、該便槽１の上壁1bに、側壁1cにまで延び
る凹状の横リブ４を設けると共に、該側壁1cに縦リブ５
を設け、 前記床板６を熱可塑性合成樹脂でブロー成形法により成
形し、該床板６の略中央部に前記便器を嵌合する穴８を
設けると共に、該床板６の上面周縁部に凹部10を設け、 前記床板６の前記凹部10に前記周壁９の基部を嵌合し、 前記便槽１と前記床板６及び前記床板６と前記周壁９と
をそれぞれボルト・ナットにより固着した ことを特徴とするものである。

［実施例］ 本考案の実施例を第１図、第２図に基づいて説明する。

図中１は便槽であり、この便槽１はステップ部1aと、中
央部に落とし穴２を、また端部に汲取り口３を設けた上
壁1bを有している。そしてこの便槽１は熱可塑性合成樹
脂製で、ブロー成形法にて中空状に成形されており、上
壁1bの落とし穴２の周囲に凹状の横リブ４が設けてあっ
て、この横リブ４は側壁1cは至るまで延びている。また
便槽１の側壁1cには縦リブ５がそれぞれ複数個設けてあ
る。

６は床板であり、この床板６は熱可塑性合成樹脂製で、
ブロー成形法にて中空２重壁構造に構成されている。そ
して、これの下面には前記便槽１の上壁1bが横リブ４に
嵌合する突状のリブ７が設けてあり、また中央部には便
器が嵌合する穴８が、さらに、周縁部には室を構成する
周壁９の基部が嵌合する凹部10がそれぞれ形成されてい
る。またこの床板６の平面部の複数箇所において、上下
壁がウエルド部11にて点状に溶着されている。

前記便槽１と床板６とは、便槽１の上壁1aにインサート
されたナット部材12に、床板６に設けた孔13を貫通する
ボルト14を螺合することにより固着され、また、床板６
と周壁９とは、床板６に設けられた凹部10に周壁９の基
部を嵌合してから、床板６にインサートされたナット部
材15に、周壁９の基部に突設したブラケット16を貫通す
るボルト17を螺合することにより固着されるようになっ
ている。周壁９の上端は屋根18にて覆われる。

前記構成において、床板６に作用する荷重は、床板６と
便槽１にて充分に支えられる。

［考案の効果］ 本考案によれば、便槽１が熱可塑性合成樹脂でブロー成
形法により成形されているから、製造容易であるばかり
か、FRPに比べて安価でかつ軽く、また、破棄処理も容
易である。

しかも便槽１の上壁1b及び側壁1cに、それぞれ横リブ４
及び縦リブ５を設けたから、便槽１自体が強度メムバー
の役割を充分に果たすものであって、別の補強部材を設
ける必要がないものであり、前記横リブ４は凹状である
から便槽１の上面に床板６を載置するに際して何ら不都
合を生じることもなく、また、前記横リブ４は凹状でか
つ側壁1cにまで延びているから、便槽１の洗浄時におい
ても水が横リブ４内に溜まるようなことがなく排水も良
好である。

さらに、本考案によれば、周壁９の基部が床板６の上面
周縁部に設けた凹部10に嵌合してボルト・ナットにより
固着されるから、周壁９の床板ｂに対する位置決めが容
易であるばかりか強固に固着されるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例の要部を示す分解斜視図、第２
図は本考案を適用した簡易便所を示す斜視図、第３図は
従来の簡易便所を示す斜視図、第４図は従来例の要部を
示す分解斜視図である。 １は便槽、1bは上壁、1cは側壁、４は横リブ、５は縦リ
ブ、６は床板、６は穴、９は周壁、10は凹部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】便槽１の上に、床板６を介して便器及び周
   壁９を組立て載置するようにした移動式簡易便所におい
   て、 前記便槽１を熱可塑性合成樹脂でブロー成形法により中
   空状に成形し、該便槽１の上壁1bに、側壁1cにまで延び
   る凹状の横リブ４を設けると共に、該側壁1cに縦リブ５
   を設け、 前記床板６を熱可塑性合成樹脂でブロー成形法により成
   形し、該床板６の略中央部に前記便器を嵌合する穴８を
   設けると共に、該床板６の上面周縁部に凹部10を設け、 前記床板６の前記凹部10に前記周壁９の基部を嵌合し、 前記便槽１と前記床板６及び前記床板６と前記周壁９と
   をそれぞれボルト・ナットにより固着した ことを特徴とする移動式簡易便所。