JPH0642525U - チルト式ステアリング装置用緊急下降装置 - Google Patents

チルト式ステアリング装置用緊急下降装置

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JPH0642525U
JPH0642525U JP8474692U JP8474692U JPH0642525U JP H0642525 U JPH0642525 U JP H0642525U JP 8474692 U JP8474692 U JP 8474692U JP 8474692 U JP8474692 U JP 8474692U JP H0642525 U JPH0642525 U JP H0642525U
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steering column
steering
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support bracket
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幹雄 山口
健次郎 岡本
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Abstract

(57)【要約】 【目的】一次衝突後二次衝突前に、ステアリングホイー
ルを下降させる。これにより、ステアリングホイールの
後側で膨らんだエアバッグで運転者の頭部を確実に受け
止める。 【構成】一次衝突を検知したGセンサ28からの信号に
より、制御器29がガス発生器30を作動させ、アクチ
ュエータ35によりロッド36を引っ張る。この結果、
第一、第二の係合歯10、13の係合が外れ、上部ステ
アリングコラム4が下方に変位して、ステアリングホイ
ールが下降する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案に係るチルト式ステアリング装置用緊急下降装置は、自動車用操舵装 置を構成するステアリングホイールの高さ位置を調節するチルト式ステアリング 装置に付設し、衝突時に前記ステアリングホイールを下降させて、このステアリ ングホイールに設けたエアバッグと運転者の頭部とを対向させる。
【0002】
【従来の技術】
運転者の体格や運転姿勢等に応じてステアリングホイールの高さを変えられる 様にした、所謂チルト式ステアリング装置と呼ばれる、ステアリングホイールの 高さ調節装置が、従来から知られている。この様なチルト式ステアリング装置と して従来から、例えば実公平2−34145号公報に開示されたものが知られて いる。
【0003】 この公報に記載されたチルト式ステアリング装置は、所謂首振り型と呼ばれる もので、図6に示す様に、ステアリングシャフト1を挿通する為、筒状に形成さ れたステアリングコラム2を、下部ステアリングコラム3と上部ステアリングコ ラム4とに二分割している。そして、両ステアリングコラム3、4同士を、車体 に装着した支持ブラケット5部分で連結すると共に、この内の上部ステアリング コラム4を、図7〜9に示す様な機構により、前記支持ブラケット5に設けた横 軸6、6を中心とする揺動自在としている。
【0004】 支持ブラケット5と上部ステアリングコラム4との間には、前記横軸6、6を 中心として揺動するチルトレバー7により係脱自在な係止装置を設け、前記上部 ステアリングコラム4を前記支持ブラケット5に結合したり(上部ステアリング コラム4の揺動を不能な状態としたり)、或は前記上部ステアリングコラム4を 前記支持ブラケット5に対して変位自在としたり(上部ステアリングコラム4の 揺動を可能な状態としたり)出来る様にしている。
【0005】 即ち、ダッシュボード8の下面等に於いて車体に固定される支持ブラケット5 に設けた横軸6、6により、上部ステアリングコラム4の一端を前記支持ブラケ ット5に枢支すると共に、この上部ステアリングコラム4の下面に、第一の係合 部材9を固定している。この第一の係合部材9の下面は、前記横軸6、6を中心 とする円弧状凸面としており、この下面に第一の係合歯10を形成している。
【0006】 一方、前記支持ブラケット5に設けた別の横軸11には、前記チルトレバー7 の揺動に伴なって前記第一の係合部材9と係脱する、第二の係合部材12の一端 (図7、9の左端)を枢支している。この第二の係合部材12の他端部上縁(図 7の右端部上縁)には、前記第一の係合部材9の下面に形成した第一の係合歯1 0と係脱自在な、第二の係合歯13を形成している。
【0007】 又、前記横軸6、6に中間部を枢支したチルトレバー7の下端部同士の間に、 掛け渡す様にして設けた軸14には、ローラ15を支承し、このローラ15の上 面を、前記第二の係合部材12の下面に当接させている。更に、前記チルトレバ ー7に固定の揺動板16に形成した傾斜長孔17には、前記第二の係合部材12 の側面から突出したピン18を係合させている。
【0008】 上述の様に構成される為、前記チルトレバー7を図7で反時計方向に揺動させ ると、ローラ15が第二の係合部材12の他端部(図7の右端部)下方から退避 すると同時に、前記傾斜長孔17とピン18との係合に基づき、前記第二の係合 部材12の他端部が下方に変位する。
【0009】 この結果、この第二の係合部材12の他端部上面に形成した第二の係合歯13 と、上部ステアリングコラム4の下面に固定の、第一の係合部材9の下面に形成 した第一の係合歯10との係合が外れ、(上部ステアリングコラム4の側面に突 設したピン19が、支持ブラケット5に形成した円弧状長孔20の内側で変位出 来る範囲内で)上部ステアリングコラム4が横軸6、6を中心として揺動自在と なる。そして、この上部ステアリングコラム4の内側を挿通したステアリングシ ャフト1の端部に固定したステアリングホイール22の高さ位置が、図10の実 線位置を中心として、同図に鎖線で示す様に調節自在となる。
【0010】 ステアリングホイール22の高さ位置を調節したならば、前記チルトレバー7 から手を離せば、引っ張りばね21の引っ張り力により、チルトレバー7が図7 の時計方向に揺動して、ローラ15が第二の係合部材12の他端部下方に進入し 、この第二の係合部材12の他端部を上方に押し上げる。この結果、この他端部 上縁に形成した第二の係合歯13と、上部ステアリングコラム4の下面に固定し た第一の係合部材9の下面に形成した第一の係合歯10とが係合して、前記上部 ステアリングコラム4が横軸6、6を中心として回転しなくなる。
【0011】 この結果、前記ステアリングホイール22が、高さ調節された位置のままに保 持される。この状態に於いて、前記チルトレバー7には、引っ張りばね21によ り、図7で時計方向に揺動しようとする弾力が付与される為、前記ローラ15が 第二の係合部材12の下方から、不用意に退避する事はない。
【0012】
【考案が解決しようとする課題】
本考案のチルト式ステアリング装置用緊急下降装置は、上述の様に構成され作 用するチルト式ステアリング装置に組み込んで、ステアリングホイールに組み込 んだエアバッグの効果を確実に得られる様にするものである。
【0013】 衝突時には自動車が他の自動車等にぶつかる、所謂一次衝突に続いて、運転者 の身体がステアリングホイール22にぶつかる、所謂二次衝突が発生する。この 二次衝突の際、運転者の頭部がステアリングホイール22に勢い良くぶつかるの を防止する為、このステアリングホイール22の後面中央部に、図11に示す様 なエアバッグ23を設ける事が、近年広く行なわれる様になっている。
【0014】 このエアバッグ23は、一次衝突の直後、インフレータ(高圧ガス発生器)が 発生する高圧ガスによって膨らみ、運転者24の頭部25を受け止める。この様 な、エアバッグ23による運転者保護を十分に行なわせる為には、前記ステアリ ングホイール22の高さ位置が適切である必要がある。
【0015】 一方、一次衝突に伴なって自動車の前部が押し潰されると、図12に示す様に 、ステアリングシャフト1及びステアリングコラム2の前端部が後方に押され、 これら両部材1、2が、支持ブラケット5を中心として同図で反時計方向に揺動 する。この結果、前記ステアリングシャフト1の後端部に固定されたステアリン グホイール22が上昇してしまう。
【0016】 エアバッグ23の大きさは多少余裕をもって造られてはいるが、チルト式ステ アリング装置を利用した高さ位置調節によって、ステアリングホイール22の高 さ位置が元々高くなっている状態で衝突事故が発生し、更にこのステアリングホ イール22が上昇した場合には、運転者の体格等によっては、前記ステアリング ホイール22の高さ位置が高くなり過ぎる事が考えられる。この様な場合には、 図13に示す様に、運転者24の頭部25が、エアバッグ23の下端部に当たり 、エアバッグ装置による運転者保護が不十分になる恐れがある。
【0017】 一次衝突時にステアリングホイールを下降させて、このステアリングホイール と運転者の頭部とがぶつかるのを防止する為の装置として従来から、例えば実開 平2−110558号公報には、一次衝突に基づいてバンパ部分に取り付けた油 圧シリンダ部分で油圧を発生させ、この油圧によりステアリングホイールを下降 させる構造が記載されている。しかし、この様な構造では、油圧配管部分等に存 在する抵抗により、応答性が悪く、二次衝突に先立ってステアリングホイールを 下降させる事が難しいものと考えられる。
【0018】 又、特開昭62−101579号公報には、ステアリングコラムの前端部を、 リンク機構を介して車体に枢支する事により、一次衝突時にステアリングホイー ルを下降させる構造が記載されている。しかし、この様な構造では、リンク腕の 上部が押し潰された場合等、衝突の態様によっては必ずしもステアリングホイー ルを十分に下降させられない可能性が考えられる。
【0019】 又、実公昭55−30769号公報には、一次衝突に伴なってステアリングコ ラムが後方に移動した場合に、このステアリングコラムの後端部を下方に移動さ せる構造が記載されている。しかし、この様な構造では、一次衝突に伴なってス テアリングホイールが後方に移動し、このステアリングホイールと運転者の身体 とが近付く為、二次衝突に先立ってエアバッグが膨らんだとしても、必ずしも十 分に衝撃を緩和出来ない恐れがある。
【0020】 尚、実開平4−39964号公報には、ステアリングホイールに前方に向かう 衝撃が加わった場合に、このステアリングホイールを前方に移動させつつ下降さ せる構造が記載されている。しかし、この構造では、二次衝突に先立って膨らん だ、エアバッグと運転者の頭部とを対向させる事は出来ない。
【0021】 又、特開昭63−306967号公報には、一次衝突に伴なう衝撃を検知した Gセンサからの信号に基づいて高圧ガスを発生させ、この高圧ガスの圧力により 引っ張られるワイヤによってステアリングコラムを縮め、ステアリングホイール を前方に変位させる構造が記載されている。しかし、この構造は、単にステアリ ングホイールを前方に移動させるのみで、一次衝突時に伴なってステアリングホ イールを下降させるものではない。又、ステアリングホイールが前方に変位し過 ぎると、エアバッグの有効性が薄れてしまう。
【0022】 本考案のチルト式ステアリング装置用緊急下降装置は、一次衝突後二次衝突以 前に、ステアリングホイール22を図14の鎖線状態から実線状態に迄、確実且 つ迅速に下降させる事で、このステアリングホイール22の後側で膨らんだエア バッグ23と運転者の頭部とを対向させるものである。
【0023】
【課題を解決する為の手段】 本考案のチルト式ステアリング装置用緊急下降装置は、車体側に固定される支 持ブラケットと、横軸によりその前端をこの支持ブラケットに枢支されたステア リングコラムと、このステアリングコラムと前記支持ブラケットとの間に設けら れ、作動時に前記ステアリングコラムを前記支持ブラケットに保持する係止装置 と、この係止装置の作動と作動解除とを行なわせるチルトレバーとを備えたチル ト式ステアリング装置に組み付けられ、衝突時に前記ステアリングコラムの後端 部を短時間で下降させるものである。
【0024】 上述の様な本考案のチルト式ステアリング装置用緊急下降装置は、衝突の衝撃 を検知するGセンサと、このGセンサが衝突の衝撃を検知した場合に作動信号を 出す制御器と、この作動信号に基づいて高圧ガスを発生させるガス発生器と、こ のガス発生器が発生した高圧ガスによって作動するアクチュエータと、このアク チュエータの変位部にその一端部を、前記ステアリングコラムの一部で、前記横 軸よりも下側に位置する部分にその他端部を、それぞれ係合させた引っ張り部材 とを備えている。そして、前記アクチュエータの作動時に引っ張り部材を介して 前記ステアリングコラムに加えられる回転方向の力を、前記係止装置の保持力よ りも大きくしている。
【0025】
【作用】
上述の様に構成される、本考案のチルト式ステアリング装置用緊急下降装置の 場合、一次衝突時の衝撃を検知したGセンサからの信号に基づいて、制御器が作 動信号を出し、ガス発生器が高圧ガスを発生させて、アクチュエータを作動させ る。この結果、このアクチュエータが引っ張り部材を介してステアリングコラム の一部を引っ張る。この際の引っ張り力は、係止装置の保持力よりも大きい為、 前記ステアリングコラムは横軸を中心として下方に回動し、ステアリングホイー ルが下降する。
【0026】
【実施例】
図1〜3は本考案の第一実施例を示している。上部ステアリングコラム4の前 端は、車体側に固定される支持ブラケット5に設けた左右1対の第一の横軸6に より、この支持ブラケット5に枢支されている。この上部ステアリングコラム4 の下面には、第一の係合部材9が、溶接により固定されている。この第一の係合 部材9の下面は、前記第一の横軸6を中心とする円弧状凸面をなしており、この 下面に第一の係合歯10を形成している。
【0027】 又、前記支持ブラケット5の下部で、前記第一の横軸6の前下方(図1の左下 方)には、横軸11を設け、この横軸11に、第二の係合部材12の一端(図1 の左端)を枢支している。この第二の係合部材12の他端部(図1の右端部)上 縁には、前記第一の係合部材9の下面に形成した第一の係合歯10と係脱自在な 、第二の係合歯13を形成し、チルトレバー7(図6〜9参照)により、第一、 第二の両係合歯10、13の係脱を自在として、作動時に前記上部ステアリング コラム4を前記支持ブラケット5に保持する係止装置を構成している。
【0028】 即ち、前記第二の係合部材12の他端部下縁は、後方(図1の右方)に向かう 程上方に向かう傾斜縁27とし、この傾斜縁27の下方に、前記チルトレバー7 の操作に基づいて前後方向に変位する軸14を進入自在としている。この軸14 には、引っ張りばね21(図7参照)により前方に向かう弾力を付与している。 従って、チルトレバー7に外力が加わらない限り、前記軸14が傾斜縁27の下 方に進入して、前記第二の係合部材12を押し上げ、前記第一、第二の両係合歯 10、13同士を係合させる。
【0029】 尚、前記第一、第二の係合歯10、13同士が係合する角度α(図2)、引っ 張りばね21(図7)の弾力、並びに前記傾斜縁27の傾斜角度を適切に定める 事で、上部ステアリングコラム4から両係合歯10、13の係合部に加わる力が 通常考えられる範囲内であれば、両係合歯10、13同士の係合が外れる事はな いが、次述するアクチュエータ35の作動に基づき、前記係合部に大きな力が加 わった場合には、両係合歯10、13同士の係合が外れる様にしている。
【0030】 一方、エンジンルームの前部等、一次衝突の衝撃を早期に検知出来る部分には Gセンサ28を設け、このGセンサ28の信号を制御器29に入力している。こ の制御器29は、前記Gセンサ28から、一次衝突の衝撃を検知した事を示す信 号が送り込まれた場合に、ガス発生器30に向けて作動信号を出す。
【0031】 このガス発生器30は、一端が開口したケース32の端部に、少量の火薬31 と、この火薬31に点火するプラグとを内蔵して成る。前記作動信号に基づいて このプラグが火薬31に点火すると、前記ケース32内に高圧の燃焼ガスが発生 し、次述するシリンダ33内に送り込まれる。
【0032】 前記ケース32の開口部には、有底円筒状のシリンダ33の開口部を結合する と共に、このシリンダ33内にピストン34を遊嵌して、前記ガス発生器30が 発生した高圧の燃焼ガスによって作動するアクチュエータ35を構成している。 このアクチュエータ35の変位部である、前記ピストン34には、引っ張り部材 であるロッド36の前端部を結合している。
【0033】 又、前記上部ステアリングコラム4の下面で、前記第一の係合部材9から側方 に外れた部分には、係止片37を固設している。この係止片37は、前後方向に 亙る小通孔38を有し、前記ロッド36の後部は、この小通孔38に挿通されて いる。そして、前記ロッド36の後端で、前記係止片37の後方に突出した部分 に、前記小通孔38の内径よりも大きな外径を有する、ストッパ39を固設して いる。尚、実際の場合には、前記小通孔38の側方にロッド36が通過自在なス リットを設け、このスリットを通じて、これらロッド36と小通孔38とを係合 させる。
【0034】 前記ガス発生器30に充填する火薬31の量、並びに前記アクチュエータ35 を構成するシリンダ33の内径は、このアクチュエータ35の作動時に前記ロッ ド36を介して前記上部ステアリングコラム4に加えられる回転方向の力が、前 記第一、第二の係合歯10、13同士の係合に基づく、上部ステアリングコラム 4の保持力よりも大きくなる様に定める。
【0035】 上述の様に構成される、本考案のチルト式ステアリング装置用緊急下降装置の 場合、自動車の前部が他の自動車等と衝突すると、一次衝突時の衝撃を検知した Gセンサ28からの信号に基づいて、制御器29が作動信号を出し、ガス発生器 30が高圧の燃焼ガスを発生させて、アクチュエータ35を作動させ、シリンダ 33に遊嵌したピストン34を前方に変位させる。
【0036】 ピストン34の変位に基づき、このピストン34にその前端部を結合されたロ ッド36が前方に引っ張られ、このロッド36が、ストッパ39、係止片37を 介して、上部ステアリングコラム4の下部を前方に引っ張る。前記ロッド36が 上部ステアリングコラム4の下部を引っ張る引っ張り力は、前記第一、第二の係 合歯10、13同士の係合に基づく、前記上部ステアリングコラム4の保持力よ りも大きい為、前記上部ステアリングコラム4は横軸6を中心として下方に(図 1で時計方向に)、図1に示した状態から図3に示した状態に迄、内側に支持し たステアリングシャフト1と共に回動する。
【0037】 この結果、このステアリングシャフト1の後端部に固定したステアリングホイ ールが、チルト式ステアリング装置により調節可能な範囲の下限位置(ピン19 が円弧状長孔20の上端に達する位置)迄下降する。この状態では、ステアリン グホイールの後側で膨らんだエアバッグと、運転者の頭部とが整合し、この頭部 がエアバッグにより受け止められる。
【0038】 次に、図4〜5は本考案の第二実施例を示している。本実施例は、米国特許第 3473405号明細書に記載された構造に本考案を適用したものである。上部 ステアリングコラムを構成する揺動側ブラケット40の内側には、横軸41を中 心として揺動する可動ギヤ42を設け、ばね43によりこの可動ギヤ42に、図 4で時計方向の弾力を付与している。
【0039】 一方、下部ステアリングコラム3の上端部に固定した固定側ブラケット44の 内側上部には、前記可動ギヤ42と係脱自在な係止ピン45を固定している。ス テアリングホイールの高さ位置を調節する場合には、図示しないチルトレバーを 操作する事により、押圧片46を後方に変位させ、前記可動ギヤ42をばね43 の弾力に抗し回動させて、前記可動ギヤ42と係止ピン45との係合を外す。こ の状態でステアリングホイールの高さ位置を調節した後、前記押圧片46により 前記可動ギヤ42に加えていた力を解除する。この結果、前記可動ギヤ42と係 止ピン45とが新たな位置関係で互いに係合し、前記ステアリングホイールが調 節後の位置に固定される。
【0040】 この様な構造のチルト式ステアリング装置にも、前記第一実施例の場合と同様 に、Gセンサ28、制御器29、ガス発生器30、アクチュエータ35を付設す る事で、チルト式ステアリング装置用緊急下降装置を構成出来る。尚、前記係止 ピン45と前記可動ギヤ42との接触角βを適正に定める事で、強い力が加わっ た場合に、これら係止ピン45と可動ギヤ42との係合が外れる様にする。
【0041】 尚、作動時にステアリングコラムを支持ブラケットに保持する係止装置として は、図示の様に歯を係合させる事でステアリングコラムを保持する構造の他、摩 擦力により保持する構造を採用する事も出来る。又、本考案は、ステアリングコ ラムの前端部を横軸に枢支して、このステアリングコラム全体を揺動させる、所 謂腰振り式のチルト式ステアリング装置にも、適用可能である。
【0042】
【考案の効果】
本考案のチルト式ステアリング装置用緊急下降装置は、以上に述べた通り構成 され作用する為、衝突時に於けるステアリングホイールの調節位置に拘らず、こ のステアリングホイールを下降させて、このステアリングホイールの後側で膨ら んだエアバッグにより、運転者の頭部を確実に受け止める事が出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第一実施例を、衝突前の状態で示す部
分縦断側面図。
【図2】図1のA部拡大断面図。
【図3】衝突後の状態で示す部分縦断側面図。
【図4】本考案の第二実施例を、衝突前の状態で示す部
分縦断側面図。
【図5】図4のB部拡大断面図。
【図6】従来のチルト式ステアリング装置の全体構成を
示す側面図。
【図7】図6のC部を拡大して示す部分縦断側面図。
【図8】図7のD−D断面図。
【図9】図7のE矢視図。
【図10】ステアリングホイールの揺動状態を示す略側
面図。
【図11】エアバックの作動状態を示す略側面図。
【図12】衝突に伴なうステアリングホイールの変位を
示す略側面図。
【図13】エアバックと運転者の頭部とが対向していな
い状態を示す略側面図。
【図14】一次衝突後にステアリングホイールを下降さ
せる状態を示す略側面図。
【符号の説明】 1 ステアリングシャフト 2 ステアリングコラム 3 下部ステアリングコラム 4 上部ステアリングコラム 5 支持ブラケット 6 横軸 7 チルトレバー 8 ダッシュボード 9 第一の係合部材 10 第一の係合歯 11 横軸 12 第二の係合部材 13 第二の係合歯 14 軸 15 ローラ 16 揺動板 17 傾斜長孔 18、19 ピン 20 円弧状長孔 21 引っ張りばね 22 ステアリングホイール 23 エアバック 24 運転者 25 頭部 26 第二の横軸 27 傾斜縁 28 Gセンサ 29 制御器 30 ガス発生器 31 火薬 32 ケース 33 シリンダ 34 ピストン 35 アクチュエータ 36 ロッド 37 係止片 38 小通孔 39 ストッパ 40 揺動側ブラケット 41 横軸 42 可動ギヤ 43 ばね 44 固定側ブラケット 45 係止ピン 46 押圧片

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体側に固定される支持ブラケットと、
    横軸によりその前端をこの支持ブラケットに枢支された
    ステアリングコラムと、このステアリングコラムと前記
    支持ブラケットとの間に設けられ、作動時に前記ステア
    リングコラムを前記支持ブラケットに保持する係止装置
    と、この係止装置の作動と作動解除とを行なわせるチル
    トレバーとを備えたチルト式ステアリング装置に組み付
    けられ、衝突時に前記ステアリングコラムの後端部を短
    時間で下降させるチルト式ステアリング装置用緊急下降
    装置であって、衝突の衝撃を検知するGセンサと、この
    Gセンサが衝突の衝撃を検知した場合に作動信号を出す
    制御器と、この作動信号に基づいて高圧ガスを発生させ
    るガス発生器と、このガス発生器が発生した高圧ガスに
    よって作動するアクチュエータと、このアクチュエータ
    の変位部にその一端部を、前記ステアリングコラムの一
    部で、前記横軸よりも下側に位置する部分にその他端部
    を、それぞれ係合させた引っ張り部材とを備え、前記ア
    クチュエータの作動時に引っ張り部材を介して前記ステ
    アリングコラムに加えられる回転方向の力を、前記係止
    装置の保持力よりも大きくしたチルト式ステアリング装
    置用緊急下降装置。
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