JPH0642500U - マスタシリンダ - Google Patents

マスタシリンダ

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JPH0642500U
JPH0642500U JP8120092U JP8120092U JPH0642500U JP H0642500 U JPH0642500 U JP H0642500U JP 8120092 U JP8120092 U JP 8120092U JP 8120092 U JP8120092 U JP 8120092U JP H0642500 U JPH0642500 U JP H0642500U
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annular member
piston
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JP8120092U
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Inventor
俊幸 高橋
昭 田中
Original Assignee
株式会社ナブコ
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  • Transmission Of Braking Force In Braking Systems (AREA)
  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】本考案は、センターバルブ型マスタシリンダに
関するものであり、ばねの伸縮を阻害せず、且つ、マス
タシリンダを構成する部品点数が増えないようにしてピ
ン部材の抜止めができるマスタシリンダを提供すること
を目的とする。 【構成】シリンダ本体1に形成されたシリンダ孔2に挿
入されたピストン8と、ピストン8の軸部8Bを径方向
に貫通する透孔20と、透孔20に嵌合されるピン部材
26と、ピン部材26を支持する組込孔43a,43b
が配設された環状部材40と、この環状部材40をシリ
ンダ本体1に取付られたストッパ11に向かって付勢す
るばね29とを備えたマスタシリンダにおいて、環状部
材40に折り曲げ可能な板状部44a,44bを一体に
設け、板状部44a,44bを環状部材40の外周に沿
うように折り返すことにより抜止めが成形されるように
したことを特徴としている。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、例えば車両のブレーキあるいはクラッチ装置で用いられ、センター バルブ型と呼ばれるマスタシリンダに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種のマスタシリンダには、特開昭62−8854号公報、実開平1−13 0867号公報に開示されたものがある。
【0003】 まず、特開昭62−8854号公報に開示されているマスタシリンダでは、弁 体をピストンの移動に応じて変位させるために、シリンダ孔内に環状部材を配置 し、前記環状部材に設けられた組込孔からピン部材をピストンの透孔に嵌入させ ると共に、前記環状部材の外面には、ストッパと反対側に臨むばね受け部を設け 、このばね受け部とピストンとの間に、前記環状部材を囲繞し、前記環状部材及 びピン部材を前記ストッパ側に付勢するばねを介装している。そして、前記ばね が前記ピン部材の両端部と対向して、前記ピン部材が前記組込孔から抜けるよう な移動を生じたとき、前記ピン部材の端部と係合することにより、その移動を阻 止する構造となっている。
【0004】 また、実開平1−130867号公報に開示されているマスタシリンダでは、 前述したマスタシリンダと同様に組み込まれた環状部材の外周には、筒状のリテ ーナを嵌着して、ばねそのリテーナの外周に嵌合すると共に、ピストンとリテー ナのストッパ側端部との間に縮設している。そして、筒状のリテーナの内周面を ピン部材の端部と嵌合させることによって、ピン部材の上述したような移動を阻 止する構造となっている。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
このように、上記した従来の前者のものにおいては、環状部材の外周に嵌合す るばねをピン部材の抜止めとしているため、作動時、ピン部材が環状部材に対し て径方向にずれると、ピン部材の端部がばねに接触して、ばねの伸縮を阻害し、 延いては、弁開閉に支障を来すという問題がある。
【0006】 また、後者のものにおいては、環状部材外周とばね内周との間に位置する筒状 のリテーナをピン部材の抜止めとしているので、ピン部材がばねの伸縮を阻害す ることはないものの、ピン部材の抜止めを別の部材として設けていることから、 マスタシリンダを構成する部品点数が増えてしまうという問題がある。
【0007】 本考案は、この問題を解決するためになされたもので、ばねの伸縮を阻害せず 、また、マスタシリンダを構成する部品点数が増えないようにしたマスタシリン ダを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本考案のマスタシリンダは、環状部材に折り曲げ 可能な板状部を一体に設け、その板状部を当該環状部材の外周に沿うように折り 返すことにより抜止めが形成されるようにしたことを特徴とする。
【0009】 また、前記環状部材には、ばねの一端が直接係合するばね受け部が形成してあ ることを特徴とする。
【0010】
【作用】
上述した本考案のマスタシリンダでは、環状部材に折り曲げ可能な板状部を一 体に設け、その板状部を当該環状部材の外周に沿うように折り返すことにより抜 止めが形成されるようにしたので、組立時に、ピン部材を組込孔から挿入し、且 つ、透孔内に嵌入した後に、前記板状部を前記環状部材の外周に沿うように折り 返すと、その板状部が前記ピン部材の端部と係合可能に対向する。従って、その 後ピン部材は、抜止め用部材を別に設けることなく、その環状部材の一部である 板状部によって、組込孔から径外方に抜け出るような移動を阻止されるのみなら ずピン部材の端部が環状部材外周に位置するばねに接触することをも阻止される 。
【0011】 また、前記環状部材には、前記ばねの一端が直接係合するばね受け部が形成し てあるので、ピン部材の抜止め用部材だけでなく、ばね受け用部材をも別に設け る必要がなくなる。
【0012】
【実施例】
以下、本考案の一実施例を図面を参照して説明する。
【0013】 (第1の実施例) 図1は本考案の一実施例のマスタシリンダの一部断面図、図2は図1の要部を 拡大した断面図である。図1及び図2中の1はシリンダ本体であって、内部には 、一端が開口する有底のシリンダ孔2が形成され、外周部には作動液リザーバ5 2の接続部51と接続されるボス部3が半径方向に突出形成されている。
【0014】 シリンダ孔2は、大径部4と小径部5が形成された段付孔を有しており、小径 部5には、シリンダ孔2の図示しない底側に、従ピストン6がこの大径部4側端 部にカップシール7を嵌着され、また、大径部4側には、主ピストン8の頭部8 Aがカップシール9を嵌着されて、摺動自在に挿入されており、主ピストン8の 軸部8Bは大径部4に嵌合された密封装置10を摺動自在に貫通してシリンダ孔 2外へ突出している。
【0015】 密封装置10は、大径部4の段部に係合する環状のストッパ11と大径部4側 の端部に嵌着された止め輪12との間に配置されたガイド部材13と、ガイド部 材13と大径部4との間を密封する外周シール材14と、ガイド部材13と主ピ ストン8の軸部8Bとの間を密封する内周シール材15を有し、この内周シール 材15は、ガイド部材13に形成された凹部13Aの内周面と軸部8Bとで形成 する環状溝に嵌着されており、この内周シール材15とストッパ11との間には 、保持リング16が介在され、上記環状溝から内周シール材15が抜け出ること を規制している。
【0016】 従ピストン6は、上記シリンダ孔2の底と当該従ピストン6との間に介装され た図示しない戻しばねにより主ピストン8側へ付勢されて、上記シリンダ孔2の 底との間に図示しない従液圧室を区画するとともに、主ピストン8との間に主液 圧室Aを区画している。
【0017】 主ピストン8は、図2にも示すように、この軸部8Bの頭部8A寄りで半径方 向に貫通する透孔20を有し、この透孔20はその断面形状が軸部8Bの軸線方 向にみて長孔となるように形成され、頭部8Aがストッパ11との間に区画する 液補給室Bに開口している。主ピストン8は、更に、主液圧室Aに開口する頭部 8Aに形成された凹部21、この凹部21の底21aに一端が開口し、他端が透 孔20に開口する弁孔22を有しており、凹部21内には、弁孔22の主液圧室 A側の開口を閉鎖可能な弁体23が弁ばね24によって透孔20側へ付勢されて 収納されている。この弁体23からは、弁孔22を遊嵌して透孔20内に突出す るステム25が延び、このステム25の透孔20側端は、ピン部材26の周面に 当接係合している。このピン部材26は、透孔20内に軸部8Bの軸線方向に所 定量の移動を許容されて挿通される軸部材であって、その両端は主ピストン8の 軸部8Bに摺動可能に外嵌された環状部材40の組込孔43a、43bに嵌合し 、板状部44a,44bによってピン部材26は抜け不能に保持されている。
【0018】 また、環状部材40のばね受け部42と主ピストン8の頭部8Aとの間には、 ばね29が介装されており、環状部材40は、このばね29のばね力で密封装置 10側に付勢され、その密封装置10側端面がストッパ11に当接係合している 。
【0019】 従ピストン6と主ピストン8との間には、該主ピストン8の戻しばね30とボ ルト32とが収納されている。この戻しばね30は、従ピストン6の大径部4側 端部に設けられたフランジ部6Aに一端が係合し、主ピストン8の頭部8A先端 部に嵌合されたばね受け31に他端が係合している。また、ボルト32は、該ば ね受け31の主ピストン8側の側面に一方端が係合する頭部32Aと該ばね受け 31の中央孔を貫通して従ピストン6側へ延びる軸状部32Bからなり、この軸 状部32Bを従ピストン6に螺入することにより、従ピストン6とばね受け部3 1とを連結している。これにより、従ピストン6と主ピストン8とは、戻しばね 30のばね力で互いに離間する向きに付勢されるとともに、ボルト32でその最 大離間距離が規制されている。
【0020】 なお、上記従液圧室と主液圧室Aとの各々には図示しない吐出口が開口してお り、液補給室Bは、シリンダ本体1の壁に形成した通孔53を通ってボス部3内 に連通している。
【0021】 図3及び図4は、先に述べた環状部材40の取付成形前の状態を示したもので あり、以下、図3及び図4を参照して詳細に説明する。
【0022】 図3は本考案の一実施例に用いられている環状部材40の取付成形前の斜視図 、図4は図3に示す環状部材40の断面図である。図3及び図4中に示す44a ,44bは、環状部材40の一端側から軸方向に突出し、互いに対向する位置に 環状部材40と一体に設けられた板状部であって、板状部44aは、U溝46a と薄板部48aと突出部49aとを有し、板状部44bは、同様に、U溝46b と薄板48bと突出部49bを有している。また、環状部材40の他端側には、 径方向に張り出してばね受け部42が形成されているつば部41と、ばね受け部 42に隣接し、板状部44a,44bと略同一直線上に位置する溝部47a,4 7bとが設けられており、板状部44a,44bと略同一直線上に位置し、ピン 部材26と略同径でその端部を支持する組込孔43a,43bと、主ピストン8 の軸部8Bが貫通する空洞部45とが設けられている。なお、図3に示す板状部 44a,44bの幅Hは、組込孔43a,43bの直径と略同一であり、この板 状部44a,44bのそれぞれの長さLは、溝部47aとU溝46a間、及び溝 部47bとU溝46b間の長さと略同一である。
【0023】 環状部材40を取付状態に成形する時の手順を一例として示すと、まず図3及 び図4に示す板状部44aをU溝46aの位置で180度折り返し、環状部材4 0の外周に沿うように折り曲げ、板状部44a端部の突出部49aを環状部材4 0他端側の溝47aに嵌合させ、薄板部48aによって、組込孔43aを塞ぐ。 そして、この状態の環状部材40を主ピストン8の軸部8B側から挿入し、環状 部材40の組込孔43bが透孔20に整合する位置まで移動させ、ピン部材26 を組込孔43bから透孔20,組込孔43aに嵌入した後に、板状部44bの端 部に設けられた突出部49bをU溝46bの位置で180度折り返し、環状部材 40の外周に沿うように折り曲げ、突出部49bを溝47bに嵌合させ、薄板部 48bによって、組込孔43bを塞ぐ。なお、上記した手順では先に板状部44 a側をU溝46aで折り曲げ、板状部44aの先端を溝47aに嵌合させ、板状 部44aの薄板部48aによって組込孔43aを塞ぎ、組込孔43b側からピン 部材26を嵌入しているが、先に板状部44b側を折り曲げ、組込孔43a側か らピン部材26を嵌入してもよい。
【0024】 本考案の実施例によるマスタシリンダは、以上のように構成されているが、次 に、このマスタシリンダの作動について簡単に説明する。
【0025】 図1及び図2は、マスタシリンダの非作動状態を示しており、弁体23は凹 部21の底21aから離座し、作動液リザーバ52は、通孔53−液補給室B− 空洞部45−透孔20−弁孔22−凹部21を通して主液圧室Aに連通している 。
【0026】 この状態で、図示しないブレーキペダルが踏み込まれると、主ピストン8が 戻しばね30のばね力に抗して従ピストン6側へ移動する。この時、ばね29が 伸長して環状部材40はそのばね力により密封装置10側に付勢され、ピン部材 26は主ピストン8とともに移動しないため、ステム25を介してピン部材26 に係合している弁体23は、主ピストン8の移動に応じて底21aに向かって相 対的に移動していく。
【0027】 そして弁体23が凹部21の底21aに着座するまで主ピストン8が移動し たときに、主液圧室Aは作動液リザーバ52から遮断され、更に、図示しないブ レーキペダルを踏み込むと、主ピストン8が従ピストン6側へ移動し、主液圧室 Aに液圧が発生し、発生した液圧は図示しない吐出口から配管を通して図示しな いブレーキ装置へ送られる。また、主ピストン8の上記移動に伴って従ピストン 6が主ピストンの移動方向と同方向へ移動し、同じように、図示しない従液圧室 が作動液リザーバ52側と遮断されて、当該従液圧室に液圧が発生し、発生した 液圧は図示しない吐出口から配管を通して図示しないブレーキ装置へ送られる。
【0028】 なお、主ピストン8のシリンダ孔2の底側への移動量が大となると、最終的に ピン部材26のストッパ11側周面と透孔20周面とが当接し、この軸部8Bの 透孔20周面が直接ピン部材26を従ピストン6側に押すことになり、環状部材 40のつば部41がストッパ11から離れて、環状部材40及びピン部材26は 、ばね29のばね力に抗して、主ピストン8と共に従ピストン6側に移動する。
【0029】 次に、図示しないブレーキペダルを踏み込むことをやめると、主液圧室Aの 液圧やばね30のばね力によって主ピストン8は密封装置10側に移動される。 そして、弁体23が凹部21の底21aから離座する位置まで主ピストン8が移 動すると、主液圧室Aは作動液リザーバ52と連通され、ブレーキ装置に送られ ていた液圧は解放される。
【0030】 なお、主ピストン8のシリンダ孔2の底側への移動量が大で、環状部材40が ストッパ11から離れた状態から図示しないブレーキペダルを踏み込むことをや めると、従ピストン6側に移動していた環状部材40はばね29のばね力によっ て、つば部41がストッパ11と当接する位置まで戻り、その後は、上記した と同様の動きとなる。
【0031】 このような第1の実施例によれば、環状部材40と一体にこの環状部材40の 一端から軸方向に突出し、互いに対向する位置に設けられた板状部44a,44 bをU溝46の位置で、環状部材40の外周に沿うように折り曲げ、突出部49 a,49bをそれぞれ溝部47a,47bに嵌合させる構成としているので、薄 板部48a,48bが、板状部44a,44bと同一直線上に設けられたそれぞ れの組込孔43a,43bを塞ぎ、透孔20を貫通し、組込孔43a,43b間 に支持されたピン部材26の脱落を防ぐ。また、環状部材40を密封装置10側 に付勢しているばね29とピン部材26とが接触することがないため、マスタシ リンダの作動中に、ばね29が伸縮する際に、ピン部材26がその伸縮を阻害す ることを防止することができる。また、環状部材40に板状部44a,44bが 一体形成されているので、ピン部材26の脱落を防ぐための部材を新たに必要と しないからマスタシリンダを構成する部品点数を削減することができる。
【0032】 更に、環状部材40にばね受け部42を設けているので、このばね受け部42 がばね29の一端側を受けることになり、新たにこのばね受け部42に相当する 部材を設ける必要がなく、マスタシリンダを構成する部品点数を更に削減するこ とができる。
【0033】 (第2の実施例) 図5は図3及び図4とは形状が異なる環状部材40′の取付成形前の斜視図、 図6は図5に示す環状部材40′の断面図である。図5中の43cは、ピン部材 26と略同径でその端部を支持する組込孔で、44cは、環状部材40′の小径 側外周面に設けられている組込孔43cの近傍にコ字状に切り込みを入れて形成 した板状部である。この板状部44cの幅H′は、ピン部材26を挿入する組込 孔43cの直径より小さくなっている。また、この板状部44cの長さL′は、 折り返しの基線となる板状部44cの固定端から組込孔43cの板状部44c側 開口端縁までの距離に、組込孔43cの直径寸法を加算した程度となっている。
【0034】 図6中の50は、環状部材40′に嵌入されるピン部材26と略同径でその端 部が嵌まり込む凹部であって、この環状部材40′を取付成形するときは、上記 した第1の実施例と同様に透孔20と整合するように組込孔43cを移動させ、 組込孔43cからピン部材26の一端を挿入して、透孔20を貫通させ、このピ ン部材26の一端を凹部50に嵌め込ませた後に、板状部44cを環状部材40 ′の外周方向に折り曲げる。このによって、板状部44cが部分的に覆い、ピン 部材26の端部と係合可能に対向するため、ピン部材26は組込孔43cからの 抜出しを阻止される。
【0035】 なお、環状部材40′を用いたマスタシリンダの作動は、上述した第1の実施 例と同一である。
【0036】 このような第2の実施例によれば、上記した第1の実施例と同一の効果が得ら れる他に、板状部44cの幅H′が組込孔43cの直径より小さいので、ピン部 材26を嵌入し、環状部材40′を取付成形した後に、組込孔43cが板状部4 4cによって覆われていない隙間からピン部材26を直接見ることができ、ピン 部材26の有無を上記した隙間を介して目視により確認可能となる。
【0037】 以上、図示した実施例について説明したが、本考案はこれに限定されるもので はなく、板状部を一体に設ける環状部材は、金属,合成樹脂を問わず、板状部の 折り曲げに適した材料で形成すればよい。また、板状部の幅,長さ等の寸法や形 状も、板状部が折り返されたとき、少なくともその一部分が組込孔の開口を介し てピン部材の端部に係合可能に定めればよい。
【0038】
【考案の効果】
以上詳述したように、本考案のマスタシリンダによれば、ピン部材を支持する 環状部材に折り曲げ可能な板状部を一体に設け、その板状部を当該環状部材の外 周に沿うように折り返すことによりピン部材の抜止めが形成されるようにした構 造であるから、ピン部材が環状部材の外周に設けられ環状部材をストッパ側に付 勢するばねと接触することがなくなり、前記ばねの伸縮を阻害せずに弁の開閉に 支障を来すことなくマスタシリンダが作動することができると共に、別途、前記 ピン部材の脱落を防ぐ部材を設ける必要がなく、マスタシリンダを構成する部品 点数の削減を図ることができ、構造が簡素なマスタシリンダを得ることができる という効果がある。
【0039】 また、前記環状部材にばねの一端が直接係合するばね受け部を形成した構成と しているので、新たに前記したばね受け部に相当する部材を必要とせず、更に上 記したマスタシリンダを構成する部品点数を削減を図ることができ、上記したマ スタシリンダの構造が一層簡素なものとなるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例のマスタシリンダの一部断面
側面図である。
【図2】図1の要部を拡大した断面側面図である。
【図3】図1及び図2に示されている環状部材の取付形
成前の斜視図である。
【図4】図3に示す環状部材の断面図である。
【図5】環状部材の他の実施例を示す取付成形前の斜視
図である。
【図6】図5に示す環状部材の断面図である。
【符号の説明】
1 シリンダ本体 2 シリンダ孔 11 ストッパ 20 透孔 22 弁孔 23 弁体 25 ステム 26 ピン部材 29 ばね 40 環状部材 43a,43b 組込孔 44a,44b 板状部 A 液圧室

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダ孔を形成したシリンダ本体と、
    前記シリンダ孔に移動自在に挿入されて液圧室を区画す
    るピストンと、このピストンの前記シリンダ本体外方側
    に延びる軸部を径方向に貫通する透孔と、この透孔を前
    記液圧室に連絡して前記ピストンに形成される弁孔と、
    この弁孔の前記液圧室に対する開口を閉鎖可能に配置さ
    れる弁体と、この弁体から前記弁孔内を介して前記透孔
    まで延びるステムと、このステムと当接可能に前記透孔
    に嵌合され当該透孔内を前記ピストンの軸線方向に移動
    可能なピン部材と、このピン部材が挿入されその端部を
    支持する組込孔を形成され前記ピストンの軸部外周に沿
    って移動可能な環状部材と、この環状部材の外周で前記
    組込孔と対向する前記ピン部材の抜止めと、前記シリン
    ダ本体に取付けられ前記環状部材との係合により前記ピ
    ン部材及び前記ステムを介して前記弁体を前記開口から
    離す方向に移動させるストッパと、前記環状部材をその
    ストッパに向かって付勢するばねとを備えたマスタシリ
    ンダにおいて、前記環状部材に折り曲げ可能な板状部を
    一体に設け、その板状部を当該環状部材の外周に沿うよ
    うに折り返すことにより前記抜止めが形成されるように
    したことを特徴とするマスタシリンダ。
  2. 【請求項2】 前記環状部材に、前記ばねの一端が直接
    係合するばね受け部が形成してあることを特徴とする請
    求項1記載のマスタシリンダ。
JP8120092U 1992-11-25 1992-11-25 マスタシリンダ Pending JPH0642500U (ja)

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