JP4633614B2 - マスタシリンダ - Google Patents

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    • B60T11/20Tandem, side-by-side, or other multiple master cylinder units

Description

本発明は、車両のブレーキ装置にブレーキ液を供給するマスタシリンダに関する。
車両のブレーキ装置にブレーキ液を供給するマスタシリンダのなかに、小型・軽量化等を目的としてシリンダ本体からピストンが突出して設けられるオーバーハング型のマスタシリンダがある。このようなマスタシリンダにおいて、輸送時やブースタとの組み付け時等においてシリンダ本体から突出するピストンの露出部分に傷が付くのを防止するために、この露出部分にゴムカバーを設けるものがあった(例えば特許文献1参照)。
実開平6−33765号公報
上記のマスタシリンダにおいてはゴムカバーを用いているため、マスタシリンダへのブレーキ液の充填時等でピストンが後退したときにゴムカバーが伸びることで、ピストンが後退限以上に後退してしまう可能性がある。このため、ピストンの後退限を規定するための別途のストッパを設ける必要があり、その結果、構造が複雑になって組み付け性が悪くなってしまうという問題があった。
したがって、本発明は、シリンダ本体からピストンが突出して設けられる構造であっても、ピストンの露出部分に傷が付くのを防止することができ、その上で、構造を簡素化できて組み付け性を向上できるマスタシリンダの提供を目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、有底筒状のシリンダ本体と、該シリンダ本体内に一側が摺動可能に挿入されるとともに他側が前記シリンダ本体から突出して設けられ、前記シリンダ本体との間に液圧を発生する圧力室を形成するピストンと、前記ピストンの前記シリンダ本体から突出した他側を覆いつつ伸縮自在に形成されるとともに、前記ピストンの後退限を規定するプロテクタ部材とを備え、前記ピストンはブースタの出力ロッドが当接するようになっており、前記プロテクタ部材は、前記出力ロッドが所定量以上前進したときに縮み、前記ブースタの出力ロッドの前進限までの移動を許容することを特徴としている。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記プロテクタ部材は、前記ピストンの前記シリンダ本体から突出した他側で前記ピストンの後退限を規定することを特徴としている。
請求項3に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記プロテクタ部材は、一側が前記シリンダ本体に係止される第1のカバー部材と、一側が該第1のカバー部材の他側に摺動可能に係合される第2のカバー部材と、からなり、前記第2のカバー部材の一側の外周面が、前記第1のカバー部材の他側の内周面に摺動可能に係合することを特徴としている。
請求項4に係る発明は、請求項3に係る発明において、前記第2のカバー部材の一側には、前記第1のカバー部材の内周面で摺動する大径部が形成されていることを特徴としている。
請求項5に係る発明は、請求項4に係る発明において、前記第1のカバー部材の他側には、前記第2のカバー部材を前記ピストンの軸方向と平行に移動可能に案内するガイド部が形成されていることを特徴としている。
請求項6に係る発明は、請求項に係る発明において、前記プロテクタ部材は、一側が前記シリンダ本体に係止される第1のカバー部材と、一側が該第1のカバー部材の他側に摺動可能に係合される第2のカバー部材と、からなり、前記第2のカバー部材の一側の内周面が、前記第1のカバー部材の他側の外周面に摺動可能に係合することを特徴としている。
請求項7に係る発明は、請求項3乃至6のいずれか一項に係る発明において、前記プロテクタ部材は、前記ピストンの前記シリンダ本体から突出した他側で前記ピストンの後退限を規定することを特徴としている。
請求項8に係る発明は、請求項3乃至7のいずれか一項に係る発明において、前記プロテクタ部材は、前記第1のカバー部材に対して前記第2のカバー部材の伸長方向の移動限が決められるとともに、前記第2のカバー部材の他側に中央に挿入穴が形成された円板部を有し、該円板部が前記ピストンの前記シリンダ本体から突出した他側の端面と当接することを特徴としている。
本発明によれば、一側においてシリンダ本体に挿入されたピストンのシリンダ本体から突出する他側を、伸縮自在に形成されたプロテクタ部材によって覆うため、ピストンの露出部分に傷が付くのを防止することができる。
一側においてシリンダ本体に挿入されたピストンのシリンダ本体から突出する他側を、伸縮自在に形成されたプロテクタ部材によって覆うため、ピストンの露出部分に傷が付くのを防止することができる。その上で、このプロテクタ部材がピストンの後退限を規定するため、ピストンの後退限を規定するための別途のストッパを設ける必要がなくなる。したがって、構造を簡素化でき、全体の組み付け性を向上できる。
請求項2に係る発明によれば、プロテクタ部材が、ピストンのシリンダ本体から突出した他側でピストンの後退限を規定するため、プロテクタ部材自体の組み付け性が良好となり、その結果、全体の組み付け性をさらに向上できる。
求項に係る発明によれば、ピストンが後退すると、このピストンの端面に当接する第2のカバー部材が、これに係合されるとともにシリンダ本体に係止された第1のカバー部材に対し摺動することでプロテクタ部材が伸縮可能となっている。このように、ピストンのシリンダ本体から突出した他側を覆い且つピストンの後退限を規定することが、確実に簡素な構成でできる。また、プロテクタ部材が、シリンダ本体に係止される第1のカバー部材の内周面に対して、ピストンの端面に当接する第2のカバー部材の外周面を摺動可能に係合させるため、先細の形状となり、スペース効率を向上できる
請求項4に係る発明によれば、第2のカバー部材の一側には、第1のカバー部材の内周面で摺動する大径部が形成されているため、この大径部に隣り合う段部よって第2のカバー部材の移動限を容易に設定でき、これによりピストンの後退限を規定することが、さらに簡素な構成でできる。
請求項に係る発明によれば、シリンダ本体に係止される第1のカバー部材に設けられたガイド部が、ピストンの端面に当接して移動する第2のカバー部材をピストンの軸方向と平行に移動するように案内するため、第2のカバー部材を安定して移動させることができる。プロテクタ部材が、ピストンのシリンダ本体から突出した他側でピストンの後退限を規定するため、プロテクタ部材自体の組み付け性が良好となり、その結果、全体の組み付け性をさらに向上できる。
請求項に係る発明によれば、プロテクタ部材が、ピストンのシリンダ本体から突出した他側でピストンの後退限を規定するため、プロテクタ部材自体の組み付け性が良好となり、その結果、全体の組み付け性をさらに向上できる。
本発明の第1実施形態のマスタシリンダを図1〜図4を参照して説明する。
図1に示すマスタシリンダ11は、ブースタ12で助勢されて導入される図示略のブレーキペダルの操作量に応じたブレーキ液圧を発生させるものである。このマスタシリンダ11には、その上側にブレーキ液を給排するリザーバ13が取り付けられている。
ブースタ12は、その外殻を構成するシェル14と、図示略のブレーキペダルに連結されブレーキペダルの踏み込みに応じて軸線方向に移動する入力ロッド15と、この入力ロッド15への入力つまりブレーキペダルの踏力を、エンジンの負圧を利用して助成するパワーピストン16と、パワーピストン16の入力ロッド15とは反対側に入力ロッド15と同軸に設けられるとともに、パワーピストン16で押圧されて移動する出力ロッド17とを有している。
ここで、出力ロッド17は、軸部19と軸部19よりも大径で軸部19とは反対側に開口する嵌合凹部20が形成された嵌合部21とを有する形状をなしている。この嵌合凹部20にパワーピストン16の入力ロッド15とは反対側の嵌合凸部22を摺動可能に嵌合させている。なお、出力ロッド17の嵌合凹部20とパワーピストン16の嵌合凸部22との間にはリアクションディスク23が配設されている。そして、出力ロッド17の嵌合部21の軸部19側を覆うようにスプリング係止カバー25が取り付けられており、このスプリング係止カバー25とシェル14との間には出力ロッド17およびパワーピストン16を入力ロッド15側に付勢するリターンスプリング26が介装されている。
スプリング係止カバー25は、中央に出力ロッド17の軸部19が挿入される挿入穴30が形成されるとともに出力ロッド17の嵌合部21の軸部19側の端面に当接可能な円板部31と、この円板部31の外周縁部から出力ロッド17の嵌合部21の外周部を覆うように延出する円筒部32と、この円筒部32の円板部31とは反対側から半径方向外側に突出するフランジ部33とを有している。このフランジ部33にはリターンスプリング26の一端側が係止されている。これに対し、シェル14には、入力ロッド15とは反対側の外端面にこの外端面から入力ロッド15の側に凹むように延出する取付円筒部35と、この取付円筒部35の軸線方向の内側の端縁部から半径方向内方に突出する段板部36と、この段板部36の内周縁部から取付円筒部35とは反対側に突出し取付円筒部35よりも若干小径の小径円筒部37とが形成されている。リターンスプリング26の他端側はこの小径円筒部37を内側に挿入させて段板部36に係止されている。
図2に示すように、マスタシリンダ11は、底部40と筒部41とを有する有底筒状に一つの素材から加工されて形成されるシリンダ本体42と、このシリンダ本体42の開口部43側に、シリンダ本体42の筒部41の軸線(以下、シリンダ軸と称す)に沿って摺動可能となるように挿入されるプライマリピストン(ピストン)44と、シリンダ本体42のプライマリピストン44よりも底部40側に、シリンダ軸方向に沿って摺動可能となるように挿入されるセカンダリピストン45とを有するタンデムタイプのものである。そして、このマスタシリンダ11は、シリンダ本体42の開口部43側の一部をブースタ12の取付円筒部35に挿入させ、且つ、筒部41の開口部43側のフランジ部46をブースタ12のシェル14の外端面に当接させた状態でブースタ12のシェル14に取り付けられる。
シリンダ本体42には、筒部41の径方向(以下、シリンダ径方向と称す)外側に突出し、かつ、シリンダ軸方向に並設される二カ所の取付台部48,49が筒部41の上部に一体に形成されている。取付台部48,49には、上記したリザーバ13を取り付けるための取付穴50,51が、互いに筒部41の円周方向(以下、シリンダ円周方向と称す)における位置を一致させて形成されている。
シリンダ本体42の筒部41の取付台部48,49側には、セカンダリ吐出路53およびプライマリ吐出路54が形成されている。これらセカンダリ吐出路53およびプライマリ吐出路54には、ブレーキ液を図示せぬブレーキ装置に供給するための図示せぬブレーキ配管が取り付けられる。なお、これらセカンダリ吐出路53およびプライマリ吐出路54は、互いにシリンダ円周方向における位置を一致させた状態でシリンダ軸方向における位置をずらして形成されている。
シリンダ本体42の筒部41の底部40側には、セカンダリピストン45を摺動可能に嵌合させる摺動内径部56,57が底部40側から順に形成されている。また、シリンダ本体42の筒部41の開口部43側にも、プライマリピストン44を摺動可能に嵌合させる摺動内径部58,59が底部40側から順に形成されている。これら摺動内径部56〜59は同軸同径とされている。
また、シリンダ本体42の筒部41には、摺動内径部56と底部40との間に、摺動内径部56と同軸でこの摺動内径部56よりも大径の大径穴部60が形成されており、摺動内径部57と摺動内径部58との間にも、摺動内径部57,58と同軸でこれら摺動内径部57,58よりも大径の大径穴部61が形成されている。これら大径穴部60,61は同径とされている。
シリンダ本体42の筒部41の底部40側において、摺動内径部56のシリンダ軸方向の中間位置には、シリンダ円周方向に環状をなしてシリンダ径方向外側に凹む形状のシール周溝63が形成されている。また、摺動内径部56,57の間には、シリンダ円周方向に環状をなしてシリンダ径方向外側に凹む形状の開口溝64が形成されている。さらに、摺動内径部57のシリンダ軸方向の中間位置には、シリンダ円周方向に環状をなしてシリンダ径方向外側に凹む形状のシール周溝65が形成されている。
シリンダ本体42の筒部41の開口部43側においても、摺動内径部58のシリンダ軸方向の中間位置には、シリンダ円周方向に環状をなしてシリンダ径方向外側に凹む形状のシール周溝67が形成されている。また、摺動内径部58,59の間には、シリンダ円周方向に環状をなしてシリンダ径方向外側に凹む形状の開口溝68が形成されている。さらに、摺動内径部59のシリンダ軸方向の中間位置には、シリンダ円周方向に環状をなしてシリンダ径方向外側に凹む形状のシール周溝69が形成されている。
シリンダ本体42の摺動内径部56のシール周溝63は、底部40側の取付穴50に近接して形成されており、このシール周溝63にピストンシール71が嵌合されている。ピストンシール71は、その内周と外周とにリップ部を有してC字状断面を有するカップシールであり、底部40側に開口側を配置した状態でシール周溝63に取り付けられる。
シリンダ本体42の摺動内径部56,57間の開口溝64には、底部40側の取付穴50から穿設される連通穴72が開口している。ここで、これらの開口溝64と連通穴72とが、シリンダ本体42とリザーバ13とを連通可能に結ぶとともにリザーバ13に常時連通するセカンダリ補給路73を主に構成している。
シリンダ本体42の摺動内径部57のシール周溝65には、区画シール74が嵌合されている。この区画シール74もその内周と外周とにリップ部を有してC字状断面を有するカップシールであり、開口部43側に開口側を配置した状態でシール周溝65に取り付けられる。
シリンダ本体42の摺動内径部58のシール周溝67は、開口部43側の取付穴51に近接して形成されており、このシール周溝67にピストンシール76が嵌合されている。ピストンシール76は、その内周と外周とにリップ部を有してC字状断面を有するカップシールであり、底部40側に開口側を配置した状態でシール周溝67に取り付けられる。
シリンダ本体42の摺動内径部58,59間の開口溝68には、開口部43側の取付穴51から穿設される連通穴77が開口している。ここで、これらの開口溝68と連通穴77とが、シリンダ本体42とリザーバ13とを連通可能に結ぶとともにリザーバ13に常時連通するプライマリ補給路78を主に構成している。
シリンダ本体42の摺動内径部59のシール周溝69には、区画シール79が嵌合されている。この区画シール79もその内周と外周とにリップ部を有してC字状断面を有するカップシールであり、底部40側に開口側を配置した状態でシール周溝69に取り付けられる。
シリンダ本体42の底部40側に嵌合されるセカンダリピストン45は、長さの長い第1円筒部81と、第1円筒部81の軸線方向における一側に形成された底部82と、底部82の第1円筒部81に対し反対側に形成された長さの短い第2円筒部83とを有する形状をなしている。セカンダリピストン45は、長さの長い第1円筒部81をシリンダ本体42の底部40側に配置した状態でシリンダ本体42の摺動内径部56,57に摺動可能に嵌合されている。また、第1円筒部81の底部82に対し反対側の端部の外周側には、他の部分よりも径が若干小さい環状の段部84が形成されている。さらに、第1円筒部81の段部84には、その底部82側にシリンダ径方向に貫通するポート85が複数放射状に形成されている。
ここで、シリンダ本体42の底部40および筒部41の主として大径穴部60とセカンダリピストン45とで囲まれた部分が、セカンダリ吐出路53に液圧を供給するセカンダリ圧力室88となっている。このセカンダリ圧力室88は、セカンダリピストン45がポート85を開口溝64に開口させる位置にあるとき、セカンダリ補給路73に連通する。シリンダ本体42の底部40側のシール周溝63に設けられたピストンシール71は、内周がセカンダリピストン45の外周側に摺接することになっている。そして、セカンダリピストン45がポート85をピストンシール71よりも底部40側に位置させた状態では、セカンダリ補給路73とセカンダリ圧力室88との間を密封可能、つまり、セカンダリ圧力室88と、セカンダリ補給路73およびリザーバ13との連通を遮断可能となっている。
ピストンシール71は、セカンダリ圧力室88の液圧がセカンダリ補給路73の液圧(つまり大気圧)より大きくなると、セカンダリ圧力室88とセカンダリ補給路73およびリザーバ13との連通を遮断する。一方、セカンダリ圧力室88の液圧がセカンダリ補給路73の液圧より小さくなると、セカンダリ圧力室88とセカンダリ補給路73およびリザーバ13とを連通させてセカンダリ圧力室88への液補給を行う。
セカンダリピストン45とシリンダ本体42の底部40との間には、ブースタ12側から入力がない初期状態でこれらの間隔を決めるセカンダリピストンスプリング90を含む間隔調整部91が設けられている。
この間隔調整部91は、シリンダ本体42の底部40に当接するバネリテーナ92と、このバネリテーナ92に所定範囲内でのみ摺動可能に係合されてセカンダリピストン45の底部82に当接するバネリテーナ93とを有している。そして、セカンダリピストンスプリング90は、両側のバネリテーナ92,93間に介装されている。
シリンダ本体42の開口部43側に嵌合されるプライマリピストン44は、第1円筒部96と、第1円筒部96の軸線方向における一側に形成された底部97と、底部97の第1円筒部96に対し反対側に形成された第2円筒部98とを有する形状をなしている。プライマリピストン44は、その第1円筒部96をシリンダ本体42内のセカンダリピストン45側に配置した状態でシリンダ本体42の摺動内径部58,59に摺動可能に嵌合されている。ここで、第2円筒部98の内側にはブースタ12の出力ロッド17の軸部19が挿入され、この出力ロッド17が底部97を押圧する。
また、第1円筒部96の底部97に対し反対側の端部の外周側には、他の部分よりも径が若干小さい環状の凹部100が形成されている。さらに、第1円筒部96の凹部100には、その底部97側に径方向に貫通するポート101が複数放射状に形成されている。
ここで、シリンダ本体42の筒部41の主として大径穴部61とプライマリピストン44とセカンダリピストン45とで囲まれた部分が、プライマリ吐出路54に液圧を供給するプライマリ圧力室(圧力室)103となっている。このプライマリ圧力室103は、プライマリピストン44がポート101を開口溝68に開口させる位置にあるとき、プライマリ補給路78に連通する。シリンダ本体42のシール周溝67に設けられたピストンシール76は、内周がプライマリピストン44の外周側に摺接することになっている。そして、プライマリピストン44がポート101をピストンシール76よりも底部40側に位置させた状態では、プライマリ補給路78とプライマリ圧力室103との間を密封可能、つまり、プライマリ圧力室103と、プライマリ補給路78およびリザーバ13との連通を遮断可能となっている。
ピストンシール76は、プライマリ圧力室103の液圧がプライマリ補給路78の液圧(つまり大気圧)より高くなると、プライマリ圧力室103とプライマリ補給路78およびリザーバ13との連通を遮断する。一方、プライマリ圧力室103の液圧がプライマリ補給路78の液圧より小さくなると、プライマリ圧力室103とプライマリ補給路78およびリザーバ13とを連通させてプライマリ圧力室103への液補給を行う。
シール周溝65に設けられた区画シール74は、セカンダリピストン45に摺接してセカンダリ圧力室88およびセカンダリ補給路73とプライマリ圧力室103との間を密閉させることになり、シール周溝69に設けられた区画シール79は、プライマリピストン44に摺接してプライマリ補給路78およびプライマリ圧力室103を外気に対し密閉させる。
セカンダリピストン45とプライマリピストン44との間には、ブースタ12側から入力がない初期状態でこれらの間隔を決めるプライマリピストンスプリング105を含む間隔調整部106が設けられている。
この間隔調整部106は、セカンダリピストン45の底部82に当接するバネリテーナ107と、プライマリピストン44の底部97に当接するバネリテーナ108と、バネリテーナ107に一端部が固定されるとともにバネリテーナ108を所定範囲内でのみ摺動自在に支持する軸部材109とを有している。そして、プライマリピストンスプリング105は、両側のバネリテーナ107,108間に介装されている。
シリンダ本体42の摺動内径部56におけるシール周溝63よりも大径穴部60側の部分には、シリンダ軸方向の一端側がシール周溝63内に開口するとともに他端側が大径穴部60内に開口する連通溝111が、シリンダ径方向外側に凹むように形成されている。この連通溝111は、大径穴部60に形成されたセカンダリ吐出路53とシール周溝63とをセカンダリ圧力室88を介して連通させるものである。この連通溝111は、摺動内径部56より小径であって摺動内径部56および大径穴部60の軸つまりシリンダ軸と平行な軸を中心とした円弧状をなしている。
同様に、シリンダ本体42の摺動内径部58におけるシール周溝67よりも大径穴部61側の部分には、シリンダ軸方向の一端側がシール周溝67内に開口するとともに他端側が大径穴部61内に開口する連通溝112が、シリンダ径方向外側に凹むように形成されている。この連通溝112は、大径穴部61に形成されたプライマリ吐出路54とシール周溝67とをプライマリ圧力室103を介して連通させるものである。この連通溝112も、摺動内径部58より小径であって摺動内径部58および大径穴部61の軸つまりシリンダ軸と平行な軸を中心とした円弧状をなしている。
ここで、上記したようにシリンダ本体42内にシリンダ軸方向一側である第1円筒部96側が摺動可能に挿入されるプライマリピストン44は、シリンダ本体42に対し、シリンダ軸方向他側である第2円筒部98側がシリンダ本体42から外側に突出して設けられており、この突出部分を覆うように金属製のプロテクタ部材114が設けられている。
図3に示すように、シリンダ本体42のフランジ部46よりも開口部43側の外周部は、そのフランジ部46側が大径外周部116とされ、開口部43側が大径外周部116よりも小径の小径外周部117とされた段付き形状をなしている。小径外周部117には、シリンダ軸方向の中間部にシリンダ半径方向内側に凹む環状の係止溝118が形成されている。
そして、プロテクタ部材114は、内径側に斜めに切り起こされた形状の複数の係止爪120が円周方向に等間隔で形成された大径円筒部121と、大径円筒部121における係止爪120の延出方向前方となる軸線方向一側の縁部から半径方向内側に突出する段板部122と、段板部122の内周縁部から大径円筒部121とは反対側に大径円筒部121と同軸をなして延出する大径円筒部121よりも小径の中間円筒部123と、中間円筒部123の大径円筒部121とは反対側の縁部から半径方向内側に突出する段板部124と、段板部124の内周縁部から中間円筒部123とは反対側に中間円筒部123と同軸をなして延出する中間円筒部123よりも小径の小径円筒部(ガイド部)125とを有する筒状部材である外側カバー部材(第1のカバー部材)126を有している。
また、プロテクタ部材114は、中央に挿入穴130が形成された円板部131と、この円板部131の外周縁部から延出する小径円筒部132と、この小径円筒部132の円板部131とは反対側から半径方向外側に突出する段板部133と、段板部133の外周縁部から小径円筒部132とは反対側に小径円筒部132と同軸をなして延出する小径円筒部132よりも大径の大径円筒部(大径部)134とを有する筒状部材である内側カバー部材(第2のカバー部材)135を有している。
ここで、プロテクタ部材114は、外側カバー部材126にその大径円筒部121側から内側カバー部材135がその円板部131側を先頭にして挿入されている。その結果、内側カバー部材135の一側の大径円筒部134がその外周面において外側カバー部材126の中間円筒部123の内周面に摺動可能に嵌合され、且つ内側カバー部材135の他側の小径円筒部132がその外周面において外側カバー部材126の小径円筒部125の内周面に摺動可能に嵌合されることになる。そして、これら外側カバー部材126および内側カバー部材135が相対的に摺動することでプロテクタ部材114は軸方向長が伸縮する。このとき、外側カバー部材126の小径円筒部125が、内側カバー部材135を互いの同軸を維持した状態のまま移動可能に案内するようにその小径円筒部132を案内することになり、外側カバー部材126の中間円筒部123が、内側カバー部材135を互いの同軸を維持した状態のまま移動可能に案内するようにその大径円筒部134を案内することになる。
そして、上記のプロテクタ部材114は、外側カバー部材126側からシリンダ本体42の開口部43側およびここから突出するプライマリピストン44を内側に挿入させることになり、外側カバー部材126がその大径円筒部121にシリンダ本体42の開口部43側の端部の小径外周部117を嵌合させることで、大径円筒部121に形成された複数の係止爪120がシリンダ本体42の係止溝118に係止されることになる。その結果、外側カバー部材126が一側の大径円筒部121においてシリンダ本体42に対し同軸の状態で係止されて固定されることになる。この状態で、内側カバー部材135および外側カバー部材126でプライマリピストン44のシリンダ本体42からの突出部分が被覆されることになり、内側カバー部材135の端部の円板部131がプライマリピストン44の軸線方向の外端面に当接する。つまり、内側カバー部材135はその一側の大径円筒部134がその外周面において外側カバー部材126の他側の中間円筒部123の内周面に摺動可能に係合されるとともにその他側の円板部131がプライマリピストン44の端面と当接する。また、外側カバー部材126の他側の小径円筒部125は、内側カバー部材135をプライマリピストン44の軸方向と平行に移動可能に案内する。
上記のようにして、複数の筒状部材である外側カバー部材126および内側カバー部材135からなるプロテクタ部材114は、プライマリピストン44のシリンダ本体42から突出した他側を覆いつつ伸縮自在に形成されることになる。ここで、プロテクタ部材114は、外側カバー部材126がシリンダ本体42に係止されており、外側カバー部材126に対し摺動する内側カバー部材135がその段板部133において外側カバー部材126の段板部124に当接することで伸長方向の移動限が決められることになる。このため、この内側カバー部材135の円板部131に当接するプライマリピストン44は、そのブースタ12側への後退限がプロテクタ部材114で規定されることになる。言い換えれば、プロテクタ部材114は、プライマリピストン44のシリンダ本体42から突出した他側の端面でプライマリピストン44の後退限を規定する。
そして、以上のようにして、プロテクタ部材114でカバーされたプライマリピストン44がブースタ12の取付円筒部35の内側に挿入されることでマスタシリンダ11がブースタ12にフランジ部46を当接させて取り付けられることになる。このとき、マスタシリンダ11の大径外周部116がブースタ12の取付円筒部35に比較的小さなクリアランスで挿入され、またプロテクタ部材114の外側カバー部材126が中間円筒部123においてブースタ12の小径円筒部37に比較的小さなクリアランスで挿入されるとともに、ブースタ12の出力ロッド17がプロテクタ部材114の内側カバー部材135の挿入穴130に挿通されてプライマリピストン44の底部97に当接する。
ここで、ブースタ12のパワーピストン16および出力ロッド17が図3に示す後退端から前進すると、プライマリピストン44がシリンダ本体42内で底部40側に前進することになり、出力ロッド17の前進量によっては、図4に示すように、出力ロッド17をカバーするスプリング係止カバー25がプロテクタ部材114の内側カバー部材135の円板部131に当接してこれを押圧することになる。そこで、パワーピストン16、リアクションディスク23、出力ロッド17およびスプリング係止カバー25の前進に応じて、プロテクタ部材114は、内側カバー部材135がシリンダ本体42に固定された外側カバー部材126に対し摺動し全体として縮長する。なお、プロテクタ部材114はパワーピストン16、リアクションディスク23、出力ロッド17およびスプリング係止カバー25の前進限までの移動を許容するように内側カバー部材135および外側カバー部材126の形状および寸法が設定されている。つまり、パワーピストン16、リアクションディスク23、出力ロッド17およびスプリング係止カバー25のフルストローク時にも、図4に示すように、スプリング係止カバー25がプロテクタ部材114の外側カバー部材126との間にクリアランスaを有し、プロテクタ部材114の内側カバー部材135がシリンダ本体42との間にクリアランスbを有するように、内側カバー部材135および外側カバー部材126の形状および寸法が設定されている。
他方、ブースタ12のパワーピストン16、リアクションディスク23、出力ロッド17およびスプリング係止カバー25が後退すると、同様に後退するプライマリピストン44で押圧されてプロテクタ部材114は内側カバー部材135が外側カバー部材126に対し摺動し全体として伸長することになる。その後、内側カバー部材135の段板部133が外側カバー部材126の段板部124に当接すると、内側カバー部材135のそれ以上の移動が規制され、内側カバー部材135の円板部131に当接するプライマリピストン44のそれ以上の移動を規制する(つまり、プライマリピストン44の後端限を規定する)。
以上に述べた第1実施形態のマスタシリンダ11によれば、一側においてシリンダ本体42に挿入されたプライマリピストン44のシリンダ本体42から突出する他側を、伸縮自在に形成されたプロテクタ部材114によって覆うため、プライマリピストン44の露出部分に傷が付くのを防止することができる。その上で、このプロテクタ部材114がプライマリピストン44の後退限を規定するため、プライマリピストン44の後退限を規定するための別途のストッパを設ける必要がなくなる。したがって、構造を簡素化でき、全体の組み付け性を向上できる。また、プロテクタ部材114が伸縮自在であるため、プロテクタ部材114を取り外すことなくブースタ12への組み付けが可能であり、しかもブースタ12内の限られたスペースでストロークが確保できる。勿論、プロテクタ部材114は、プライマリピストン44のシリンダ本体42からの抜けも規制できる。
また、プロテクタ部材114が、プライマリピストン44のシリンダ本体42から突出した他側でプライマリピストン44の後退限を規定するため、プロテクタ部材114自体の組み付け性が良好となる。つまり、プロテクタ部材114をプライマリピストン44に被せるようにしてシリンダ本体42に取り付ければプロテクタ部材114の内側カバー部材135のストッパとしての円板部131をプライマリピストン44に合わせることができるため、プロテクタ部材114自体の組み付け性が良好となる。その結果、全体の組み付け性をさらに向上できる。
さらに、プロテクタ部材114が複数の筒状部材である外側カバー部材126および内側カバー部材135からなるため、プライマリピストン44のシリンダ本体42から突出した他側を覆い且つプライマリピストン44の後退限を規定することが、簡素な構成でできる。
加えて、プライマリピストン44が後退すると、このプライマリピストン44の端面に当接する内側カバー部材135が、これに係合されるとともにシリンダ本体42に係止された外側カバー部材126に対し摺動することでプロテクタ部材114が伸びる。このようなプロテクタ部材114を用いることで、プライマリピストン44のシリンダ本体42から突出した他側を覆い且つプライマリピストン44の後退限を規定することが、確実に簡素な構成でできる。
さらに、プロテクタ部材114が、シリンダ本体42に係止される外側カバー部材126の内周面に対して、プライマリピストン44の端面に当接する内側カバー部材135の外周面を摺動可能に係合させるため、先細の形状となり、スペース効率を向上できる。
また、外側カバー部材126の小径円筒部125が、内側カバー部材135を互いの同軸を維持した状態のまま移動可能に案内するようにその小径円筒部132を案内することになり、外側カバー部材126の中間円筒部123が、内側カバー部材135を互いの同軸を維持した状態のまま移動可能に案内するようにその大径円筒部134を案内することになる。このため、外側カバー部材126に対して内側カバー部材135をプライマリピストン44の軸方向と平行に移動するように案内することになり、内側カバー部材135を傾かせず安定して円滑に移動させることができる。なお、このように内側カバー部材135を傾かせずに円滑に摺動させるために、外側カバー部材126の小径円筒部125の軸方向長である摺動長Aと、内側カバー部材135の大径円筒部134の軸方向長である摺動長Bとは可能な限り長くするのが良い。また、内側カバー部材135と外側カバー部材126とのガイド長L、つまり内側カバー部材135の大径円筒部134および外側カバー部材126の小径円筒部125の最も離間側同士の間隔は、図3から図4に示すようにブースタ12の出力ロッド17のストローク量が大きいほど長くなるため、出力ロッド17のストロークが大きくなってその傾きが比較的大きくなり易い状況になっても内側カバー部材135の姿勢がより安定して前記の傾きを矯正できる。加えて、プライマリピストン44の戻り時つまり後退時にできるだけ早い段階でプライマリピストン44を内側カバー部材135に当接させるべく、摺動長A>摺動長Bとするのが望ましい。但し、摺動長A=摺動長B、摺動長A<摺動長Bに設定することも可能である。
加えて、内側カバー部材135の一側には、外側カバー部材126の内周面で摺動する大径円筒部134が形成されているため、この大径円筒部134に隣り合う段板部133によって内側カバー部材135の移動限を容易に設定でき、これによりプライマリピストン44の後退限を規定することが、さらに簡素な構成でできる。
さらに、プロテクタ部材114がプライマリピストン44を後退限に位置させた状態では、プライマリピストン44およびセカンダリピストン45がプライマリ補給路78およびセカンダリ補給路73をプライマリ圧力室103およびセカンダリ圧力室88に連通させているため、マスタシリンダ11の単品での真空充填が可能である。
次に、本発明の第2実施形態のマスタシリンダを主に図5および図6を参照して第1実施形態との相違部分を中心に以下に説明する。なお、第1実施形態と同様の部分は同一の符号を付しその説明は略す。
第2実施形態では、図5に示すように、第1実施形態とは異なるプロテクタ部材140でプライマリピストン44のシリンダ本体42からの突出部分を覆っている。
このプロテクタ部材140は、内径側に斜めに切り起こされた形状の複数の係止爪141が円周方向に等間隔で形成された大径円筒部142と、大径円筒部142における係止爪141の延出方向前方となる軸線方向一側の縁部から半径方向内側に突出する段板部143と、段板部143の内周縁部から大径円筒部142とは反対側に大径円筒部142と同軸をなして延出する大径円筒部142よりも小径の中間円筒部144と、中間円筒部144の大径円筒部142とは反対側の縁部から半径方向外側に突出する段板部145と、段板部145の外周縁部から中間円筒部144とは反対側に中間円筒部144と同軸をなして延出する中間円筒部144よりも大径の円筒部(ガイド部)146とを有する筒状部材である内側カバー部材(第1のカバー部材)147を有している。
また、プロテクタ部材140は、中央に挿入穴150が形成された円板部151と、この円板部151の外周縁部から延出する円筒部152とを有し、円筒部152の円板部151とは反対側の端部には円筒部152が一部切断されて内径側に折り曲げられることで半径方向内方に突出する図6に示す屈曲突出部153が円周方向に複数形成された筒状部材である外側カバー部材(第2のカバー部材)154を有している。
ここで、プロテクタ部材140は、屈曲突出部153が形成される前の状態の外側カバー部材154にその円筒部152側から内側カバー部材147がその円筒部146側を先頭にして挿入された後、屈曲突出部153が形成される結果、内側カバー部材147の円筒部146がその外周面において外側カバー部材154の円筒部152の内周面に摺動可能に嵌合され、且つ内側カバー部材147の中間円筒部144がその外周面において外側カバー部材154の屈曲突出部153に摺動可能に嵌合されることになる。そして、これら内側カバー部材147および外側カバー部材154が相対的に摺動することでプロテクタ部材140は軸方向長が伸縮する。このとき、内側カバー部材147の円筒部146が、外側カバー部材154を互いの同軸を維持した状態のまま移動可能に案内するようにその円筒部152を案内することになり、内側カバー部材147の中間円筒部144が、外側カバー部材154を互いの同軸を維持した状態のまま移動可能に案内するようにその屈曲突出部153を案内することになる。
そして、上記のプロテクタ部材140は、内側カバー部材147側からシリンダ本体42およびこれから突出するプライマリピストン44を内側に挿入させることになり、内側カバー部材147がその大径円筒部142にシリンダ本体42の開口部43側の端部の小径外周部117を嵌合させることで、大径円筒部142に形成された複数の係止爪141がシリンダ本体42の係止溝118に係止されることになる。その結果、内側カバー部材147が一側の大径円筒部142においてシリンダ本体42に係止されて固定されることになる。この状態で、内側カバー部材147および外側カバー部材154でプライマリピストン44のシリンダ本体42からの突出部分が被覆されることになり、外側カバー部材154の端部の円板部151がプライマリピストン44の軸線方向の外端面に当接する。
上記のようにして、複数の筒状部材であると内側カバー部材147および外側カバー部材154からなるプロテクタ部材140は、プライマリピストン44のシリンダ本体42から突出した他側を覆いつつ伸縮自在に形成されることになる。ここで、プロテクタ部材140は、内側カバー部材147がシリンダ本体42に係止されており、内側カバー部材147に対し摺動する外側カバー部材154がその屈曲突出部153において内側カバー部材147の段板部145に当接することで伸長方向の移動限が決められることになるため、この外側カバー部材154の円板部151に当接するプライマリピストン44は、そのブレーキペダル側への後退限がプロテクタ部材140で規定されることになる。言い換えれば、プロテクタ部材140は、プライマリピストン44のシリンダ本体42から突出した他側の端面でプライマリピストン44の後退限を規定する。
そして、以上のようにして、プロテクタ部材140でカバーされたプライマリピストン44がブースタ12の取付円筒部35の内側に挿入されることでマスタシリンダ11がブースタ12にフランジ部46を当接させて取り付けられることになる。このとき、マスタシリンダ11の大径外周部116がブースタ12の取付円筒部35に比較的小さなクリアランスで挿入され、またマスタシリンダ11のプロテクタ部材140の外側カバー部材154がブースタ12の小径円筒部37に比較的小さなクリアランスで挿入されるとともに、ブースタ12の出力ロッド17がプロテクタ部材140の外側カバー部材154の挿入穴150に挿通されてプライマリピストン44の底部97に当接する。
ここで、ブースタ12のパワーピストン16および出力ロッド17が前進すると、プライマリピストン44がシリンダ本体42内で底部40側に前進することになり、出力ロッド17の前進量によっては、出力ロッド17をカバーするスプリング係止カバー25がプロテクタ部材140の外側カバー部材154の円板部151に当接してこれを押圧することになるが、パワーピストン16、出力ロッド17、リアクションディスク23およびスプリング係止カバー25の前進に応じて、プロテクタ部材140は、外側カバー部材154がシリンダ本体42に固定された内側カバー部材147に対し摺動し全体として縮長する。なお、プロテクタ部材140は、第1実施形態と同様に、パワーピストン16、出力ロッド17、リアクションディスク23およびスプリング係止カバー25の前進限までの移動を許容するように外側カバー部材154および内側カバー部材147の形状および寸法が設定されている。
他方、ブースタ12のパワーピストン16および出力ロッド17が後退すると、同様に後退するプライマリピストン44で押圧されてプロテクタ部材140は外側カバー部材154が内側カバー部材147に対し摺動し全体として伸長することになり、外側カバー部材154の屈曲突出部153が内側カバー部材147の段板部145に当接すると、外側カバー部材154のそれ以上の移動が規制され、外側カバー部材154の円板部151に当接するプライマリピストン44のそれ以上の移動を規制する(つまり、プライマリピストン44の後端限を規定する)。
なお、本実施の形態では、プランジャ型のマスタシリンダを例に説明したが、オーバーハング型のマスタシリンダであれば、センターバルブ型、コンベンショナル型のマスタシリンダにプロテクタ部材114,140を適用しても良い。
本発明の第1実施形態のマスタシリンダをブースタに組み付けた断面図である。 本発明の第1実施形態のマスタシリンダをブースタの一部とともに示す断面図である。 本発明の第1実施形態のマスタシリンダをブースタに組み付けた要部の断面図であって、プライマリピストンが後退限にある状態を示すものである。 本発明の第1実施形態のマスタシリンダをブースタに組み付けた要部の断面図であって、ブースタのフルストロークの状態を示すものである。 本発明の第2実施形態のマスタシリンダをブースタに組み付けた要部の断面図であって、プライマリピストンが後退限にある状態を示すものである。 本発明の第2実施形態のマスタシリンダにおけるプロテクタ部材の断面図である。
符号の説明
11 マスタシリンダ
42 シリンダ本体
44 プライマリピストン(ピストン)
103 プライマリ圧力室(圧力室)
114,140 プロテクタ部材
125 小径円筒部(ガイド部)
126 外側カバー部材(第1のカバー部材,筒状部材)
134 大径円筒部(大径部)
135 内側カバー部材(第2のカバー部材,筒状部材)
147 内側カバー部材(第1のカバー部材,筒状部材)
154 外側カバー部材(第2のカバー部材,筒状部材)

Claims (8)

  1. 有底筒状のシリンダ本体と、
    該シリンダ本体内に一側が摺動可能に挿入されるとともに他側が前記シリンダ本体から突出して設けられ、前記シリンダ本体との間に液圧を発生する圧力室を形成するピストンと、
    前記ピストンの前記シリンダ本体から突出した他側を覆いつつ伸縮自在に形成されるとともに、前記ピストンの後退限を規定するプロテクタ部材とを備え、
    前記ピストンはブースタの出力ロッドが当接するようになっており、前記プロテクタ部材は、前記出力ロッドが所定量以上前進したときに縮み、前記ブースタの出力ロッドの前進限までの移動を許容することを特徴とするマスタシリンダ。
  2. 前記プロテクタ部材は、前記ピストンの前記シリンダ本体から突出した他側で前記ピストンの後退限を規定することを特徴とする請求項1に記載のマスタシリンダ。
  3. 前記プロテクタ部材は、一側が前記シリンダ本体に係止される第1のカバー部材と、一側が該第1のカバー部材の他側に摺動可能に係合される第2のカバー部材と、からなり、
    前記第2のカバー部材の一側の外周面が、前記第1のカバー部材の他側の内周面に摺動可能に係合することを特徴とする請求項に記載のマスタシリンダ。
  4. 前記第2のカバー部材の一側には、前記第1のカバー部材の内周面で摺動する大径部が形成されていることを特徴とする請求項3に記載のマスタシリンダ。
  5. 前記第1のカバー部材の他側には、前記第2のカバー部材を前記ピストンの軸方向と平行に移動可能に案内するガイド部が形成されていることを特徴とする請求項記載のマスタシリンダ。
  6. 前記プロテクタ部材は、一側が前記シリンダ本体に係止される第1のカバー部材と、一側が該第1のカバー部材の他側に摺動可能に係合される第2のカバー部材と、からなり、
    前記第2のカバー部材の一側の内周面が、前記第1のカバー部材の他側の外周面に摺動可能に係合することを特徴とする請求項に記載のマスタシリンダ。
  7. 前記プロテクタ部材は、前記ピストンの前記シリンダ本体から突出した他側で前記ピストンの後退限を規定することを特徴とする請求項3乃至6のいずれか一項記載のマスタシリンダ。
  8. 前記プロテクタ部材は、前記第1のカバー部材に対して前記第2のカバー部材の伸長方向の移動限が決められるとともに、前記第2のカバー部材の他側に中央に挿入穴が形成された円板部を有し、該円板部が前記ピストンの前記シリンダ本体から突出した他側の端面と当接することを特徴とする請求項乃至のいずれか一項記載のマスタシリンダ。
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