JPH0642315A - ロッカアームの球面受座と球面凸部との接触部構造 - Google Patents

ロッカアームの球面受座と球面凸部との接触部構造

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Publication number
JPH0642315A
JPH0642315A JP19529992A JP19529992A JPH0642315A JP H0642315 A JPH0642315 A JP H0642315A JP 19529992 A JP19529992 A JP 19529992A JP 19529992 A JP19529992 A JP 19529992A JP H0642315 A JPH0642315 A JP H0642315A
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JP
Japan
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spherical
rocker arm
coating
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Pending
Application number
JP19529992A
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English (en)
Inventor
Setsuhito Daiza
摂人 台座
Takeshi Nakakohara
武 中小原
Yoshio Fuwa
良雄 不破
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 内燃機関の動弁機構におけるロッカアームの
球面受座と球面凸部との接触構造に関し、凸部表面に固
い、摩耗によって失われるごく薄いコーティングを設け
ることによって長期にわたって摩擦の少ない接触を行わ
せること。 【構成】 ロッカアームは一端がバルブのステムと接触
し、他端の下面に球状凹面受座が形成される。ラシュア
ジャスタ22はそのロッド34の先端の球面状凸部34a がロ
ッカアームの前記球状凹面受座に嵌合するように設けら
れる。凸部34a の球状の外面はその表面粗さが0.05〜0.
3 μmRZ とされ、かつ同表面上にHV 硬さが1500〜70
00で厚さで0.5 〜1.0 μmのコーティング44が形成され
る。組付け後の初期なじみの過程においてロッカアーム
の球状凹面受座を鏡面化し、この鏡面化が丁度完了した
ときにおいて0.5 〜1.0 μmの厚みのコーティング44が
削り落され、0.05〜0.3 μmRZ の地肌の部分が部分が
露出され、以後は鏡面化された凹面部との間で低摩擦の
接触が行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は内燃機関における動弁
機構におけるロッカアームの球面受座と球面凸部との接
触部構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ロッカアームを使用する動弁機構では、
ロッカアームの一端はバルブステムに支持され、ロッカ
アームの他端は油圧式ラシュアジャスタ又は固定式のピ
ボット等の支持部材に支持される。即ち、ロッカアーム
の前記他端は球面受座を形成し、この球面受座にラシュ
アジャスタ又は固定式ピボットの端部における相補的な
球面凸部が嵌合され、球面受座と球面凸部との接触によ
ってロッカアームの他端の支持が行われる。(特開昭6
2−98027号公報参照)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ロッカアームと油圧式
ラシュアジャスタ又は固定式のピボットとの接触部は潤
滑油が流れ難い部位にあり、その接触部に潤滑油の油膜
を形成するのが困難である。加えて、これらの接触部の
表面粗さは6.3 μmRZ の程度であり、油膜の厚さより
粗いため、二つの部品が直接的に接触する状況が起こり
える。そのため、長時間の使用の継続ないしは潤滑油の
劣化によって接触部に段付摩耗や、スカッフィングが発
生し、異音や騒音が発生するおそれがある。
【0004】摩耗や、スカッフィングの発生に備えて材
質として耐摩耗性を高いものを使用したり、接触部の表
面粗さを細かくし、油膜を形成し易くする方法がある
が、ラシュアジャスタ又は固定式ピボット側の接触部で
ある球面凸部は被加工面が外に露出しているため所期の
表面粗さを得ることが比較的に容易ではあるが、ロッカ
アーム側の接触部である球面受座は凹面であるため被加
工面が内側に引っ込んでおり、かつこの凹面は単純な球
面ではなく、中心位置の異なる複数の球面によって構成
されているため、表面粗さを微細に加工することは困難
を伴う。
【0005】この発明は困難な表面加工を伴うことなく
球面受座と球面凸部との間の耐摩耗性を向上させること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明のロッカアーム
の球面凹面受座と球面凸部との接触部構造は、ロッカア
ームの球状凹面受座に当接する支持部材の球面凸部をそ
の表面粗さを0.05〜0.3 μmRZ とし、かつ同表面上に
ヴィッカース硬さ(HV 硬さ)が1500〜7000で厚さが0.
5 〜1.0 μmのコーティングを有したことを特徴とす
る。
【0007】
【作用】組付け後の初期なじみの過程においてロッカア
ームの球状凹面受座を鏡面化し、この鏡面化が丁度完了
したときにおいて0.5 〜1.0 μmの厚みのコーティング
が削り落され、0.05〜0.3 μmRZ の地肌の部分が部分
が露出され、以後は鏡面化された凹面部との間で低摩擦
の接触が行われる。
【0008】
【実施例】図1において、10は内燃機関のシリンダヘ
ッド、12はバルブ、14はバルブスプリング、16は
ロッカアーム、18はカムシャフト、20はカム、22
はラシュアジャスタである。ラシュアジャスタ22はシ
リンダヘッド10に形成される筒状孔24に上下摺動自
在に嵌合されるケーシング26と、該ケーシング26内
に摺動自在に嵌合されるピストン28とより構成され、
かつケーシング26内でピストン28の底面における開
口30を開閉するばね付勢のチェック弁32を有する。
ピストン28の上端からはロッド34が一体的に突出
し、その上端の凸部34aは球面状をなしている。ロッ
カアーム16は一端のパット部16−1がバルブ12の
ステムの上端に接触し、他端の支持部16−2がラシュ
アジャスタ22のロッド34と接触している。即ち、支
持部16−2は下向きの球面状凹面部としての受座36
を形成し、この受座36の凹面形状は中心位置が異なる
二つの球状凹面を接合した形状をなしている。一方、ラ
シュアジャスタ22のロッドの上端凸部34aは球面状
をなし、ロッカアーム側の凹面状受座36と嵌合してい
る。ピストン28内の空間38には潤滑油が充填され、
この空間38は通路39を介して凸部34aの球面上部
において開口し、一方、ロッカアーム16側に開口40
が穿設され、外部からの潤滑油の供給を受けるようにな
っている。カムシャフト18の回転によってカム20は
ロッカアーム16を介してバルブ12をバルブスプリン
グ14に抗して押し下げ開弁させる。この際、ラシュア
ジャスタ22のロッド34の上端凸部34aはロッカア
ーム16の回動運動の支点となり、カム20の変位はロ
ッカアーム16を介してバルブ12に伝達せしめられ
る。また、ラシュアジャスタ22のばね付勢のピストン
28は凸部34aをしてロッカアーム16の受座36に
係合維持せしめ、カム20とロッカアーム16との間の
最適なタペットクリアランスを維持する働きをする。こ
の間、ラシュアジャスタ内の潤滑油の流れはチェック弁
32によって制御される。
【0009】図2において、ロッカアーム16の凹面状
受座36に係合する、通常の材質(クロムモリブデン鋼
等)で作られたラシュアジャスタ22の上端凸部34a
の球状外面はその表面粗さが0.05〜0.3 μmRZ に仕上
げられ、かつこの表面に、H V 硬さ1500〜7000の材料よ
り作られ、その厚みが0.05〜1.0 μmのコーティング4
4が付されている。図2でコーティング44はその形成
位置を明確にするため厚みを非常に誇張して図示してあ
ることは言うまでもない。
【0010】図1の動弁機構の組み立て後最初に内燃機
関を作動させるとき、凸部34aと凹面状受座36との
相互に接触している部位、即ちコーティング44と受座
36の表面との間の摩耗が起こる(所謂なじみ過程)。
コーティング44はHV 硬さ1500〜7000の材料より作ら
れ、ロッカアームの材質より固いため受座36の摩耗が
急速に行われ、その鏡面化が行われる。この鏡面化が完
了するころに、その厚みが0.05〜1.0 μmと薄いコーテ
ィング44が丁度摩耗し尽くされ、0.05〜0.3μmRZ
の母材が露出され、以後は鏡面化された受座36と凸部
34aの母材との間が接触され、以後は双方の面とも摩
耗はあまり進行しない。このなじみ状態では接触面の表
面粗さは油膜より細かくなるため、段付き摩耗やスカッ
フィング等の不具合を回避することができる。
【0011】図3はラシュアジャスタ22の凸部34a
の表面粗さとその摩耗量との関係をロッカアーム16の
球状凹面状受座36の、1.6, 3.2及び6.3 μmRZ の各
表面粗さについて示すものである。ここに、ラシュアジ
ャスタ側の材質は一般的に使用されているクロムモリブ
デン鋼とし、ロッカアームの材質はこれも一般的に使用
されているクロムモリブデン鋼とした。ラシュアジャス
タ及びロッカアームも共に表面粗さが小さいほどその摩
耗量を少なくすることができる。特に、ラシュアジャス
タ側の表面粗さを0.3 μmRZ より小さくするときは摩
耗量は急激に少なくなる。また、表面粗さを0.05μmR
Z より小さくしても摩耗量はあまり変化しなくなるの
で、加工上の精度をなるべく必要としないということか
ら表面粗さの下限を0.05μmRZ とする。
【0012】次に、コーティング44の硬さ範囲の範囲
について説明すると、HV 硬さ1500以下では固さが不足
であるため相手方の受座36の鏡面化に時間がかかり過
ぎる。一方、HV 硬さ7000以上では鏡面化の速度が過大
となり、膜厚を薄くしても相手方の摩耗は大きくなる。
そこで、HV 硬さ1500〜7000とした。この硬さを満たす
コーティングの材質としてはTi N,Ti C,Ti
N,CrN,Al2 3等がある。
【0013】また、コーティング44の厚みについて説
明すると、図4は時間に対するコーティング44の摩耗
量を示し、一方、図5は時間に対するロッカアームの表
面粗さの変化を示す。図5から判るようにロッカアーム
の表面粗さはある時間が経過すると一定のところに落ち
つくがこのときにコーティング44が残留しているとコ
ーティングによるロッカアームの摩耗が過大となる。即
ち、ロッカアームの表面粗さが所期の範囲である0.05〜
0.3 μmRZ になるときのコーティングの摩耗量に相当
するコーティング厚みであることが好ましく、このコー
ティング厚みの範囲は図4から0.5 〜1.0 μmとなる。
【0014】実施例1としてラシュアジャスタをクロム
モリブデン鋼にて形成し、焼き入処理後に球面状凸部3
4aの表面粗さを0.1 μmRZ に仕上げ、その表面にH
V 硬さ2500のTi Nを膜厚1.0 μmとなるように形成
し、コーティングを形成した。実施例2としてラシュア
ジャスタをクロムモリブデン鋼にて形成し、焼き入処理
後に、球面状凸部34aの表面粗さを0.1 μmRZ に仕
上げ、その表面にHV硬さ4000のTi Cを膜厚0.5 μm
となるように形成し、コーティングを形成した。
【0015】比較例1としてラシュアジャスタをクロム
モリブデン鋼にて形成し、焼き入処理後に球面状凸部3
4aの表面粗さを6.3 μmRZ に仕上げ、コーティング
を有していないもの、比較例2として表面粗さを0.1 μ
mRZ に仕上げ、コーティングを有しないもの、比較例
3として表面粗さを0.1 μmRZ に仕上げ、3μmの厚
みのTi Nのコーティングを有したものを作成した。各
実施例、比較例を表にすると以下のように成る。
【0016】
【表1】
【0017】各実施例、比較例のラシュアジャスタを4
気筒で2000 CC の内燃機関に組み込み、機関回転数2000
rpm、潤滑油温度90°Cで200時間運転した後の摩
耗量を図6にて示す。この発明の実施例1,2によって
ラシュアジャスタ、ロッカアームのいずれについても摩
耗量を抑制することができることが判る。
【0018】
【発明の効果】ロッカアームの球面受座に当接する支持
部材の球面凸部をその表面粗さを0.05〜0.3 μmRZ
し、かつ同表面上にHV 硬さが1500〜7000で厚さが0.5
〜1.0μmのコーティングを有したことにより組付け後
の初期なじみの過程においてロッカアームの球面受座を
鏡面化すると同時にコーティングを削り落とすことで、
低摩擦の接触を行わせ、ロッカアームについても支持部
材についても長期に渡って摩耗量を抑制することがてき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はロッカアームを備えた動弁機構を示す図
である。
【図2】図2はラシュアジャスタの単品側面図である。
【図3】図3はラシュアジャスタの球面部粗さと摩耗量
との関係を示すグラフである。
【図4】図4はコーティングの摩耗量を時間に対して示
すグラフである。
【図5】図5はロッカアームの摩耗量を時間に対して示
すグラフである。
【図6】図6は各実施例、比較例におけるラシュアジャ
スタ、ロッカアームの摩耗量を示すグラフである。
【符号の説明】
10…シリンダヘッド 12…バルブ 14…バルブスプリング 16…ロッカアーム 18…カムシャフト 20…カム 22…ラシュアジャスタ 34…球面状凸部 36…球状凹面受座 44…コーティング

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロッカアームの球状凹面受座に当接する
    支持部材の球面凸部をその表面粗さを0.05〜0.3 μmR
    Z とし、かつ同表面上にヴィッカース硬さ(HV 硬さ)
    が1500〜7000で厚さが0.5 〜1.0 μmのコーティングを
    有したことを特徴とするロッカアームの球状凹面受座と
    球面凸部との接触部構造。
JP19529992A 1992-07-22 1992-07-22 ロッカアームの球面受座と球面凸部との接触部構造 Pending JPH0642315A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19529992A JPH0642315A (ja) 1992-07-22 1992-07-22 ロッカアームの球面受座と球面凸部との接触部構造

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JP19529992A JPH0642315A (ja) 1992-07-22 1992-07-22 ロッカアームの球面受座と球面凸部との接触部構造

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JPH0642315A true JPH0642315A (ja) 1994-02-15

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ID=16338847

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JP19529992A Pending JPH0642315A (ja) 1992-07-22 1992-07-22 ロッカアームの球面受座と球面凸部との接触部構造

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JP (1) JPH0642315A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010013941A (ja) * 2008-07-01 2010-01-21 Toyota Central R&D Labs Inc 内燃機関及びその動弁機構

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010013941A (ja) * 2008-07-01 2010-01-21 Toyota Central R&D Labs Inc 内燃機関及びその動弁機構

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