JPH0641952U - ダイカスト用プランジャチップ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 冷却水をチップ本体の先端部まで効率良く
行きわたらせて、チップ本体の先端部分を効率良く且つ
均等に冷却することが出来るダイカスト用プランジャチ
ップを提供すること。 【構成】 内部に冷却室１を形成せしめたチップ本体
Ａを冷却水路３を有するプランジャロッドＢの先端に連
通状に連結させるようにしたプランジャチップであっ
て、前記チップ本体Ａの冷却室１内に通水チップ２を嵌
挿状に設置すると共に、前記プランジャロッドＢの冷却
水路３内に入り用冷却管４を設置せしめ、上記通水チッ
プ２には、その内部に前記プランジャロッドＢの入り用
冷却管４と連通する入り側通路21と当該入り側通路21か
ら分岐して前記冷却室１内の先端部に向け開放した複数
の分岐通路22を形成すると共に外部に前記プランジャロ
ッドＢの冷却水路３と連通する戻り側通路23を形成し
た。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ダイカスト機、特に横射出式コールドチャンバー型ダイカスト機に 用いられるプランジャチップに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

この種プランジャチップは、射出時に高温の溶湯に触れて加熱されるため、で きるだけ熱膨張しないように常時適正に冷却することが好ましく、従来からいろ いろな方案が提案されている。

【０００３】 その中で、チップ本体の内部に冷却室を形成せしめ、その冷却室内に冷却水を 循環供給するようにしたプランジャチップでは、冷却水が冷却室内の全体に効率 良く行きわたらないため、冷却効率が悪いと同時に、特に直接高温の溶湯と接触 するチップ本体の先端部の熱膨張量が大きくなってチップ本体が全体として不均 一に歪んでしまい、その結果、正常な射出動作を妨げるだけでなく、プランジャ チップ及び射出スリーブの寿命を短くしてしまう不具合があった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案はこの様な従来の不具合に鑑みてなされたものであり、冷却水をチップ 本体の先端部まで効率良く行きわたらせて、チップ本体の先端部分を効率良く且 つ均等に冷却することが出来るダイカスト用プランジャチップを提供せんとする ものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

斯る目的を達成する本考案のダイカスト用プランジャチップは、内部に冷却室 を形成せしめたチップ本体を冷却水路を有するプランジャロッドの先端に連通状 に連結させるようにしたプランジャチップであって、前記チップ本体の冷却室内 に通水チップを嵌挿状に設置すると共に、前記プランジャロッドの冷却水路内に 入り用冷却管を設置せしめ、上記通水チップには、その内部に前記プランジャロ ッドの入り用冷却管と連通する入り側通路と当該入り側通路から分岐して前記冷 却室内の先端部に向け開放した複数の分岐通路を形成すると共に外部に前記プラ ンジャロッドの冷却水路と連通する戻り側通路を形成してなる事を特徴としたも のである。

【０００６】

【実施例】

以下、本考案実施の一例を図面に基づいて説明する。 チップ本体Ａはその内部に冷却室１を形成せしめ、その冷却室１内に通水チッ プ２を嵌挿状に設置して、冷却水路３を有するプランジャロッドＢの先端に連通 状に連結させる。

【０００７】 冷却室１は、チップ本体Ａの先端部側に対応する部分11を他の部分12よりも大 径に形成し、内部に通水チップ２を嵌挿状に設置した際に、冷却水がチップ本体 Ａの先端部近くに少し貯留するようになす。

【０００８】 通水チップ２は、プランジャロッドＢの冷却水路３から循環供給される冷却水 をチップ本体Ａの冷却室１内に効率良く行きわたらせるためのものであり、冷却 室１の小径部分12とほぼ同じ外径を有し、冷却室１とほぼ同じ長さを有する円柱 形状に形成し、その内部に、入り側通路21とその入り側通路21から分岐して外部 すなわちチップ本体Ａの冷却室１内に開放した複数の分岐通路22を形成し、外部 にはプランジャロッドＢの冷却水路３と連通する戻り側通路23を形成してなる。

【０００９】 入り側通路21は、通水チップ２の内部に軸芯方向に沿って基端から先端近くに わたって開口形成せしめ、その内部にプランジャロッドＢの冷却水路３内に設置 した入り用冷却管４を挿入してプランジャロッドＢの入り用冷却管４から冷却水 ａを導入させると共に、基端側入口部分に封止用パッキン５を設置してプランジ ャロッドＢの冷却水路３内の戻り冷却水ｂが侵入しないように遮断する。

【００１０】 分岐通路22は、上記入り側通路21から連続させて四方に分岐させ、夫々チップ 本体Ａの冷却室１内の先端部すなわち大径部11へ向けて開放形成する。

【００１１】 又、戻り側通路23は、冷却室１の小径部12と対応させて、通水チップ２の外部 に軸芯方向に沿って先端近くから基端にわたって凹溝状に形成し、プランジャロ ッドＢの冷却水路３に連通させる。

【００１２】 尚、戻り側通路23を冷却室１の大径部11に直接連通させても良いが、図示実施 例のものは、通水チップ２の先端に空間保持用突起24を突設すると共に、通水チ ップ２の先端から各戻り側通路23にわたってバイパス通路25を形成せしめ、冷却 室１の大径部11から戻り冷却水ｂを該バイパス通路25を通して戻り側通路23に導 くようにしてある。この様に構成すれば、チップ本体Ａの先端部分を一層効率良 く冷却することが出来るようになる。

【００１３】 而して、チップ本体Ａの冷却室１内に通水チップ２を嵌挿状に設置せしめて、 チップ本体ＡをプランジャロッドＢの先端に螺合連結し、通水チップ２の戻り側 通路23とプランジャロッドＢの冷却水路３とを互いに連通させると共に、プラン ジャロッドＢの冷却水路３内に設置した入り用冷却管４を通水チップ２の封止用 パッキン５を貫通させて通水チップ２の入り側通路21内に挿入連通せしめる。

【００１４】 そして、プランジャロッドＢの入り用冷却管４から冷却水ａを供給すると、冷 却水ａは通水チップ２の入り側通路21から複数の分岐通路22を通ってチップ本体 Ａの冷却室１の大径部11内全体に放射状に放出され、ここで主にチップ本体Ａの 先端部分が冷却される。

【００１５】 然る後、冷却水ａは通水チップ２のバイパス通路25を通って戻り側通路23に導 かれ、ここで戻り側通路23を通過する間にチップ本体の外周部分を冷却すると共 に、戻り冷却水ｂとなってプランジャロッドＢの冷却水路３へと還流する。

【００１６】

【考案の効果】

本考案のダイカスト用プランジャチップは斯様に構成したので、チップ本体の 先端部まで効率良く且つ均等に冷却することが出来る。 即ち、冷却水がチップ本体の先端部にまでしかもチップ本体の先端部分全体に 効率良く行きわたらせることが出来るので、特に直接高温の溶湯と接触するチッ プ本体の先端部を効率良く且つ均一に冷却することが出来、その結果、チップ本 体の熱膨張を抑制することが出来ると同時に、チップ本体が全体として不均一に 歪むようなことがなくなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案実施の一例を示す断面図。

【図２】 図１の（２）−（２）線断面図。

【図３】 本考案に係る通水チップの斜視図。

【符号の説明】

Ａ：チップ本体 Ｂ：プランジャロッド １：冷却室 ２：通水チップ ３：冷却水路 ４：入り用冷却管 21：入り側通路 22：分岐通路 23：戻り側通路

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 内部に冷却室を形成せしめたチップ本
   体を冷却水路を有するプランジャロッドの先端に連通状
   に連結させるようにしたプランジャチップであって、前
   記チップ本体の冷却室内に通水チップを嵌挿状に設置す
   ると共に、前記プランジャロッドの冷却水路内に入り用
   冷却管を設置せしめ、上記通水チップには、その内部に
   前記プランジャロッドの入り用冷却管と連通する入り側
   通路と当該入り側通路から分岐して前記冷却室内の先端
   部に向け開放した複数の分岐通路を形成すると共に外部
   に前記プランジャロッドの冷却水路と連通する戻り側通
   路を形成してなる事を特徴とするダイカスト用プランジ
   ャチップ。