JPH0641560A - 合成潤滑油 - Google Patents

合成潤滑油

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JPH0641560A
JPH0641560A JP12940891A JP12940891A JPH0641560A JP H0641560 A JPH0641560 A JP H0641560A JP 12940891 A JP12940891 A JP 12940891A JP 12940891 A JP12940891 A JP 12940891A JP H0641560 A JPH0641560 A JP H0641560A
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monocarboxylic acid
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Kenji Nomura
健司 野村
Toshiaki Kuribayashi
利明 栗林
Hirotaka Tomizawa
広隆 富沢
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明の合成潤滑油は、脂肪族モノカルボン
酸と多価アルコールとからなるエステル、又は脂肪族モ
ノカルボン酸と多価アルコールと多塩基酸とからなるコ
ンプレックスエステルであって、エポキシ化酸素を0.
5重量%〜2重量%含有し、粘度が2〜40mm2/s (1
00℃)のものである。 【効果】 本発明の合成潤滑油は、潤滑油自体に劣化生
成物の悪影響を抑制する機能を有するものであり、添加
剤の必要がなく、金属に対する腐食性を抑制しうるもの
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は合成潤滑油に関し、特に
劣化生成物の悪影響を抑制する機能を有する新規な合成
潤滑油及びこの合成潤滑油を使用する潤滑油組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術】例えば、冷凍機においては、その冷媒と
して従来R11(CCl3F)、R12(CCl2F2)、R123 (CF3C
HCl2)、R22(CHClF2)等の塩素含有冷媒が使用されて
いるが、代替フロンの開発が緊急化し、例えば1.1.1.2-
テトラフルオロエタン(R134a) 等の非塩素系弗素含有
冷媒が注目されはじめており、最近、その冷媒に適応す
る潤滑油としてエステル油が開発されている。
【0003】しかしながら、その作動に際してエステル
油は使用条件によっては劣化生成物による使用機器の損
傷等の問題があり、添加剤により改良せざるをえないも
のであった。
【0004】そのため、冷凍機油等のエステル油を潤滑
油として使用する潤滑油にあって、より改良されたエス
テル油の開発が求められている。
【0005】
【解決しようとする課題】本発明は、劣化の少ない新規
な合成潤滑油及びこの合成潤滑油を使用する潤滑油組成
物の提供を課題とし、特にエステル油を基油として使用
するに適した冷凍機油、金属加工油、切削油、作動油、
圧縮機油、各種エンジン油、各種タービン油等に適した
合成潤滑油、及びそれを使用した潤滑油組成物の提供を
課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の合成潤滑油は、
脂肪族モノカルボン酸と多価アルコールとからなるエス
テル又は脂肪族モノカルボン酸と多価アルコールと多塩
基酸とからなるコンプレックスエステルであって、エポ
キシ化酸素を0.5重量%〜2重量%含有し、粘度が2
〜40mm2/s (100℃)であることを特徴とする。
【0007】また、本発明の合成潤滑油は、飽和脂肪族
モノカルボン酸と不飽和脂肪族モノカルボン酸とからな
る混合脂肪族モノカルボン酸と多価アルコール、又は該
混合脂肪族モノカルボン酸と多価アルコールと多塩基酸
とをエステル化反応させ、次いでエステル化生成物にお
ける不飽和二重結合をエポキシ化して、エポキシ化酸素
を0.5重量%〜2重量%含有し、粘度が2〜40mm2/
s (100℃)であることを特徴とする。
【0008】本発明の合成潤滑油の合成に使用される混
合脂肪族モノカルボン酸について説明する。
【0009】混合脂肪族モノカルボン酸は、飽和脂肪族
モノカルボン酸と不飽和脂肪族モノカルボン酸との混合
物であり、その使用割合はエポキシ化生成物におけるエ
ポキシ酸素含有量が0.5重量%〜2重量%となるよう
に不飽和脂肪族モノカルボン酸の使用量が調整される。
合成潤滑油におけるエポキシ酸素含有量が0.5重量%
より少ないと劣化生成物の悪影響を抑制する機能が充分
ではなく、2重量%を越えると熱安定性、酸化安定性が
低下する等の問題が生じる。
【0010】飽和脂肪族モノカルボン酸としては、直鎖
状又は分岐状の脂肪族モノカルボン酸であり、炭素数3
〜12のものを使用することができ、好ましい脂肪酸は
プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ヘキサン酸、オクタン
酸、ノナン酸、デカン酸、ドデカン酸、イソ吉草酸、ネ
オペンタン酸、2−メチル酪酸、2−エチル酪酸、2−
メチルヘキサン酸、2−エチルヘキサン酸、イソオクタ
ン酸、イソノナン酸、イソデカン酸、2,2’−ジメチ
ルオクタン酸、2−ブチルオクタン酸等が挙げられ、単
独で使用してもよいが、潤滑油としての各種用途に応じ
た粘度範囲に調節するために、上記脂肪族モノカルボン
酸を適宜組合せ使用してもよい。
【0011】また、不飽和脂肪族モノカルボン酸として
は、直鎖状、分岐状又は脂環式不飽和脂肪族モノカルボ
ン酸であり、炭素数5〜20のものを使用することがで
き、好ましくは、オレイン酸、トランス−2−ペンテン
酸、3−ペンテン酸、4−ペンテン酸、2−メチル−2
−ブテン酸、2−ヘキセン酸、トランス−3−ヘキセン
酸、5−ヘキセン酸、2−ヘプテン酸、3−ヘプテン
酸、トランス−2−オクテン酸、3−オクテン酸、3−
シクロヘキセン−1−カルボン酸等が挙げられる。
【0012】これら脂肪族モノカルボン酸としては、直
鎖状又は分岐状の脂肪酸を使用することができるが、分
岐状の脂肪酸を使用すると安定性に優れるので好まし
い。また、脂肪族モノカルボン酸としては動植物油脂か
ら得られる脂肪酸、オキソ法、コツホ法、パラフイン酸
化法などで得られる合成脂肪酸やゲルベ法の合成アルコ
ールから誘導される合成脂肪酸も飽和脂肪族モノカルボ
ン酸、不飽和脂肪族モノカルボン酸として使用できる。
【0013】これら混合脂肪族モノカルボン酸とのエス
テル化反応に使用される多価アルコールとしてはエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレング
リコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチ
レンポリオキシプロピレングリコールなどのグリコー
ル、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、
トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペ
ンタエリスリトールなどのネオペンチル系ポリオール、
グリセリンやポリグリセリン等が挙げられる。これらの
中で好ましいものは、エチレングリコール、ポリエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレン
グリコール、グリセリン、ネオペンチルグリコール、ト
リメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、または
ジペンタエリスリトール等が挙げられる。
【0014】混合脂肪族モノカルボン酸、多価アルコー
ルと共にコンプレックスエステル合成に用いられる多塩
基酸としては、蓚酸、マロン酸、マレイン酸、コハク
酸、グルタール酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシ
ン酸、ドデカン2酸、オクタデカン2酸、ダイマー酸、
フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の脂肪族、芳
香族の二塩基酸等が挙げられる。
【0015】混合脂肪族モノカルボン酸と多価アルコー
ルとからなるエステル、又は混合脂肪族モノカルボン酸
と多価アルコールと多塩基酸とからなるコンプレックス
エステルの製造に際しては、混合脂肪族モノカルボン酸
と多価アルコール、又は混合脂肪族モノカルボン酸と多
価アルコールと多塩基酸とを理論モル量、触媒の存在
下、生成水を留去しつつ、100℃〜220℃の反応温
度で行われる。
【0016】エステル化反応を促進するために、キシレ
ンやトルエンのような水と共沸混合物を形成する溶媒を
使用してもよいし、無溶媒でもよい。また、反応生成水
除去のために窒素などの不活性ガスを通じてもよく、ま
た減圧下で反応を行ってもよい。反応は無触媒でも酸性
触媒、アルカリ性触媒でも進行するが、最終製品に影響
を及ぼさないで、しかも反応速度の大きい触媒として
は、p−トルエンスルホン酸、燐酸等の酸性触媒、水酸
化リチウム、炭酸リチウム、酢酸リチウムなどのアルカ
リ性触媒がある。
【0017】エステル化反応を終了後、メタクロロ過安
息香酸のヘキサン溶液を加えて反応させることにより、
エステル中に存在する不飽和二重結合をエポキシ化さ
せ、次いで反応混合物を精製することにより、本発明の
合成潤滑油を製造することができる。
【0018】更に、本発明の合成潤滑油には、その用途
に応じて酸化防止剤、摩耗防止剤、清浄分散剤、腐食防
止剤、消泡剤、金属不活性化剤、防錆剤等の各種添加剤
が添加され、潤滑油組成物とされる。
【0019】本発明の合成潤滑油の粘度範囲は、100
℃において2〜40mm2/s 、好ましくは2〜30mm2/s
である。例えば冷凍機油、その中でも冷蔵庫用としては
通常、100℃における粘度が2mm2/s 〜9mm2/s 、好
ましくは3mm2/s 〜7mm2/sのものであり、又、カーエ
アコン用としては7mm2/s 〜30mm2/s のものを使用す
るとよく、カーエアコンにおいてもレシプロタイプのコ
ンプレッサーにおいては7mm2/s 〜15mm2/s 、好まし
くは8mm2/s 〜11mm2/s 、ロータリータイプのコンプ
レッサーにおいては15mm2/s 〜30mm2/s 、好ましく
は20mm2/s 〜27mm2/s の粘度範囲の合成潤滑油が好
適に使用される。
【0020】粘度範囲が2mm2/s 未満であると高温での
冷媒との相溶性は高いにしても粘度が低くすぎ、潤滑
性、シール特性が悪く使用できず、更に熱安定性も低い
ので好ましくなく、また30mm2/s を越えると冷媒との
相溶性が低下するので好ましくない。また、この範囲内
であっても上記のように使用機種によりその使用粘度範
囲が相違し、冷蔵庫用にあっては9mm2/s を越えると摺
動部における摩擦損失が大となる問題がある。更に、レ
シプロタイプのカーエアコンにおいては7mm2/s未満で
あると潤滑性の問題があり15mm2/s を越えると摺動部
における摩擦損失が大きいという問題が生じ、又、ロー
タリータイプのエアコンにおいては15mm2/s 未満であ
るとシール特性の問題があり、30mm2/s を越えると冷
媒との相溶性の問題がある。
【0021】また、本発明の合成潤滑油は、それぞれの
用途に応じてその粘度を選択するとよい。
【0022】
【作用及び発明の効果】本発明の合成潤滑油は、脂肪族
モノカルボン酸と多価アルコールとからなるエステル、
又は脂肪族モノカルボン酸と多価アルコールと多塩基酸
とからなるコンプレックスエステルであって、エポキシ
化酸素を0.5重量%〜2重量%含有することにより、
潤滑油自体に劣化生成物の悪影響を抑制する機能をもた
したものであり、添加剤を添加する必要がなく、また、
金属に対する腐食性を有しないものとすることができ
る。
【0023】以下、本発明を実施例および比較例によっ
て説明する。
【0024】
【実施例1】1リットルの四つ口フラスコに、撹拌機、
温度計、滴下ロート、クライセンヘッド付蒸留設備を取
り付け、n−吉草酸1モル、n−カプロン酸1モル、オ
レイン酸0.18モル、ペンタエリスリトール0.5モ
ル、p−トルエンスルホン酸0.5gを仕込み、160
℃に加熱し、撹拌しながら10時間、水を留去しつつエ
ステル化反応を続けた。
【0025】次いで、反応生成物を0〜5℃に冷却した
後、メタクロロ過安息香酸を0.24モルn−ヘキサン
溶液として添加し、80℃、3時間反応させた。反応終
了後、容器を氷浴で冷却し、沈澱してくるメタクロロ安
息香酸を濾別した。続いて溶媒を除去し、試料油1を2
72g(収率97%)を得た。
【0026】
【実施例2】実施例1において、n−カプロン酸の代わ
りに2−エチルヘキサン酸を同量使用した以外は実施例
1と同様にして試料油2を282g(収率92%)得
た。
【0027】
【実施例3】実施例1において、オレイン酸の代わりに
2−ヘキセン酸を同量使用した以外は実施例1同様にし
て、試料油3を233g(収率91%)得た。
【0028】
【実施例4】実施例1において、ペンタエリスリトール
の代わりにトリメチロールプロパンを同量使用した以外
は実施例1同様にして、試料油4を215g(収率95
%)得た。
【0029】
【比較例】市販のポリオールエステル(旭電化工業
(株)製、アデカプルーバーN−30)を比較油とし
た。
【0030】上記各試料油、比較油について、40℃と
100℃での粘度(mm2/s )、エポキシ酸素含有量を測
定すると共に、冷媒安定性テストを実施した。
【0031】尚、エポキシ酸素含有量は、AOCS法
(A.O.C.S.Tentative MethodCd-9-57(1963)に
より測定した。
【0032】冷媒安定性テストは、まずガラス管に各試
料油、比較油をそれぞれ10g、1.1.1.2-テトラフルオ
ロエタン10g、触媒として鉄、銅、アルミニウムのテ
ストピース(形状:直径 1.7mm、長さ 40mm) 各
1個ずつそれぞれ溶封した後、175℃の温度下、14
日間(336時間)加熱した。テスト終了後試料油の全
酸価を測定すると共に金属片の状態を観察した。触媒の
外観、腐食としては○が軽微、△が軽度、×が多大を意
味する。
【0033】試験結果等を下表に示す。
【0034】
【表1】
【0035】上記表からわかるように、試料油は劣化生
成物の悪影響を抑制することがわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10N 30:12 40:30 60:06 70:00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂肪族モノカルボン酸と多価アルコール
    とからなるエステル又は脂肪族モノカルボン酸と多価ア
    ルコールと多塩基酸とからなるコンプレックスエステル
    であって、エポキシ化酸素を0.5重量%〜2重量%含
    有し、粘度が2〜40mm2/s (100℃)である合成潤
    滑油。
  2. 【請求項2】 飽和脂肪族モノカルボン酸と不飽和脂肪
    族モノカルボン酸とからなる混合脂肪族モノカルボン酸
    と多価アルコール、又は該混合脂肪族モノカルボン酸と
    多価アルコールと多塩基酸とをエステル化反応させ、次
    いでエステル化生成物における不飽和二重結合をエポキ
    シ化して、エポキシ化酸素を0.5重量%〜2重量%含
    有し、粘度が2〜40mm2/s (100℃)である合成潤
    滑油。
  3. 【請求項3】 脂肪族モノカルボン酸と多価アルコール
    とからなるエステル又は脂肪族モノカルボン酸と多価ア
    ルコールと多塩基酸とからなるコンプレックスエステル
    であって、エポキシ化酸素を0.5重量%〜2重量%含
    有し、粘度が2〜40mm2/s (100℃)である合成潤
    滑油を使用する潤滑油組成物。
  4. 【請求項4】 飽和脂肪族モノカルボン酸と不飽和脂肪
    族モノカルボン酸とからなる混合脂肪族モノカルボン酸
    と多価アルコール、又は該混合脂肪族モノカルボン酸と
    多価アルコールと多塩基酸とをエステル化反応させ、次
    いでエステル化生成物における不飽和二重結合をエポキ
    シ化して、エポキシ化酸素を0.5重量%〜2重量%含
    有し、粘度を2〜40mm2/s (100℃)とする合成潤
    滑油を使用する潤滑油組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015521341A (ja) * 2012-04-26 2015-07-27 フックス ペイトロルブ エスエー 変圧器のための冷却及び絶縁流体としてのエステル

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015521341A (ja) * 2012-04-26 2015-07-27 フックス ペイトロルブ エスエー 変圧器のための冷却及び絶縁流体としてのエステル

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