JPH0641536B2 - 改良されたゴム組成物 - Google Patents

改良されたゴム組成物

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JPH0641536B2
JPH0641536B2 JP40602590A JP40602590A JPH0641536B2 JP H0641536 B2 JPH0641536 B2 JP H0641536B2 JP 40602590 A JP40602590 A JP 40602590A JP 40602590 A JP40602590 A JP 40602590A JP H0641536 B2 JPH0641536 B2 JP H0641536B2
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copolymer
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章 齊藤
靖郎 服部
英夫 森田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、構造の異なる2種また
はそれ以上のスチレン−ブタジエン共重合体ゴムを含有
するゴム組成物に関し、さらに詳しくはブタジエン部分
のビニル結合量が異なった2種またはそれ以上のスチレ
ン−ブタジエン共重合体ゴムをゴム成分として含有し、
加工特性が良好で、しかも耐摩耗性とウェットスキッド
抵抗性(ぬれた転面でのすべり抵抗性)とのバランスが
改良されたゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車用タイヤ、防振ゴム、はきもの等
をはじめとする各種加硫ゴム製品に使用されている原料
ゴムとしては、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、乳化重
合スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、高シス−ポリブ
タジエンゴム、低シス−ポリブタジエンゴム、溶液重合
スチレン−ブタジエン共重合体ゴムなどがあり、これら
は単独または2種以上をブレンドして各種加硫ゴム製品
の原料ゴムとして使用されている。
【0003】前記各種原料ゴムのうち、リチウム系触媒
によって得られるポリブタジエンゴムないしはスチレン
−ブタジエン共重合体ゴムは、そのポリマー構造の可変
性の範囲が比較的広いため近年注目されている重合体で
あり、例えば特公昭49−4311号公報には、ミクロ
構造の1,2−結合量(ビニル結合と同義)が25〜5
0%、1,4−トランス結合量が15〜55%、1,4
−シス結合量が10〜40%であるポリブタジエンを使
用したタイヤ用ゴム組成物が示されている。かかるミク
ロ構造を有するポリブタジエンをタイヤトレッドに使用
した場合、ある程度満足した耐摩耗性およびウェットス
キッド抵抗性を示すが、その反面、加工性が必ずしも満
足されるものではなく、更に加硫物の引張強度も十分で
はない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一方、リチウム系触媒
で溶液重合して得られたスチレン−ブタジエン共重合体
のうち、ビニル結合量が15%以下のものをタイヤトレ
ッドに使用した場合は、耐摩耗性が乳化重合スチレン−
ブタジエン共重合体を使用した場合に比べて良好である
ものの、ウェットスキッド抵抗性が劣り、またビニル結
合量が20〜30%程度の溶液重合スチレン−ブタジエ
ン共重合体を使用した場合は、加硫物の耐摩耗性に問題
があった。
【0005】更に、近年ゴム工業界においては、生産性
の向上を目的として、従来のゴムの加硫条件に比較し
て、高温、短時間の条件で加硫することが行なわれるよ
うになってきたが、このような場合、熱伝導性の関係で
成形物の中心と外側とに加硫状態の差が生じ、いわゆる
「加硫もどり」という現象がおこりやすく、加硫物の物
性の悪化などを生じる原因となっていた。特に、天然ゴ
ム、ポリイソプレンゴム、低シス−ポリブタジエンゴ
ム、高シス−ポリブタジエンゴム、ビニル結合量が15
%以下のスチレン−ブタジエン共重合体ゴムなどは、加
硫もどりを生じやすいゴムであり、この欠点が改良され
た高温短時間加硫が可能な原料ゴムの出現が要望されて
いた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の各
種原料ゴムの欠点を改良すべく鋭意検討を重ねた結果、
ビニル結合量が比較的少ないスチレン−ブタジエン共重
合体と、ビニル結合量が比較的多いスチレン−ブタジエ
ン共重合体とを含有し、天然ゴム、ポリイソプレンゴ
ム、ビニル結合量が1〜20%のポリブタジエンゴムか
ら選ばれた1種以上のゴム状重合体を含有したゴム組成
物が、加工性とくに押出加工性に優れ、加硫時の加硫も
どりが少なく、更に加硫物の引張強度が十分であり、ウ
ェットスキッド抵抗性と耐摩耗性のバランスが改良さ
れ、自動車タイヤ、工業用品、防振ゴムをはじめとする
各種ゴム用途に好適であることを見い出し本発明に到達
した。
【0007】本発明は、 (A)成分:スチレン含有量が5〜60重量%、ブタジ
エン部分のビニル結合量が35〜80%であるスチレン
−ブタジエン共重合体 (B)成分:スチレン含有量が5〜40重量%、ブタジ
エン部分のビニル結合量が1〜25%であるスチレン−
ブタジエン共重合体 (C)成分:天然ゴム、ポリイソプレン、ビニル結合量
が1〜20%のポリブタジエンのいずれか1種以上のゴ
ム状重合体 を原料ゴムとするゴム組成物であり、(A)成分と
(B)成分の重量比が20〜80:80〜20であり、
(A)成分と(B)成分との合計量25重量部以上、
(C)成分75重量部以下であるゴム組成物である。
【0008】以下、本発明に関して詳しく述べる。本発
明のゴム組成物の(A)成分として用いるスチレン−ブ
タジエン共重合体はスチレン含有量が5〜60重量%、
好ましくは10〜50重量%の共重合体である。スチレ
ン含有量が5重量%未満では加工性が不十分であり、ま
た得られたゴム組成物の引張強度やウェットスキッド抵
抗性が劣る。一方、上記量が60重量%を超えると得ら
れる組成物の反ぱつ弾性や耐摩耗性が劣る。
【0009】(A)成分のスチレン−ブタジエン共重合
体のブタジエン部分のミクロ構造のビニル結合量(1,
2−結合量)は35%以上60%未満、好ましくは40
%以上60%未満の範囲である。ビニル結合量が35%
未満であると、加硫時における組成物の加硫もどりの抑
止効果が十分ではなく、また得られた組成物のウェット
スキッド抵抗性が劣り、また60%以上では組成物の耐
摩耗性が劣り実用的でない。
【0010】(A)成分のスチレン−ブタジエン共重合
体中のスチレンが、分子鎖に沿って均一に存在している
重合体や、分子鎖に沿ってスチレンの量が増加または減
少する重合体、スチレンの量が多い共重合体またはポリ
スチレンからなる1つ以上のブロックと、スチレンの量
が少ない共重合体またはポリブタジエンからなる1つ以
上のブロックとを有するブロック共重合体などいずれで
もよいが、共重合体のブロックスチレン量(J.Pol
ym.Sci. 429(1946)の方法による)
が共重合体の5重量%以下であることが、組成物の発熱
の面から好ましい。
【0011】また、ブタジエン部分のビニル結合が、前
記スチレンと同様に分子鎖に沿って均一に存在する共重
合体、ビニル結合量が分子鎖に沿って増加または減少す
る共重合体、ビニル結合量が多い部分と少ない部分とが
ブロック状で存在する共重合体やそれらを組み合わせた
共重合体のいずれでも本発明の(A)成分として使用す
ることができる。
【0012】(A)成分のスチレン−ブタジエン共重合
体の重量平均分子量は、55,000以上350,00
0未満であり、好ましくは82,500以上350,0
00未満であり、分子量分布(重量平均分子量と数平均
分子量との比(Mw/Mn)は、好ましくは1.1〜
4.0、更に好ましくは1.2〜3.0である。上記の
範囲は共重合体の物性と加工性の保持の上で好ましい範
囲である。
【0013】(A)成分と後述する(B)成分との合計
量の100重量部に対し、(A)成分は20〜80重量
部、好ましくは25〜75重量部で使用され、上記の組
成の範囲外では、各々の単独使用に比べての改善効果が
わずかである。 つぎに、本発明の(B)成分として用いられるスチレン
−ブタジエン共重合体は、スチレン含有量が5〜40重
量%、好ましくは5〜30重量%の共重合体である。ス
チレン含有量が5重量%未満では、加工性が劣り、得ら
れた組成物のウェットスキッド抵抗性が十分ではなく、
一方、スチレン含有量が40重量%を超える場合は、得
られた組成物の耐摩耗性に悪影響を及ぼす。
【0014】(B)成分のスチレン−ブタジエン共重合
体のブタジエン部分のミクロ構造のビニル結合量は1%
以上25%未満である。ビニル結合量が25重量%以上
になると、得られる組成物の耐摩耗性が不十分になる。
(B)成分のスチレン−ブタジエン共重合体に関して
も、その共重合体中のスチレンが、分子鎖に沿って均一
に存在している重合体や、分子鎖に沿ってスチレンの量
が増加または減少する重合体、スチレンの量が多い共重
合体またはポリスチレンからなる1つ以上のブロック
と、スチレンの量が少ない共重合体またはポリブタジエ
ンからなる1つ以上のブロックを有する共重合体などい
ずれでもよいが、共重合体中のブロックスチレン量が共
重合体の5重量%以下であることが必要である。ブロッ
クスチレン量が共重合体の5重量%を越えると、得られ
る組成物の耐摩耗性が悪化し、反発弾性、発熱性などの
他の性能も低下する。
【0015】(B)成分のスチレン−ブタジエン共重合
体の数平均分子量は好ましくは50,000〜400,
000、更に好ましくは、75,000〜300,00
0の範囲であり、分子量分布(Mw/Mn)は、好まし
くは1.1〜4.0、更に好ましくは、1.2〜3.0
である。上記の範囲は共重合体の物性と加工性の保持の
上で好ましい範囲である。
【0016】(B)成分は、(A)成分と(B)成分の
合計量100重量部に対して、20〜80重量部、好ま
しくは25〜75重量部の組成で使用される。 本発明において、(A)成分と(B)成分とは前記組成
の範囲で使用されるが、(A)成分と(B)成分との混
合した組成物としてのスチレン含有量が10〜40重量
%、ブタジエン部分のビニル結合量が30%以上53%
未満になるような(A)成分と(B)成分の各々の構造
および組成で使用することが、得られる組成物の加工性
および耐摩耗性の物性とのバランス上必要であり、好ま
しくは前記スチレン含有量が15〜35重量%であり、
ビニル結合量が35〜42%である。
【0017】前記(A)成分のスチレン−ブタジエン共
重合体および(B)成分のスチレン−ブタジエン共重合
体はいかなる製造方法で得られたものであっても、前記
限定条件に該当するものであれば本発明の組成物の原料
ゴム成分として使用することができる。(A)成分のス
チレン−ブタジエン共重合体は、一般にゴム用途に用い
られているスチレン−ブタジエン共重合体よりもビニル
結合量が多い共重合体であり、これら(A)成分として
使用する共重合体は製造方法として、ヘキサン、シクロ
ヘキサン、ベンゼン等の不活性溶媒中において、重合触
媒として、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウ
ムなどの有機リチウムないし他の有機アルカリ金属化合
物を用い、必要に応じて助触媒成分として、カリウムブ
トキシなどのアルコキシサイド、ドデシルベンゼンスル
ホン塩酸、ステアリン酸ナトリウムなどの有機酸塩を代
表的な例とする有機化合物を用い、ビニル結合量を調節
する化合物として、エーテル、ポリエーテル、3級アミ
ン、ポリアミン、チオエーテル、ヘキサメチルホスホル
トリアミド等の極性有機化合物を用いてスチレンとブタ
ジエンを共重合する方法によって得られる。ビニル結合
量は、前記極性化合物の添加量および重合温度で制御で
きる。
【0018】また、前記方法で得られた活性末端を有す
る重合体鎖を、四塩化ケイ沿、四塩化スズ、ポリエポキ
シ化合物などの多官能性化合物によって、カップリング
することや、ジビニルベンゼンなどの分岐剤を重合系に
添加することにより、分岐状ないしは放射状の共重合体
が得られる。また、前記重合方法において、単量体の添
加方法を調節したり、ビニル結合量を調節する化合物
や、重合温度を重合反応の中途で変化させるなどの各種
重合体条件を変えることにより、分子鎖中において、ス
チレン含有量やビニル結合量が、連続的に増加または減
少したり、ブロック状になっている重合体とすることが
できる。
【0019】更に、アセチレン、1,2−ブタジエン、
フルオレン、トルエン、1級アミン、2級アミン等の各
種分子量調節剤も用いることができる。 つぎに、(B)成分として用いるスチレン−ブタジエン
共重合体は、(A)成分として用いるスチレン−ブタジ
エン共重合体に比較してビニル結合量が少ない共重合体
である。これらの(B)成分として使用する共重合体の
代表的な製造方法は、前記(A)成分のスチレン−ブタ
ジエン共重合体を得る方法と同様であるが、ビニル結合
量が所定の量とするために、極性有機化合物の添加量を
少なくするかまたは使用せずに重合する方法を用いる。
なお、極性有機化合物を使用しないで、スチレンとブタ
ジエンとを共重合する場合は、両者の反応速度の差から
スチレンがブロック状となった共重合体となりやすいの
でブロックスチレン量が少ない共重合体を得るためには
モノマーの添加方法を調節したり、ビニル結合量を多く
は増加させないドデシルベンゼンスルホン酸塩などの化
合物を添加するなどの方法が望ましい。
【0020】またリチウム系触媒で重合する以外の重合
方法、例えば乳化重合による方法でも、本発明の(B)
成分として使用するスチレン−ブタジエン共重合体を得
ることが可能である。(A)成分および(B)成分を得
る重合プロセスは、バッチ重合プロセス、連続重合プロ
セスやこれらを組合せたもののいずれでも使用できる。
【0021】本発明に用いられる(C)成分のゴム状重
合体は、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ビニル結合量
が1〜20%のポリブタジエンゴムから選ばれた1種以
上のゴム状重合体である。これらのゴム状重合体は、一
般にゴム用途に多く使用されている原料ゴムであり、ポ
リイソプレンゴムは、チーグラー系触媒またはリチウム
系触媒によってイソプレンを重合して得られた重合体で
あり、ビニル結合量が1〜20%のポリブタジエンゴム
は、チーグラー系触媒で得られる高シス−ポリブタジエ
ンゴムまたはリチウム系触媒で得られる低シス−ポリブ
タジエンゴムが代表的なものである。
【0022】本発明のゴム組成物において、前記(C)
成分のゴム状物質と、(A)成分および(B)成分は、
(A)成分と(B)成分の合計量25重量部以上、
(C)成分75重量部以下、好ましくは(A)成分と
(B)成分の合計量30重量部以上、(C)成分70重
量部以下である組成において使用される。 (A)成分と(B)成分の和が、25重量部未満では、
組成物の加硫工程における(C)成分の加硫もどりの改
善効果がわずかである。
【0023】つぎに、本発明によって得られたゴム組成
物の特徴に関して以下に述べる。(A)成分と(B)成
分とに(C)成分を添加したゴム組成物の特徴は、 (1) (C)成分として用いる天然ゴム、ポリイソプ
レンゴム、ビニル結合量が1〜20%のポリブタジエン
ゴムの、加硫もどりの改善効果がある。 (2) (A)成分、(B)成分、(C)成分のうち、
1成分又は2成分のみを原料ゴムとした場合に比べ、耐
摩耗性、反発弾性、引張強度、ウェットスキッド抵抗性
などのバランスが良好であり、また加工性がすぐれる。
【0024】以上示した如く、本発明によるゴム組成物
は、従来の原料ゴムないしは従来の原料ゴムを組合せて
使用することでは達成できなかった有用なゴム組成物で
あり、自動車用タイヤ、防振ゴム、工業用品、はきもの
用などの各種用途に好適である。本発明のゴム組成物は
前記(A)成分、(B)成分、(C)成分を原料ゴムと
するが、これに各種配合剤を加え、成形加硫することに
よってタイヤ用途をはじめとする各種用途に用いられ
る。
【0025】上記ゴム組成物に添加される配合剤として
は、補強剤、軟化剤、充填剤、加硫剤、加硫促進剤、加
硫助剤、着色剤、難燃剤、滑剤、発泡剤、その他の配合
剤などがあり、これらは組成物の用途に応じて、適宜選
択されて使用される。補強剤の代表的なものとしてはカ
ーボンブラックがあげられ、いろいろな製造方法によっ
て得られた粒径ないしはストラクチャーが異なる各種の
ものが使用されるが、ISAF,HAF,FEFなどの
カーボンブラックがタイヤを中心とする用途に好適に用
いられる。これらのカーボンブラックの添加量は、同時
に必要に応じて使用するプロセス油の添加量を勘案して
使用されるが、原料ゴム100重量部に対して10〜1
50重量部、好ましくは40〜100重量部が使用され
る。上記カーボンブラックの種類および添加量は、ゴム
組成物の使用目的によって適宜調節され、2種以上を併
用してもよい。
【0026】その他の補強剤としては、シリカ、活性化
炭酸カルシウムなどの無機補強剤や、ハイスチレン樹
脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂などが使用さ
れ、これらの無機または有機の補強剤は原料ゴム100
重量部に対して1〜100重量部、好ましくは5〜50
重量部使用される。また必要に応じて添加される軟化剤
の代表的なものとしては、プロセス油があり、パラフィ
ン系、ナフテン系、アロマ系等の各種ゴム組成物に好適
に使用され、原料ゴム100重量部に対し2〜100重
量部、好ましくは5〜70重量部使用される。また、プ
ロセス油が、あらかじめ原料ゴムに添加された油展ポリ
マーを用いることも行なわれる。その他の軟化剤として
は、流動パラフィン、コールタール、脂肪油、サブなど
がある。
【0027】加硫剤は、代表的なものとして硫黄があ
り、原料ゴム100重量部に対して0.1〜10重量
部、好ましくは0.2〜5重量部使用される。その他の
加硫剤としては、塩化イオウ、モルホリン−ジスルフイ
ド、アルキルフェノールジスルフイドなどの硫黄化合物
や、パーオキサイドなどがあり、これらは単独または硫
黄として併用して用いられる。
【0028】加硫促進剤としては、多種多様なものがあ
り、これらは原料ゴム100重量部に対し、0.01〜
5重量部使用され、2種以上を併用することも行なわれ
る。代表的な加硫促進剤としては、グアニジン系、アル
デヒド−アミンおよびアルデヒド−アンモニア系、チア
ゾール系、イミダゾリン系、チオユリア系、チウラム
系、ジチオカルバメート系、ザンテート系などや、混合
促進剤があげられる。
【0029】加硫助剤としては、酸化亜鉛等の金属酸化
物、ステアリン酸などの脂肪酸化合物、アミン類などが
あり、これらは原料ゴム100重量部あたり、0.1〜
10重量部使用される。必要に応じて添加される老化防
止剤ないし酸化防止剤としては、アミン系、フェノール
系、リン系、イオウ系等が代表的なものであり、これら
は原料ゴム100重量部あたり、0.001〜10重量
部添加され、2種以上を併用することもある。
【0030】必要に応じて添加されるスコーチ防止剤と
しては、無水フタル酸、サリチル酸、N−ニトロソージ
フェニルアミンなど、粘着付与剤としては、クマロン−
インデン樹脂、テルペン−フェノール樹脂、ロジンエス
テル等、充填剤としては、炭酸カルシウム、クレー、タ
ルク、水酸化アルミニウムなどがあげられる。さらに、
その他必要に応じて、各種配合剤が使用される。
【0031】本発明のゴム組成物は、一般にゴム組成物
の混合に用いられる各種混合装置、例えば、オープンロ
ール、バンバリーミキサー、ニーダー、押出機などによ
って、原料ゴムと各種配合剤とを混合し、ついで目的の
形状に成形した後、加硫される。本発明のゴム組成物
は、各種自動車用タイヤ、ベルト、ホース、防振ゴムな
どの工業用品、はきもの、日用品、建築資材、その他各
種用途に、特徴を生かして好適に使用される。
【0032】
【実施例】以下、実施例を示すが、これらは本発明をよ
り具体的に説明するものであって、本発明の範囲を限定
するものではない。
【0033】
【参考例】本発明において(A)成分として用いるスチ
レン−ブタジエン共重合体および(B)成分として用い
るスチレン−ブタジエン共重合体を得る方法の代表的な
例を示す (1) 試料A−1の重合 撹拌器およびジャケット付きの内容積101の重合反応
器を1基用い、重合器内温を98〜102℃に保ち、反
応器底部よりモノマーとしてブタジエンを24g/mi
nおよびスチレンを8.5g/min、溶媒としてn−
ヘキサンを130g/min、極性化合物としてテトラ
ハイドロフランを2.3g/min、触媒としてn−ブ
チルリチウムをモノマー100gに対して0.036g
連続的に定量ポンプで供給して重合反応を開始せしめ、
反応器頂部より重合体溶液を連続的に抜き出した。定常
状態となった後、得られた重合体溶液に、重合体100
重量部あたり0.5重量部のジ−tert−ブチル−p
−クレゾールを加えたのち、溶媒のn−ヘキサンを除去
した。得られた重合体(試料A−1)の分析値は、表1
に示す。
【0034】なお、スチレン含有量およびブタジエン部
分のミクロ構造は、赤外分光光度計を用いてスペクトル
を測定し、ハンプトンの方法によって計算した。また、
試料A−1をG.P.C.によって分析した結果、重量
平均分子量(Mw)が343,000、数平均分子量
(Mn)が163,000、Mw/Mn=2.10であ
った。なお、G.P.C.は島津製作所製LC−1型を
用い、検知器は示差屈折系、カラムは、HSG−50,
60,70,各1本、温度40℃、溶媒はテトラハイド
ロフランの条件で測定した。
【0035】(2) 試料A−2の重合 撹拌器およびジャケット付きの内容積401の重合反応
器を用い、この反応器にシクロヘキサン18.2Kg、
ブタジエン2.9Kg、スチレン1.6Kg、ジエチレ
ングリコールジメチルエーテル7.0g、n−ブチルリ
チウム3.0gを入れ、反応器内温を45〜55℃に保
ち、2時間重合し重合終了後、重合体溶液に四塩化ケイ
素を3.0g添加してカップリング反応をさせた。この
重合体溶液に重合体100重量部あたり0.5重量部の
ジ−tert−ブチル−p−クレゾールを添加した後、
溶媒を加熱ロールで除去し試料A−2を得た。試料A−
2の分析値は表1に示す。またG.P.C.による測定
で、Mw=284,000、Mn=164,000Mw
/Mn=1.73であった。
【0036】(3) 試料A−9の重合 極性化合物と触媒量を変えた以外は試料A−1と同様に
して、重量平均分子量(Mw)が381,000、数平
均分子量(Mn)が190,000、Mw/Mn=2.
0の重量A−9を得た。試料A−9の分析値を表1に示
す。 (4) 試料B−1の重合 試料A−1を得たのと同じ重合反応器を用い、重合器内
温を120〜128℃に保ち、反応器底部よりモノマー
としてブタジエンを30.2g/min、およびスチレ
ンを2.3g/min、溶媒としてn−ヘキサンを13
0gr/min、触媒としてn−ブチルリチウムをモノ
マー100grに対して、0.045g各々連続的に定
量ポンプで供給して重合反応を開始せしめ、反応器頂部
より重合体溶液を連続的に抜き出した。定常状態となっ
た後、得られた重合体溶液に、重合体100重量部あた
り0.5重量部のジ−tert−ブチル−p−クレゾー
ルを加えたのち、溶媒のn−ヘキサンを除去した。得ら
れた重合体(試料B−1)のスチレン含有量は7.1重
量%、ブロックスチレン量は0.8重量%、Mw=33
0,000、Mn=138,000、Mw/Mn=2.
39であった。
【0037】 表1には、試料A−1,A−2と共に本発明で(A)成
分として用いるスチレン−ブタジエン共重合体の分析
値、及び比較例に用いる本発明の範囲外であるポリブタ
ジエンの分析値を示す。また、表2には本発明の(B)
成分として用いるスチレン−ブタジエン共重合体の分析
値を示す。
【0038】
【実施例1〜3】(C)成分として、表3に示される試
料C−1(天然ゴム)、試料C−2(ポリイソプレンゴ
ム)、試料C−3(ポリブタジエンゴム)および前出の
試料a−1(ポリブタジエンゴム)を使用し、表5に示
される各種ゴムを原料ゴムとし、表4に示される配合処
法によりゴム組成物とした。表5の実施例に示される重
合体を(A)成分および(B)成分とした場合において
は、いずれも(C)成分とのブレンド性は良好であっ
た。
【0039】これらの組成物の加硫もどりの測定結果お
よび加硫物物性を表6に示す。表6に示されるように比
較例3の如く、(B)成分のスチレン−ブタジエン共重
合体と(C)成分を使用した場合や、比較例1の如く
(A)成分+(B)成分の配合量が少ない場合は、
(C)成分の加硫もどりを防止する効果が少ないが、実
施例1〜3の組成物は、(C)成分の加硫もどりが防止
されている。
【0040】また、実施例1〜3は、(A)成分と
(C)成分を用いた比較例2や、(B)成分と(C)成
分を用いた比較例3と比べ、反発弾性とウェットスキッ
ド抵抗性のバランス及び耐摩耗性とウェットスキッド抵
抗性のバランスが優れている。更に、実施例1〜3は、
(A)成分、(B)成分、(C)成分の単独の場合の平
均的性能に比べ優れている。
【0041】
【0042】
【0043】
【0044】
【0045】
【0046】
【0047】
【発明の効果】以上の様に、本発明によって、加工特性
が良好で、加硫もどりが防止され、しかも耐摩耗性とウ
ェットスキッド抵抗性とのバランスなどの性能が向上し
たゴム組成物が得られる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)成分:不活性溶媒中、極性有機化合
    物を用い、有機アルカリ金属触媒を用いて得られる、ス
    チレン含有量が5〜60重量%、ブタジエン部分のビニ
    ル結合量が35%以上60%未満、1,4−トランス結
    合量が42%未満、重量平均分子量が55,000以上
    350,000未満であるスチレン−ブタジエン共重合
    体、 (B)成分:スチレン含有量が5〜40重量%、ブタジ
    エン部分のビニル結合量が1%以上25%未満、ブロッ
    クスチレン量が共重合体の5重量%以下であるスチレン
    −ブタジエン共重合体、 (C)成分:天然ゴム、ポリイソプレン、ビニル結合量
    が1〜20%のポリブタジエンのいずれか1種以上のゴ
    ム状重合体、 を原料とするゴム組成物であり、 (A)成分と(B)成分の重量比が20〜80:80〜
    20、 (A)成分と(B)成分を混合した重合体組成物のスチ
    レン含有量が10〜40重量%、ブタジエン部分のビニ
    ル結合量が30%以上53%未満であり、 (A)成分と(B)成分との合計量25重量部以上、
    (C)成分75重量部以下であるゴム組成物。
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