JPH0641372B2 - 非水溶液内で重合アルミナゾルを合成する方法 - Google Patents

非水溶液内で重合アルミナゾルを合成する方法

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JPH0641372B2
JPH0641372B2 JP63323783A JP32378388A JPH0641372B2 JP H0641372 B2 JPH0641372 B2 JP H0641372B2 JP 63323783 A JP63323783 A JP 63323783A JP 32378388 A JP32378388 A JP 32378388A JP H0641372 B2 JPH0641372 B2 JP H0641372B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、非水溶液から重合状態の高粘性アルミナゾル
を合成する方法に関する。
(従来の技術及び解決すべき問題点) 従来の方法によるアルミナゾルは、コロイダル状態とし
て粘性が極く低くてポリエチレンオキシド等の水溶性高
分子物質の添加がなければ紡糸に適合した粘性と作業性
を得ることができなかった。
本発明は、上記の欠点を改良すべく種々検討した結果、
本発明を完成したもので、本発明の目的は非水溶液から
重合状態の高粘性を有する無機繊維の製造に適したアル
ミナゾルの製造方法を提供するにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明の要旨は、アルミニウム−sec−ブトキシド又は
アルミニウムイソプロボキシドをアルコールに溶解した
後、これらアルコキシド1モルに対し、アセチルアセト
ン0.4〜1.5モルを添加して反応させた後、加水分
解させ、しかる後、酸の存在下で重合させることを特徴
とする非水溶液内で重合アルミナゾルを合成する方法で
ある。
本発明の合成方法をより詳細に説明すれば次の如くであ
る。
本発明は、出発物質としてアルミニウムアルコキシドを
利用し、これをアルコールに溶解し、まず、安定な化学
結合を生ずるアセチルアセトンと反応させた後、水を添
加し加水分解反応させた後、酸を添加して重合反応させ
て安定な重合ゾルを形成するものであり、最初のアセチ
ルアセトンとの反応は次の如くである。
上記のA・Aはアセチルアセトン(CHCOCHCO
CH)Rは2級−ブチル基又はイソ−プロピル基であ
る。
本発明において使用するアルミニウムアルコキシドは、
アルミニウム−sec−ブトキシド又はイソ−プロポキシ
アルミニウムであり、使用する溶媒はアルコール類であ
る。アルコール類としては1−プロパノール、2−ブタ
ノール等であって、それぞれのアルコキシドに対し透明
なゾルを形成することができ、適合に使用される。アル
コールの量は多量であっても構わないが、以後、分離の
問題が有り、少量の場合は、沈澱が生ずるので、アルミ
ニウム−sec−ブトキシド1モルに対して、1−プロパ
ノールの量は3〜6モルが適当であり、アルミニウムイ
ソプロポキシド1モルに対し、イソブタノールの量は、
7〜10モルが適当であった。本発明においては、アル
ミニウムアルコキシドを加水分解するが、水分の量を理
論水分量以下に制限し、アルミニウム原子周囲のアルコ
ール基の一部分だけ部分水和して鎖状態の前駆物質を形
成し得るようにする。部分水和を維持するために安定し
た化学結合を形成するアセチルアセトン(CHCOC
COCH)を使用してAl周囲のアルコール基の
一部をキャピング(Capping)し、重合反応中に不必要
な水分の影響を排除するために非水溶液中で反応させ
た。アセチルアセトンの量も重量な因子の一つであり、
最大量はアルコキシド1モルに対し1.5モルであり、そ
れ以上を添加すれば、次のような反応によりアルミニウ
ムアセチルアセトネートの錯化合物を形成し、沈澱物を
形成する。
更に、反応と濃縮温度をアセチルアセトンの揮発点以下
に維持した。
アセチルアセトン化により生じた透明なゾルに水を添加
すれば、加水分解反応が起こる。その反応は次の如くで
ある。
この反応においても水の量に従って反応が異なり、水の
量が多い場合には、急激なゲル化が生じ透明なゾルの形
成が困難であり、水の量が少ない場合も又急激なゲル化
が生じて好ましくない。従って、アルコキシド1モルに
対して水の量は0.25〜1.25モルが適当である。加水分解
された溶液は、酸の添加により高分子形態のゾルを形成
するが、この際の反応は次の如くである。
1)の反応式は、理想的な高分子反応式であり、2)の
反応式は加水分解が生じなかった未反応物が高分子化す
る反応式である。1)でORは水と反応し、OH結合を生
じ、ROHを生成することもできる。この際、触媒として
添加する酸の種類は強酸が適当であり、酸の量が歌多で
あれば急激なゲル化が生じ、酸の不在又は過少の場合に
は高分子化反応は生じるが、その速度が減少する。すな
わち、酸が触媒役割をし、酸が反応により加速化する。
酸の量はアルコキシドに対し塩酸の場合1.5モルまでが
適当である。その後、縮合反応により次のようなアルミ
ナ重合ゾルを形成する。
このように、本発明によるアルミナゾルは含有した前駆
物質のコロイダルのように球形でなく鎖形態のものであ
るため、構造的にコロイダルの場合よりもゾル自体の粘
度が極めて高く、したがって、これより容易に紡糸する
ことができる。
次に、得られたアルミナゾルよりアルミナよりなる無機
質繊維の製造方法について説明する。
上述の方法によって形成したゾルは、乾燥器により80〜
90℃の温度範囲で乾燥すれば100時間後、PHは7.8から1
3.3に、粘度は10cpsから108cpsに変化するので、紡糸に
適当な105〜107cpsの時に第4図に示した繊維製造装置
を利用して無機繊維を製造する。
第4図は遠心分離方法を利用した本発明の繊維製造装置
の概略的構成図である。第4図に示すように、この装置
は、ボディ(1)と、このボディの上部に設置した加圧装
置(2)と、更に上記ボディの内部に設置した円筒体(3)及
び上記円筒体を回転するための回転装置(4)と、上記円
筒体を加熱するための加熱器(5)及びゾル貯蔵槽(14)か
ら構成されている。
上記ボディ(1)は内部が中空部になっている。又加圧装
置(2)は外部の圧力手段(図示しない)により作動さ
れ、ゾル貯蔵槽(14)中のゾル(6)が一定の速度で後述す
る円筒体(3)に落下するようにした。
円筒体(3)は、外周縁に一定の間隔で通し孔(7)が穿孔さ
れており、回転軸(11)に装着されている。減速機(10)に
より減速されたモーター(9)の動力がベルト(8)により回
転軸(11)に伝達されるようになっている。
又、上記の円筒体(3)に隣接して加熱器(5)を設置し、こ
の加熱器の加熱部(12)は円筒体の底部に隣接するように
構成し、一定の温度で加熱するようにした。
このように本発明で使用する装置は、ボディ(1)の内部
で円筒体(3)が回転装置(4)により一定速度で回転され
る。このような状態下に加熱器(5)により円筒体が一定
の温度に加熱維持され、外部の圧力手段により加圧装置
(2)が作動し、ゾル貯蔵槽(14)中のゾル(6)が一定の速度
で円筒体(3)内に落下する。上記の円筒体内に落下した
ゾル(6)を円筒体の遠心力により円筒体に形成されてい
る通孔(7)を通して、紡糸された短繊維(13)が連続的に
製造される。
このアルミナゾルの主用途は無機繊維製造であるが、そ
の他にも複合材料及びコーティングとバインダー材料に
も使用することができる。
次に実施例をもって、更に、本発明を詳細に説明する。
実施例1 3口フラスコに常温でイソ−プロパノール((CH
CHOH)4モルを入れた後、アルミニウムsec−ブ
トキシド(Al(OC)1モルを徐々に6〜
7分間かけて落下し、半透明の溶液を得た。これを撹拌
機で撹拌しながらアセチルアセトン0.5モルをピペット
を通して滴下し、透明なゾルを生成した。アセチルアセ
トン(化反応が十分生じるように2時間以上撹拌した
後、水1モルを添加した。水を添加したらゾルの色が薄
くなったが、透明なゾルの状態はそのまま維持した。十
分な加水分解のために1時間撹拌し、その後塩酸を0.00
15モル添加した後、この溶液を乾燥器により80℃で乾燥
し、乾燥時間に伴うPHと粘度を測定した結果、第1表及
び第2表のとおりであった。
上記のゾルを乾燥し、1100℃以上で焼成した結果、全て
α−Al2O3に転移したことを発見した。
アセチルアセトンの添加量に対するアルミナゾルの時間
に伴う粘度変化を次の実験例によって測定した。
実施例 アセチルアセトンの添加量をそれぞれ1.5モル、0.1モル
に変えた以外は実施例1と同様に実施し、得られたアル
ミナゾルの時間に伴う粘度変化を測定した結果、第1図
のとおりであった。
第1図にみるごとく、アセチルアセトンの添加量を1.5
モル、0.1モルとした場合には、乾燥時間100時間後にも
粘度は102cpsを超過しないが、実施例のように0.5モル
にした場合には、100時間以後の粘度が108以上になり、
紡糸性の優秀なアルミナゾルを得られることがわかっ
た。
又、本発明の実施例1の方法により製造したアルミナゾ
ルをFT-IRで分析した結果は、第2図のとおりであり、
従来の水溶液による方法により製造したアルミナゾルを
FT-IRで分析した結果は、第3図のとおりであり、第2
図と第3図は相違があることから、本発明により製造し
たアルミナゾルは従来の方法により製造したアルミナゾ
ルは従来の方法により製造したアルミナゾルとその構造
が相違していることがわかる。
上記の第2表で明らかなように、本発明により製造した
アルミナゾルは重合性ゾルで、他の添加剤を添加するこ
となく、乾燥時間に従って粘度を調節することができ
て、高純度のアルミナ繊維を製造することができると共
に複合材料及びコーティング材料に適用できる。
実施例2 実施例1により合成したアルミナゾルを80℃で97時間乾
燥し、粘度が106cpsになれば第4図のゾル貯蔵槽(14)内
に入れた後、バディ(1)内部の円筒体(3)を回転装置(4)
により3000rpmで回転し、加熱器(5)により450℃に加熱
しながら、加圧装置を作動し、ゾル貯蔵槽(14)内のゾル
(6)を円筒体(3)内に5ml/secで落下すれば、落下したゾ
ルは円筒体に形成された直径495μの通孔(7)を通して紡
糸し、短繊維(13)が製造される。
このように製造した短繊維を熱処理した結果、第5図の
X線回析分析で見る如く、900℃以下では無定形状態で
あり、900℃でγ−Alが現われだし、950℃でσ
−Alが部分的に転移し、1000℃でα−Al
とθ−Alが現われ、、1050℃以上ではα−A
が主な相で現われた。
又、製造した短繊維を焼成した結果、第6図の電子顕微
鏡写真でみるように、繊維の平均粒径は約70μmであ
り、繊維は多結晶アルミナであることを確認することが
できた。
(発明の効果) 以上述べたように、本発明により得られたアルミナゾル
は、従来の水溶液から製造する通常のコロイダル状態の
アルミナゾルに比べて粘性が高く、紡糸性が優れてお
り、従って、アルミナ質無機繊維の製造に適することは
勿論、コーティング及びバインダーの原料として従来の
コロイダルゾルよりも卓越した性能を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図は、アセチルアセトンの添加量(0.1モル、0.5モ
ル、1.5モル)をかえて得た重合アルミナゾルの時間に
伴う粘度を示すグラフ。第2図は、本発明の方法により
得た重合アルミナゾルのFT-IRスペクトル。第3図は、
従来の方法により得たアルミナゾルのFT-IRスペクト
ル。第4図は、本発明の繊維製造装置の断面図。第5図
は、本発明の無機繊維の熱処理温度に伴うX−ray回析
分析図。第6図は、本発明の無機繊維の焼成後の繊維の
形状の電子顕微鏡であり、(a)は524倍、(b)は1350倍の
拡大写真である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルミニウム−sec−ブトキシド又はアル
    ミニウムイソプロボキシドをアルコールに溶解した後、
    これらアルコキシド1モルに対し、アセチルアセトン0.
    4〜1.5モルを添加して反応させた後、加水分解させ、し
    かる後、酸の存在下で重合させることを特徴とする非水
    溶液内で重合アルミナゾルを合成する方法。
JP63323783A 1988-07-20 1988-12-23 非水溶液内で重合アルミナゾルを合成する方法 Expired - Lifetime JPH0641372B2 (ja)

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