JPH0641170Y2 - 回転検出センサ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、オートマチック車におけるトランスミッショ
ンのタービン回転数を計測する回転検出センサに関する
ものである。

〔従来の技術〕

オートマチック車のトランスミッション内に装備されて
いるタービン軸の回転数を検出するため、そのトランス
ミッションに、回転検出センサを取付けることが考えら
れちるものであるが、この種のトランスミッションに
は、その構造上の制約から、回転検出センサを取付ける
ための広幅空間部を確保することが困難であって、口径
の比較的大なる回転検出センサを設備することが困難で
あった。そこで、この困難を解消するために、トランス
ミッションに見出せる小空間を利用して設備することが
できる棒形状の回転検出センサを開発し、この回転検出
センサを、トランスミッションのケーシングに設けた小
径の孔部より、その内部へ挿入することにより、設備す
ることができるようにした。

すなわち、この先行例である棒形状回転センサは、第３
図に示す如き構成であって、１は絶縁材料で形成された
筒状のボビンであって、このボビン１の先端部外周面に
はコイル２が巻回保持されると共に、その先端部内側に
は、電磁軟鉄等の高透磁材料からなる棒状ヨーク３が嵌
着されている。また上記ボビン１の尾端部内側には、前
記ヨーク３に連続する例えば鉄、クローム、コバルト等
で形成されている棒状マグネット４が挿入されている。
５及び６は前記ボビン１の尾端部に接続される筒状のホ
ルダ及びこの筒状ホルダ５に接続された筒状の取付部材
であって、この筒状の取付部材６には、ミッションのケ
ーシング（図示せず）に取付けるためのフランジ７が形
成されている。この筒状のホルダ５及び取付部材６の内
部には、ワイヤーハーネス８が挿通されており、このワ
イヤーハーネス８の芯線８′は、ターミナル９を介して
前記のコイル２に接続されている。また取付部材６とワ
イヤーハーネス８との間には防水性を確保せしめるため
の例えばエポキシ樹脂製のシール剤10が充填されてい
る。11は前記ボビン１から、ホルダ５及び取付部材６に
かけて、それらの表面に被着されたナイロン製の保護カ
バーであり、またその保護カバー11の先端部には、前記
コイル２の外側を被う金属製のカバー12が被着されてい
る。なお13及び14はシール用のＯリング、15はインプッ
トシャフトに形成されているスプラインを示す。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところが、このような従来の回転検出センサにおいて、
取付部材６とワイヤーハーネス８との隙間に介在せしめ
る防水用及び抜け止め防止用の樹脂液剤10はエポキシ樹
脂であるために、隙間に充填したそのエポキシ樹脂液が
硬化されるまでに長時間を必要とし、これが原因で生産
性が悪いものであった。またエポキシ樹脂液を隙間に充
填するには手間がかかり作業性も悪いという欠点があっ
た。

〔課題を解決するための手段〕

本考案はかかる欠点に着目してなされたもので、従来に
おいて使用されていたエポキシ樹脂等の充填液にかえ、
ゴム製筒状パッキンを使用し、この筒状パッキンを、取
付部材６とワイヤーハーネス８との間に圧入することに
より、防水性と、ワイヤーハーネス８の固定を確保する
ことができる回転センサを提供することにある。

〔実施例〕

以下に本考案を、第１図及び第２図に示す実施例に基い
て詳細に説明するが、本実施例の構造と従来例で説明し
た構造との同一部分は、従来例で使用した符号を付し
て、その同一構造部分の説明は省略する。

第１図において、16は予め筒状に形成されているゴム製
のパッキンであって、このパッキン16は、取付部材６と
ワイヤーハーネス８との間に形成される隙間17内に嵌合
せしめ、さらにこのパッキン16は、上記隙間17内に嵌入
される筒状の樹脂製ホルダー18により圧入保持されるも
のである。なおこのホルダー18は、取付部材６との係止
を確保せしめるために筒状ホルダー18の外周面には突条
19を形成し、また取付部材６の内周面には上記突条19が
嵌合される凹溝20を形成して、その突条19と凹溝20との
係止によりホルダー18の取付部材６内嵌着が保持される
ものである。

第２図に示す実施例は、前記実施例におけるホルダ18の
別例であって、このホルダ18にあっては、ワイヤーハー
ネス８を直交方向に折り曲げて引き出すための引出し口
21を形成したものである。従ってこの実施例にあって
は、ワイヤーハーネス引き出し方向に規制がある場合に
有利である。

〔考案の効果〕

このように本考案は、ボビン１の一端部外周にコイル２
が巻回され該コイルに対応するボビン内部に高透磁率材
料の棒状ヨーク３が装着されると共に前記ボビン１の他
端部内部に前記ヨーク３に密接した棒状磁石４が内装さ
れ、かつ一端が前記コイル２に接続され他端が前記ボビ
ン他端部に延びるターミナル片９を前記ボビンの外周に
添設したセンサ本体と、該センサ本体の前記ボビン他端
部外周に一端が嵌合されかつ中心部に前記ターミナル片
９に接続された電線束８が貫通される筒状ホルダ５と、
該筒状ホルダ５の他端に一端が嵌合されかつ他端に取付
フランジ７及び前記電線束８の外径よりも大なる内径の
電線挿通孔及び該挿通孔の内径より大なる内径の溝部20
が形成された筒状の取付部材６と、前記センサ本体、ホ
ルダ５及び取付部材６のそれぞれ外周に一体成形により
被着された樹脂製保護カバー11と、前記取付部材６の電
線挿通孔と電線束との間に嵌着された筒状ゴムパッキン
16と、外周面に前記溝20と係合する突起19を備えて、前
記ゴムパッキン16を押圧保持するホルダ18とより成る回
転検出センサであるから、これによれば、取付部材６と
電線束８との間に形成される隙間に筒状ゴムパッキン16
を嵌入し、さらにこのゴムパッキン16はホルダ18により
押圧保持されることからこのゴムパッキン16とホルダ18
との嵌着によって防水シール性が確保できる。また上記
ゴムパッキン16、ホルダ18は単なる嵌め込み操作によっ
て嵌着されることから、そのシール作業性が高められる
という効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案よりなる回転検出センサの実施例を示し
た断面説明図、第２図は本考案の他の実施例を示した要
部断面図、第３図は先行例の断面説明図である。 16……パッキン、17……隙間 18……樹脂製ホルダー、19……突条 20……凹溝

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ボビン（１）の一端部外周にコイル（２）
   が巻回され該コイルに対応するボビン内部に高透磁率材
   料の棒状ヨーク（３）が装着されると共に前記ボビン
   （１）の他端部内部に前記ヨーク（３）に密接した棒状
   磁石（４）が内装され、かつ一端が前記コイル（２）に
   接続され他端が前記ボビン他端部に延びるターミナル片
   （９）を前記ボビンの外周に添設したセンサ本体と、該
   センサ本体の前記ボビン他端部外周に一端が嵌合されか
   つ中心部に前記ターミナル片（９）に接続された電線束
   （８）が貫通される筒状ホルダ（５）と、該筒状ホルダ
   （５）の他端に一端が嵌合されかつ他端に取付フランジ
   （７）及び前記電線束（８）の外径よりも大なる内径の
   電線挿通孔及び該挿通孔の内径より大なる内径の溝部
   （20）が形成された筒状の取付部材（６）と、前記セン
   サ本体、ホルダ（５）及び取付部材（６）のそれぞれ外
   周に一体成形により被着された樹脂製保護カバー（11）
   と、前記取付部材（６）の電線挿通孔と電線束との間に
   嵌着された筒状ゴムパッキン（16）と、外周面に前記溝
   （20）と係合する突起（19）を備えて、前記ゴムパッキ
   ン（16）を押圧保持するホルダ（18）とより成る回転検
   出センサ。