JPH0618971U - 回転検出用ピックアップセンサ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 金型内における電線の位置を容易に調整する
ことができ、かつ電線の位置のばらつきの少ない回転検
出用ピックアップセンサを提供することを目的としてい
る。 【構成】 回転数の信号を電気信号に変換するソレノイ
ド１２を囲むように設けたカバー１７の一端側に、前記
ソレノイド１２に接続されて外部に延在する電線１６の
一端部を配置してなり、前記カバー１７の一端側を本体
樹脂２２で一体に成形して前記カバー１７と前記電線１
６とを前記本体樹脂２２に固定してなる回転検出用ピッ
クアップセンサであって、前記電線１６の一端部に、前
記カバー１７に連結するための連結手段（連結部材）１
９を設けた構成になっている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、磁気の変化を利用して回転数を検出する回転検出用ピックアップ センサに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種の回転検出用ピックアップセンサとしては、例えば、図６及び図 ７に示すものが知られている。すなわち、回転数の信号を電気信号に変換するソ レノイド１は、図示しない端子を介して外部に連なる電線２に接続されている。 ソレノイド１の回りには、同ソレノイド１を密閉するように筒状のカバー３が設 けられており、このカバー３の一端側に前記電線２の一端部が配置されている。 電線２は、図７に示すように、その一端部にブッシュ４が一体的に設けられてお り、ブッシュ４の端部から導線２ａが露出している。そして、カバー３の一端側 の部分やブッシュ４等を一体的に固定するように本体樹脂５が形成されている。

【０００３】 上記のように構成された回転検出用ピックアップセンサにおいては、図示しな い上記端子に電線２を接続した後、カバー３、電線２等を金型に挿入し、カバー ３及び電線２の位置を調整してから、金型を閉じ、同金型内に樹脂を充填して、 本体樹脂５を成形する。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、上記従来の回転検出用ピックアップセンサにおいては、金型内にお けるカバー３及び電線２の位置をともに調整しなければならないため、金型内で の位置決めが面倒であるという問題があった。また、本体樹脂５を成形する際に 、高圧の樹脂が金型内に注入されるので、電線２が金型から抜け出る方向に移動 しやすく、樹脂圧の変動によって電線２の位置がばらつきやすいとう問題があっ た。

【０００５】 この考案は上述した問題を解消するためになされたもので、その目的は、金型 内における電線の位置を容易に調整することができ、かつ電線の位置のばらつき の少ない回転検出用ピックアップセンサを提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、この考案は、回転数の信号を電気信号に変換する ソレノイドを囲むように設けたカバーの一端側に、前記ソレノイドに接続されて 外部に延在する電線の一端部を配置してなり、前記カバーの一端側を本体樹脂で 一体に成形して前記カバーと前記電線とを前記本体樹脂に固定してなる回転検出 用ピックアップセンサであって、前記電線の一端部に、前記カバーに連結するた めの連結手段を設けたことを特徴としている。

【０００７】

【作用】

上記のように構成された回転検出用ピックアップセンサにおいては、電線の一 端部に、カバーに連結する連結手段を設けているから、カバーを金型内に位置決 めすることにより、金型における電線の位置が必然的に決まる。したがって、電 線を位置決めする必要がなく、電線の位置決めに要する手間を省くことができる 。また、連結手段によって、電線の一端部がカバーに連結されているから、本体 樹脂を成形する際に、電線が抜け出る方向に樹脂圧が作用しても、同電線が抜け 出る方向に移動すことがない。したがって、本体樹脂を成形する際に樹脂の圧力 が変動しても、電線の位置が一定に保たれる。

【０００８】

【実施例】

以下、この考案の一実施例を図１〜図５を参照して説明する。

【０００９】 図１及び図２において、１１は筒状に形成されたボビンであり、このボビン１ １には先端部外周にソレノイド１２が巻回されている。また、ボビン１１内には 、ソレノイド１２の部分を貫通するようにして鉄心１３が設けられ、この鉄心１ ３の奥側にはマグネット１４が設けられている。鉄心１３は、ボビン１１からさ らに先端側に突き出していて、その先端部１３ａが歯車状に形成されたロータ（ 図示せず）の外周面に近接するようになっている。そして、この鉄心１３は、マ グネット１４によって磁化される状態がロータの歯車状の部分によって変化を受 けるようになっている。また、ソレノイド１２は、鉄心１３の磁力の変化を電気 信号に変換するようになっており、端子１５、１５を介して外部に連なる電線１ ６に接続されている。

【００１０】 端子１５は、図２及び図３に示すように、先端部が電線１６の導線１６ａを接 続する接続端部１５ａになっており、基端側がボビン１１の外周面に沿うように 段状に屈曲されて、ボビン１１に固定されている。また、ソレノイド１２の先端 側から各端子１５を囲むようにして筒状のカバー１７が設けられている。カバー １７は、ステンレスで形成されていて、ソレノイド１２を密閉するようになって おり、反ソレノイド１２側の一端部には、軸方向に突出する突出壁部１８が形成 されている。この突出壁部１８は、周方向の対称位置に設けられており、その中 央部に貫通孔１８ａが形成されている。

【００１１】 また、電線１６の一端部には、カバー１７の突出壁部１８に連結される連結部 材（連結手段）１９が設けられている。連結手段１９は、電線１６の一端部の外 周面を囲むように一体的に成形されたブッシュ部２０の一端側から、環状に突出 する連結環部２１が形成されたものである。連結環部２１は、その外周面の径が カバー１７の内周面の径よりわずかに大きく形成されている。この外周面の周方 向対称位置には、上記各突出壁部１８の貫通孔１８ａに嵌合する突起２１ａが形 成されている。そして、突起２１ａが貫通孔１８ａに嵌合した状態において、連 結環部２１の一方の端面がカバー１７の一端部に当接するようになっている。ま た、導線１６ａは、電線１６の一端部から連結環部２１内に突き出している。

【００１２】 さらに、カバー１７の一端側を覆うようにして、本体樹脂２２が一体に成形さ れている。この本体樹脂２２は、カバー１７や電線１６等を金型に挿入した状態 で成形するインサート成形により形成されたものであり、回転検出用ピックアッ プセンサの外観を構成するとともに、カバー１７や電線１６等を確実に連結して 固定するようになっている。

【００１３】 上記のように構成された回転検出用ピックアップセンサにおいては、電線１６ を金型に挿入するインサート成形により、電線１６の一端部に連結部材１９を成 形する。そして、このようにして形成した連結部材１９を有する電線１６の導線 １６ａを端子１５に接続した後で、突起２１ａ間の径を狭めるように連結環部２ １をたわませて、各突起２１ａを各突出壁部１８の貫通孔１８ａに嵌合させる。 そうすると、連結環部２１の一方の端部がカバー１７の一端部に当接するので、 連結環部２１がカバー１７に確実に固定された状態になる。

【００１４】 このようにして、カバー１７に電線１６を固定したものを、金型に挿入して本 体樹脂２２を成形する。この際、電線１６が連結部材１９を介してカバー１７に 固定されているので、金型におけるカバー１７の位置を決めるだけで、電線１６ の最適な位置が必然的に決まる。カバー１７の位置が決まったら、金型を閉じて 同金型内に樹脂を充填し、本体樹脂２２を成形する。

【００１５】 上記のように構成された回転検出用ピックアップセンサによれば、金型内のカ バー１７の位置を調整することにより、金型内における電線１６の最適な位置を 決めることができるので、カバー１７とともに電線１６の位置を調整する必要が ない。したがって、電線１６の位置決めに要する手間を省くことができる。また 、連結部材１９によって、電線１６の一端部がカバー１７に連結されているから 、本体樹脂２２を成形する際に、樹脂の圧力が電線１６に作用しても、同電線１ ６が抜け出る方向に移動することがない。したがって、成形時に樹脂圧が変動し ても、電線１６の本体樹脂２２に対する位置を一定に保つことができる。

【００１６】

【考案の効果】

この考案によれば、電線の一端部に、カバーに連結する連結手段を設けている から、カバーを金型内に位置決めするだけで、電線を金型内の所定の位置に設置 することができる。したがって、カバーとともに電線の位置を調整する必要がな く、電線の位置決めに要する手間を省くことができる。また、連結手段によって 、電線の一端部がカバーに連結されているから、本体樹脂を成形する際の樹脂圧 により、電線が抜け出る方向に移動するのを防止することができる。したがって 、本体樹脂を成形する際に、樹脂圧が変動しても、電線の位置を一定に保つこと ができ、電線の位置のばらつきを極めて少なくすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例として示した回転検出用ピ
ックアップセンサの断面図。

【図２】図１に直交する方向の回転検出用ピックアップ
センサの断面図。

【図３】同回転検出用ピックアップセンサの連結部材を
透視した平面図。

【図４】同回転検出用ピックアップセンサの連結部材及
び電線を示す平面図。

【図５】同回転検出用ピックアップセンサのカバーを示
す断面図。

【図６】従来例として示した回転検出用ピックアップセ
ンサの断面図。

【図７】同回転検出用ピックアップセンサの電線及びブ
ッシュを示す平面図。

【符号の説明】

１２ ソレノイド １６ 電線 １７ カバー １９ 連結手段（連結部材） ２２ 本体樹脂

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 回転数の信号を電気信号に変換するソレ
   ノイドを囲むように設けたカバーの一端側に、前記ソレ
   ノイドに接続されて外部に延在する電線の一端部を配置
   してなり、前記カバーの一端側を本体樹脂で一体に成形
   して前記カバーと前記電線とを前記本体樹脂に固定して
   なる回転検出用ピックアップセンサであって、 前記電線の一端部に、前記カバーに連結するための連結
   手段を設けたことを特徴とする回転検出用ピックアップ
   センサ。