JPH0641151A - 有機亜鉛化合物の精製方法 - Google Patents
有機亜鉛化合物の精製方法Info
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- JPH0641151A JPH0641151A JP19953692A JP19953692A JPH0641151A JP H0641151 A JPH0641151 A JP H0641151A JP 19953692 A JP19953692 A JP 19953692A JP 19953692 A JP19953692 A JP 19953692A JP H0641151 A JPH0641151 A JP H0641151A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 不純物を含んだ有機亜鉛化合物の粗製物を、
容易に効果的に高純度に精製出来る有機亜鉛化合物の精
製方法を提供する。 【構成】 有機亜鉛化合物を合成した反応液を単蒸留し
て反応溶媒を除去し、得られた有機亜鉛化合物の粗製物
を活性炭と接触させ、混入している不純物を吸着除去さ
せる。有機亜鉛化合物としてはそれがジエチル亜鉛、ジ
メチル亜鉛、あるいはエチルメチル亜鉛の場合を含む。
活性炭は乾燥状態の活性炭であると特に好ましい。
容易に効果的に高純度に精製出来る有機亜鉛化合物の精
製方法を提供する。 【構成】 有機亜鉛化合物を合成した反応液を単蒸留し
て反応溶媒を除去し、得られた有機亜鉛化合物の粗製物
を活性炭と接触させ、混入している不純物を吸着除去さ
せる。有機亜鉛化合物としてはそれがジエチル亜鉛、ジ
メチル亜鉛、あるいはエチルメチル亜鉛の場合を含む。
活性炭は乾燥状態の活性炭であると特に好ましい。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体の製造などに用い
られる有機亜鉛化合物の精製方法に関する。
られる有機亜鉛化合物の精製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、III−V族又はII−VI族の
化合物半導体が、発光素子やマイクロ波トランジスタな
どの広い分野で用いられている。これらはそのすぐれた
特性が生かされて、高速コンピュータ用集積回路、オプ
トエレクトロニクス集積回路など広範な用途で使用され
ている。
化合物半導体が、発光素子やマイクロ波トランジスタな
どの広い分野で用いられている。これらはそのすぐれた
特性が生かされて、高速コンピュータ用集積回路、オプ
トエレクトロニクス集積回路など広範な用途で使用され
ている。
【0003】化合物半導体のいくつかは有機亜鉛化合物
を化学蒸着法(MOCVD法 Metalorganic Chemical
Vapor Deposition)によってエピタキシャル成長させて
製造される。有機亜鉛化合物は上記の半導体の製造にあ
たってドーパントとして利用されることもある。
を化学蒸着法(MOCVD法 Metalorganic Chemical
Vapor Deposition)によってエピタキシャル成長させて
製造される。有機亜鉛化合物は上記の半導体の製造にあ
たってドーパントとして利用されることもある。
【0004】半導体の製造に用いられるこのような有機
亜鉛化合物は、通常、亜鉛塩化物とグリニャール試薬と
の反応で製造される。そのほか、亜鉛又は亜鉛合金とハ
ロゲン化炭化水素との反応でも製造される。これらの方
法によって製造される有機亜鉛化合物に不純物の混入は
避けられない。例えば、ハロゲン化反応に用いられた未
反応の炭化水素、グリニャール試薬の合成反応で残った
未反応のハロゲン化炭化水素、反応溶媒として用いられ
たエーテル類あるいはそれらの変質物などが含まれてい
る。カドミウム、マグネシウム、カルシウム、鉄等の金
属無機化合物、あるいは無機ケイ素化合物なども残存す
る。不純物が残っている有機亜鉛化合物を基に化合物半
導体を製造すると、半導体は電気的・光学的特性に著し
いトラブルを起こす。
亜鉛化合物は、通常、亜鉛塩化物とグリニャール試薬と
の反応で製造される。そのほか、亜鉛又は亜鉛合金とハ
ロゲン化炭化水素との反応でも製造される。これらの方
法によって製造される有機亜鉛化合物に不純物の混入は
避けられない。例えば、ハロゲン化反応に用いられた未
反応の炭化水素、グリニャール試薬の合成反応で残った
未反応のハロゲン化炭化水素、反応溶媒として用いられ
たエーテル類あるいはそれらの変質物などが含まれてい
る。カドミウム、マグネシウム、カルシウム、鉄等の金
属無機化合物、あるいは無機ケイ素化合物なども残存す
る。不純物が残っている有機亜鉛化合物を基に化合物半
導体を製造すると、半導体は電気的・光学的特性に著し
いトラブルを起こす。
【0005】こうした不純物は通常の精製方法によって
除去することは出来ない。そのため、有機亜鉛化合物の
精製はこれまで高精密蒸留によって行なわれてきた。
除去することは出来ない。そのため、有機亜鉛化合物の
精製はこれまで高精密蒸留によって行なわれてきた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】有機亜鉛化合物の高精
密蒸留は必ずしも容易ではない。有機亜鉛化合物は熱や
光に対し不安定である。精製工程で加熱すれば容易に分
解し、精製操作の中で不純物としての金属亜鉛が新たに
生じる。この場合は精製物が着色する。
密蒸留は必ずしも容易ではない。有機亜鉛化合物は熱や
光に対し不安定である。精製工程で加熱すれば容易に分
解し、精製操作の中で不純物としての金属亜鉛が新たに
生じる。この場合は精製物が着色する。
【0007】有機亜鉛化合物に対して加熱は出来ないの
で高精密蒸留は一般に減圧しながら行う。減圧蒸留は常
圧蒸留に比べ混合成分間の分離が難しい。加えてその装
置も複雑で高価であり、処理操作も煩雑である。実用的
に有利な方法ではない。
で高精密蒸留は一般に減圧しながら行う。減圧蒸留は常
圧蒸留に比べ混合成分間の分離が難しい。加えてその装
置も複雑で高価であり、処理操作も煩雑である。実用的
に有利な方法ではない。
【0008】こうしたことから、簡単な装置を用い、簡
易な操作で安全に工業的にも効率よく高純度に出来る有
機亜鉛化合物の精製法の開発が望まれていた。
易な操作で安全に工業的にも効率よく高純度に出来る有
機亜鉛化合物の精製法の開発が望まれていた。
【0009】本発明はこうした問題点を解決するため、
不純物を含んで製造された有機亜鉛化合物の粗製物を、
容易に効果的に高純度に精製出来る有機亜鉛化合物の精
製方法を提供することを目的とする。
不純物を含んで製造された有機亜鉛化合物の粗製物を、
容易に効果的に高純度に精製出来る有機亜鉛化合物の精
製方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めになされた本発明の有機亜鉛化合物の精製方法は、不
純物を含む有機亜鉛化合物の粗製物を活性炭と接触さ
せ、混在していた不純物を吸着除去させる。
めになされた本発明の有機亜鉛化合物の精製方法は、不
純物を含む有機亜鉛化合物の粗製物を活性炭と接触さ
せ、混在していた不純物を吸着除去させる。
【0011】本発明で精製の対象になる有機亜鉛化合物
は、化合物半導体の製造にあたり、エピタキシャル成長
させる有機亜鉛化合物、又はドーパントなどとして利用
される有機亜鉛化合物を包含する。具体的には例えば次
式で示されるようなジアルキル亜鉛が挙げられる。
は、化合物半導体の製造にあたり、エピタキシャル成長
させる有機亜鉛化合物、又はドーパントなどとして利用
される有機亜鉛化合物を包含する。具体的には例えば次
式で示されるようなジアルキル亜鉛が挙げられる。
【0012】R2 Zn 式中のRはエチルまたはメチル基である。2つのRは互
いに同一でもよく、異なっていてもよい。すなわち、ジ
メチル亜鉛、ジエチル亜鉛、メチルエチル亜鉛などが挙
げられる。
いに同一でもよく、異なっていてもよい。すなわち、ジ
メチル亜鉛、ジエチル亜鉛、メチルエチル亜鉛などが挙
げられる。
【0013】これらの有機亜鉛化合物の生成反応液は通
常、未反応の炭化水素、ハロゲン化炭化水素、エーテル
類、その他、カドミウム、マグネシウム、カルシウム、
鉄等の金属無機化合物、若しくは無機ケイ素化合物な
ど、又はそれらの変質物などを不純物として含んでい
る。未反応の各種のハロゲン化炭化水素は、例えば、モ
ノハロゲン化メチル又はモノハロゲン化エチルなどで、
その場合のハロゲンとしては塩素、臭素、沃素などが挙
げられる。本発明では上記のような不純物を含む有機亜
鉛化合物を活性炭と接触させる。
常、未反応の炭化水素、ハロゲン化炭化水素、エーテル
類、その他、カドミウム、マグネシウム、カルシウム、
鉄等の金属無機化合物、若しくは無機ケイ素化合物な
ど、又はそれらの変質物などを不純物として含んでい
る。未反応の各種のハロゲン化炭化水素は、例えば、モ
ノハロゲン化メチル又はモノハロゲン化エチルなどで、
その場合のハロゲンとしては塩素、臭素、沃素などが挙
げられる。本発明では上記のような不純物を含む有機亜
鉛化合物を活性炭と接触させる。
【0014】本発明の精製法に用いられる活性炭はその
種類に特に制約はない。具体的には例えば、やし殻、石
炭ピッチ、石油ピッチ、おが屑等を原料として製造され
た活性炭が挙げられる。形状、形態にも特に制限はな
い。取扱性あるいは精製処理操作性を考慮すれば、10
〜80メッシュの粒状物が好ましい。そのほかにも、繊
維状の活性炭すなわち活性炭素繊維は吸着スピードが速
く実用性が高く好ましい。
種類に特に制約はない。具体的には例えば、やし殻、石
炭ピッチ、石油ピッチ、おが屑等を原料として製造され
た活性炭が挙げられる。形状、形態にも特に制限はな
い。取扱性あるいは精製処理操作性を考慮すれば、10
〜80メッシュの粒状物が好ましい。そのほかにも、繊
維状の活性炭すなわち活性炭素繊維は吸着スピードが速
く実用性が高く好ましい。
【0015】不純物の除去に用いられる活性炭は出来る
だけ乾燥しているとよい。湿度を含んでいると不純物を
吸着する機能が低い。精製しなければならない有機亜鉛
化合物と反応して酸化劣化を生じさせる。有機亜鉛化合
物を吸着してしまって収率の低下を招くなどの不都合が
生じる。活性炭の乾燥させるための処理は通常、250
〜300℃程度の加熱で足りる。
だけ乾燥しているとよい。湿度を含んでいると不純物を
吸着する機能が低い。精製しなければならない有機亜鉛
化合物と反応して酸化劣化を生じさせる。有機亜鉛化合
物を吸着してしまって収率の低下を招くなどの不都合が
生じる。活性炭の乾燥させるための処理は通常、250
〜300℃程度の加熱で足りる。
【0016】粗製物の精製に使用される活性炭の量は、
一般に、有機亜鉛化合物100重量部当たり0.1〜1
00重量である。特に10〜50重量部であると実用的
に好ましい。吸着除去しようとする不純物の含有量によ
って、あるいはそれらの種類によって活性炭使用量は相
違する。
一般に、有機亜鉛化合物100重量部当たり0.1〜1
00重量である。特に10〜50重量部であると実用的
に好ましい。吸着除去しようとする不純物の含有量によ
って、あるいはそれらの種類によって活性炭使用量は相
違する。
【0017】活性炭による精製処理は、有機亜鉛化合物
の生成反応液を単蒸留して反応溶媒などをあらかじめ出
来るだけ除去した後に行うとよい。活性炭による精製処
理は活性炭と混合するか、活性炭を充填したカラム中を
通過させて行なうとよい。合成された有機亜鉛化合物が
ジメチル亜鉛のようにガス化が容易な場合、それをガス
化し、キャリヤガスとともに活性炭と接触させてもよ
い。
の生成反応液を単蒸留して反応溶媒などをあらかじめ出
来るだけ除去した後に行うとよい。活性炭による精製処
理は活性炭と混合するか、活性炭を充填したカラム中を
通過させて行なうとよい。合成された有機亜鉛化合物が
ジメチル亜鉛のようにガス化が容易な場合、それをガス
化し、キャリヤガスとともに活性炭と接触させてもよ
い。
【0018】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、粗製
有機亜鉛化合物を工業的に不利な精密蒸留などによるこ
となく、極めて簡易な方法によって高収率かつ高純度に
精製出来る。
有機亜鉛化合物を工業的に不利な精密蒸留などによるこ
となく、極めて簡易な方法によって高収率かつ高純度に
精製出来る。
【0019】
【実施例】以下、本発明を実施例によって説明する。
【0020】実施例1 容量3リットルの4つ口フラスコを反応器とし、マグネ
シウム屑85g(3.50モル)、ジイソアミルエーテ
ル1400ミリリットル及び沃化メチル20ミリリット
ルを添加して撹拌し、沃化メチルとマグネシウムとを反
応させた。反応開始後、反応液の撹拌を継続しながらさ
らに塩化メチルを20リットル(常圧)/時間の速度で
反応器中に供給し、沃化メチルとの反応と平行させなが
ら塩化メチルとマグネシウムとを反応させ、60時間
後、反応器中にグリニャール試薬を得た。
シウム屑85g(3.50モル)、ジイソアミルエーテ
ル1400ミリリットル及び沃化メチル20ミリリット
ルを添加して撹拌し、沃化メチルとマグネシウムとを反
応させた。反応開始後、反応液の撹拌を継続しながらさ
らに塩化メチルを20リットル(常圧)/時間の速度で
反応器中に供給し、沃化メチルとの反応と平行させなが
ら塩化メチルとマグネシウムとを反応させ、60時間
後、反応器中にグリニャール試薬を得た。
【0021】反応器を減圧し、反応器中に未反応のまま
残った過剰の沃化メチルと塩化メチルとを除去した。次
いでこのグリニャール試薬をかき混ぜながら、塩化亜鉛
155.5g(1.14モル)を少量ずつ加え、塩化亜
鉛とグリニャール試薬とを反応させた。
残った過剰の沃化メチルと塩化メチルとを除去した。次
いでこのグリニャール試薬をかき混ぜながら、塩化亜鉛
155.5g(1.14モル)を少量ずつ加え、塩化亜
鉛とグリニャール試薬とを反応させた。
【0022】50時間の熟成後、ジメチル亜鉛のジイソ
アミルエーテル溶液を得た。
アミルエーテル溶液を得た。
【0023】次いで、ガラスビーズを充填した長さ30
cm、直径1.5cmのカラムを用いてジメチル亜鉛の
ジイソアミルエーテル溶液を単蒸留によって脱溶媒し、
不純物として微量のジエチルエーテルなどが混入してい
る粗ジメチル亜鉛を単離した。
cm、直径1.5cmのカラムを用いてジメチル亜鉛の
ジイソアミルエーテル溶液を単蒸留によって脱溶媒し、
不純物として微量のジエチルエーテルなどが混入してい
る粗ジメチル亜鉛を単離した。
【0024】長さ20cm、直径1.5cmのガラス管
に30〜60メッシュの粒状活性炭(西尾工業社製)1
0gを充填し、上記粗ジメチル亜鉛を室温下で上方から
5リットル/hrの速度で流下させた。下端から精製さ
れたジメチル亜鉛87.0g(0.91モル)を得た。
に30〜60メッシュの粒状活性炭(西尾工業社製)1
0gを充填し、上記粗ジメチル亜鉛を室温下で上方から
5リットル/hrの速度で流下させた。下端から精製さ
れたジメチル亜鉛87.0g(0.91モル)を得た。
【0025】なお、上記のジメチル亜鉛の合成及びその
精製操作は全て乾燥窒素あるいはヘリウム雰囲気下で行
った。活性炭による精製前と精製後、それぞれ含有され
ている不純物の量を測定した。その結果を表1に示す。
精製操作は全て乾燥窒素あるいはヘリウム雰囲気下で行
った。活性炭による精製前と精製後、それぞれ含有され
ている不純物の量を測定した。その結果を表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】不純物の測定にはガスクロマトグラフィー
スペクトル及び発光分光分析計を用いた。活性炭による
精製は極めて効率がいいことが分かった。精製されたジ
メチル亜鉛を用いて化合物半導体を製造した。電気的及
び光学的に極めて優れていることが認められた。
スペクトル及び発光分光分析計を用いた。活性炭による
精製は極めて効率がいいことが分かった。精製されたジ
メチル亜鉛を用いて化合物半導体を製造した。電気的及
び光学的に極めて優れていることが認められた。
【0028】実施例2 実施例1に準じて同様の実験を行った。容量3リットル
の4つ口フラスコを反応器とし、マグネシウム屑85g
(3.50モル)、ジエチルエーテル1400ミリリッ
トルを添加して撹拌した。臭化エチル385g(3.5
3モル)を秤量し、その内の一部、10ミリリットルを
撹拌している上記4つ口フラスコに加え、マグネシウム
屑と臭化エチルとの反応を開始させた。反応が開始する
とその反応液に残りの臭化エチルを添加した。10時間
後、反応器中にグリニャール試薬を得た。
の4つ口フラスコを反応器とし、マグネシウム屑85g
(3.50モル)、ジエチルエーテル1400ミリリッ
トルを添加して撹拌した。臭化エチル385g(3.5
3モル)を秤量し、その内の一部、10ミリリットルを
撹拌している上記4つ口フラスコに加え、マグネシウム
屑と臭化エチルとの反応を開始させた。反応が開始する
とその反応液に残りの臭化エチルを添加した。10時間
後、反応器中にグリニャール試薬を得た。
【0029】得られたグリニャール試薬をかき混ぜなが
らその中に塩化亜鉛155.5g(1.14モル)を少
量ずつ加え、グリニャール試薬と塩化亜鉛とを反応させ
た。反応時間及び熟成時間を含め30時間後、ジエチル
亜鉛のジエチルエーテル溶液を得た。
らその中に塩化亜鉛155.5g(1.14モル)を少
量ずつ加え、グリニャール試薬と塩化亜鉛とを反応させ
た。反応時間及び熟成時間を含め30時間後、ジエチル
亜鉛のジエチルエーテル溶液を得た。
【0030】ジエチル亜鉛のジエチルエーテル溶液を単
蒸留によって脱溶媒して粗ジエチル亜鉛を単離した。単
離した粗ジエチル亜鉛を実施例1と同じように充填した
粒状活性炭中を通過させ、精製した。精製されたジエチ
ル亜鉛111.0g(0.90モル)が得られた。実施
例1と同じように測定した精製前と精製後の不純物の濃
度を表2に示す。
蒸留によって脱溶媒して粗ジエチル亜鉛を単離した。単
離した粗ジエチル亜鉛を実施例1と同じように充填した
粒状活性炭中を通過させ、精製した。精製されたジエチ
ル亜鉛111.0g(0.90モル)が得られた。実施
例1と同じように測定した精製前と精製後の不純物の濃
度を表2に示す。
【0031】
【表2】
【0032】実施例3 実施例1と同様に操作して、粗ジメチル亜鉛を得た。得
られた粗ジメチル亜鉛をガス化して高純度ヘリウムガス
と混合し、そのヘリウムガスをキャリヤガスにして活性
炭充填カラム中を通過させて精製した。
られた粗ジメチル亜鉛をガス化して高純度ヘリウムガス
と混合し、そのヘリウムガスをキャリヤガスにして活性
炭充填カラム中を通過させて精製した。
【0033】活性炭充填カラム中を通過したジメチル亜
鉛とヘリウムガスとの混合ガスを深冷捕集し、高純度の
ジメチル亜鉛を得た。実施例1と同じように測定した精
製前と精製後の不純物の濃度を表3に示す。
鉛とヘリウムガスとの混合ガスを深冷捕集し、高純度の
ジメチル亜鉛を得た。実施例1と同じように測定した精
製前と精製後の不純物の濃度を表3に示す。
【0034】
【表3】
【0035】比較例1 粒状活性炭を用いない代わりに合成ゼオライト5Aを用
いた他は実施例1と同様にした。結果を表4に示す。
いた他は実施例1と同様にした。結果を表4に示す。
【0036】
【表4】
【0037】合成ゼオライト5Aではハロゲン化炭化水
素類、金属化合物類及び炭化水素類を実質的に吸着除去
することは出来ないことが分かった。
素類、金属化合物類及び炭化水素類を実質的に吸着除去
することは出来ないことが分かった。
【0038】実施例1〜3、比較例1などの実験から、
活性炭による吸着度に不純物の種類である程度の相違の
あることが分かった。例えば、ハロゲン化炭化水素に対
してはそのハロゲンの原子番号が大きいほど容易になる
ことが分かった。この場合、沃化アルキル、臭化アルキ
ル、塩化アルキルの順に吸着され難い。
活性炭による吸着度に不純物の種類である程度の相違の
あることが分かった。例えば、ハロゲン化炭化水素に対
してはそのハロゲンの原子番号が大きいほど容易になる
ことが分かった。この場合、沃化アルキル、臭化アルキ
ル、塩化アルキルの順に吸着され難い。
【0039】カドミウム無機化合物、マグネシウム無機
化合物、カルシウム無機化合物、鉄無機化合物、ケイ素
無機化合物の中ではカドミウム無機化合物が最も吸着除
去され易いことが分かった。エーテル化合物も吸着され
易いことが分かった。エーテル化合物は、ジアルキルエ
ーテルでも芳香族エーテル化合物でも吸着の度合いに大
きな差はなかった。
化合物、カルシウム無機化合物、鉄無機化合物、ケイ素
無機化合物の中ではカドミウム無機化合物が最も吸着除
去され易いことが分かった。エーテル化合物も吸着され
易いことが分かった。エーテル化合物は、ジアルキルエ
ーテルでも芳香族エーテル化合物でも吸着の度合いに大
きな差はなかった。
【0040】有機亜鉛化合物の精製に活性炭による吸着
法が利用された例はこれまでにない。上記の実験結果か
ら、吸着法を応用すると高性能な化合物半導体を形成さ
せるのに充分な程度に有機亜鉛化合物を精製、純化出来
ることが分かった。活性炭はハロゲン化炭化水素類を極
めて効率よく吸収し、また各種金属化合物類も実質的に
その大部分を吸着除去し、さらに蒸留により除去しきれ
なかった炭化水素類も除去する。活性アルミナ、合成ゼ
オライト等の吸着剤では有機亜鉛化合物の精製が出来な
い。
法が利用された例はこれまでにない。上記の実験結果か
ら、吸着法を応用すると高性能な化合物半導体を形成さ
せるのに充分な程度に有機亜鉛化合物を精製、純化出来
ることが分かった。活性炭はハロゲン化炭化水素類を極
めて効率よく吸収し、また各種金属化合物類も実質的に
その大部分を吸着除去し、さらに蒸留により除去しきれ
なかった炭化水素類も除去する。活性アルミナ、合成ゼ
オライト等の吸着剤では有機亜鉛化合物の精製が出来な
い。
フロントページの続き (72)発明者 大崎 浩美 新潟県中頸城郡頸城村大字西福島28番地の 1 信越化学工業株式会社合成技術研究所 内 (72)発明者 佐藤 幸平 新潟県中頸城郡頸城村大字西福島28番地の 1 信越化学工業株式会社合成技術研究所 内 (72)発明者 金子 功 新潟県中頸城郡頸城村大字西福島28番地の 1 信越化学工業株式会社合成技術研究所 内
Claims (4)
- 【請求項1】 有機亜鉛化合物の粗製物を活性炭と接触
させ、混入している不純物を吸着除去させることを特徴
とする有機亜鉛化合物の精製方法。 - 【請求項2】 有機亜鉛化合物を合成した反応液を単蒸
留して反応溶媒を除去し、得られた有機亜鉛化合物の粗
製物を活性炭と接触させ、混入している不純物を吸着除
去させることを特徴とする有機亜鉛化合物の精製方法。 - 【請求項3】 該有機亜鉛化合物が次式 R2 Zn (式中の2つのRはエチル基またはメチル基、互いに同
一又は異種)で示されるC1,2 のジアルキル亜鉛である
請求項1又は2に記載の精製方法。 - 【請求項4】 該不純物が炭化水素、ハロゲン化炭化水
素、金属無機化合物、無機ケイ素化合物の中から選ばれ
る請求項1〜3のいずれかに記載の精製方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19953692A JPH0641151A (ja) | 1992-07-27 | 1992-07-27 | 有機亜鉛化合物の精製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19953692A JPH0641151A (ja) | 1992-07-27 | 1992-07-27 | 有機亜鉛化合物の精製方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0641151A true JPH0641151A (ja) | 1994-02-15 |
Family
ID=16409471
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19953692A Pending JPH0641151A (ja) | 1992-07-27 | 1992-07-27 | 有機亜鉛化合物の精製方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0641151A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5811667A (en) * | 1995-07-24 | 1998-09-22 | Nippondenso Co., Ltd. | Knock determination using a variable averaging coefficient |
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