JPH0639477B2 - エピタキシャル成長用有機金属化合物の精製方法 - Google Patents

エピタキシャル成長用有機金属化合物の精製方法

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JPH0639477B2
JPH0639477B2 JP10042086A JP10042086A JPH0639477B2 JP H0639477 B2 JPH0639477 B2 JP H0639477B2 JP 10042086 A JP10042086 A JP 10042086A JP 10042086 A JP10042086 A JP 10042086A JP H0639477 B2 JPH0639477 B2 JP H0639477B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、化合物半導体を製造するためのエピタキシャ
ル成長用材料として有用な金属化合物の精製法に関し、
更に詳しくは、エピタキシャル成長用有機金属化合物の
合成工程において不可避的に微量混入するハロゲン化炭
化水素類及び不純物金属化合物類を活性炭で、効率よく
除去するエピタキシャル成長用有機金属化合物の精製方
法に関する。
〔従来の技術とその問題点〕
近年、例えばGaAs,GaAlAs,GaP,InGaAs,InPやInGaAsPな
どの金属間化合物半導体が、半導体発光素子,マイクロ
波トランジジスタ等広い分野に用いられるようになり、
更に、それらの優れた性質を利用して、高速コンピュー
タ用集積回路,オプトエレクトロニクス用集積回路等に
も使用されるようになった。
これらの広範な用途に利用される化合物半導体は、有機
金属化合物を材料としてエピタキシャル成長させて製造
される。しかして、該エピタキシャル成長用有機金属化
合物は、通常、金属塩化物をグリニヤール試薬と反応さ
せる方法、又は金属あるいは合金をハロゲン化炭化水素
と反応させる方法によって製造されている。これらの方
法によって製造される有機金属化合物は、通常の精製法
によっては、不純物として、微量のハロゲン化炭化水素
及び所望されない金属化合物、例えば、亜鉛,カドミウ
ム,マグネシウム,カルシウム,鉄,あるいはけい素等
の金属の化合物類の混入が避けられない。
一方、有機金属化合物をエピタキシャル成長させて形成
される金属化合物半導体は、有機金属化合物中に不純物
が存在すると、電気的及び光学的特性に著しい悪影響を
受け、高性能素子を得るには、可及的高純度の有機金属
化合物を用いることが要求される。かかる要求に沿っ
て、有機金属化合物は、これまで高精密蒸留によって精
製が行われてきた。しかし、この高精密蒸留精製法は、
その蒸留装置ないし設備が複雑且つ高価で、その処理操
作も煩雑なため、実用的に有利な方法ではなく、簡単な
装置及び簡易操作で、効率よく高純度精製を行い得る工
業的に望ましい精製法の開発がまたれている。
従って、本発明の目的は、通常の方法で製造されたエピ
タキシャル成長用有機金属化合物を、簡単な装置を用い
て、生産性よく且つ効果的に高純度精製し得る工業的に
有利な精製方法を提供するにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、上記目的を達成すべく、広い範囲にわた
る各種精製方法について鋭意研究を重ねた結果、高精密
蒸留などの化学工学的に高度な装置や技術を用いること
なく、簡単な装置及び簡易な操作で、極めて効果的に不
純物を除去し、高度に精製されたエピタキシャル成長用
有機金属化合物を工業的に有利に得る方法を見出した。
すなわち、本発明は、特許請求の範囲第1項に記載され
た有機金属化合物類の精製方法を要旨とするものであ
る。
本発明は、上記のような不純物類を除去する方法の検討
において、工業的手段として殆ど期待できない吸着法に
ついても精製実験を行い、活性アルミナ,合成ゼオライ
ト等の吸着剤は、ハロゲン化炭化水素類及び金属化合物
類を実質的に吸着除去できないが、意外なことに、活性
炭は、通常の吸着概念を超えて、ハロゲン化炭化水素類
を極めて効率よく吸着し、更に、各種金属化合物類も実
質的にその大部分を吸着、除去して、エピタキシャル成
長によって高性能金属間化合物を形成させるのに充分な
程度に有機金属化合物を精製、純化し得ることの発見に
基づいており、かかる望ましい現象が活性炭での処理に
よって効果的に達成されることは全く驚きであった。
かかる有機金属化合物類は、上記のように、その製造手
段によって、対応する異なる各種のハロゲン化炭化水素
及び不純物金属化合物類の微量を含有するが、そのよう
なハロゲン化炭化水素類は、例えば、メチルクロライ
ド,エチルクロライド等のアルキルクロライド類;メチ
ルブロマイド,エチルブロマイド等のアルキルブロマイ
ド類;ヨウ化メチル,ヨウ化エチル等のヨウ化アルキル
類などが代表的である。また、不純物としての金属化合
物類は、前記の如きZn,Cd,Mg,Ca,Fe,Si等の金属の塩類
が代表的である。
本発明の精製方法に用いられる活性炭は、その種類に特
に制約はなく、やし殻,石炭ピッチ,石油ピッチ,おが
屑等を原料として製造されたものでよく、また、その形
状ないし形態にも特に制限はないが、取扱性あるいは精
製処理操作性を考慮すれば、10〜80メッシュの粒状物が
好都合である。更に、繊維状の活性炭(活性炭素繊維)
は、吸着スピードの向上が期待できる点で高い実用性を
有する。使用に際しては、活性炭は、充分乾燥して、そ
の吸着機能の低下及び精製すべきエピタキシャル成長用
有機金属化合物の酸化や劣化による収率の低下を防止す
るために、その付着水を可及的に除去することが望まし
く、使用前に、例えば、250〜300℃程度の湿度で充分加
熱処理される。
また、精製に使用される活性炭の量は、吸着、除去され
るべき不純物量によって、あるいはそれらの種類によっ
て変わるが、一般に、有機金属化合物100重量部当た
り、0.1〜100重量部の範囲であり、実用的に好ましい範
囲は、10〜50重量部である。なお、本発明に係る不純物
の活性炭による吸着現象は、本発明者らの知見によれ
ば、ハロゲン化炭化水素では、ハロゲンの原子番号が大
きいものほど吸着され易く、従って、ヨウ化アルキル、
臭化アルキル、塩化アルキルの順に吸着され難いようで
ある。更に、吸着除去されるべき不純物金属化合物、す
なわち、Zn,Cd,Mg,Ca,Fe,Si等の金属を含んだ化合物の
場合には、特に、ZnとCaの化合物が、活性炭により吸
着、除去され易いことが認められる。
本発明において、エピタキシャル成長用有機金属化合物
の活性炭による接触処理は、通常、活性炭に対して不活
性な有機溶剤に、精製すべき粗有機金属化合物を溶解
し、適当な濃度あるいは粘度に調整して、所定の活性炭
と混合するか又は活性炭を充填したカラムに通すことに
よって行われる。そのような有機溶剤としては、例え
ば、ヘキサン,ベンゼン,シクロヘキサン等が好都合に
用いられる。しかし、精製されるべき粗製有機金属化合
物が比較的流動性の液体の場合には、溶剤希釈なしで、
そのまま接触処理することができ、また、ガス化が容易
なものは、ガス化して接触処理に供することもできる。
〔作用〕
本発明にの方法によれば、粗製エピタキシャル成長用有
機金属化合物を工業的に著しく不利な精密蒸留などによ
ることなく、活性炭と接触させる簡易な処理法によっ
て、効果的且つ効率よく高純度精製できるので、産業上
極めて有利である。
〔実施例〕
以下、具体例によって、本発明を更に詳細に説明する
が、本発明は、以下の実施例により限定されるものでは
ない。また、具体的例においては、全ての操作は、乾燥
窒素雰囲気下で行った。
実施例1 容量3の4つ口フラスコに、マグネシウム屑65g(2.
67モル),ジイソアミルエーテル1300ml及びヨウ化メチ
ル18ml(0.29モル)を添加してよくかきまぜながら、反
応を開始させ、反応が始まったかきまぜ溶液にメチルク
ロライドを20Nl/Hrの供給速度でフィードし、60時間後
にグリニヤール試薬を得た。
得られたグリニヤール試薬を、減圧下に過剰のヨウ化メ
チルとメチルクロライドを除去し、そのグリニヤール試
薬に、これをかきまぜながら、塩化ガリウム100g(0.5
7モル)を溶解したジイソアミルエーテル300mlを加えて
反応させた。反応時間及び熟成時間を幅め6時間後に、
トリメチルガリウムのジイソアミルエーテル溶液を得
た。
次いで、ガラスビーズを充填した30cm×1.5cmφのカラ
ムの二重管(下方10cmから15cmの位置が二重管に形成さ
れている)部分を冷しながら蒸留して、トリメチルガリ
ウムとジイソアミルエーテルのアダクトを単離し、更
に、ガラスビーズを充填したカラム(30cm×1.5cmφ)
で蒸留して、粗トリメチルガリウム43.8gを得た。
次に、ガラス管(20cm×1.0cmφ)に30〜60メッシュの
粒状活性炭(西尾工業社製)10gを充填したカラムに、
上記粗トリメチルガリウムを室温下に上方から5/Hr
の流下速度でフィードし、下端から精製されたトリメチ
ルガリウム35.6g(0.31モル)を得た。
活性炭精製処理前後のトリメチルガリウムをガスクロマ
トグラフ及び発光分光分析計を用いて分析し、不純物と
してのハロゲン化アルキル(塩化メチル,ヨウ化メチ
ル)及び金属成分(Zn,Cd,Mg,Caの化合物)の含有量を
測定した。それらの結果を下掲第1表に示す。
上表より、本発明の方法の精製効率が極めて優れている
ことが理解されよう。また、精製されたトリメチルガリ
ウムは、電気的及び光学的に優れた金属間化合物半導体
を形成することが認められた。
実施例2 実施例1において、塩化ガリウムの代わりに塩化インジ
ウムを、また溶媒としてジエチルエーテルを使用したほ
かは、実施例1と同様に操作して、粗トリメチルインジ
ウム46.3gを得た。
これを実施例1と同じのカラムに通して、精製されたト
リメチルインジイウム34.2g(0.21モル)を得た。精製
前後の不純物の濃度を次表にそれぞれ示した。
実施例3 実施例1と同様に操作して、粗トリメチルガリウムを得
た。この粗トリメチルガリウムを、実施例1において用
いた粒状活性炭に代えて、繊維状活性炭(ユニチカ社
製,商品名A-10)3gを充填したカラムを使用して精製
した。精製前後のそれぞれの不純物の濃度を次表に示
す。
実施例4 実施例1において用いたメチルクロライドに代えてメチ
ルブロマイドを使用し、粗トリメチルガリウムを製造し
た。この粗トリメチルガリウムを実施例3に使用した吸
着カラムを用いて精製し、高純度トリメチルガリウム3
4.4g(0.29モル)を得た。ガスクロマトグラフ及び発
光分光分析計により測定された精製前後のそれぞれの不
純物濃度は、次表の通りである。
実施例5 実施例1と同様に操作して、粗トリメチルガリウムを得
た。これを、高純度ヘリウムでガス化し、粗トリメチル
ガリウムをガス相として活性炭充てんカラムに通した
後、深冷捕集して、高純度トリメチルガリウム36.2g
(0.32モル)を得た。精製前後のそれぞれの不純物濃度
は、次の通りであった。
実施例6 実施例1において、塩化ガリウムに換えて塩化アルミニ
ウムを使用し、また溶媒としてジエチルエーテルを使用
した外は、実施例1と同様に操作して、粗トリメチルア
ルミニウム38.1gを得た。
これを実施例1と同じカラムに通して精製トリメチルア
ルミニウム28.2g(0.39モル)を得た。精製前後の含有
不純物の濃度を下掲第6表に示す。
実施例7 実施例1において用いたメチルクロライドに換えてエチ
ルブロマイドを使用し、また溶媒としてジエチルエーテ
ルを使用した以外は、実施例1と同様に操作して、粗ト
リエチルガリウム51.3gを得た。
これを実施例1と同じカラムに通して精製されたトリエ
チルガリウム42.1g(0.27モル)を得た。精製前後の含
有不純物の濃度を次表に示した。
比較例1 実施例1と全く同様に操作して、粗トリメチルガリウム
を製造した。次いで、その粗トリメチルガリウムを、実
施例1の10gの粒状活性炭の代わりに合成ゼオライト5
Aを充てんしたカラムで接触処理し、精製トリメチルガ
リウム33.2g(.029モル)を得た。精製前後の不純物濃
度は次の通りであった。
上表より、合成ゼオライトは、全く吸着剤として機能し
ていないことが明白である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 赤瀬 真一郎 新潟県中頚城郡頚城村大字西福島28番地の 1 信越化学工業株式会社合成技術研究所 内 (72)発明者 久保田 芳宏 群馬県安中市磯部2丁目13番1号 信越化 学工業株式会社シリコーン電子材料技術研 究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トリメチルアルミニウム,トリエチルアル
    ミニウム,トリメチルガリウム,トリエチルガリウム,
    トリメチルインジウム,又はトリエチルインジウムを活
    性炭と接触処理することを特徴とする上記エピタキシャ
    ル成長用有機金属化合物の精製方法。
  2. 【請求項2】分離除去される対象物が、ハロゲン化炭化
    水素及び亜鉛化合物である特許請求の範囲第1項に記載
    の精製方法。
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