JPH0640889A - 座薬製剤 - Google Patents

座薬製剤

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JPH0640889A
JPH0640889A JP21736192A JP21736192A JPH0640889A JP H0640889 A JPH0640889 A JP H0640889A JP 21736192 A JP21736192 A JP 21736192A JP 21736192 A JP21736192 A JP 21736192A JP H0640889 A JPH0640889 A JP H0640889A
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JP
Japan
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polyacrylic acid
suppository
mixture
polyvinylpyrrolidone
component
Prior art date
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Pending
Application number
JP21736192A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiyuki Koyama
義之 小山
Toshio Kasama
俊男 笠間
Yasuhisa Noguchi
泰久 野口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NOF Corp
Original Assignee
Nippon Oil and Fats Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 薬物含有座薬製剤であって、投与部位におい
て充分滞留し、薬物が持続的に放出する徐放性座薬製剤
を提供する。 【構成】 油性座薬基剤に、ポリアクリル酸とポリビニ
ルピロリドンとの混合物を配合した座薬製剤である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、油性座薬基剤を基剤と
し、水溶性高分子を配合した座薬に関し、さらには投与
部位に充分滞留し、含有された薬物が投与部位において
持続的に放出する徐放性座薬製剤に関する。
【0002】
【従来の技術】現在用いられている坐剤は、挿入後速や
かに溶解し、拡散してしまうために、痔の治療などにお
いては患部から移動してしまい、効果が上がらない、あ
るいは上直腸静脈から吸収され、肝通過効果を受けやす
く、生体へのバイオアベイラビリティが低い、などの問
題点がある。
【0003】この問題を解決するためにカルボキシビニ
ルポリマーを添加した坐剤が患部に留まりやすい座薬と
して痔の治療に有効であるという提案がなされている。
(特開昭63−280016)。しかし、座薬にはもう一つの問
題点として、薬物の吸収が早過ぎる点がしばしば指摘さ
れている。すなわち、比較的短時間しか薬効を発揮しな
い薬物や急激な血中濃度上昇による副作用が発生する薬
物に関しては、座薬製剤から薬物が徐々に長時間にわた
って放出されていることが望ましい。
【0004】一方、経口剤や口腔粘膜用の固形製剤にお
いては、カルボキシビニルポリマーなどを加えたものが
良い徐放性を示すことが知られている(J.Controlled R
elease, 2,121 (1985))。しかしながら、速やかに
十分な柔らかさを示すことが要求される座薬等の半固形
製剤では、このようにポリマーを添加するだけでは良好
な徐放性は得られず、前述のカルボキシビニルポリマー
の入った坐剤においても、温水に加えると速やかに無限
に膨張してしまい、薬物の拡散、放出は速く、徐放化は
できない欠点がある。
【0005】以上述べたように、ポリマーゲルを利用す
ることが、徐放化坐剤の調製には有効と思われるが、ポ
リアクリル酸やα化澱粉などのゲル化能を持つポリマー
をただ混ぜたのでは (1)分散が悪く均一に混合でき
ない (2)そのためポリマー成分を多くすることがで
きず徐放効果を得ることが難しい (3)たとえ混合で
きても親水性の高いポリマーでは吸水時に油脂と相分離
してしまう (4)両親媒性のポリマーでは速やかに高
度膨潤、崩壊してしまう (5)塩強度を上げると分解
しやすいなどの理由で十分な徐放性を持つ座薬はこれら
の方法では得られていない。
【0006】一方、ポリアクリル酸はポリビニルピロリ
ドンと水中でコンプレックスを形成し、高濃度の場合に
は含水ゲルとして沈澱することが古くから知られている
(Eur.Poly.J., 15, 223(1979) ibit, 19, 923 (198
3))。溶解性の低い、このようなポリマーゲルは、そ
のままで徐放性固形製剤に利用することができ、口腔粘
膜用製剤にも利用されている(特開昭60−215622)。し
かしながらこのようなポリマーゲルは塩強度の高い環境
下では短時間で崩壊してしまう。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上記の
問題点を解決し、投与部位あるいは挿入部位に充分滞留
し、なおかつ含有された薬物の徐放性にすぐれた座薬製
剤を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
の結果、油性座薬基剤に、ポリビニルピロリドンとポリ
アクリル酸との混合物を配合することによりポリアクリ
ル酸の油性基剤への分散が極めて良くなりポリマー量も
多く含有させることができることを発見し、本発明を完
成させるに至った。
【0009】本発明は、油性座薬基剤に、ポリアクリル
酸とポリビニルピロリドンとの混合物を配合して成る座
薬製剤である。
【0010】具体的には、本発明は油性座薬基剤 100重
量部に対し、ポリアクリル酸およびポリビニルピロリド
ン混合物が30〜100 重量部であり、この場合ポリアクリ
ル酸とポリビニルピロリドンとの重量比が1:4〜4:
1であることを特徴とする座薬製剤である。
【0011】本発明で用いられる油性座薬基剤はトリグ
リセリドあるいは高級アルコールなど、座薬基材として
一般的に用いられているものでよく、例えばファーマゾ
ール(商品名:日本油脂)、ウィテプゾール(商品名:
ダイナミットノベル)、イソカカオ(商品名:花王)、
サポスタール(商品名:メディファルマ)、カカオ脂な
どの規格品である。
【0012】ポリアクリル酸とポリビニルピロリドン
は、特に指定するものではないが、数平均分子量で 1,0
00〜1千万(10,000,000)が好ましい。また両者の重量
比が1:4〜4:1が好ましく、その範囲以外であると
やはりポリマーの膨潤性や分散性そして薬剤の徐放性等
が十分でない。
【0013】油性座薬基剤に対するポリアクリル酸とポ
リビニルピロリドンとの混合物の重量比は、油性座薬基
剤 100重量部に対し、30〜100 重量部が好ましく、その
範囲以外であるとポリマーの膨潤性や分散性、薬剤の徐
放性等が十分でない。
【0014】本発明の座薬製剤において用いられる薬物
は、より大きな徐放効果を引き出すためにアミド結合や
アミノ基を有する薬物、例えば5−FUあるいはその誘導
体であるテガフールやカルモフールなどの5−FU誘導体
あるいはジクロフェナクとその塩、ペンタゾシンとその
塩があげられる。
【0015】本発明の座薬製剤は、ポリアクリル酸とポ
リビニルピロリドンおよび薬剤を混合し、次いで油性基
剤と混練し、常法にしたがって50℃前後で加熱融解し、
座薬用コンテナに入れて成形することにより得られる。
【0016】本発明の座薬製剤は人などの哺乳動物に投
与することができ、その際の投与量は、薬物の種類と含
有量、疾患の種類と程度などに応じて適宜決めることが
できる。
【0017】
【発明の効果】本発明における座薬製剤は、ポリアクリ
ル酸とポリビニルピロリドンの油性座薬基剤への分散が
極めてよく、両ポリマー量の多い座薬製剤が可能であ
る。しかも吸水して均一に膨潤し無限には膨潤せず、塩
強度の高い環境下でも長時間安定でほとんど崩壊しない
ソフトなゲルを形成する。また、油性成分とポリアクリ
ル酸およびポリビニルピロリドン混合物とは相分離をほ
とんど起こさず、徐放性に優れた徐放速度を制御できる
徐放製剤であり、しかも大腸粘膜への接着性と滞留性を
有すので大腸患部での薬効の持続を図ることができる。
【0018】
【実施例】以下に本発明を実施例及び比較例により説明
するが、これにより本発明はなんら限定されるものでは
ない。
【0019】以下、実施例においては本発明において、
ポリアクリル酸は、グッドリッチ社の商品名カルボポー
ル934(数平均分子量120,000)を、ポリビニルピロリ
ドンは商品名コリドンK−90(数平均分子量250,000)
を用いた。
【0020】〔実施例1〕ポリアクリル酸とポリビニル
ピロリドンとファーマゾールB115を用い、これらを
3種の重量比すなわち、1:1:2、1:1:4及び
1:1:6で50℃においてよく混練し、冷却固化したも
のを37℃のリン酸緩衝液生理食塩水溶液(以下PBS)
中に投入し、その膨潤度・形態変化を観察した。
【0021】いずれもよく均一に混ざり、温水投入後に
は白い乳濁したソフトなゲルとなった。ゲルは一晩放置
後もほとんどその形態を保ったままであった。膨潤度の
時間変化を図1に示す。縦軸にゲル膨潤度量変化(%)
を示し、そして横軸に時間(分)を示す。
【0022】〔比較例1〕実施例1において、ポリビニ
ルピロリドンを加えずに、ポリアクリル酸とファーマゾ
ールB115を1:1および1:2で混ぜたものについ
て同様に観察を行った。
【0023】ポリアクリル酸とB115は1:1では均
一に混ざらなかった。1:2の場合の膨潤度の結果を図
2に示す。
【0024】〔比較例2〕実施例1において、ファーマ
ゾールを加えずにポリアクリル酸とポリビニルピロリド
ンのみを2倍量のPBSとともに混練したものについて
同様の観察を行った。結果を図2に示す。
【0025】〔実施例2〕表1の(1)〜(3)の組成
のものを50℃でよく混練し、冷却固化したもの100 〜15
0 mgを37℃のPBS50mlに入れ、5−FUの放出量をUV
で測定した。結果を図3に示した。縦軸に放出率(%)
を示し、そして横軸に時間(分)を示す。比較例3の結
果と比較するとポリアクリル酸とポリビニルピロリドン
およびファーマゾールB115を含有した座薬は安定に
5−FUを徐放することがわかる。
【0026】
【表1】
【0027】〔比較例3〕ポリアクリル酸とポリビニル
ピロリドンおよび5−FUをそれぞれ50mg、50mg、5 mgま
ぜ、200 μl のPBSで膨潤させた後、37℃のPBS50
mlに入れ、5−FUの放出量をUVで測定した。結果を図
4に示した。
【0028】〔実施例3〕ファーマゾールB115とポ
リアクリル酸とポリビニルピロリドンの割合を表2の
(1)〜(3)のように変えて実施例2と同様に5−FU
の放出量を測定した。結果を図5に示したが、これらの
ゲルは安定に5−FUを徐放することがわかる。
【0029】
【表2】
【0030】〔実施例4〕ポリアクリル酸50mg、ポリビ
ニルピロリドン50mg、ファーマゾールB115を200mg
、ジクロフェナクナトリウム10mgを50℃でよく混練
し、冷却固化したものを37℃のPBS50mlに入れ、ジク
ロフェナクナトリウムの放出量をUVで測定した。
【0031】結果を図6に示したが、比較例4(下記)
と比較してこれらのゲルは安定にジクロフェナクナトリ
ウムを徐放することがわかる。
【0032】〔比較例4〕ポリアクリル酸 100mg、ファ
ーマゾールB115を 100mg、ジクロフェナクナトリウ
ム10mgを用いて実施例4と同様にジクロフェナクナトリ
ウムの放出量を測定した。結果を図6に示す。
【0033】〔実施例5〕実施例4と同様に作製したも
のの 1.5gをラビット直腸に投与し、15分放置した。剖
検したところ、少し膨潤したソフトなゲルは粘膜に強固
に接着し、ほとんど移動していなかった。
【0034】〔比較例5〕比較例4と同様に作製したも
のの 1.5gを用いて実施例5と同様の観察を行った。そ
の結果ゲルは大きく膨潤し、大腸上部に広がっていた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の座薬製剤の膨潤度の経時変化を示すグ
ラフ図である。
【図2】比較用の座薬製剤の膨潤度の経時変化のグラフ
図である。
【図3】本発明の薬物含有座薬製剤における薬物の放出
率を示すグラフ図である。
【図4】比較用の座薬製剤における薬物の放出率を示す
グラフ図である。
【図5】本発明の別の薬物含有座薬製剤における薬物の
放出率を示すグラフ図である。
【図6】本発明の更に別の薬物含有座薬製剤における薬
物の放出率を示すグラフ図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油性座薬基剤に、ポリアクリル酸とポリ
    ビニルピロリドンとの混合物を配合して成る、座薬製
    剤。
  2. 【請求項2】 油性座薬基剤 100重量部に対し、ポリア
    クリル酸とポリビニルピロリドンとの混合物が30〜100
    重量部であり、この場合ポリアクリル酸とポリビニルピ
    ロリドンとの重量比が1:4〜4:1であることを特徴
    とする請求項1記載の座薬製剤。
JP21736192A 1992-07-24 1992-07-24 座薬製剤 Pending JPH0640889A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6136337A (en) * 1995-09-07 2000-10-24 Taisho Pharmaceutical Co., Ltd. Long-lasting composition for rectal administration
WO2002003954A3 (en) * 2000-07-07 2002-05-10 Anestic Aps Non swellable suppository comprising at least one biocompatible, non-biodegradable polymer and a controlled release formulation
WO2005020960A1 (ja) * 2003-08-29 2005-03-10 Sato Pharmaceutical Co., Ltd. 直腸投与用製剤
US10716874B2 (en) 2012-10-23 2020-07-21 Yoshiyuki Koyama Material to form a hydrogel

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