JPH0640266Y2 - 床の見切構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は床の見切構造に関する。

（従来の技術） 床の見切は、一般に、幅木を使用して行ない、普通、床
の計画領域境界部に延在する適当な相手部材に幅木を止
着した後、幅木前面沿いに床仕上材を張り込んで、床仕
上面を得る手順となる。

この点、例えば、プレファブルーム等においては、台枠
や配管枠を構成する枠材を幅木の止着相手に選ぶことが
多い。

だが、この種の枠材は、通常、高さ調整を必要とし、工
事の初期段階で上下位置を確定することが難しい。

然るに、そうした枠材に幅木を止着する際、従来は、ビ
スで結合し、或いは両面テープで貼着するようにしてい
た。

（考案が解決しようとする課題） この為、枠材の高さ調整後でなければ、幅木の止着作業
に入れず、床仕上の時期が遅くなり、床施工の工期が長
引く一因ともなっていた。

本考案は斯かる従来の床の見切構造における問題点を有
効に解決すべく為されたもので、その目的とする処は、
幅木の止着作業が枠材の高さ調整時期に左右されずに済
み、従って、床仕上までの施工期間を大幅に短縮可能な
床の見切構造を提供するにある。

（課題を解決するための手段） 上記目的を達成すべく本考案は、枠材と幅木を上下摺動
可能に係止するクリップ部材を用いるようにした。

（作用） 上記手段によれば、幅木の高さ位置を換えることなく、
枠材の高さ調整を行なえる。

（実施例） 以下、本考案を壁式プレファブトイレの配管ユニット沿
いの床領域に適用した実施例に付き、添付図面に基いて
詳細な説明を行なう。

先ず、第１図及び第３図を参照して、本実施例に係るト
イレと配管ユニット下部周りの概要を説明しておく。

第１図は配管ユニット下部周りの縦断側面図、第３図は
トイレ要部の姿図である。

図中、Ｔはトイレの全体を表し、トイレＴは、躯体床Fb
上に台枠を敷回して、これに主体構成用の壁パネルを建
並べた構造の周壁Wtを巡らすことにより所要のスペース
Stを囲繞画成し、その内部領域に防水下地タイル仕上の
床Ftを張り、更に、上方から組天井を吊設した所謂壁式
プレファブタイプの屋内建築物で、周壁Wtの適宜な平壁
Wt1にブースBtを交差せしめてコンパートメントCpを
得、こゝに大便器Db付配管ユニットUtを設置した構成に
なっており、配管ユニットUtとブースBtの下縁部に沿
い、タイル仕上床Ftの仕上面Fsを見切る床幅木Pl…が継
ぎ廻されている。

配管ユニットUtは、所要配管系を収容保持し且つユニッ
ト全体の骨格をなす配管枠Frと、これを上方から被覆す
るトップカウンターCt及び前方から被覆する前面板Fpか
ら成り、前面板Fpは、補強枠Fp1の前面に基板Fp2を固設
し、これを磁器質タイルFp3で仕上げた構造になってい
る。図中、Mgは前面板Fpの下部を配管枠Frに吸着するマ
グネットキャッチ、Fgはその取付金具である。

配管枠Frは、前後の基礎枠10上に側面視略縦長々方形状
の枠組11を適数組起設し、その高さ方向適所を不図示の
水平通し枠でつないだ剛節構造体で、各基礎枠10が、ア
ングル材から成り、その水平下部10aに縦通固設したハ
ット形ナット12に高さ調整ボルト13のステム13aが螺合
している。

一方、各枠組11は、前後の基礎枠10の水平下部10a上面
に両端が着座する下枠部11aを備え、その適宜な枠材11b
の水平片11c適所と、これ11cに載設した飼材14の対応位
置とに、通孔11d,14aが形成されている。

配管枠Frを据付ける場合、躯体床Fbから起立するアンカ
ーボルト15を上記通孔11d,14aに通して、調整ボルト13
のステム13a下端を躯体床Fbに当接せしめ、これ13を螺
動させて枠Frの高さ調整を行なった後、アンカーボルト
15にナット16を螺着し、締付けて、定着する。

配管ユニットUt沿いの床幅木Plは、略縦長Ｌ字状断面の
ステンレス鋼材20から成り、配管枠Frへの取付完了時、
躯体床Fbに当接する下端折曲部20aと、前側基礎枠10の
垂直前部10bに前方より止着され同前部10bの上端10cよ
り上方、前面板Fp下部の背後領域まで延伸する垂直本体
部20bとを具え、この本体部20bの前面下縁領域に、床Ft
仕上材としての磁器質タイル21が臨み、化粧目地22で封
止される。図中、Moは敷モルタルである。

本実施例では、以上において、基礎枠10の垂直前部10b
と床幅木20の垂直本体部20bとをステンレス鋼製のクリ
ップ30で上下摺動可能に弾性結合し、以って、幅木20の
下端折曲部20aを躯体床Fbに着けたまゝ、配管枠Frの高
さ調整を行なえるようにしており、以下、第２図を併せ
参照して、その詳細を説明する。

第２図はクリップの斜視図である。

クリップ30は、幅木20の本体上縁部20cを上方から挟着
保持する頭部31と、これより湾曲垂下して基礎枠10の前
部10b後面に弾性的に摺接する脚部32から成り、頭部31
は、頭頂端31aより前後振分けに垂下して幅木上縁部20c
の前後面に当接する前後の係触片31b,31cと、後側係触
片31cの下縁より後方に延出する水平連結部31dを備え、
一方、脚部32は、水平連結部31d後縁より下方に垂下す
る垂直連結部31eと、その下縁より若干前方寄りに傾斜
下降する傾斜連結部31fと、この連結部31fの下縁より垂
直下方に折れて、基礎枠10の前部10b後面に面接触し、
上記頭部31との協働により、幅木本体部20bを基礎枠10
に押圧保持する摺接部31gと、摺接部31g下縁より後下方
に傾斜延出して、クリップ30の基礎枠10への取付けを円
滑ならしめる誘い片31hを具有する。

本実施例によれば、幅木20を基礎枠10に止着する際、ク
リップ30で挟持するだけで済み、取付作業が楽である。
しかも、何度でも、再現可能に取外しでき、手練手管を
要しない。

また、タイル床Ftの施工後でも、適宜、配管枠Frの高さ
調整を行なえ、工事手順面での制約が少ない。

尚、クリップ30の前側係触片31bは、幅木20への取付
時、下縁が前面板Fpの下方に出ない程度の長さ寸法に抑
えておく。

（考案の効果） 以上の説明により明らかな如く、本考案によれば、高さ
調整の対象となる枠材に幅木を止着して床仕上面の見切
りとする際、枠材と幅木を上下摺動可能に係止するクリ
ップ部材を用いるようにしたので、床仕上までの施工期
間を大幅に短縮でき、しかも幅木の止着作業が楽にな
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案をプレファブトイレの配管ユニット沿いの
床領域に適用した実施例に付き示したもので、第１図は
配管ユニット下部周りの縦断側面図、第２図はクリップ
部材の斜視図、第３図はトイレ要部の姿図である。 尚、図中、10は基礎枠、13は高さ調整ボルト、20は床幅
木、30はクリップ、Fbは躯体床、Ftはタイル仕上床、Ut
は配管ユニットを表している。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】高さ調整の対象となる枠材に幅木を止着し
   て床仕上面を見切るようにした床の見切構造において、
   前記枠材と幅木を上下摺動可能に結合するクリップ部材
   を備えて成る床の見切構造。
2. 【請求項２】前記クリップ部材は前記幅木の上縁部に挟
   着する頭部と、該頭部より湾曲垂下して前記枠材に弾性
   的に摺接する脚部とから成る請求項１に記載の床の見切
   構造。