JPH0639894A - 押出成形による人工大理石の製造方法 - Google Patents

押出成形による人工大理石の製造方法

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JPH0639894A
JPH0639894A JP4196937A JP19693792A JPH0639894A JP H0639894 A JPH0639894 A JP H0639894A JP 4196937 A JP4196937 A JP 4196937A JP 19693792 A JP19693792 A JP 19693792A JP H0639894 A JPH0639894 A JP H0639894A
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Yasuhiro Kadota
康洋 門田
Shinichiro Nagasawa
紳一郎 長澤
Takayuki Taga
敬行 多賀
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 比較的高温雰囲気においても、熱クラックが
発生せず、耐久性に優れた人工大理石を、押出成形法に
よって製造する。 【構成】 カルボキシル基含有メタクリル樹脂粉末を主
成分とするマトリックス樹脂と、粉末状無機充填材とし
ての水酸化アルミニウム粉末とを、少量の液状可塑剤と
共に均一に混合した混合物を成形用材料として用い、該
成形用材料を押出成形機の押出ダイから所定形状に押出
した直後に冷却ジャケット付きフォーミングダイに導通
して固化状態に成形する固化押出成形を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建築材料、洗面化粧台
やシステムキッチンの天板等に使用される人工大理石の
押出成形法による製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明者らは、先に出願した特願平2ー
39934(特開平3ー243322)により、人工大
理石の製法として、能率的に優れた押出成形法による製
造方法を提案した。この先行提案に関わる製造方法は、
マトリックス樹脂として、アクリル系樹脂、具体的に
は、単量体組成が種々異なる熱可塑性アクリル系樹脂、
及び熱可塑性メタクリル樹脂を使用し、特に好適にはメ
チルメタクリレートの単独重合体、もしくは、メチルメ
タクリレートが単量体全体の50重量パーセント以上、
好ましくは70重量パーセント以上でこれに他のメタク
リル酸エステル、その他メチルメタクリレートと共重合
可能なビニル系単量体の少なくとも1種を共重合せしめ
てなる共重合体を用いて、特定条件下に固化押出成形を
行うものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ポリメ
チルメタクリレート樹脂粉末に無機質充填材を充填した
人工大理石は、キッチンレンジの天板等の用途で90℃
以上という比較的高温下にさらされると、熱クラックが
発生し易く耐久性に問題があることが判ってきた。
【0004】この熱クラック発生の原因としては、樹脂
相の熱膨張率、熱収縮率と無機充填材のそれらとの差が
大きいことに対して、樹脂相と無機充填材との結合力が
弱いためと考えられる。そこでこの界面の結合力を高め
るための既知の一般的な方法として、無機充填材の表面
にシランカップリング等で表面処理する方法を試みた
が、未だ十分な効果を得ることができなかった。
【0005】本発明は、上記のような背景のもと比較的
高温雰囲気においても、熱クラックが発生せず、耐久性
に優れた人工大理石を、押出成形法によって製造可能な
ものとすることをその目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
のもと種々実験と研究を重ねたところ、マトリックス樹
脂として、特定のアクリル系樹脂粉末を用いることによ
り、耐熱性が向上し、熱クラックを生じないことを見い
だし、本発明を完成したものである。
【0007】即ち、本発明の基本とするところは、カル
ボキシル基含有メタクリル樹脂粉末を主成分とするマト
リックス樹脂を用いるものであり、該マトリックス樹脂
と、粉末状無機充填材としての水酸化アルミニウム粉末
とを、少量の液状可塑剤と共に均一に混合した混合物を
成形用材料として用い、該成形用材料を押出成形機の押
出ダイから所定形状に押出した直後に冷却ジャケット付
きフォーミングダイに導通して固化状態に成形する固化
押出成形を行うものとし、かつ該固化押出成形を行うに
際し、押出機による押出温度を180〜220℃、フォ
ーミングダイによる成形体の冷却温度を150℃以下に
設定制御して前記固化押出成形操作を行うことを特徴と
する押出成形による人工大理石の製造方法である。
【0008】この発明に用いられる上記マトリックス樹
脂は、成形性及び成形品の耐熱性等の観点から、メルト
フローレート(MFR、230℃、3.8kg荷重)
が、0.5g/10min以上で、かつ重量平均分子量
(Mw)が80,000から300,000であるもの
を用いることが望ましい。
【0009】また、粉末無機充填材としての水酸化アル
ミニウム粉末は、平均粒径10μm以上でかつ比表面積
2m2 /g以下であるものを用いることが望ましい。
【0010】そしてまた、成形材料とする前記混合物
は、マトリックス樹脂粉末と水酸化アルミニウム粉末と
の粉末混合物の総量を基準として、マトリックス樹脂粉
末20〜50重量パーセント、水酸化アルミニウム粉末
80〜50重量パーセントの配合割合の範囲に設定すべ
きである。
【0011】更にまた、固化押出成形操作は、押出機か
らの押出し樹脂圧力を、少なくとも、50kgf/cm
2 以上に設定して行うことが必要であり、好ましくは7
0〜350kgf/cm2 の範囲内に設定して行うべき
である。
【0012】次に本発明に用いる成形材料の各成分、配
合、押出成形方法のそれぞれについて更に詳しく説明す
る。
【0013】(マトリックス樹脂)本発明は、マトリッ
クス樹脂として、カルボキシル基含有メタクリル樹脂を
主成分とすることを特徴とする。
【0014】カルボキシル基含有メタクリル樹脂とは、
メタクリル酸メチル(MMA)とエチレン性不飽和カル
ボン酸との共重合体で、このエチレン性不飽和カルボン
酸の代表的なものとしては、アクリル酸、メタクリル酸
を、またその他にも、イタコン酸、マレイン酸、無水マ
レイン酸等を挙げることができる。エチレン性不飽和カ
ルボン酸は、マトリックス樹脂のうち通常1〜15%、
好ましくは3〜7%の範囲で共重合されたものを用い
る。1%未満では、所期するマトリックス樹脂と無機充
填材との接着性の向上が得られず、熱クラック改善の効
果が低い。また、15%を越えると、押し出し機内での
流動性が低下し、押し出し成形が困難となり、更には吸
水率も増大するため物性的に悪影響を及ぼす。またさら
に、耐熱性の向上の目的で、この重合体に、メタクリル
酸メチルと共重合可能なビニル芳香族化合物を5%以下
の範囲で共重合させてもよい。このビニル芳香族化合物
の例としては、スチレン、ビニルトルエン、αーメチル
スチレン等が挙げられる。
【0015】マトリックス樹脂は、上記カルボキシル基
含有メタクリル樹脂のみとせず、メチルメタクリレート
等の前述したような汎用のメタクリル樹脂を併用しても
よい。この場合、汎用のメタクリル樹脂の添加量は、エ
チレン性不飽和カルボン酸が、マトリックス樹脂のうち
1〜15%となる範囲内で添加することが必要である。
【0016】上記マトリックス樹脂としては、粉末のも
のが用いられ、その粒径は特に制限されるものではない
が、一般に5〜200μm、特に好ましくは20〜10
0μm程度のものが好適に使用される。
【0017】また、マトリックス樹脂は、押出機内での
溶融混練操作を支障なく行うために、メルトフローレー
ト(MFR、230℃、3.8kg)(試験法・単位;
ASTM D 1238)が0.5g/10min以上
で、かつ重量平均分子量Mwが300,000未満であ
るものを用いるべきである。メルトフローレート(MF
R)が0.5g/10min未満あるいは平均分子量M
wが30万をこえるものを用いると、押出機内での充填
材との混練時、溶融粘度が高まり、流動性が低下し、そ
れに伴って押出機の能力以上の動力負荷が発生し、運転
が不本意に停止したり、あるいは樹脂洩れやスクリュー
の破損等の問題が生じ、円滑な押出成形が困難になる。
もっとも重量平均分子量Mwは、成形製品である人工大
理石が耐熱性の要求される用途に用いられるものである
場合、下限値としてMwが80,000以上のものを用
いることが必要である。即ちMwが8万未満のマトリッ
クス樹脂を用いると、耐熱性の低下により、成形製品の
上に高温の鍋を載せたり着火している煙草を誤って落し
たような場合に表面が損われるおそれが生じる。メルト
フローレート(MFR)及び重量平均分子量(Mw)の
最も好ましい範囲は、MFR:1.0g/10min以
上、Mw12〜17万の範囲である。
【0018】(粉末状無機充填材)粉末状無機充填材と
しては、特に水酸化アルミニウム粉末を主材として用い
ることを必要とする。しかも該水酸化アルミニウム粉末
は、平均粒子径が10μm以上であり、かつ比表面積が
2m2 /g以下であるものを用いるのが好ましく、更に
は粒子形状が略球形であるものを用いることが好まし
い。
【0019】平均粒子径が10μm以下であると、シー
トの隠蔽性が高すぎて、人工大理石としての風合いに劣
るものとなる。
【0020】又、比表面積が2m2 /gをこえて大きく
なりすぎると、水酸化アルミニウムとマトリックス樹脂
の界面の微細な気泡により、やはり隠蔽性が高くなりす
ぎる。さらには、比表面積の増大により、汚染物性が吸
着し易くなり、人工大理石としての耐汚染性に問題が生
じる。
【0021】上記の要件を満たす水酸化アルミニウム粉
末を充填材に用いることにより、外観の良好な人工大理
石の押出による連続的な成形を支障なく行いうるのは、
水酸化アルミニウムの硬度がモース硬度2.5と比較的
低いこと、粒径が大きくてしかも比表面積が小さいこ
と、マトリックス樹脂と屈折率が近似していること、マ
トリックス樹脂に対する漏れ性に劣ること等が相互に関
連し相俟って有効に作用しているものと考えられる。
【0022】(可塑剤)可塑剤の添加は、本来の可塑剤
としての働きでマトリックス樹脂の溶融粘度を低下さ
せ、成形性を向上させるために有用なものであり、アク
リル樹脂に対して相溶性を示す液状可塑剤であることを
必要とする。即ち、マトリックス樹脂と相溶性のない可
塑剤では、たとえそれを添加した成形材料が押出成形可
能であったとしても成形品にブリードが発生したり、微
小クラックを生じ易いものとなり、実用上耐久性に劣る
ものとなる。また、可塑剤が液状であることは、混練時
にマトリックス樹脂粉末を濡らし、これに水酸化アルミ
ニウム粉末を付着せしめて、均一な混合物を得られ易く
するために必要とするものである。
【0023】使用する可塑剤の透明性は、着色された成
形品を製造しようとする場合にはさして問題にならな
い。しかし、白色無垢の人工大理石を得ようとする場
合、透明性がAPHAで100を超える可塑剤を使用す
るときは成形品に黄ばみを生じたり、その他有害な着色
の原因となるため好ましくない。従ってこの場合、可塑
剤としては、透明性がAPHAで100以下、特に好ま
しくは50以下のもの用いるべきである。
【0024】その他可塑剤の種類等は特に限定されな
い。使用可能な可塑剤としては例えばフタル酸エステル
系のものとしてDMP、DOP、DBP等を、脂肪酸
(二塩基性)エステル系のものとしてDIOA、DB
S、DOS等を、またトリメリット酸エステル系のもの
としてTOTM等を挙示することができる。
【0025】(配 合)成形用材料の配合割合は、マト
リックス樹脂粉末と水酸化アルミニウム粉末との混合物
の総量を基準としてこれを100wt%とした場合、マ
トリックス樹脂粉末20〜50wt%、水酸化アルミニ
ウム粉末80〜50wt%の範囲とすべきである。マト
リックス樹脂粉末の配合割合が20wt%未満であり、
従って水酸化アルミニウムの配合量が80wt%をこえ
ると、水酸化アルミニウム粉末中にマトリックス樹脂が
均一に分散されず、その結果押出成形機中で溶融軟化が
十分に進まず、押出成形が困難になる。一方、マトリッ
クス樹脂粉末配合量が50wt%をこえ、相対的に水酸
化アルミニウム粉末の配合割合が50wt%未満になる
と、たとえ押出成形操作は容易化されたとしても、成形
品における隠蔽性が不十分で透明感が強すぎるものとな
り、天然大理石に似た重量感を表出できなくなると共
に、耐熱性も不十分なものとなる。最も好ましい配合割
合は、マトリックス樹脂粉末において25〜40wt%
の範囲である。
【0026】可塑剤の配合量は、上記マトリックス樹脂
粉末と水酸化アルミニウム粉末との粉末混合物の総量を
基準として、それを100重量部とした場合、0.5重
量部未満では所期の添加効果を十分に得ることができな
い。即ち、マトリックス樹脂を十分に漏らすことができ
ず、水酸化アルミニウム粉末が二次凝集したり、粗い粒
子が偏析し、均一な混合物を得ることができない。かつ
可塑化効率としての役目も十分に発揮されず、押出成形
時、押出流動性が安定せず長時間の均整な連続押出成形
が困難になると共に、押出成形したとしても成形製品中
において水酸化アルミニウム粉末の分布が不均一なもの
となり、その凝集物が核となって外部からの衝撃に対し
極めて強度的に劣るものとなる欠点が派生する。一方、
可塑剤の配合量が5重量部をこえると、たとえ均一混合
物が得られたとしても、成形品の耐熱性が著しく低下す
る。従って、可塑剤の配合量は0.5〜5重量部の範囲
とすべきであり、特に1.0〜3重量部の範囲で添加す
ることが好ましい。
【0027】この発明に用いる成形材料は、上記の必須
配合成分のほか、着色人工大理石を得るために着色剤を
添加すること、また滑剤として少量のステアリン酸、パ
ルミチン酸等の高級脂肪酸、そのアルカリ土類金属塩
(カルシウム塩、マグネシウム塩等)、あるいはモンタ
ン酸ワックス、高級脂肪酸のアミド類等を添加すること
等は当然に許容される。また、必要に応じて、水酸化ア
ルミニウム粉末を予め脂肪酸金属塩、シランカップリン
グ剤、チタネートカップリング剤等で表面処理を行って
も良い。更にまた、この発明の効果を損わない範囲で、
水酸化アルミニウム粉末の一部を、他の種類の粉末無機
質充填材に置換して、材料コストの低減、成形品外観の
調整を行うものとすることも許容される。
【0028】(成形方法)成形に際しては先ず前配合材
料の予備混合を行う。この混合操作は、例えば撹拌羽根
のあるヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、V型タ
ンブラー等を用い、マトリックス樹脂粉末、水酸化アル
ミニウム粉末、及び液状可塑剤をそれぞれ前記配合割合
に投入し、「まゝ粉」状の塊状物がなくなるまで均一に
混合することによって行う。こゝに混合機として、撹拌
羽根を有しないドライブレンダー等を使用することは長
持間混合操作を行っても「まゝ粉」状塊状物がなくなら
ないため、不適当である。また、混合機への該配合材料
の投入順序はあまり問題にならない。
【0029】次に、上記予備混合操作によって得られた
混合物を成形材料として用い、これを固化押出成形装置
によって所定断面形状に固化押出成形する。こゝに、用
いる押出成形装置は、一般に高分子材料を丸棒や板パイ
プあるいは異形品に押出成形するのに用いられているも
ので、押出機で高分子材料を溶融しながら押出し、続い
て押出ダイに溶融した高分子材料を必要に応じて分配
し、その先端に取付けたフォーミングダイを通しながら
冷却することにより目的の形状と寸法に固化成形するも
のである。このような装置による固化押出し方法は、一
般の樹脂はもとより、特に溶融粘度が高く、流動性の悪
い材料や、フィラー高充填の材料の成形に好適使用しう
るものである。即ち溶融状態の材料をフォーミングダイ
内で固化させて押出すため、ダイ内部は非常な高圧にな
り、この為、成形品にボイドや、気泡が発生するのを抑
制でき、良好な品質が得られる特長を有するものであ
る。
【0030】この発明に用いられる上記固化押出成形装
置の代表的なものゝ一例を示せば第1図に示すとおりで
ある。同図中(1)は押出機本体、(2)はそのシリン
ダー、(3)はそれに内装した押出スクリュー、(4
A)(4B)(4C)(4D)はシリンダー(2)の第
1ないし第4加熱装置、(5)は材料供給ホッパー、
(6)は駆動装置、(7)はシリンダー(2)の先端の
絞り部、(8)はそれに続いて設けられた押出ダイ、
(9)は更にその前方に連設された水冷ジャケット(9
a )付きのフォーミングダイ、(10)はゴムロールとか
キャタピラ等よりなる成形体の引取装置、(11)(12)
は上記絞り部(7)及び押出ダイ(8)の加熱装置、
(13)はシリンダー先端絞り部での樹脂圧力の測定器で
ある。
【0031】上記押出ダイ(8)及びフォーミングダイ
(9)の内面の押出材料との接触面には、固着防止のた
めガラス繊維にフッ素系樹脂をラミネートした離型用フ
ィルム(図示略)が貼付される。
【0032】而して、成形材料はホッパー(5)から投
入され、シリンダー(2)内において加熱作用を受けて
溶融軟化しながらスクリュー(3)により混練され、絞
り部(7)を経て押出ダイ(8)から所定形状に押出さ
れる。そして、押出ダイから押出された押出物は、フォ
ーミングダイ(9)を通る間にそれに装備する水冷ジャ
ケット(9a )で冷却され、所定断面形状に賦形されて
固化状態の成形体(A)、即ち人工大理石に製造され
る。
【0033】ところで、前述のように、水酸化アルミニ
ウムは、180℃を超えると、徐々に分解が始まり水と
アルミナに変化するが、この水分が通常の押出成形法で
は発泡となり製品の外観を著しく阻害する原因となる。
これに対し、固化押出法を用い、高圧下で成形すること
により、充填材として水酸化アルミニウムを用いても、
発泡のない良好な品質の人工大理石を得ることが可能と
なるが、固化押出法を用いれば、どんな温度でも成形出
来る訳ではなく、限定された条件下においてのみ実施が
可能となる。
【0034】その1つの条件は、押出温度である。即
ち、該押出温度は、押出機本体(1)のシリンダー
(2)部分、シリンダー先端絞り部(7)、および押出
ダイ(8)部分のいずれの部分においても、180℃〜
220℃の範囲内、好ましくは190℃〜210℃の範
囲に設定されなければならない。この設定温度が180
℃未満の場合は、マトリックス樹脂の溶融軟化が十分に
進行しないため、押出機の背圧が大きくなりすぎて押出
成形が困難となる。一方、設定温度が220℃を超える
場合は、水酸化アルミニウムの分解が促進される為、固
化押出法においても発泡を抑えることは出来ず、製品の
価値を著しく低下させてしまう。
【0035】また、2つめの条件は、冷却ジャケット付
フォーミングダイ(9)による成形体(A)の冷却温度
である。即ち、フォーミングダイ(9)の出口における
成形体(A)の温度が150℃以下、好ましくは120
℃以下になるように十分な冷却が行われなければならな
い。この冷却温度が150℃を超えると、冷却ジャケッ
ト付フォーミングダイ(9)より押出される人工大理石
成形体は軟化した状態であり、その表面に発泡や、フク
レ等の外観不良を発生すると共に、賦形も困難なものと
なる。
【0036】更にまたその他の条件として、シリンダー
絞り部(7)での押出樹脂圧力は、50kg/cm2
500kg/cm2 、好ましくは70kg/cm2 〜3
50kg/cm2 の範囲内で運転されなければならな
い。樹脂圧力が50kg/cm2 未満では巣入りや発泡
が発生し易く製品の人工大理石としての品質を低下させ
てしまう。又、500kg/cm2 を超えると、機械的
に限界であり、押出機や押出ダイフォーミングダイを破
損する虞れがある。
【0037】
【発明の効果】この発明によれば、マトリックス樹脂の
主成分としてカルボキシル基含有メタクリル樹脂を選択
し、また粉末状無機充填材として水酸化アルミニウム粉
末を選択し、さらにこれらの粉末と液状可塑剤との混合
物を成形用材料として用い、かつ、固化押出法の採用
と、押し出し温度条件及び冷却温度条件の特定範囲の設
定により、支障なく高品位の人工大理石の連続的な成形
を行うことができる。
【0038】特に、マトリックス樹脂の主成分としてカ
ルボキシル基含有メタクリル樹脂を用いることによっ
て、比較的高温度な雰囲気でも熱によるクラックが発生
せず、耐久性に優れた人工大理石を得ることができ、そ
の用途を大幅に広げることができる。
【0039】
【実施例】マトリックス樹脂、粉末状無機充填材、及
び、可塑剤として下記表1のものを用意した。
【0040】
【表1】 これら表1に示す材料を下記表2に示す配合割合でヘン
シェルミキサーに投入し、30分間常温で混合した。
【0041】そして、その混合物を図1に示す固化押出
成形機(口径:50mm、L/D=32、圧縮比2.5
のフルフライト型)により、押出条件を表2に示すよう
に変更して固化押出成形し、厚さ12mm、幅790m
mの板状成形品を得た。
【0042】
【表2】 そして、押出成形時における押し出し成形性を評価する
と共に、各成形品についてその製品外観を調べた。その
評価方法は下記の通りとし、評価結果を表2に併せて示
す。
【0043】(評価方法) 1.製品外観: ○ … 発泡による巣入りや、ボイ
ドがなく、平滑で美麗な表面が得られたもの × … 発泡により、内部に巣入りや、ボイドが生じた
り、表面が凹凸になったもの 2.押出成形性: ○ … 押出機の負荷が定格値以内
であり、安定して連続に押し出しできたもの × … 押出機の負荷が過大となり、スクリューが運転
中停止したり、変動が著しく大きく安定押出できなかっ
たもの 3.熱クラック: 得られた板状成形品を図2に示すよ
うに、実際のキッチンレンジに使用される天板と同様の
加工品に製作した。この加工品は1300×650×1
2mmの大きさの板状体(21)の中央部に、560×5
30mmの開口部(22)を切抜き形成した額縁状のもの
である。これを110℃雰囲気下で2時間放置、110
℃から−15℃まで1時間で冷却、−15℃雰囲気下で
2時間放置、さらに−15℃から110℃まで1時間で
加熱する操作を1サイクルとして、これを100サイク
ル繰り返したのち、外観を目視観察して下記の評価をし
た。
【0044】○ … クラックの発生が見られない × … クラックの発生が見られる 表2の評価に示すように、この発明の規定条件に従う実
施例1〜6の製造方法によるものにおいては、いずれも
連続的な固化押出成形操作により、熱クラックの発生が
なく、外観品質の良好な人工大理石を得ることができ
た。
【0045】これに対し、マトリックス樹脂として、カ
ルボキシル基含有メタクリル樹脂を用いない比較例1に
よるときは、外観的には良好なものが得られたが、熱ク
ラックが発生し、高温下では使用できないものであっ
た。これにより本発明においては、マトリックス樹脂に
カルボキシル基含有メタクリル樹脂を含むことで熱クラ
ックの発生が抑えられていることが分かる。
【0046】押出温度条件が、本発明において規定する
値を外れた比較例2、3によるときは、押出機の負荷過
大や、変動で製板できなかったり、あるいは製板できて
も発泡やボイドを生じて良好な品質の成形品を得られな
かった。
【0047】また、フォーミングダイの水冷ジャケット
による成形体の冷却が不十分でダイ出口における成形体
の温度が高すぎる比較例4の場合、及び冷却ジャケット
を有しない(使用しない)フォーミングダイを用いて成
形した比較例5の場合は、いずれも発泡によるボイドや
ふくれの発生を抑えることができず、やはり品質的に優
れた成形品を得られなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の押出成形操作に用いる固化
押出装置の一例を示す概略縦断面図である。
【図2】図2は、熱クラック評価テストに用いたサンプ
ルの形状を示す斜視図である。
【符号の説明】
(1)…押出機本体 (2)…シリンダー (8)…押出ダイ (9)…フォーミングダイ (9a)…水冷ジャケット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29K 33:04 105:16

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルボキシル基含有メタクリル樹脂粉末
    を主成分とするマトリックス樹脂と、粉末状無機充填材
    としての水酸化アルミニウム粉末とを、少量の液状可塑
    剤と共に均一に混合した混合物を成形用材料として用
    い、該成形用材料を押出成形機の押出ダイから所定形状
    に押出した直後に冷却ジャケット付きフォーミングダイ
    に導通して固化状態に成形する固化押出成形を行うもの
    とし、かつ該固化押出成形を行うに際し、押出機による
    押出温度を180〜220℃、フォーミングダイによる
    成形体の冷却温度を150℃以下に設定制御して前記固
    化押出成形操作を行うことを特徴とする押出成形による
    人工大理石の製造方法。
  2. 【請求項2】 マトリックス樹脂は、メルトフローレー
    ト(MFR、230℃、3.8kg荷重)が、0.5g
    /10min以上で、かつ重量平均分子量(Mw)が8
    0,000から300,000であるものを用いる請求
    項1記載の押出成形による人工大理石の製造方法。
  3. 【請求項3】 粉末無機充填材としての水酸化アルミニ
    ウム粉末は、平均粒径10μm以上でかつ比表面積2m
    2 /g以下であるものを用いる請求項1または2に記載
    の押出成形による人工大理石の製造方法。
  4. 【請求項4】 成形材料とする前記混合物は、マトリッ
    クス樹脂粉末と水酸化アルミニウム粉末との粉末混合物
    の総量を基準として、マトリックス樹脂粉末20〜50
    重量パーセント、水酸化アルミニウム粉末80〜50重
    量パーセントの配合割合とする請求項1ないし3のうち
    1に記載の押出成形による人工大理石の製造方法。
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