JPH0639381B2 - パ−フルオロカ−ボン乳剤 - Google Patents

パ−フルオロカ−ボン乳剤

Info

Publication number
JPH0639381B2
JPH0639381B2 JP7624085A JP7624085A JPH0639381B2 JP H0639381 B2 JPH0639381 B2 JP H0639381B2 JP 7624085 A JP7624085 A JP 7624085A JP 7624085 A JP7624085 A JP 7624085A JP H0639381 B2 JPH0639381 B2 JP H0639381B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
emulsion
perfluorocarbon
present
egg yolk
acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP7624085A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS61233615A (ja
Inventor
良一郎 村島
良夫 津田
紘一 山内
和正 横山
Original Assignee
株式会社ミドリ十字
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社ミドリ十字 filed Critical 株式会社ミドリ十字
Priority to JP7624085A priority Critical patent/JPH0639381B2/ja
Publication of JPS61233615A publication Critical patent/JPS61233615A/ja
Publication of JPH0639381B2 publication Critical patent/JPH0639381B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔利用分野〕 本発明は、酸素輸液に適した安定なパーフルオロカーボ
ン乳剤に関する。さらに詳しくは、本発明は、実質的に
ホスファチジルエタノールアミンを含まない卵黄リン脂
質を乳化剤としてなることを特徴とする一般式 (式中、A環及びB環はそれらのいずれか一方又は双方
が低級パーフルオロアルキル基で置換されていてもよ
く、lは3又は4を、m+nは2又は3を、Rは低級パ
ーフルオロアルキル基を示す)で表わされる化合物(1)
および (式中、C環及びD環はそれらのいずれか一方又は双方
が低級パーフルオロアルキル基で置換されていてもよ
く、p及びqはそれぞれ3又は4を示す) で表わされる化合物(2)から選ばれる少なくとも一種を
主成分とするパーフルオロカーボン乳剤に関する。
〔従来の技術〕
パーフルオロカーボン乳剤が哺乳動物の代用血液として
用い得られることは、例えば、J. C. ノーマン(Norman)
編の オーガン パーフュージョン アンド プリザベ
ーション(Organ Perfusion and Preservation)”〔アプ
レトン−センチュリー−クロフツ,ニューヨーク(Appl
eton-Century-Crofts, New York)1968〕の第9章に明
らかにされている。しかし、これらの乳剤はいわゆる酸
素輸液としては十分満足できるものと言えず、いずれも
学術的関心の域を脱していない。即ち、実用に際して
は、効率的な酸素運搬機能を保持しつつ、急性および慢
性毒性はもちろん、投与後の副作用がなく、しかも特に
長期安定な超微粒子乳剤であることが要求される。
特にパーフルオロカーボンは分子間凝集力が極めて小さ
いため表面張力が極端に小さく、従って撥水、撥油性に
富み、他の化合物との親和力が乏しい。換言すれば、パ
ーフルオロカーボン粒子と水との界面張力差が大きく、
このため長期間安定にパーフルオロカーボンを微細分散
させることが困難である。
しかも、乳化させるパーフルオロカーボンと乳化剤とは
互いに微妙に関係しあっているため、乳化剤はあらゆる
パーフルオロカーボンに普遍的に用いられるものではな
く、むしろ選択的であるため、安定なる酸素輸液用パー
フルオロカーボン乳剤の調製は一層困難である。
従来、この種の乳化剤としてはポリオキシエチレン−ポ
リオキシプロピレン共重合体(特許第794416
号)、大豆または卵黄リン脂質(特許第954944
号)、非イオン性フッ素系(特許第1009338
号)、ポリオキシエチレン−アルキルエーテルまたはポ
リオキシエチレン−アルキルアリルエーテル等の界面活
性剤が挙げられる。
しかし、これらの乳剤を詳しく調べてみると、例えばパ
ーフルオロトリブチルアミンはエチレンオキシド/プロ
ピレンオキシド共重合体(例えば商品名:プルロニック
Pluronic F-68)によって相当程度、微細な粒子の乳剤
を与えるけれども、それは比較的多量のプルロニック F
-68 によってのみ可能であった。しかし、パーフルオロ
トリブチルアミンは臓器中への蓄積性が高いことが指摘
され、酸素輸液として使用し難いものである。また、臓
器中への蓄積の少ないパーフルオロデカリンは多量のプ
ルロニック F-68 を用いても長期安定な微細な粒子の乳
剤を調製できない。一方、卵黄リン脂質(Lecithin)を
乳化剤とする乳剤にあっては、貯蔵中にパーフルオロカ
ーボン粒子の粗大化現象が認められる。
特に、本発明者らは、すでに化合物(1)及び(2)が乳化安
定性、排泄性、非毒性において非常に優れたものである
ことを見出しているが(特開昭58−92658、特開
昭58−92680)、これらを主成分とする優れた乳
剤が得られれば、さらに好都合である。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明は、酸素輸液に適した、長期安定な粒子のパーフ
ルオロカーボン乳剤を提供することである。特に、本発
明はパーフルオロカーボンとして化合物(1)および(2)を
主成分とする乳剤を提供することである。
〔問題点を解決するための手段〕
そこで、本発明者らは、これらの化合物(1)および(2)の
乳化剤について検討した結果、化合物(1)および(2)を乳
剤化するにあたって、実質的にホスファチジルエタノー
ルアミンを含まない卵黄リン脂質を乳化剤として用いれ
ば、酸素輸液に適した長期安定な微細な粒子のパーフル
オロカーボン乳剤が調製しうることを見出し、本発明を
完成した。
即ち、本発明は特許請求の範囲の項に記載したことを要
旨とするものである。
本明細書において、低級パーフルオロアルキル基として
は、炭素数1〜3のものが好ましい。具体的には、パー
フルオロメチル、パーフルオロエチル、パーフルオロ−
n−プロピル、パーフルオロ−iso−プロピル等が例示
される。
本発明で用いられるパーフルオロカーボンは、化合物
(1)および(2)であるが、かかる化合物の好ましい例は、
たとえば化合物(1)としてはパーフルオロ−N−メチル
デカハイドロイソキノリン(以下、FMIQと称す)、
化合物(2)としてはパーフルオロ−4−メチルオクタハ
イドロキノリジン(以下、FMOQと称す)等が挙げら
れる。
乳化剤としては、実質的にホスファチジルエタノールア
ミンを含まない卵黄リン脂質が用いられ、このものは、
たとえば通常入手可能な卵黄リン脂質を常法〔D. J. ハ
ナハンら(Hanahan et al.)、ジャーナル オブ バイ
オロジカル ケミストリー(J.Biol.Chem.)、192,623-
628(1951)〕によって有機溶媒分画を行ったのち、シリ
カゲル又はアルミナ等の無機吸着剤によって精製して得
られる。かくして得られる卵黄リン脂質は、主としてホ
スファチジルコリンからなる、これ以外のリン脂質とし
て、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルセリ
ン、スフィンゴミエリンを含有していてもよい。
ここに実質的にホスファチジルエタノールアミンを含ま
ない卵黄リン脂質とは、多くとも0.1%程度のホスフ
ァチジルエタノールアミンを含むものをいう。
本発明の乳剤中には、さらに乳化補助剤として例えば脂
肪酸、脂肪酸塩、脂肪酸エステル、多価アルコール等を
0.001〜0.1%、乳化粒子の安定剤として例えばビタミ
ンE、その酢酸エステルあるいはそのコハク酸エステル
等を 0.002〜0.006 %添加することもできる。これら乳
化粒子の安定剤は、化合物(1)および(2)乳剤の乳化粒子
の微細化と安定性に極めて有効であり、かつ強力な抗酸
化作用を有するために過酸化物の生成や着色を抑えるこ
ともできる。さらにグリセロールの如き等張化剤、コロ
イド浸透圧調整のためにHES、デキストランのような
血漿増量剤を添加してもよい。媒質としては、生理的に
受け入れられる生理食塩水、乳酸加リンゲル液または等
張化リン酸緩衝液等が用いられる。
ここに脂肪酸としては炭素数8〜22のもの、たとえば
カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、
パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、パルミトオレ
イン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキドン酸等が例
示され、その塩としてはアルカリ金属塩(例、ナトリウ
ム酸)、アルカリ土類金属塩(例、カルシウム塩)など
が例示される。脂肪酸エステルとしては、モノグリセリ
ドが好ましい。また、多価アルコールとしては、1,
3,5−ペンタントリオール、エリスリトール、ペンタ
エリスリトール、ジペンタエリスリトール、プロピレン
グリコールなどが好ましい。
本発明の乳剤を調製するには、乳化剤を0.1〜10W
/V%、好ましくは0.5〜3W/V%、さらに好まし
くは3W/V%程度含む所定量の塩類溶液にパーフルオ
ロカーボンを生成乳剤のパーフルオロカーボン含有率が
1〜100W/V%、好ましくは10/50W/V%、
さらに好ましくは25W/V%程度となるように加え、
ミキサーで撹拌して粗乳化液を形成せしめ、この粗乳化
液を乳化機で粒子径が、好ましくは0.05〜0.2μ
となるように均質化することによって達せられる。
また、粒子径分布を均一化する目的で、乳剤を製造した
後、遠心分離などの操作を加えてもよい。
〔作用・効果〕
本発明で使用される乳化剤は、化合物(1)および(2)に対
して極めて優れた乳化作用を有する。従って、本発明の
乳剤は本来微細粒子であるのみならず、加熱滅菌の際や
長期保存中に粒子が粗大化することがなく、従って、被
投与動物に対して粒子の粗大化に伴なう障害がなく高度
の安全性が保証される。さらに、本乳剤は超微細粒子で
あるので血液中での保持時間が長く、従って効率的な酸
素運搬機能を有する。
さらにまた、本乳剤は主として呼気排泄によってそのパ
ーフルオロカーボンが対外に排泄されるので、体内臓器
での長期にわたる蓄積がほとんどない。
本乳剤は酸素運搬機能を有し、哺乳動物等の血液の代用
として使用できるほか、臓器保存用の潅流液や心筋梗塞
改善、脳血流改善、火傷の治療に、また、PCTA(経
皮的冠動脈拡張術:Percuta-neous Transluminal Coron
ary Augioplosty)、血管造影剤、癌化学療法剤との併用
療法としても有効に利用できる。
〔実施例〕
次に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明す
る。
参考例1 卵黄リン脂質100gをクロロホルム−メタノール
(1:1)混合溶媒600mlに溶解した後、アルミナ6
00gを撹拌しながら加えた。5分間撹拌後、G4グラ
スフィルターにて吸引濾過し、分離したアルミナはクロ
ロホルム・メタノール混合溶媒400mlで洗った。瀘液
と洗液を併せたものに新たにアルミナ200gを撹拌し
ながら加えた。5分間撹拌後、G4グラスフィルターに
て吸引濾過し、分離したアルミナはクロロホルム・メタ
ノール混合溶媒200mlで洗った。濾液と洗液を併せた
後、4℃で 10000rpm 、10分間遠心分離した。上清を
1.0μミリポアフィルターで吸引濾過した後、溶媒を
留去することにより、ホスファチジルエタノールアミン
除去卵黄リン脂質(YPL′と略す)60g以上を得た
(ホスファチジルエタノールアミン含量は0.1%以下
であった)。
実施例1 10%のYPL′(参考例1で得たホスファチジルエタ
ノールアミン除去卵黄リン脂質)サスペンジョン 250ml
をバイオトロン型ミキサーで分散させる。別のビーカー
に量りとったFMIQ( 200g)に、YPL′サスペン
ションを加え、さらにソルビトール(34.9g)を溶
解させ、精製水で全量を 800mlとした。バイオトロン型
ミキサーで粗乳化後、マントン−ガウリン型ホモジナイ
ザーを用い、液温を65℃前後に保ちながらNガス気
流下で乳化した。2段目100kg/cm2、合計圧560k
g/cm2で行った。
実施例2 実施例1のFMIQの代わりにFMOQを 200g使う以
外は実施例1と同様に行った。
実験例1:乳剤の安定性 実施例1で得た乳剤と、実施例1のYPL′の代わりに
卵黄リン脂質〔ホスファチジルエタノールアミンを除去
しないもの(YPLと略す)〕を用いて得た従来乳剤を
0.65μのメンブランフィルターで濾過し、20mlの
瓶に分注し、Nガス置換後、100℃、30分の加熱
処理し、5℃、室温に保存し、安定性に調べた。乳剤の
粒子径は光散乱法にて測定した。
かくして表1に、YPL′およびYPL乳剤について加
熱前後及び加熱後、5℃、室温(15〜28℃)に保存
し、安定性を比較した結果を示した。
実験に用いたFMIQ/YPL′、FMOQ/YPL′
乳剤の組成は次の通りである。
FMIQ(又はFMOQ) 25% YPL′ 3% D−ソルビトール 4.36% 実験例2 実施例2で得た乳剤と実施例のYPL′の代わりにYP
Lを用いて、実験例1と同様に実験を行った。その結果
は表2に示す通りである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】実質的にホスファチジルエタノールアミン
    を含まない卵黄リン脂質を乳化剤としてなることを特徴
    とする一般式 (式中、A環及びB環はそれらのいずれか一方又は双方
    が低級パーフルオロアルキル基で置換されていてもよ
    く、lは3又は4を、m+nは2又は3を、Rは低級パ
    ーフルオロアルキル基を示す)および (式中、C環及びD環はそれらのいずれか一方又は双方
    が低級パーフルオロアルキル基で置換されていてもよ
    く、p及びqはそれぞれ3又は4を示す) で表わされる化合物から選ばれる少なくとも一種を主成
    分とするパーフルオロカーボン乳剤。
JP7624085A 1985-04-09 1985-04-09 パ−フルオロカ−ボン乳剤 Expired - Lifetime JPH0639381B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7624085A JPH0639381B2 (ja) 1985-04-09 1985-04-09 パ−フルオロカ−ボン乳剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7624085A JPH0639381B2 (ja) 1985-04-09 1985-04-09 パ−フルオロカ−ボン乳剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS61233615A JPS61233615A (ja) 1986-10-17
JPH0639381B2 true JPH0639381B2 (ja) 1994-05-25

Family

ID=13599647

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7624085A Expired - Lifetime JPH0639381B2 (ja) 1985-04-09 1985-04-09 パ−フルオロカ−ボン乳剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0639381B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0372423A (ja) * 1989-05-26 1991-03-27 Green Cross Corp:The パーフルオロカーボン化合物含有乳化製剤
WO2010077671A2 (en) 2008-12-08 2010-07-08 University Of Utah Research Foundation Stable perfluorocarbon emulsion for use as an artificial oxygen carrier
CN117483931B (zh) * 2024-01-03 2024-04-23 四川钛程钛业有限公司 一种新型船用金属复合板的爆炸焊接制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPS61233615A (ja) 1986-10-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0282949B1 (en) Concentrated stable fluorchemical aqueous emulsions
US4866096A (en) Stable fluorochemical aqueous emulsions
US4423077A (en) Perfluorochemical emulsion artificial blood
JPS60149524A (ja) プロスタグランジン脂肪乳剤
US3962439A (en) Oxygen-transferable emulsion
EP0196776B1 (en) Emulsions of perfluorocarbons in aqueous media
US3993581A (en) Process for preparing stable oxygen transferable emulsion
GB2050799A (en) Fat emulsion for intravenous injection and method of preparing it
EP0231091A1 (en) Stable emulsions of highly fluorinated organic compound
JPH0157094B2 (ja)
JPH0157096B2 (ja)
US4497829A (en) Process for preparing perfluorochemical emulsion artificial blood
JPS5835485B2 (ja) 酸素運搬輸液
AU679052B2 (en) Fluorocarbon emulsions with reduced pulmonary gas-trapping properties
JPH0639381B2 (ja) パ−フルオロカ−ボン乳剤
US5514720A (en) Stable emulsions of highly fluorinated organic compounds
WO1999009992A1 (fr) Promoteurs de neovascularisation
JPH0145446B2 (ja)
JPH11509843A (ja) 連続フッ素化相からなるリバースゲル
JPS60166626A (ja) 血管造影剤
JPH0469340A (ja) プロスタグランジンe↓1脂肪乳剤
JPH04338333A (ja) プロスタグランジンe1脂肪乳剤
RU2240108C1 (ru) Эмульсия перфторорганических соединений с газотранспортными свойствами
JPS5995219A (ja) 合成肺表面活性物質及びそれを有効成分とする呼吸窮迫症候群治療剤
JPH0157095B2 (ja)