JPH063924U - コンベアベルト装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 被搬送物の落下を効果的に防止するととも
に、生産性および寿命の向上を図ることを目的とする。 【構成】 無端状のベルト本体１の両側部分に波形耳桟
２がベルト本体１の長手方向に固定されて設けられ、ま
たベルト本体１の長手方向適当間隔置きに板状横桟３が
設けられて両側の波形耳桟２間を長手方向に仕切り、前
記波形耳桟２と板状横桟３の間の隙間を埋め両端が板状
横桟３から突出する接合用ゴム板４を板状横桟３に固定
するともにこの接合用ゴム板４の両端突出部を波形耳桟
２に固定してなり、接合用ゴム板４により波形耳桟２と
板状横桟３との隙間を埋めているので、波形耳桟２と板
状横桟３との間からの被搬送物の落下を効果的に防止す
ることができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、コンベアベルト装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

通常、急な傾斜角で設けられるコンベアベルトにはそのベルト本体の両側部分 に波形耳桟がベルト本体長手方向に設けられ、またベルト本体の長手方向適当間 隔置きに板状横桟が設けられて両側の波形耳桟間を長手方向に仕切っている。そ して、この仕切られた空間部に被搬送物を閉じ込めて、急な傾斜角で被搬送物を 搬送させるようになっている。

【０００３】 ところで、前記波形耳桟および板状横桟はベルト本体に別々に接着されていて 、波形耳桟と板状横桟との間は接着されておらず、両者間に隙間が発生する。こ のため、被搬送物が粉状や粒状であると、急な傾斜角で被搬送物を搬送させたと き、前記隙間から被搬送物がこぼれ落ち、落下物により周囲が汚れるという問題 があった。

【０００４】 この問題を解決するために波形耳桟と板状横桟を一体成形することや、波形耳 桟と板状横桟をボルトなどにより繋ぐことが考えられるが、前者の一体成形する 場合は一体成形品をベルト本体に接着するのが困難であり、大量生産ができない 。また、後者の波形耳桟と板状横桟をボルトなどにより繋ぐ場合は波形耳桟と板 状横桟との間で無理な力が加わり、ベルト寿命が損なわれる。また、耳桟は波形 であるため、耳桟と板状横桟との接合面が一致せず（共通平面がとれず）、接合 作業が極めて困難であるという欠点があった。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

本考案はこのような課題を解決するもので、被搬送物の落下を効果的に防止す るとともに、生産性および寿命の向上を図ることを目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

この課題を解決するために本考案は、無端状のベルト本体の両側部分に波形耳 桟がベルト本体の長手方向に固定されて設けられ、またベルト本体の長手方向適 当間隔置きに板状横桟が設けられて両側の波形耳桟間を長手方向に仕切り、前記 波形耳桟と板状横桟の間の隙間を埋め両端が板状横桟から突出する接合用ゴム板 を板状横に固定するともにこの接合用ゴム板の両端突出部を波形耳桟に固定して なることを要旨とするものである。

【０００７】

【作用】

上記構成により、接合用ゴム板により波形耳桟と板状横桟との隙間を埋めてい るので、急な傾斜角で被搬送物を搬送させるようなコンベアベルト装置であつて も、前記波形耳桟と板状横桟との間からの被搬送物の落下を効果的に防止するこ とができる。このように被搬送物の落下が防止されることにより、周囲環境を汚 染することがなく、また落下したものを回収するための回収装置が不要である。 また、板状横桟は波形耳桟に対し接合用ゴム板を介して弾力的に接続されている ので、波形耳桟との間で無理な力が働かず、高速で動作するベルトの激しい運動 にも十分に耐えられる。さらに、接合用ゴム板はベルト本体の横方向の撓みに対 して抵抗力として働き、ベルト本体の横剛性を改善できる。以上のことから、生 産性および寿命の向上を図ることができる。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の一実施例について、図面に基づいて説明する。 図１〜図４において、１は無端状のベルト本体で、このベルト本体１の両側部 分に波形耳桟２、２がベルト本体１の長手方向にボルトおよびナットにより固定 されて設けられ、またベルト本体１の長手方向適当間隔置きに板状横桟３が一体 に設けられていて両側の波形耳桟２、２間を長手方向に仕切っている。そして、 この仕切られた空間部に被搬送物を閉じ込めて、急な傾斜角で被搬送物を搬送さ せるようになっている。４は前記板状横桟３の下端部近傍に重なりボルト５およ びナット６により固定され、両端が板状横桟３から突出して前記波形耳桟２、２ にボルト７およびナット８により固定される接合用ゴム板で、前記波形耳桟２と 板状横桟３との間の隙間を埋めるものである。

【０００９】 ところで、前記接合用ゴム板４の厚さは可撓性が損なわれない範囲であれば特 に制限は無いが、好ましくは３〜１５mm、より好ましくは５〜１０mmである。接 合用ゴム板４の厚さが１５mmを超えると可撓性が不十分となり、波形耳桟２と板 状横桟３に無理な力が加わる。即ち、急傾斜コンベアベルト装置の運転時にベル ト本体１の運動に伴い、波形耳桟２と板状横桟３も運動し、変形などの外力を受 けるが、本来波形耳桟２と板状横桟３は独立して位相の異なる運動をするもので あるから、両者を強制的に剛直に連結するとどうしても無理な力が加わる。また 、接合用ゴム板４の厚さが３mm未満であると、強度が弱く接合用ゴム板４が早期 に破壊するなどの問題が発生する。

【００１０】 また、接合用ゴム板４の縦幅は波形耳桟２と板状横桟３の高さの２０〜９０％ 、好ましくは３０〜６０％であり、２０％未満であると被搬送物の落下を効果的 に防止できず、９０％を超えても落下防止効果が向上しない。

【００１１】 なお、板状横桟３に対する接合用ゴム板４の接合位置は板状横桟３の下端から ２０〜５０mm上部に接合用ゴム板４の下端が位置するように設定されている。 さらに、接合用ゴム板４の材質としては特に制約はないが、天然ゴムが最も好 ましい。

【００１２】

【考案の効果】

以上のように本考案によれば、接合用ゴム板により波形耳桟と板状横桟との隙 間を埋めているので、急な傾斜角で被搬送物を搬送させるようなコンベアベルト 装置であつても、前記波形耳桟と板状横桟との間からの被搬送物の落下を効果的 に防止することができる。このように被搬送物の落下が防止されることにより、 周囲環境を汚染することがなく、また落下したものを回収するための回収装置が 不要である。また、板状横桟は波形耳桟に対し接合用ゴム板を介して弾力的に接 続されているので、波形耳桟との間で無理な力が働かず、高速で動作するベルト の激しい運動にも十分に耐えられる。さらに、接合用ゴム板はベルト本体の横方 向の撓みに対して抵抗力として働き、ベルト本体の横剛性を改善できる。以上の ことから、生産性および寿命の向上を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例におけるコンベアベルト装置
図の要部平面図である。

【図２】同側断面図である。

【図３】図２のＸ−Ｘ断面図である。

【図４】図３のＹ−Ｙ断面図である。

【符号の説明】

１ ベルト本体 ２ 波形耳桟 ３ 板状横桟 ４ 接合用ゴム板 ５ ボルト ６ ナット ７ ボルト ８ ナット

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 無端状のベルト本体の両側部分に波形耳
   桟がベルト本体の長手方向に固定されて設けられ、また
   ベルト本体の長手方向適当間隔置きに板状横桟が設けら
   れて両側の波形耳桟間を長手方向に仕切り、前記波形耳
   桟と板状横桟の間の隙間を埋め両端が板状横桟から突出
   する接合用ゴム板を板状横に固定するともにこの接合用
   ゴム板の両端突出部を波形耳桟に固定してなるコンベア
   ベルト装置。