JPH0639007B2 - カツタ−装置 - Google Patents

カツタ−装置

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JPH0639007B2
JPH0639007B2 JP60262367A JP26236785A JPH0639007B2 JP H0639007 B2 JPH0639007 B2 JP H0639007B2 JP 60262367 A JP60262367 A JP 60262367A JP 26236785 A JP26236785 A JP 26236785A JP H0639007 B2 JPH0639007 B2 JP H0639007B2
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cutting
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弘 奥西
繁 山岸
惠也 篠
光男 田村
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Honda Motor Co Ltd
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【発明の詳細な説明】 本発明はカッター装置に関し、一層詳細には、単一のカ
ッターボデイの内周部または外周部に二種類の刃部を夫
々の切削回転方向を異にして位置調整可能に連設すると
共に、回転力伝達手段の作用下に前記カッターボデイを
回転駆動源と一体的に回転させるように達成したカッタ
ー装置に関する。
一般に、クランク軸を構成するピン、ジャーナル等の外
周部を加工する場合、回転駆動源の作用下に円形状のカ
ッターを回転させると共に、前記クランク軸あるいはカ
ッターを所定方向に相対的に変位させてワークに対し切
削加工を施している。
ところで、上記クランク軸を加工する場合には、通常、
荒切削加工が行われた後に仕上切削加工が施されてい
る。このため、荒切削加工と仕上切削加工とを単一のカ
ッターにより行うことが要請されており、例えば実公昭
57−57867号に開示されたフライスカッターが用
いられている。このフライスカッターでは、カッターボ
デイにカートリッジが反転可能にねじ止めされており、
このカートリッジの隅角部に荒切削用第1チップと仕上
切削用第2チップとが固着されている。
然しながら、上記の従来技術では、第1チップで荒切削
加工を行った後、各カートリッジをそれぞれ個別に反転
させなければならず、特に高精度加工に対応すべく多数
のカートリッジを備える場合に前記カートリッジの反転
作業が相当に煩雑なものとなっていまう。これにより、
加工作業の効率化が達成されないという不都合が指摘さ
れている。
本発明は前記の不都合を克服するためになされたもので
あって、単一のカッターボデイでワークに対して異なる
二種の切削加工を効率的に且つ高精度で行い、しかも、
特に、他方の刃部、例えば、荒切削用刃部が加工時に受
ける切削抵抗に十分に抗して前記カッターボデイを確実
に回転させることを可能にしたカッター装置を提供する
ことを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は回転駆動源に連
結するドラム部材と、 前記ドラム部材に所定の角度範囲で回動自在に装着され
る円盤状のカッターボデイと、 前記カッターボデイの内周部に対し、変位可能に且つ切
削回転方向を逆にして装着される夫々複数の第1および
第2刃部と、 前記ドラム部材と前記第1刃部との間に配設される回転
力伝達手段と、 を備え、 前記回転力伝達手段は、前記第1刃部に係着され弾性体
を介して該第1刃部を前記カッターボデイの内方に付勢
するロッド部材と、 前記ドラム部材に形成され前記ロッド部材に係合する溝
部と、 を有すると共に、 前記溝部は、前記ドラム部材を前記カッターボデイに対
し相対的に前記第1刃部の切削回転方向に回動させるこ
とにより前記ロッド部材と一体的に該第1刃部を前記第
2刃部よりもワーク側に変位させるためのカム面部と、 前記ドラム部材を前記カッターボデイに対し相対的に前
記第2刃部の切削回転方向に回動させることにより前記
ロッド部材と一体的に該第1刃部を前記第2刃部よりも
該ワークから離間する側に変位させ且つ前記ドラム部材
の回転力を該ロッド部材を介して前記カッターボデイに
伝達するための回転力伝達用面部と、 を有することを特徴とする。
このように構成される本発明に係るカッター装置では、
ドラム部材がカッターボデイに対して第2刃部の切削回
転方向に回動されると、カム面とロッド部材との案内作
用下に複数の前記第1刃部が第2刃部よりもワークから
離間する側に一体的に変位すると共に、ロッド部材が回
転力伝達用面部に係合する。この状態で、回転駆動源を
介してドラム部材が第2刃部の切削回転方向に回転する
と、前記第2刃部によりワークが切削(荒切削)され
る。その際、ドラム部材回転が回転力伝達用面部および
ロッド部材を介してカッターボデイに確実に伝達される
ため、第2刃部に比較的大きな切削抵抗が作用しても前
記カッターボデイをドラム部材に対して強固に保持する
ことができる。
次いで、ドラム部材が、カッターボデイに対して第1刃
部の切削回転方向に回動されると、複数の第1刃部が第
2刃部よりもワーク側に一体的に変位する。従って、ド
ラム部材が第1刃部の切削回転方向に回転すると、この
第1刃部によりワークに切削(仕上切削)加工が施され
る。
次に、本発明に係るカッター装置について好適な実施例
を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明す
る。
第1図乃至第3図において、参照符号10は本発明に係る
カッター装置を構成するカッターボデイを示す。カッタ
ーボデイ10の中央部には大径な開口部12を形成してお
り、前記カッターボデイ10の外周端縁部に薄肉状のフラ
ンジ部14を形成する。また、カッターボデイ10の外周端
縁部に形成される周面部15には等間隔で離間する複数の
螺孔16がカッターボデイ10の半径方向に指向して穿設さ
れる。一方、カッターボデイ10の開口部12を画成する内
周面部には一対の第1の取付部18a、18bを等間隔離間
して、例えば、3乃至9個所に千鳥状に形成すると共
に、第2の取付部20a、20bを交互に、すなわち、千鳥
状に設けておく。
第1取付部18aはカッターボデイ10の半径方向外方に指
向して連設される略角柱状の第1の溝部22aと第2の溝
部24aとを含み、前記第1溝部22aと第2溝部24aの境
界部位には回転方向に指向して傾斜する面部26aが形成
される。第1溝部22aを画成する一面部28aはカッターボ
デイ10の半径方向外方に指向してこのカッターボデイ10
の内部に傾斜しており、第2溝部24aを画成しカッター
ボデイ10の回転方向に指向する面部30aには半径方向に
指向して孔部32aを穿設する。前記孔部32aは段部を介
して大径な孔部34aに連通している(第3図参照)。な
お、前記カッターボデイ10の内周面部と第1溝部22aを
画成する一面部と隅角部には切削屑を外部に導出するた
めの逃げ溝35aを形成しておく。
一方、第1取付部18bは前述した第1取付部18aと同様
に構成されるものであり、従って、同一の構成要素には
同一の参照数字にbを付してその詳細な説明は省略す
る。
さらにまた、第2取付部20a、20bは略角柱状を呈して
おり、前記第2取付部20a、20bを構成しカッターボデ
イ10の回転方向に指向する面部36a、36bには刃部取付
用の第1の螺孔38a、38bと刃部位置調整用の第2の螺
孔40a、40bを前記カッターボデイ10の軸線方向に整列
して穿設する(第2図参照)。この場合、前記第2螺孔
40a、40bは第2取付部20a、20bに形成される半円柱
状の溝部42a、42bの中心軸線に対応して形成されてい
る。なお、面部36a、36bとカッターボデイ10の半径方向
に指向して傾斜する面部44a、44bとの隅角部には直角
より小さな角度を設ておくと好適である。また、面部44
a、44bに対応する面部とカッターボデイ10の内周面部
の隅角部には逃げ溝45a、45bが形成される。
そこで、第1取付部18a、18bに仕上切削加工用の第1
の刃部46a、46bを装着する。前記第1刃部46a、46b
は夫々の溝部22a、22bと24a、24bに嵌入される膨出
する形状の第1の嵌合部48a、48bと第2の嵌合部50
a、50bとを含み、前記第1嵌合部48a、48bと第2嵌
合部50a、50bとの境界部位には面部26a、26bに対応
して傾斜する面部52a、52bを形成する。第1刃部46
a、46bを構成する一面部54a、54bは第1取付部18a、
18bの面部28a、28bに対応して傾斜しており、前記第
1刃部46a、46bの先端部をなす面部には湾曲する逃げ
面56a、56bを形成し、前記逃げ面56a、56bにはボル
ト挿通用孔部58a、58bを貫通形成しておく。そして、
第1嵌合部48a、48bの一隅角部にはチップ取付用溝部
60a、60bを形成し、前記チップ取付用溝部60a、60b
に仕上加工用チップ62a、62bをろう付けあるいはボル
ト等を介して固着する。前記チップ62a、62bには互い
に直交する方向に夫々切刃部64a、64bと66a、66bが
設けらている。この場合、第1刃部46a、46bの面部54
a、54bに対応する面部をチップ62a、62bから離間す
る方向に指向してしかも内方に傾斜させて形成すると好
適である。
このようにして構成される第1刃部46a、46bに回転力伝
達手段を構成するロッド部材68a、68bを装着する(第
3図参照)。すなわち、前記ロッド部材68a、68bは第
1取付部18a、18bの孔部32a、32bに嵌合するものであ
り、その一端縁部近傍にフランジ部70a、70bを形成す
ると共に、前記ロッド部材68a、68bの一端部側には略半
球状の円滑な表面からなる係合面72a、72bを形成して
おく。また、前記ロッド部材68a、68bには軸線方向に沿
って螺孔74a、74bを穿設する。
そこで、第1刃部46a、46bの孔部58a、58bに所定の弾
性を有するねじ部材76a、76bを挿通し、夫々の先端部
を螺孔74a、74bに螺入して前記第1刃部46a、46bに
ロッド部材68a、68bを固着する。なお、フランジ部70
a、70bとカッターボデイ10の孔部34a、34bにより画
成される空間内にはコイルスプリング78a、78bを介装し
ておく。
一方、第2取付部20a、20bには荒切削加工用の第2の
刃部80a、80bを装着する。前記第2刃部80a、80bの
一面部82a、82bと面部84a、84bとの隅角部は第2取付
部20a、20bの面部36a、36bと44a、44bとの隅角部
に対応して傾斜している。前記面部84a、84bに対応す
る面部にはチップ取付用の溝部86a、86bを形成し、面
部82a、82bに対応する面部には屈曲する逃げ面88a、
88bを形成すると共に、前記逃げ面88a、88bからボル
ト挿通用孔部90a、90bを貫通穿設する。また、第2刃部
80a、80bの一面部92a、92bは面部84a、84bから離
間するに従って外方に傾斜し、一方、前記面部92a、92
bに対応する面部94a、94bは逃げ面88a、88bから離
間する方向に指向して外方に傾斜している。
第2刃部80a、80bの溝部86a、86bは荒加工用チップ
96a、96bがろう付け、あるいは、ボルト等を介して固
着される。前記チップ96a、96bには直交する方向に切
刃部98a、98bと100a、100bとを設けておく。
ここで、第2刃部80a、80bの孔部90a、90bにボルト10
2a、102bを挿通し、夫々の先端部を螺孔38a、38bに螺
入して前記第2刃部80a、80bを第2取付部20a、20b
に装着する。さらに、調整ねじ104a、104bを螺孔40a、
40bに螺入し、夫々のテーパ部106a、106bで面部94a、
94bを押圧して第2刃部80a、80bの位置調整を行う。
この場合、図から諒解されるように、前記第2刃部80
a、80bのチップ96a、96bと第1刃部46a、46bのチ
ップ62a、62bは夫々反対方向に取り付けらており、従
って、カッターボデイ10を時計方向と反時計方向の両方
向に回転させて荒切削加工と仕上切削加工とを夫々独立
して行うよう構成されている。
ところで、カッターボデイ10は回転駆動軸108に係合し
てこのカッターボデイ10を時計方向および反時計方向に
回転させるための回転部、すなわち、ドラム部材110 に
装着される。ドラム部材110 の中央部に大径な開口部11
2 が設けられており、前記ドラム部材110 の内周端縁部
にはカッターボデイ10のフランジ部14の対応するフラン
ジ部114 が形成される。前記開口部112 を画成する内周
面部にはロッド部材68a、68bに係合する一対の係合面
116a、116bを形成する。この場合、前記係合面116a、11
6bはドラム部材110 の略半径方向外方に指向すると共に
ロッド部材68a、68bの半球状の端部に対応して屈曲す
る回転力伝達用面部118a、118bと、前記ロッド部材68
a、68bの係合面72a、72bに対応し前記ドラム部材11
0 の略円周方向に指向して傾斜する押圧用面部(カム面
部)120a、120bとを含む。
さらにまた、前記ドラム部材110 の内周面部にはクラン
プ用溝部122 をカッターボデイ10の螺孔16に対応して等
間隔離間して形成する。前記溝部122の中間部分122aは
ドラム部材110の軸線方向に対し最大の幅員を有してお
り、この溝部122 の両端部分122b、122cは夫々傾斜面12
4a、124bによって軸線方向の幅員を徐々に小さくしてい
る。この場合、前記溝部122 はカッターボデイ10の螺孔
16に螺着されるクランプ用ピン部材126 と係合するもの
であり、例えば、中間部分122aに前記ピン部材126 を外
部から挿通するための開口部128 を連通しておくと好適
である。
なお、図中、参照符号129 はカッターボデイ10を所定の
角度位置に位置決めするためのピン孔を示す。
本発明に係るカッター装置は基本的には以上のように構
成されるものであり、次にその作用並びに効果について
説明する。
そこで、先ず、カッターボデイ10をドラム部材110 に装
着する。すなわち、前記カッターボデイ10に螺着された
ピン部材126 を溝部122 に連通する開口部128 に対応さ
せて後、このカッターボデイ10をドラム部材110 に近接
変位させれば、前記ピン部材126 は溝部122 内に臨入す
るに至る。次いで、ピン孔129 に図示しない固定ピン嵌
挿して前記カッターボデイ10を保持した状態でドラム部
材110 を矢印A方向に回動すれば、ピン部材126 と傾斜
面124bとが圧接してカッターボデイ10をドラム部材110
側に押圧する(第5図参照)。従って、カッターボデイ
10のフランジ部14とドラム部材110 のフランジ部114 が
圧接して係合し、前記カッターボデイ10はドラム部材11
0 に強固に装着される。その際、夫々の係合面116a、11
6bが第3図に示すように位置決めされるため、ロッド部
材68a、68bはコイルスプリング78a、78bの弾発力によ
り矢印C方向に変位し、前記ロッド部材68a、68bを装着
する第1刃部46a、46bは傾斜する面部28a、28bと54
a、54bの作用下に矢印E方向に変位する(第4図参
照)。結局、仕上加工用チップ62a、62bは第2刃部80
a、80bに固着される荒加工用チップ96a、96bよりも
カッターボデイ10の内方に位置決めされる。一方、ロッ
ド部材68a、68bが係合面116a、116b側に押圧されるた
め、前記ロッド部材68a、68bの半球状の端部は回転力
伝達用面部118a、118bに係合する。
次いで、第2刃部80a、80bの位置調整を行う。すなわ
ち、前記第2刃部80a、80bを固着するボルト102a、10
2bを僅かに弛緩し、調整ねじ104a、104bを所定方向に螺
回して夫々のテーパ部106a、106bに当接する面部94a、
94bを介して前記第2刃部80a、80bをカッターボデイ
10の軸線方向に所定距離変位される。さらに、ボルト10
2a、102bを螺孔38a、38bに螺入すれば、第2刃部80
a、80bは夫々の面部82a、82bと84a、84bとが第2取
付部20a、20bの面部36a、36b並びに44a、44bに押
圧されて強固に固定される。この場合、チップ96a、96
bの切刃部98a、98bの間隔は切削されるワーク、例え
ば、クランクピン130 の軸線方向の長さに対し所望の寸
法により仕上代を見込んで短く選択しておく。
そこで、回転駆動軸108 に係合するドラム部材110 を、
第3図中、矢印A方向に回転すれば、前記ドラム部材11
0 の面部118a、118bに係合するロッド部材68a、68bを
介してカッターボデイ10が同様にして矢印A法に回転す
るに至る。そして、この回転するカッターボデイ10をク
ランクピン130 側に近接変位させれば、第2取付部20
a、20bに装着されている複数のチップ96a、96bの切刃
部100a、100bが前記クランクピン130の所定の部位を荒
切削加工し、一方、切刃部98a、98bがこのクランクピ
ン130 の軸線方向に対し荒切削加工を施す。さらに、前
記カッターボデイ10あるいはクランク軸を所定の方向に
変位させて、クランクピン130 の外周部全周を複数のチ
ップ96a、96bにより荒切削加工を行う。この場合、カ
ッターボデイ10はピン部材126と傾斜面124bとの楔作用
によりドラム部材110 に強固に装着されると共に、前記
ドラム部材110の回転は面部118a、118bとロッド部材68
a、68bを介して確実に前記カッターボデイ10に伝えるこ
とが出来る。なお、前記荒切削加工時に発生する切削屑
はカッターボデイ10の逃げ溝45a、45bを介して好適に
外部に導出される。
このようにして、第2刃部80a、80bによるクランクピ
ン130 の荒加工作業を終了して後、ドラム部材110 の回
転を停止し、次いで、仕上加工用第1刃部46a、46bの
位置調整を行う。すなわち、ピン孔129 に固定ピンを嵌
合してカッターボデイ10を保持し、ドラム部材110 を矢
印B方向に回動すれば、ピン部材126 は傾斜面124bとの
圧接状態を解除されて後、傾斜面124aと係合して前記カ
ッターボデイ10をドラム部材110 に強固に装着すること
が出来る。その際、係合面116a、116bの押圧用面部120
a、120bがロッド部材68a、68bの係合面72a、72bを矢
印D方向に押圧するため、前記ロッド部材68a、68bは
コイルスプリング78a、78bの弾発力に抗して矢印D方
向に変位し、第1刃部46a、46bは同様にして矢印D方向
に押圧されて変位する。この場合、前記1刃部46a、46
bの傾斜する面部54a、54bが第1取付部18a、18bの
面部28a、28bに当接すると共に、ねじ部材76a、76b
を所定の弾性を有する材料で形成するため、前記ロッド
部材68a、68bが矢印D方向に変位するに従って前記第
1刃部46a、46bは、第4図中、矢印F方向に変位す
る。そして、第1刃部46a、46bの面部52a、52bを第1
取付部18a、18bの面部26a、26bに係合して前記第1
刃部46a、46bはカッターボデイ10に位置決め保持され
る。
結局、チップ62a、62bの切刃部64a、64bはカッター
ボデイ10の軸線方向外方に変位して夫々の切刃部64a、
64bの側壁端の離間距離Hはクランクピン130 の軸線方
向に対し正確な寸法精度で設定される(第4図参照)。
一方、チップ62a、62bの切刃部66a、66bはカッター
ボデイ10の半径方向内方に変位し、荒切削用のチップ96
a、96bの切刃部100a、100bより前記クランクピン130
側に近接して位置決めされる(第6図参照)。
次いで、ドラム部材110 を前述した荒加工工程とは逆方
向、すなわち、矢印B方向に回転させながらカッターボ
デイ10あるいはクランク軸の所定の方向に変位させれ
ば、仕上加工用チップ62a、62bの切刃部64a、64bお
よび66a、66bを介してクランクピン130 の外周並びに
軸線方向に対し極めて寸法精度の高い切削加工を施すこ
とが出来る。なお、前記仕上切削加工時にクランクピン
130 から発生する切削屑はカッターボデイ10の逃げ溝35
a、35bを介して外部に導出される。
ところで、カッターボデイ10を新たなカッターボデイ10
と交換する際には、先ず、前記使用済みのカッターボデ
イ10に螺着されているピン部材126 を溝部122 の中間部
分122aに対応して位置決めする。そして、カッターボデ
イ10を軸線方向に退動動作させれば、ピン部材126 が開
口部128 から外部に臨み、結果的に、前記カッターボデ
イ10はドラム部材110 から取り出される。次いで、新た
なカッターボデイ10を前述した手順によりドラム部材11
0 に装着すればよい。
この場合、本発明によれば、第2刃部80a、80bでクラ
ンクピン130 を荒切削加工する際に、第1刃部46a、46b
に係着されるロッド部材68a、68bをスプリング78a、
78bの弾発力の作用下にドラム部材110 の面部118a、11
8bに係合させて前記ドラム部材110 の回転をカッターボ
デイ10に伝えている。このため、前記荒切削加工のよう
に第2刃部80a、80bに対し相当に大きな切削抵抗が作
用する場合にもカッターボデイ10はドラム部材110 と一
体的に回転し、よって、チップ96a、96bを介してクラ
ンクピン130 に良好な荒切削加工を施すことが出来る。
一方、第1刃部46a、46bでクランクピン130 を仕上切削
加工する際には、ロッド部材68a、68bの係合面72a、
72bがドラム部材110 の押圧用面部120a、120bにより矢
印D方向に押圧されると共に、前記第1刃部46a、46bの
面部52a、52bがカッターボデイ10の第1取付部18a、1
8bの面部26a、26bに係合している。従って、ドラム部
材110 が矢印B方向に回転すれば、カッターボデイ10も
同様にして矢印B方向に回転し、第1刃部46a、46bの
チップ62a、62bによるクランクピン130 の仕上切削加
工は極めて正確に且つ精度よく行うことが可能となる。
結局、荒切削加工時、または、仕上切削加工時にカッタ
ーボデイ10はドラム部材110 に対し変位することなく前
記ドラム部材110 と一体的に矢印A方向または矢印B方
向に回転することが出来る。
なお、本実施例では、内周部に複数のチップを有するカ
ッターボデイについて説明しているが、例えば、カッタ
ーボデイの外周部に同様にして取付部を形成し、前記カ
ッターボデイの内周部近傍にフランジ部を形成して前記
フランジ部を介してカッターボデイを回転駆動源に連結
するドラム部材等に装着するように構成すれば、本実施
例と同様な効果が得られることは容易に諒解されよう。
さらにまた、本実施例では、カッターボデイとドラム部
材とをピン部材と傾斜する面部との楔作用により一体的
に係着しているが、例えば、前記ドラム部材に長円孔を
形成し、ボルトを介して前記カッターボデイをこのドラ
ム部材に所定角度回動可能に装着してもよい。
以上のように、本発明によれば、二種類の刃部が切削回
転方向を異にして設けられたカッターボデイを回転駆動
源に係合するドラム部材に装着し、前記カッターボデイ
とドラム部材との相対的な回動作用下に前記二種類の刃
部のうち一方の刃部を全てカッターボデイの内方または
外方に変位させると共に、回動力伝達手段の作用下に前
記カッターボデイをドラム部材と一体的に回転するよう
構成している。このため、特に、荒切削加工のように刃
部が比較的大きな切削工程を受ける場合にも、カッター
ボデイがドラム部材に対して変位することがなく、極め
て良好に切削加工を行うことが出来る。しかも、一方の
刃部を一体的に位置決め調整することにより、クランク
軸等のように多種類の加工を必要とするワークに対しよ
り一層効率的且つ高精度な切削加工を施すことが可能と
なる。
以上、本発明について好適な実施例を挙げて説明した
が、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、本
発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の改良並びに
設計の変更が可能なことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係るカッター装置を構成するカッター
ボデイの概略説明図、 第2図は当該カッターボデイの一部概略説明図、 第3図は当該カッターボデイの一部平面図、 第4図は第3図のIV−IV線断面図、 第5図は第3図のV−V線断面図、 第6図は当該カッターボデイにおける刃部の位置調整の
説明図である。 10……カッターボデイ、12……開口部 14……フランジ部 18a、18b、20a、20b……取付部 46a、46b……刃部、62a、62b……チップ 80a、80b……刃部、96a、96b……チップ 104a、104b……調整ねじ、110 ……ドラム部材 114 ……フランジ部、116a、116b……係合面 118a、118b、120a、120b……面部 122 ……溝部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転駆動源に連結するドラム部材と、 前記ドラム部材に所定の角度範囲で回動自在に装着され
    る円盤状のカッターボデイと、 前記カッターボデイの内周部に対し、変位可能に且つ切
    削回転方向を逆にして装着される夫々複数の第1および
    第2刃部と、 前記ドラム部材と前記第1刃部との間に配設される回転
    力伝達手段と、 を備え、 前記回転力伝達手段は、前記第1刃部に係着され弾性体
    を介して該第1刃部を前記カッターボデイの内方に付勢
    するロッド部材と、 前記ドラム部材に形成され前記ロッド部材に係合する溝
    部と、 を有すると共に、 前記溝部は、前記ドラム部材を前記カッターボデイに対
    し相対的に前記第1刃部の切削回転方向に回動させるこ
    とにより前記ロッド部材と一体的に該第1刃部を前記第
    2刃部よりもワーク側に変位させるためのカム面部と、 前記ドラム部材を前記カッターボデイに対し相対的に前
    記第2刃部の切削回転方向に回動させることにより前記
    ロッド部材と一体的に該第1刃部を前記第2刃部よりも
    該ワークから離間する側に変位させ且つ前記ドラム部材
    の回転力を該ロッド部材を介して前記カッターボデイに
    伝達するための回転力伝達用面部と、 を有することを特徴とするカッター装置。
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JPS53123588U (ja) * 1977-03-08 1978-10-02
JPS58106113U (ja) * 1982-01-07 1983-07-19 三菱マテリアル株式会社 カツタ−取り付け装置

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