JPH0638839Y2 - ペ−パ−スイツチバツク搬送機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、ペーパースイッチバック搬送機構に関し、特
に両面複写機において定着部を出たペーパーを反転帰還
（スイッチバック）させる機構として有用である。

従来技術 第１図は本考案のペーパースイッチバック搬送機構１を
示すものであるが、第１図に関する限り従来も同様であ
るので、これを用いて説明する。

複写機の定着部出口Ｅを出たペーパーＰは、第１の分岐
ガイド部材２、搬送ローラ対３および第２の分岐ガイド
部材６を経て、排紙ローラ対７の上側ローラ８と反転ロ
ーラ10の間を通り、上方へ中途まで搬送される。そし
て、中途で反転ローラ10を破線のように移動せしめて、
ペーパーＰを排紙ローラ対７の上側ローラ８に押しつ
け、その回転により下方に反転移動させ、搬送ローラ対
３の下側ローラ５と従動ローラ11の間を通し、帰還ガイ
ド部12へと導く。

ここで、排紙ローラ対の上側ローラ８は常に矢印αのよ
うに回転しているので、最初にペーパーＰを上方に移動
するときは逆方向回転となり、ペーパーＰのジャムを発
生させやすい。

そこで、ガイド板13を上側ローラ８と面一に設けて、ジ
ャムの発生を防止するようにしている。

従来技術の問題点 上述の如き従来の構成では、ガイド板13を排紙ローラの
上側ローラ８と厳しく面一に設ける必要がある。なぜな
ら、上側ローラ８がガイド板13より出すぎると、ガイド
板13を設けた意味がなく、ペーパーＰの逆回転の上側ロ
ーラ８に引っ掛かり、ジャムを発生してしまう。一方、
上側ローラ８よりガイド板13を出しすぎると、ジャムの
発生は防止されるが、反転ローラ10がペーパーＰを上側
ローラ８に押しつけるときに、ガイド板13と上側ローラ
８の段差のためにペーパーＰが傷つけられてしまうから
である。

しかし、このように厳しい調整を必要とすることは、組
み立て工程に負担をかける問題点がある。

考案の目的 本考案の目的とするところは、ガイド板の厳しい位置調
整を必要とせず、組み立て工程上の負担を軽減できるよ
うにしたペーパースイッチバック搬送機構を提供するこ
とにある。

考案の構成 本考案にペーパースイッチバック搬送機構は、一方向に
回転するスイッチバックローラの回転方向と逆方向にペ
ーパーを送り、中途まで送り進めたときに反転ローラに
よりペーパーをスイッチバックローラに押しつけ、その
スイッチバックローラの回転によりペーパーを送り戻す
ペーパースイッチバック搬送機構において、スイッチバ
ックローラの周面の一部分を円環状のゴム状表面部分と
し、周面の他の部分を硬質表面部分とし、且つ、硬質表
面部分がゴム状表面部分に対して僅かに凸である構造に
スイッチバックローラを形成したことを構造上の特徴と
するものである。

作用 スイッチバックローラはペーパーの最初の搬送方向と逆
回転であるが、その硬質表面部分がゴム状表面部分に対
して僅かに凸であるから、ペーパーは硬質表面部分と接
触して滑り、ゴム状表面部分に引っ掛かることが防止さ
れる。

即ち、ローラ自体がペーパーに引っ掛かりにくい構造と
なっている。

従って、厳密に位置調整してガイド板を設けることが不
要となる。

反転移動させるときは、反転ローラ10によりペーパーを
ゴム状表面部分に押しつけるから、問題なく反転移動で
きる。

硬質表面部分をゴム状表面部分より僅かに凸とする度合
はその段差によりペーパーが傷つかない程度とする必要
があるが、かかるローラの制作上の精度は、現在の技術
水準上全く問題ではない。

実施例 以下、図に示す実施例に基づいて、本考案を更に詳しく
説明する。ここに第１図は本考案の一実施例のペーパー
スイッチバック搬送機構の構成概念図、第２図は第１図
におけるＡ矢視図、第３図は排紙ローラ対の上側ローラ
の他の一例の断面図である。なお、図に示す実施例によ
り本考案が限定されるものではない。

第１図に示すペーパースイッチバック搬送機構１は、複
写機の定着部出口Ｅの後に設けられているもので、両面
コピー時にペーパーＰを反転帰還するのに用いられる。

その作動の概要は先に説明した通りであるが、再度述べ
ると、定着部出口Ｅを出たペーパーＰは、第１の分岐ガ
イド部材２、搬送ローラ対３および第２の分岐ガイド部
材６を経て、排紙ローラ対７の上側ローラ８と反転ロー
ラ10の間の空隙を通り、上方へ一旦搬送される。

中途まで上方へ搬送した時点で、反転ローラ10を破線の
ように移動い、ペーパーＰを上側ローラ８に押しつけ
る。

上側ローラ８は常に矢印αのように回転しており、ペー
パーＰはその回転によって下方に反転移動され、搬送ロ
ーラ対３の下側ローラ５と従動ローラ11の間を通って帰
還ガイド部12へと導かれる。

第２図に示すように、上側ローラ８は周面中央部分にゴ
ム状表面部分15を有し、周面両端部分に硬質表面部分1
6,16を有している。

ゴム状表面部分は、例えば硬質ポリウレタンゴムの如き
合成ゴム製である。

硬質表面部分16,16は、例えばポリアミド系樹脂の如き
硬質樹脂製である。

ゴム状表面部分15に対して硬質表面部分16,16は僅かに
凸に形成されている。

ペーパーＰの最初の搬送方向と上側ローラ８の回転方向
αとは逆方向であるが、ペーパーＰは上側ローラ８に接
触したとき、硬質表面部分16,16で滑り、ゴム状表面部
分15に引っ掛からない。即ち、上側ローラ８それ自体が
ジャムを発生しにくい構成となっている。

従って、ガイド板13の位置調整を厳しく要求されないこ
ととなり、組み立て工程上の負担が軽減される。

反転ローラ10でペーパーＰを上側ローラ８に押しつける
ときは、ペーパーＰはゴム状表面部分15に押しつけられ
るので、上側ローラ８の回転力がペーパーＰに好適に伝
達され、下向きに搬送されるようになる。

この場合、硬質表面部分16,16をゴム状表面部分15より
僅かに凸とする度合は、反転ローラ10で押えられたとき
に、ペーパーＰが傷つかない程度とする。かかる上側ロ
ーラ８の制作は、現在の技術水準において全く問題とな
ることはない。

さて、第２図に示した上側ローラ８は硬質樹脂製フラン
ジの間にゴム製ロールを挟んだ構造となっているが、他
の例としては、第３図に示すように、硬質樹脂製のコロ
17の中央凹部にシリンダ状ゴム18を嵌合した構造のもの
が挙げられる。

さらに他の実施例としては、ローラの中央部分を硬質表
面部分とし、両端部分をゴム状表面部分としたものが挙
げられる。

以上の説明から理解されるように、このペーパースイッ
チバック搬送機構１によれば、ガイド板13の厳しい位置
調整が要求されないので、組み立て工程上の問題点が解
消される。

考案の効果 本考案によれば、一方向に回転するスイッチバックロー
ラの回転方向と逆方向にペーパーを送り、中途まで送り
進めたときに反転ローラによりペーパーをスイッチバッ
クローラに押しつけ、そのスイッチバックローラの回転
によりペーパーを送り戻すペーパースイッチバック搬送
機構において、スイッチバックローラの周面の一部分を
円環状のゴム状表面部分とし、周面の他の部分を硬質表
面部分とし、且つ、硬質表面部分がゴム状表面部分に対
して僅かに凸である構造にスイッチバックローラを形成
したことを特徴とするペーパースイッチバック搬送機構
が提供され、これによりスイッチバックローラの周面に
対するペーパーの引っ掛かりが防止されることから装置
全体の組み立て時の厳しい調整が不要となるので、組み
立て工程上の負担が軽減される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例のペーパースイッチバック搬
送機構の構成概念図、第２図は第１図におけるＡ矢視
図、第３図は排紙ローラ対の上側ローラの他の一例の断
面図である。 （符号の説明） １……ペーパースイッチバック搬送機構 ３……搬送ローラ対 ７……排紙ローラ対 8,8′……上側ローラ 10……反転ローラ 13……ガイド板 15……ゴム状表面部分 16……硬質表面部分 17……硬質樹脂製コロ 18……シリンダ状ゴム Ｐ……ペーパー

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】一方向に回転するスイッチバックローラの
   回転方向と逆方向にペーパーを送り、中途まで送り進め
   たときに反転ローラによりペーパーをスイッチバックロ
   ーラに押しつけ、そのスイッチバックローラの回転によ
   りペーパーを送り戻すペーパースイッチバック搬送機構
   において、 スイッチバックローラの周面の一部分を円環状のゴム状
   表面部分とし、周面の他の部分を硬質表面部分とし、且
   つ、硬質表面部分がゴム状表面部分に対して僅かに凸で
   ある構造にスイッチバックローラを形成したことを特徴
   とするペーパースイッチバック搬送機構。
2. 【請求項２】ゴム状表面部分が天然または合成ゴム製で
   ある実用新案登録請求の範囲第１項記載のペーパースイ
   ッチバック搬送機構。
3. 【請求項３】硬質表面部分が硬質樹脂製である実用新案
   登録請求の範囲第１項又は第２項記載のペーパースイッ
   チバック搬送機構。
4. 【請求項４】スイッチバックローラが、両面複写機の排
   紙ローラ対の上側ローラである実用新案登録請求の範囲
   第１項又は第２項又は第３項に記載のペーパースイッチ
   バック搬送機構。