JPH0638772Y2 - シ−トベルトアンカ−装置 - Google Patents

シ−トベルトアンカ−装置

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JPH0638772Y2
JPH0638772Y2 JP1985188494U JP18849485U JPH0638772Y2 JP H0638772 Y2 JPH0638772 Y2 JP H0638772Y2 JP 1985188494 U JP1985188494 U JP 1985188494U JP 18849485 U JP18849485 U JP 18849485U JP H0638772 Y2 JPH0638772 Y2 JP H0638772Y2
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pin
locking pin
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は、自動車等に取り付けられる車輌用シートベル
トの肩部を高さ調節可能に挿通支持する装置に係り、特
にその操作部分の操作性を良好ならしめると共に、車輌
横転等の高衝撃時にシートベルトの支持部分が不意に移
動するのを防止する機能を備えたシートベルトアンカー
装置に関するものである。
(従来の技術) 自動車等に装備されるシートベルト装置のうちでも、と
りわけ肩腰兼用の連結ベルトを使用したものにあつて
は、乗員の座高や体格に合わせて、正確に乗員の肩部に
シートベルトを装着させるため、シートベルトの中間部
を挿通支持するスリツプアンカーを車体のセンターピラ
ーに対し、上下取付位置調整可能に取着するシートベル
トアンカー装置が採用されている。
ところで、この種従来のシートベルトアンカー装置は、
一般にセンターピラー等の車体に固定される縦長のレー
ル部材に、シートベルトを挿通案内するスリツプアンカ
ーを連結したスライドアンカーの上部に、その背面より
後方に出没可能で、かつ、板ばねにより常時突出方向に
付勢された操作ノブと一体の係止ピンを設けると共に、
前記レール部材に、その長手方向に沿い前記係止ピンの
先端を挿脱し得る複数段の係止孔を穿設したもので、前
記操作ノブを必要に応じて引つ張り操作し、これと一体
の係止ピンを前記レール部材の係止孔から引き抜くこと
によりスライドアンカーの上下動を自由にしてその高さ
調節を簡単な操作で行えるようにした構成となつてい
る。(例えば、実公昭59-929号公報参照) そして、上述の如く前記レール部材の係止孔に係止ピン
を嵌入してスライドアンカーの位置決めを行う従来のシ
ートベルトアンカー装置においては、その係止ピンの挿
脱操作方式は前記の如く操作ノブを引つ張る方式の外、
板ばね等の両端をガイドレールに係止させ、ばね操作に
より押圧方向と同方向に係止ピンを引き抜く方式が実用
化されている。
(考案が解決しようとする問題点) ところが、叙上の如き従来のシートベルトアンカー装置
においては、例えば横転やスリツプ事故発生時のように
車体が側面から強い衝撃を受けた場合に、前記係止ピン
に慣性力が作用し、前記係止孔から瞬間的に抜け出して
スライドアンカーが不意に移動し、シートベルトが緩ん
で乗員の拘束状態を良好に維持出来なくなると共に、ス
ライドアンカーの位置を変更する場合は、係止ピンを付
勢ばねに抗して引張り操作したり、ばね操作により押圧
方向と同方向に係止ピンを引き抜くことが必要で、操作
性の面で難があると共に、前述の如き係止ピンの慣性抜
けを防止すべく付勢ばねの弾力を大きく設定した場合
は、押圧方向又は引張り方向と同方向に係止ピンを引き
抜くため、ばねの付勢力が直接操作部分に抵抗力として
作用し、比較的大きな操作力が必要となる問題があつ
た。
本考案はかかる従来のシートベルトアンカー装置が有し
ていた種々の問題点を克服すべくなされたもので、特
に、係止ピンの挿脱を行う操作部材を指先のつまみ操作
によつて比較的容易、かつ、軽快に行えるようにすると
共に、操作部材と係止ピンとの間に確動カム機構を設け
て係止ピンの慣性抜け防止を図り高衝撃作用時における
スライドアンカーの不意な移動を阻止し、もつて上記課
題の解決策を提供せんとするものである。
(問題点を解決するための手段) しかして、上記問題点を解決するための本考案装置を実
施例に対応する第1図乃至第3図にもとづいて説明す
る。
車体(6)に固定された縦長のレール部材(1)は、そ
の長手方向に沿つて穿設された複数段の係止孔(2)を
有しており、該レール部材(1)に対し、シートベルト
(B)を挿通支持するスリツプアンカー等のベルト支持
部材(13)を係着したスライドアンカー(9)が長手方
向に沿い上下移動可能に取付けられている。
そして、上記スライドアンカー(9)には、前記レール
部材(1)の係止孔(2)に対し挿脱可能で、かつ、係
止孔嵌入方向に常時ばね(20)で付勢された係止ピン
(17)が、スライドアンカー(9)の移動方向と直交す
る方向に摺動可能に取付けられている。
また、前記係止ピン(17)の頭部(22)には、該係止ピ
ン(17)の挿脱方向に突出し、その側面に押圧部(3
4),(34)′を有すると共に、少なくとも一側が押圧
移動可能な部材からなる操作部材(30),(30)′が設
けられており、該操作部材(30),(30)′と前記係止
ピン(17)の頭部(22)との間には、その移動方向を変
換するための確動カム機構が介装されている。
ここで確動カム機構は、押圧部(34),(34)′の押圧
による操作部材(30),(30)′の変位を係止ピン(1
7)の挿脱方向の変位に変換すると共に、車輌側面から
の衝撃により係止孔嵌入状態の係止ピン(17)に慣性力
が作用した場合においても、係止ピン(17)が慣性抜け
を生じないようにするためのものであり、従つてその目
的を逸脱しない限りにおいて、各種の設計が採用され
る。
(作用) かくして、上記構成を備えた本考案装置によれば、前記
操作部材(30),(30)′の押圧部(34),(34)′を
指先でつまんで押圧操作するだけで、該操作部材(3
0),(30)′の動きが確動カム機構を介して係止ピン
(17)の挿脱方向の移動力として伝達され、係止ピン
(17)は押圧方向に直交する方向に移行し、係止孔
(2)から容易に抜き出される。
従つて、乗員の座高や体格に合わせシートベルト(B)
の中間部を乗員の肩口において挿通支持するベルト支持
部材(13)の高さを調整しようとするときは、上記操作
部材(30),(30)′の押圧部(34),(34)′を左右
両側からつまみ、押圧操作するだけで、係止ピン(17)
をレール部材(1)の係止孔(2)より抜き出し、スラ
イドアンカー(9)の動きを自由ならしめて所要の高さ
に移動させ、操作部材(30),(30)′から手を離す
と、係止ピン(17)は、ばねの付勢力により同位置の係
止孔(2)に自動的に嵌入するため、高さ調整を迅速、
かつ、容易に行うことが出来る。
なお、車輌横転事故等により車体(6)が側面から高衝
撃を受け、係止ピン(17)に抜き出し方向の慣性力が作
用したときは、該係止ピン(17)の頭部(22)と操作部
材(30),(30)′との間に介装された確動カム機構の
作用により、操作部材(30),(30)′を操作しない限
り、係止ピン(17)は、その抜き出し方向の移動が阻止
され、スライドアンカー(9)の不意な移動によるシー
トベルト(B)の緩みが未然に防止される。
(実施例) 以下本考案の実施例を添付図面にもとづいて詳細に説明
する。
第1図は本考案に係るシートベルトアンカー装置の一例
を示す側断面図、第2図は同装置の正面図、第3図はそ
の操作部の一例を示す断面図、第4図は第3図における
IV-IV矢視断面図である。
これら図において、(1)は縦長の帯状金属厚板を両側
縁に鍔部を有する所要の横断面形状にプレス成型して、
所要の曲げ剛性を付与すると共に、長手方向に沿い複数
段の係止孔(2)…を穿設せしめたレール部材であつ
て、該レール部材(1)は、その上下端に穿設した取付
孔(3),(3)′に挿通した取付ボルト(4),
(4)′を座金(5),(5)′を介してセンターピラ
ー等の車体に螺着することにより、レール部材背面と車
体(6)側の取付面との間に所要の隙間(t)を介在さ
せて強固に固定されている。
また、上記レール部材(1)は、前記各係止孔(2)の
正面側開口部に後述する係止ピン(17)の挿脱を容易に
する傾斜案内面(7)を有していると共に、各係止孔
(2)の背面側開口部においてレール部材(1)をその
背面からプレス加工することにより係止孔(2)の開口
周縁(8)をレール部材背面から僅かに窪ませ、各係止
孔(2)の実際の深さをレール部材(1)の板厚に関係
なく一定にし、かつ、前記開口周縁(8)の角部が略々
直角のエツジを形成するよう考慮されている。
(9)は、上記レール部材(1)両側縁の鍔部を摩擦力
軽減用のシート(10)を介して把持しながら、レール部
材(1)の長手方向に摺動自在に取付けられた金属厚板
よりなるスライドアンカーであつて、該スライドアンカ
ー(9)の下半部に固着したナツト(11)には、シート
ベルト(B)の肩部をスリツプリング(12)により摺動
可能に案内するスリツプアンカー(13)のベース部(1
4)を回動自在に支持するボルト(15)が螺着されてい
ると共に、前記スライドアンカー(9)の上半部には、
スリーブ状の係止ピン案内筒(16)が固着されていて、
該案内筒(16)内に円柱状の係止ピン(17)がスライド
アンカー(9)の移動方向と直交する方向に摺動自在に
挿設されており、該係止ピン(17)は、その中間段部
(18)と前記案内筒(16)のばね受け部(19)との間に
縮設したコイルスプリングからなる付勢ばね(20)によ
り常時前記レール部材(1)の係止孔(2)に嵌入する
方向(第3図矢印X方向)にばね付勢されている。
(21)は前記案内筒(16)上部及び係止ピン(17)の頭
部(22)外周に嵌装されたピンキヤツプであつて、該ピ
ンキヤツプ(21)は、そのスカート部(23)が案内筒
(16)の外周面に対し、平行面部(24),(24)′によ
り係止ピン(17)周囲の回動を阻止しながら係止ピン
(17)の挿脱方向にのみ摺動自在に覆装されていると共
に、前記スカート部(23)の外面において係止ピン(1
7)の挿脱方向と直交する方向に一対の凸部(25),(2
5)′が突設されている。
(26)は前記案内筒(16)の外周に嵌装された筒状の作
動部材であつて、該作動部材(26)は、その内周面に複
数個突設した爪部(27)を前記案内筒(16)外面の周溝
(28)に弾撥的に嵌入させることにより前記係止ピン
(17)挿脱方向の移動が阻止された状態で係止ピン(1
7)の周囲を正逆回動し得るようになつており、上部に
穿設した一対の斜長孔(29),(29)′内において、前
記ピンキヤツプ(21)に設けた凸部(25),(25)′を
移動可能に貫挿していると共に、前記案内筒(16)の外
周との間に設けた捩りコイルばね(31)により常時第4
図矢印(U)方向に回動付勢されている。
なお、前記作動部材(26)に穿設された斜長孔(29),
(29)′は、夫々第5図に示す如く係止ピン(17)の中
心軸線(O1)とねじれ角(θ)をなす傾斜部(29a)
と、該傾斜部(29a)の下端に連続して軸直角方向に延
びる水平部(29b)とから構成されたく字形状をなして
おり、係止ピン(17)嵌入状態では、凸部(25),(2
5)′が水平部(29b)に位置して係止ピン(17)の挿脱
方向の移動を阻止し得るようになつている。
(30)および(30)′は、上記作動部材(26)およびピ
ンキヤツプ(21)を含む確動カム機構を側方より被覆す
るように設けられた一対の操作部材であつて、該操作部
材(30),(30)′は、その下端が前記スライドアンカ
ー(9)に固着されたケース(32)により支点ピン(3
3),(33)′を介して枢支され、係止ピン(17)の抜
脱方向と同方向に延びて互いに対向していると共に、そ
の側面が押圧部(34),(34)′として形成されてい
る。
また、操作部材(30),(30)′は、その対向部におい
て、前記作動部材(26)の外周面に突設した凸部(3
5),(35)′と係合する係合爪(36),(36)′を夫
々有しており、操作部材(30),(30)′の押圧部(3
4),(34)′を内方へ押圧するとき作動部材(26)を
前記捩りコイルばね(31)の付勢力に抗して矢印(V)
方向に強制回動させる構成となつている。
一方、前記係止ピン(17)は、前記レール部材(1)の
係止孔(2)に嵌入する部分において、係合部(37)を
所要長さ残し、内方寄りに少なくとも前記レール部材
(1)の係止孔(2)の深さより大きな幅を有する溝
(38)を周設しており、該溝(38)の端部に前記係止孔
(2)の開口周縁(8)に対向し、該開口周縁(8)に
係止可能な係合段部(39)が形成されている。
なお、(40)は、上記係止ピン(17)の溝(38)内に装
着された円筒状の樹脂材料であつて、該樹脂材料(40)
は、通常のベルト使用時の応力では変形せず、ベルトに
所定以上の衝撃荷重が作用したときに始めて、係止孔
(2)の内面に押されて変形又は破壊し、前記係止ピン
(17)の係合段部(39)が係止孔(2)の開口周縁
(8)に係止するのを許容する剛性を備えており、通
常、軸線方向にスリツトを形成した円筒状のものを用意
し、これをそれ自体の弾撥力を利用して係止ピン(17)
の溝(38)に嵌着して組み立てるか、又は、係止ピン
(17)を樹脂成型金型内に挿入し、溝(38)内に直接樹
脂材料を充填してモールドするか、あるいは溝(38)に
適合した形状の樹脂材料(40)を係止ピン(17)に接着
するなどして組み立てられる。
かかる樹脂材料としては上記の機械的性能を満足する樹
脂であれば使用可能であるが、通常はポリアセタール樹
脂,ポリエステル樹脂などが好適である。
そして、上記樹脂材料(40)は、その外周面が係止ピン
(17)の外周面と略々面一の形状をなし、係止ピン(1
7)が係止孔(2)に挿脱する際の邪魔にならないよう
配慮されている。
図中、(41)は前記スライドアンカー(9)の正面に止
着されレール部材(1)及びスライドアンカー(9)を
覆い隠すためのカバーである。
本考案のシートベルトアンカー装置は叙上の構成を有す
るものであるが、次に、その作用について説明すると、
先ず、通常のシートベルト着装使用時において、スリツ
プアンカー(13)の高さを乗員の体格に適合させるべ
く、スライドアンカー(9)の高さ調整を行う場合は、
操作部材(30),(30)′の押圧部(34),(34)′を
親指と人差し指で両側から挾み、これらを内方へ押圧す
ると、各操作部材(30),(30)′は夫々支点ピン(3
3),(33)′を中心として内方に回動変位し、各係合
爪(36),(36)′によつて作動部材(26)の凸部(3
5),(35)′を互いに逆向きに押圧するため、作動部
材(26)が捩りコイルばね(31)の付勢力に抗して第4
図矢印(V)方向に回動する。このとき、上記作動部材
(26)の斜長孔(29),(29)′内に凸部(25),(2
5)′を貫挿したピンキヤツプ(21)は、スカート部(2
3)において案内筒(16)との回り止めが施され、係止
ピン(17)の挿脱方向への摺動のみが許容されているた
め、前記作動部材(26)の回動による斜長孔(29),
(29)′の位相のずれに伴つて傾斜部(29a)に沿い第
3図矢印(Y)方向に変位し、かつ、該ピンキヤツプ
(21)と一体の係止ピン(17)が同方向に移動し、係止
孔(2)から抜脱するため、スライドアンカー(9)は
レール部材(1)に沿つて上下に移動可能な状態とな
る。従つてスライドアンカー(9)を所望の高さに移動
させた後、操作部材(30),(30)′から手を離して押
圧部(34),(34)′への外力を取除くと、係止ピン
(17)が付勢ばね(20)の付勢力により再び係止孔
(2)に嵌入すると共に、作動部材(26)が捩りコイル
ばね(31)の付勢力によつて第4図矢印(U)方向に回
動して元の位置に復帰するため、前記スリツプアンカー
(9)が前記係止ピン(17)を介してレール部材(1)
に強固に連結され、位置決めが図られることになる。
また、上記シートベルト(B)による適正な乗員拘束状
態において、車輌横転事故等により側面から高衝撃が作
用したときは、係止ピン(17)が慣性力により係止孔
(2)から抜け出ようとするが、このとき、該係止ピン
(17)の頭部に設けたピンキヤツプ(21)は、その凸部
(25),(25)′が作動部材(26)の斜長孔(29),
(29)′の各水平部(29b)に位置していると共に、作
動部材(26)自体は案内筒(16)の周溝(28)と爪部
(27)を介して軸方向の移動が阻止されているため、操
作部材(30),(30)′を操作しない限り前記係止ピン
(17)は、その挿脱方向の移動が阻止され、慣性抜けが
未然に防止される。
なお、係止ピン(17)に設けられた樹脂材料(40)は、
シートベルト(B)の通常使用時の応力では全く変形せ
ず、係止ピン(17)の係合段部(39)が係止孔(2)の
開口周縁(8)に係合するのを阻止しているため、前記
係止ピン(17)の嵌脱操作を容易ならしめると共に、係
止ピン(17)外面と係止孔(2)内面との衝突を緩和し
て、車輌走行時の振動による異音発生を防止する。
また、上記の如くスライドアンカー(9)を固定した状
態において車輌衝突等によりシートベルト(B)に所定
以上の衝撃荷重、一般には200kg〜3tの荷重が加わつた
ときは、スリツプアンカー(13)およびスライドアンカ
ー(9)を介して係止ピン(17)に軸直角方向の荷重が
作用し、樹脂材料(40)が係止孔(2)の内面に押され
て変形し、係止ピン(17)の係合段部(39)が係止孔
(2)の開口周縁(8)に係止するため、これによつて
係止孔(2)からの係止ピン(17)の抜け止めが図ら
れ、両者の連結強度が大巾に増大してスライドアンカー
(9)のずり落ちが防止されシートベルト(B)による
乗員拘束状態を適正に保持することになる。
第6図は本考案シートベルトアンカー装置の他の実施例
を示したもので、ピンキヤツプ(21)に突設した凸部
(25),(25)′を操作部材(30),(30)′の内面に
突設した板状カム部(42),(42)′の斜長孔(29),
(29)′に直接貫挿することにより確動カム機構を構成
した場合である。
なお、ピンキヤツプ(21)は、前記第3図に示した実施
例と同様に、スライドアンカー(9)に固着した案内筒
(16)に対し、スプライン嵌合等により軸方向移動のみ
可能な状態となつている。
従つて、操作部材(30),(30)′の押圧部(34),
(34)′を挾持し、復帰スプリング(43)に抗して内方
に押圧操作すると、各操作部材(30),(30)′の変位
に伴う、斜長孔(29),(29)′の位相のずれによりピ
ンキヤツプ(21)の凸部(25)が矢印(Y)方向に移動
し、該ピンキヤツプ(21)と一体の係止ピン(17)がレ
ール部材(1)の係止孔(1)から抜け出し、スライド
アンカー(9)の移動を可能にすると共に、所望の高さ
において操作部材(30),(30)′から手を離せば、係
止ピン(17)は図示なき付勢ばねによつて(X)方向に
変位し、再び係止孔(2)に嵌入してスライドアンカー
(9)の位置決めを図る。
第7図は本考案シートベルトアンカー装置の更に他の実
施例を示すもので、前記実施例がいずれも操作部材(3
0),(30)′を支点ピン(33),(33)′により枢支
していたのに対し、互いに係止ピン(17)の軸直角方向
に近接摺動させるようにしたものである。
なお、上記各実施例によつて操作部材(30),(30)′
と係止ピン(17)の頭部との間に介装される確動カム機
構を例示したが、この確動カム機構は操作部材(30),
(30)′の操作力を係止ピン(17)の挿脱方向の力とし
て変換し、かつ、高衝撃時において係止ピン(17)に作
用する抜け出し方向の慣性力を受止する目的を逸脱しな
い限りにおいて各種の設計的改変が許容されることは云
うまでもない。
また、各図において共通符号を付し、説明を省略した箇
所は、夫々同一部材、同一部分を示している。
(考案の効果) 以上述べた如く本考案のシートベルトアンカー装置は、
操作部材を両側面より押圧する形式となすと共に、その
押圧によつて確動カム機構を介して押圧方向と直交する
方向に係止ピンを移動させるようにしたものであり、従
来の如き引き抜き操作や、ばね押圧による押圧方向への
引き抜き操作と異なり、単に側面を指で押圧するのみで
係止ピンの抜脱を行い、シートベルトのアンカー位置を
体格等に合わせた適切な位置に移動することができ、操
作性が極めて良好であると共に、押圧方向と係止ピン抜
脱の移動方向とは互いに直交する方向であるから、押圧
力の利用が効果的で、比較的少ない力で係止ピンの抜脱
が可能となり、車体内における装置の取り付け位置の選
定も容易であるなど、従来の装置に比し格段の優れた実
用的効果を奏する。
しかも、本考案装置によれば、操作部材と係止ピンとの
間に介装された確動カム機構の働きにより、操作部材を
操作したとき以外は、係止ピンが係止孔から抜脱せず、
従つて車輌横転等により側面から高衝撃が加つた場合で
も係止ピンが慣性力によつて係止孔から不意に抜け出す
恐れがなく、ベルト支持部材の不意な高さ変動を防止し
て、シートベルトによる正確な乗員拘束状態を維持し得
るというすぐれた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案シートベルトアンカー装置の一例を示す
側断面図、第2図は同アンカー装置の正面図、第3図は
本考案アンカー装置の操作部の拡大断面図、第4図は第
3図におけるIV-IV線矢視断面図、第5図は確動カム機
構の一例を示す概要図、第6図は本考案シートベルトア
ンカー装置の操作部の他の実施例を示す要部断面図、第
7図は本考案装置の更に他の実施例を示す要部断面図で
ある。 (1)……レール部材,(2)……係止孔, (6)……車体,(9)……スライドアンカー, (13)……シートベルト支持部材,(17)……係止ピ
ン, (20)……付勢ばね,(22)……係止ピンの頭部, (25)(25)′……凸部,(26)……作動部材, (29)(29)′……斜長孔,(30)(30)′……操作部
材, (34)(34)′……押圧部,(B)……シートベルト,

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】車体に固定され、長手方向に沿って複数段
    の係止孔が穿設された縦長のレール部材に、その長手方
    向に沿って移動可能にスライドアンカーを取付け、該ス
    ライドアンカーにシートベルト支持部材を係着すると共
    に、前記スライドアンカーの移動方向と直交して前記レ
    ール部材の係止孔に、先端部が挿脱自在で、かつ、前記
    係止孔嵌入方向にばね付勢された係止ピンと、該係止ピ
    ンを付勢に抗して前記先端部を係止孔から抜き出し移動
    させる係止解除手段とよりなるシートベルトアンカー装
    置において、前記係止解除手段が、前記係止ピンの頭部
    に設けた該頭部の側部から係止ピンの挿脱方向に直交し
    て突出する凸部と前記係止ピン頭部側の両側方に該係止
    ピンを挟んで対面配置されその外側面に押圧部を形成
    し、かつ押圧により、少なくともその一方が前記係止ピ
    ンに向かって移動可能に前記スライドアンカーに支持さ
    れた操作部材と、該操作部材と前記係止ピンとの間に設
    けられ、前記係止ピンに設けた前記凸部を貫挿し、かつ
    前記係止ピンの軸に直交する水平部と該水平部に連続し
    て前記係止ピンが前記レール部材の係止孔から抜き出る
    方向に延びる傾斜部とからなるく字状の長孔を備え、前
    記操作部材の前記係止ピンに向う押圧移動に連動して前
    記凸部を前記く字状長孔の水平部から前記長孔の傾斜部
    に沿って案内し、前記係止ピンを前記付勢ばねに抗して
    前記レール部材の係止孔から抜き出し移動させる確動カ
    ム機構とからなることを特徴とするシートベルトアンカ
    ー装置
  2. 【請求項2】前記確動カム機構が、前記操作部材の押圧
    移動に連動して、前記係止ピンの周囲で正逆回動する筒
    状の作動部材と、該作動部材の筒状部に設けられて、前
    記係止ピンの頭部に設けた凸部を移動可能に貫挿する前
    記水平部と傾斜部とからなる長孔とから構成されている
    実用新案登録請求の範囲第1項記載のシートベルトアン
    カー装置
  3. 【請求項3】前記確動カム機構が、前記操作部材の内面
    から突出し、該操作部材の押圧移動で前記係止ピンの軸
    側部を横切って移動する板状カム部と、該板状カム部に
    設けられて前記係止ピンの頭部に設けた凸部を移動可能
    に貫挿する前記水平部と傾斜部とからなる長孔とから構
    成されている実用新案登録請求の範囲第1項記載のシー
    トベルトアンカー装置
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