JPH0638544A - 交流モータのサーボ制御装置 - Google Patents

交流モータのサーボ制御装置

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JPH0638544A
JPH0638544A JP4192180A JP19218092A JPH0638544A JP H0638544 A JPH0638544 A JP H0638544A JP 4192180 A JP4192180 A JP 4192180A JP 19218092 A JP19218092 A JP 19218092A JP H0638544 A JPH0638544 A JP H0638544A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電力用半導体素子を確実かつ簡単に過熱保護
する。 【構成】 損失発生のメカニズムに合わせた損失及び温
度上昇の推定を行なう。具体的には、パワートランジス
タとヒートシンクとの接触部の温度上昇△Tf-aを推定
する一方で、ラン/ロック検出回路26によりモータ1
の動作状態を検出し、検出結果に応じて、最大損失を発
生するパワートランジスタの温度上昇△Tj-f を推定す
る。推定値△Tf-a により過負荷状態を検出する一方
で、△Tj-f+△Tf-a により素子の過熱破壊を防止す
る。 【効果】 ラン/ロック状態にかかわらず確実に過熱保
護できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電力用半導体素子をオ
ン/オフ制御することにより交流モータの動作をサーボ
制御する装置、すなわち交流モータのサーボ制御装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】交流モータの速度をインバータを用いて
サーボ制御する場合、モータ電流の大きさ及び通電方向
を制御するため、パワートランジスタやIGBTといっ
た電力用半導体素子が用いられる。これらの電力用半導
体素子は電流制御動作において損失を発生させる素子で
あり、特に、モータの最大トルク出力時や頻繁な加減速
動作時においてはこれら電力用半導体素子により発生す
る損失が大きくなる。この損失は、サーボ制御装置の全
損失の大半を占める。また、半導体であるため過負荷耐
量が小さく過熱破壊しやすい。このため、これら電力用
半導体素子の温度上昇を測定又は推定し異常過熱を防止
しながら、適当な許容温度範囲内で確実に使用していく
ことが、サーボ制御装置の高信頼性を維持しつつ装置の
小型化を進める上で重要である。
【0003】図3には、サーボ制御装置の一般的な構成
が示されている。この図に示されるサーボ制御装置20
0は、外部に設けられた三相交流電源101から供給さ
れる三相交流電力を直流電力に変換するコンバータ部1
00及びコンバータ部100の直流出力を交流電流に変
換してモータ1に供給するインバータ部104を備えて
いる。コンバータ部100は、ダイオード群102及び
平滑コンデンサ103を有しており、これらにより三相
交流電流の整流、平滑化を行う。また、インバータ部1
04はパワートランジスタQ1 〜Q6 及びダイオードD
1 〜D6 を備えている。各パワートランジスタQ1 〜Q
6 は後述するパルス幅変調信号12によりオン/オフ制
御される。この結果、パルス幅変調信号12により定ま
る実行値を有する三相交流電流が同期モータ1に与えら
れる。モータ1は、永久磁石をロータとする三相交流同
期モータであり、インバータ部104から供給される電
流により駆動される。
【0004】この図に示されるサーボ制御装置200の
制御対象はモータ1の回転速度であり、サーボ制御装置
200は外部から与えられる回転速度指令VCMD に基づ
いて制御を行う。一方で、モータ1の回転角は当該モー
タ1に機械的に連結されている回転位置検出器2によっ
て検出され、検出結果は位置検出信号POSとして速度
検出回路3及び三相正弦波発生器6に供給される。速度
検出回路3は、位置検出信号POSを時間微分して速度
帰還信号Vを生成する。減算器4は、回転速度指令V
CMD からVを減算し、PID補償器5は減算器4の出力
を増幅する。このようにして、モータ1に対する実効電
流指令値Ιが生成される。
【0005】また、三相正弦波発生器6は、位置検出信
号POSにより示されるモータ1の回転角に基づき、位
相がそれぞれ1/3周期ずつ異なる正弦波を発生させ
る。その後段に接続されている乗算器7U,7V,7W
は、各正弦波と電流指令値Ιを乗算して各相電流指令値
Iuc,Ivc,Iwcを生成する。言い換えれば、三相正弦
波発生器6及び乗算器7U,7V,7Wは、実効電流指
令値を各相電流指令値に変換する変換器として機能す
る。乗算器7U,7V,7Wの後段には減算器10U,
10V,10Wが接続されており、これらは、電流検出
器9U,9V,9Wによって検出されるモータ1の各相
電流Iu,Iv,Iw を、各相電流指令値Iuc,Ivc,Iwc
から減算する。増幅器8U,8V,8Wは、減算器10
U,10V,10Wの出力、すなわち各相電流指令値I
uc,Ivc,Iwcと各相電流Iu,Iv,Iw の差分を増幅
し、これをパルス幅変調回路11に供給する。パルス幅
変調回路11は、増幅器8U,8V,8Wの出力をパル
ス幅変調信号12に変換する。この信号12は前述する
ように各パワートランジスタQ1 〜Q6 のオン/オフ制
御に用いられる。このようにして、各相電流Iu,Iv,I
w が各相電流指令値Iuc,Ivc,Iwcと一致するよう制
御される。
【0006】この制御装置200には、さらに過熱検出
部300が設けられている。過熱検出部300は、その
過熱破壊を防止すべく、パワートランジスタQ1 〜Q6
の温度上昇を推定する。過熱検出部300は、例えば、
図4に示されるように絶対値回路13、増幅器14、C
R直列回路15及び比較器16を備えている。過熱検出
部300は、実効電流指令値Ιを絶対値回路13により
絶対値化し、増幅器14により増幅する。増幅器14の
出力はCR直列回路15に入力される。CR直列回路1
5の出力は、一群のパワートランジスタQ1 〜Q6 につ
いて外部からあらかじめ設定される許容温度上昇値△T
srefと比較器16において比較される。比較の結果、前
者が後者より高い場合には、2値化された過熱検出信号
17が出力され、パルス幅変調回路11に供給される。
パルス幅変調回路11は、過熱検出信号17に応じて全
パワートランジスタQ1 〜Q6 をオフ制御し、電流出力
を停止させる。これと同時に、過熱検出信号17は、過
熱検出アラーム信号ALMTHとしてサーボ制御装置外部
に出力される。
【0007】ここに、CR直列回路15は、ヒートシン
クを熱等価回路的に表現した回路である。一般に、パワ
ートランジスタQ1 〜Q6 はその温度上昇を軽減するた
めアルミニウム製ヒートシンク上に取り付けられてい
る。このためパワートランジスタQ1 〜Q6 の温度上昇
△Tは、これらの総損失Pと、ヒートシンクの熱時定数
により、ほぼ決定し、熱等価回路的には、図5に示す様
に総損失Pを入力電圧と考えたコンデンサ(C)と、抵
抗(R)によるCR直列回路で表現することができる。
総損失Pは、実効電流指令値Ιの絶対値|I|に比例す
るものとして表すことができ、増幅器14の増幅率は総
損失Pと実効電流指令値Ιの絶対値|I|の比例定数と
なっている。すなわち、CR直列回路15の時定数をあ
らかじめヒートシンクの熱時定数に等しくしておけば、
その出力△TS は、パワートランジスタQ1 〜Q6 の温
度上昇推定値となる。したがって、比較器16において
これを許容温度上昇値△Tsrefと比較することにより、
上述のように過熱検出信号17を生成することができ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
装置においては、過熱保護の上で次のような問題点が生
じていた。ここでは、図3乃至図5の構成を例として説
明する。
【0009】ここでは、モータ1が停止(ロック)して
いる状態でトルクを発生させる場合について考える。こ
の様な条件下では、モータ1の電流の大きさ及び向きが
固定化してしまうため、パワートランジスタQ1 〜Q6
のうち1つに集中的に損失が発生する。この場合、損失
が集中的に発生したパワートランジスタ(Q1 〜Q6
うち1つのチップ部)の温度のみが異常上昇してしま
う。過熱検出部300はパワートランジスタQ1 〜Q6
の総損失を基準にして温度上昇を推定し過熱保護を行な
っており、この様なモータロック状態での過熱保護は原
理的に不可能である。このため、実際の装置において
は、モータ1がロックした状態でのチップ部温度上昇最
大値△Tjmaxをあらかじめ考慮しておき、△Tsref' =
△Tserf−△Tjmaxとなる△Tsref' を許容温度上昇値
として設定する手法がとられる。しかしながら、この手
法では、サーボ制御装置としての定格出力電流を保障す
るためには、ヒートシンクの熱抵抗を下げるべく、あら
かじめヒートシンクを大きく設計しておく必要があっ
た。
【0010】図6には、過熱検出部300の他の構成が
示されている。この構成においては、図4に示される構
成が各相毎に設けられている。すなわち、絶対値回路と
して各相の電流指令値Iuc,Ivc,Iwcを入力する13
U,13V,13Wが、増幅器として14U,14V,
14Wが、CR直列回路として15U,15V,15W
が、比較器として16U,16V,16Wが、それぞれ
設けられており、比較器16U,16V,16Wの出力
である2値信号をOR回路18により論理加算すること
で過熱検出信号17を得ている。この図の構成は、各相
毎に過熱検出を行う構成であり、モータ1がロックし電
流の大きさ、向きが固定化しても、原理的に、過熱検出
を行うことができる。
【0011】しかしながら、図6の構成を電子回路で実
現するためには、過熱検出性能を決定する構成、すなわ
ち高精度動作が要求される絶対値回路、増幅回路及びC
R直列回路を各相毎に設けねばならず、これらの個数が
増えるため、回路規模、コストが増加してしまう。ま
た、この構成をCPUによりソフトウェア的に実現する
場合、各相電流指令値のサンプリング周期及び演算周期
を高速化しなければ、高速回転のモータ、ひいては各相
電流指令値の周波数上昇に対応して過熱検出の性能を維
持することができない。このため、CPUの処理におけ
る過熱検出処理の占有率が増大し、CPUの効率的利用
がはかれなくなる。加えて、各相パワートランジスタ群
の損失による相互温度上昇の影響が考慮できないため、
モータ動作状態の変化に追従できず、正確な過熱保護は
不可能であった。
【0012】本発明は、これらの問題点を解決すること
を課題としてなされたものであり、その目的は、サーボ
制御装置における電力用半導体素子の過熱保護を確実か
つ簡単に実現することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明は、ヒートシンクと電力用半導体素子
群の接触部における温度上昇を推定する第1の推定手段
と、交流モータの回転状態における電力用半導体素子群
内部の温度上昇を推定する第2の推定手段と、交流モー
タの停止状態における電力用半導体素子群内部の最大温
度上昇を推定する第3の推定手段と、交流モータが回転
状態か停止状態かを判定する手段と、回転状態であると
判定された場合には第2の推定手段により推定された温
度上昇を、停止状態であると判定された場合には第3の
推定手段により推定された温度上昇を、それぞれ第1の
推定手段により推定された温度上昇と加算することによ
り、接触部から電力用半導体素子群まで含む温度上昇の
推定値を求める手段と、を備えることを特徴とする。
【0014】
【作用】本発明においては、まず、ヒートシンクと電力
用半導体素子群の接触部における温度上昇が推定され
る。この温度上昇は、電力用半導体素子群の総損失によ
って定まる値である。一方で、本発明においては、電力
用半導体素子群内部の温度上昇が、回転状態(ラン状
態)と停止状態(ロック状態)それぞれについて推定さ
れる。先に説明したように、ラン状態とロック状態で
は、電力用半導体素子群内部における発熱の態様が相違
しており、最大温度上昇が異なる。本発明においては、
交流モータが回転状態か停止状態かを判定し、判定結果
に応じていずれかの状態に係る電力用半導体素子群内部
の温度上昇の推定値をヒートシンクと電力用半導体素子
群の接触部における温度上昇の推定値と加算する。これ
により、接触部から電力用半導体素子群に亘る温度上昇
の推定値が求められる。したがって、本発明において
は、交流モータが回転状態にあるか停止状態にあるかに
かかわらず、電力用半導体素子を過熱破壊から確実に保
護することができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例について図面に
基づき説明する。なお、図3乃至図6に示される従来例
と同一又は相当の構成には同一の符号を付し説明を省略
する。
【0016】図1には、本発明の一実施例に係るサーボ
制御装置200の構成が示されている。この図において
本実施例が従来例と異なる点は、サーボ制御装置外部か
ら過熱検出部300に外部設定定数群19を設定してい
る点にある。また、図2にはこの実施例における加熱検
出部300の構成が示されている。この実施例における
加熱検出部300は、従来例と異なり、絶対値回路2
0、増幅器21及びCR直列回路22から構成されヒー
トシンクとパワートランジスタQ1 〜Q6 の接触部の温
度上昇△Tf-a を推定・検出する系統と、増幅器23、
増幅器24、切換回路25、ラン/ロック判定回路2
6、CR直列回路27及び加算器30から構成されパワ
ートランジスタQ1 〜Q6 のチップ部における温度上昇
△Tj-f を推定・検出する系統から、構成されている。
また、これらの後段の比較器28及び29にはさらにO
R回路31が接続されている。本発明の特徴は、このよ
うな加熱検出部300の構成、ひいては温度上昇の推定
手法の改良にある。
【0017】(1)パワートランジスタの総損失 ここでは、回路動作の相違の説明に先立ち、まず、パワ
ートランジスタQ1 〜Q6 の総損失Pが、実効電流値例
値Iの絶対値|I|に比例し、モータ1の動作状態にか
かわらずほぼ一定であることについて、モータ1の状態
毎に説明する。 (1.1)モータ回転状態 モータ1が回転している状態では、パワートランジスタ
1 〜Q6 の発生損失は互いに等しくなる。そこで、任
意のパワートランジスタQn の発生損失をPnと表すこ
とにする。この損失Pn は、スイッチング損失Pnsw
オン損失Pncとの和であり、これらがそれぞれ
【数1】 と表されるから、 Pn =(A+B)Imean となる。さらに、各相電流Iu,Iv,Iw は正弦波である
から、 Imean=2/π・|I| である。したがって、損失Pn は、 Pn =2/π・(A+B)・|I| となる。総損失Pは、損失Pn にパワートランジスタの
個数を乗じたものであるから、 P=12/π・(A+B)・|I| となる。
【0018】(1.2)モータロック状態 ここでは、各相電流について電流が図中矢印方向に流れ
ている状態を正として表すこととする。モータ1がIu
=I>0、i=Iw =−I/2<0の状態でロックして
いる場合、パワートランジスタQ1 ,Q4 ,Q6 が損失
を発生させており、中でもパワートランジスタQ1 の損
失が大きくなる。パワートランジスタQ1 の損失P1
当該パワートランジスタQ1 のスイッチング損失P1sw
とオン損失P1cであり、これらがそれぞれ
【数2】 と表されることから、 P1 =2(A+B)I と表される。パワートランジスタQ4 及びQ6 の発生損
失の合計はパワートランジスタQ1 の発生損失P1 に等
しくなるため、総損失Pは、 P=2・P1 =4(A+B)・I となる。この状態からモータ1の回転角位置が変化する
と、各相電流の大きさ及び方向が変化し、これに伴って
最大損失を発生するトランジスタが変化する。しかし、
総損失Pは、各相電流の絶対値合計に比例するため、前
述の条件下での停止位置の場合を最大として変化する。
しかし、変化は小さい。したがって、総損失Pは、停止
回転角位置によらず、 P=4(A+B)・|I| で表わすことができる。
【0019】(1.3)モータ回転状態とモータロック
状態の比較 このように、総損失Pは、 モータ回転状態:P=12/π・(A+B)・|I| モータロック状態:P=4・(A+B)・|I| と表すことができる。これらの式からわかるように、総
損失Pは実効電流指令値の絶対値|I|に比例する。ま
た、12/πはほぼ4であるから、総損失Pはモータ1
の動作状態によらないと見なすことができる。
【0020】(2)ヒートシンクとパワートランジスタ
の接触部の温度上昇△Tf-a このような総損失Pにより生じるヒートシンクとパワー
トランジスタ群の接触部温度上昇△Tf-a は、次の式で
示される時間特性を有している。
【0021】
【数3】 この式に、総損失Pを実効電流指令値の絶対値|I|で
表した式を代入して変形すると、
【数4】 となる。
【0022】(3)パワートランジスタのチップ部のみ
の温度上昇△Tj-f 次に、パワートランジスタのチップ部のみの温度上昇△
j-f を考える。モータラン状態においては、Pn =2
/π・(A+B)・|I|であるから、これは、
【数5】 と表すことができる。モータロック状態においては、最
大損失発生トランジスタにおいて、パワートランジスタ
のチップ部のみの温度上昇△Tj-f は、P1 =2(A+
B)Iであるから、
【数6】 と表すことができる。
【0023】(4)過熱検出部の動作 過熱検出部300は、上記(1)〜(3)において説明
した各式に基づき動作する。まず、絶対値回路20は実
効電流指令値Iの絶対値を求め、増幅器21は絶対値|
I|を増幅する。増幅器21の後段に接続されているC
R直列回路22は時定数Cf-a ・Rf-a を有している。
増幅器21の増幅率をP・θf-a に応じて設定すること
により、CR直列回路22の出力は△Tf-a となる。比
較器28は、外部設定定数群19に含まれる定数である
許容温度上昇△Tsref1 とこの温度上昇推定値△Tf-a
を比較し、後者が前者を越えている場合に2値化出力す
る。通常、△Tsref1 としては、サーボ制御装置200
が定格出力電流を出力する時のパワートランジスタQ1
〜Q6 とヒートシンク接触部の温度上昇値に整合した許
容温度上昇値を設定する。
【0024】一方で、増幅器23及び24は絶対値|I
|を増幅する。増幅器23の増幅率はβ、増幅器24の
増幅率はπβである。CR直列回路27は時定数Cj-f
・Rj-f を有している。したがって、切換回路25によ
り増幅器23をCR直列回路27に切換接続した場合に
はCR直列回路27からモータ1ラン状態での温度上昇
推定値△Tj-f を、増幅器24を接続した場合にはモー
タ1ロック状態での温度上昇推定値△Tj-f を、それぞ
れ得ることができる。ラン/ロック判定回路26は、速
度帰還信号Vに基づき、モータ1の状態がランかロック
かを判定し、切換回路25を制御してラン時は増幅器2
3を、ロック時は増幅器24を、それぞれCR直列回路
27に接続させる。
【0025】加算器30は、△Tj-f と△Tf-a を加算
し比較器29にその結果を供給する。加算器30の出力
は、最大損失を発生するトランジスタのサーボ制御装置
200の周囲温度に対するチップ温度上昇推定値△T
j-a に相当する。比較器29は、サーボ制御装置200
外部からあらかじめ設定されている許容温度上昇△Tsr
ef2 とこの温度上昇推定値△Tj-a を比較し、後者が前
者を越えている場合に2値化出力する。ここで、△T
sref2 には、パワートランジスタのジャンクション温度
の絶対最大値と、サーボ制御装置が保障する動作周囲温
度最大値より、好適に決定した許容温度上昇値を設定す
る。OR回路31は、比較器28と29の2値化出力を
論理加算することにより、△Tf-a >△Tsref1 又は△
j-a >△Tsref2 時において、加熱検出信号17を出
力する。
【0026】なお、本実施例において、増幅器23,2
4の増幅率及び、△Tsref1 ,△Tsref2 の設定値を1
/2倍すれば、増幅器21を不用とすることも可能であ
る。また、本実施例では、永久磁石をロータとする三相
交流同期モータ1を制御対象としているが、多相誘導電
動機を対象としても良い。パワートランジスタのチップ
部熱時定数に較べてロック時の各相電流指令周期が数倍
以上であれば、本発明は十分に有効である。
【0027】このように、本実施例によれば、パワート
ランジスタQ1 〜Q6 の温度上昇△Tj-f を推定し、得
られた推定値△Tj-f と接触部における温度上昇の推定
値△Tf-a を加算して、温度上昇△Tj-a を推定するよ
うにしたため、交流モータ1が停止(ロック)状態にあ
るか回転(ラン)状態にあるかにかかわらず、パワート
ランジスタQ1 〜Q6 の過熱保護を行なうことができ
る。したがって、通常制御状態でモータ1のロック現象
が発生しない大半の用途を基準において定格出力電流を
保障できるよう、ヒートシンクを小型化設計しておいて
も、出力電流が定格値を超える過負荷状態となった時、
これを検出することができる。これは、サーボ制御装置
設計段階からパワートランジスタQ1 〜Q6 の温度の上
限をある程度低く抑え、素子動作の長期信頼性を確保す
る目的にも有効である。また、衝突等の事故によりモー
タ1が強制ロックされた場合が生じても、パワートラン
ジスタQ1 〜Q6 を安全に過熱破壊から保護することが
できる。また、通常制御状態においてモータ1のロック
現象が発生するサーボプレスの様な用途においても、プ
レス動作スタート時のヒートシンク温度上昇程度によっ
て、最適なプレス動作継続時間を保障することができ
る。
【0028】さらに、高精度動作が要求される絶対値回
路、増幅回路及びCR直列回路の必要数が従来構成に較
べて少ないため、本発明を電子回路で実現する場合に
は、回路規模、コスト的に有利であり、制御するモータ
1の相数が増える程、その有効性が増大する。また、実
行電流指令値を入力した構成としているため、モータ1
の回転速度に影響されないで、過熱保護対象の熱時定数
のみを考慮した適当なサンプリング及び演算周期で、処
理が行なえるため、ソフトウェアで実現する場合には、
CPUの効率的な利用をはかることができる。
【0029】以上、本発明を一実施例により説明した
が、本発明は上述の実施例に限定されるものではない。
本発明は、種々の変形が可能である。
【0030】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明によれ
ば、電力用半導体素子群内部の温度上昇△Tj-f を推定
し、得られた推定値△Tj-f と接触部における温度上昇
の推定値△Tf-a を加算して、電力用半導体素子群の温
度上昇△Tj-a を推定するようにしたため、交流モータ
が停止(ロック)状態にあるか回転(ラン)状態にある
かにかかわらず、電力用半導体素子群の過熱保護を行な
うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るサーボ制御装置の構成
を示すブロック図である。
【図2】この実施例における過熱検出部の構成を示すブ
ロック図である。
【図3】一従来例に係るサーボ制御装置の構成を示すブ
ロック図である。
【図4】この従来例における過熱検出部の構成を示すブ
ロック図である。
【図5】ヒートシンクの熱等価回路を示す回路図であ
る。
【図6】従来例における過熱検出部の他の構成例を示す
ブロック図である。
【符号の説明】
1 モータ 11 パルス幅変調回路 19 外部設定定数群 20 絶対値回路 21,23,24 増幅器 22,27 CR直列回路 25 切換回路 26 ラン/ロック判定回路 28,29 比較器 30 加算器 31 OR回路 100 コンバータ部 104 インバータ部 200 サーボ制御装置 300 過熱検出部 Q1 〜Q6 パワートランジスタ △Tf-a ヒートシンクとパワートランジスタQ1 〜Q
6 の接触部の温度上昇の推定値 △Tj-f 接触部からチップまでの温度上昇の推定値

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 交流モータの駆動電流をヒートシンク上
    に設けた電力用半導体素子群のオン/オフ制御によりサ
    ーボ制御する手段と、電力用半導体素子群の温度上昇を
    推定し設定値を越えた場合に過熱検出信号を出力する過
    熱検出手段と、を備える交流モータのサーボ制御装置に
    おいて、 過熱検出手段が、 ヒートシンクと電力用半導体素子群の接触部における温
    度上昇を推定する第1の推定手段と、 交流モータの回転状態における電力用半導体素子群内部
    の温度上昇を推定する第2の推定手段と、 交流モータの停止状態における電力用半導体素子群内部
    の最大温度上昇を推定する第3の推定手段と、 交流モータが回転状態か停止状態かを判定する手段と、 回転状態であると判定された場合には第2の推定手段に
    より推定された温度上昇を、停止状態であると判定され
    た場合には第3の推定手段により推定された温度上昇
    を、それぞれ第1の推定手段により推定された温度上昇
    と加算することにより、接触部から電力用半導体素子群
    まで含む温度上昇の推定値を求める手段と、 を備えることを特徴とする交流モータのサーボ制御装
    置。
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