JP2007151359A - 電力変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】負荷電流の振幅情報を簡便に得て、有効電流だけでは分からない様々な事象を把握して負荷の制御や保護動作に利用可能とし、システムの高性能化及び安全性向上を図る。
【解決手段】直流電圧部11と、直流電圧部11に並列接続される複数のアーム部を有するインバータ10と、そのスイッチング素子をオン、オフを制御する制御手段と、を備え、前記アーム部におけるスイッチング素子同士の接続点が、同期電動機21等の負荷に接続される電力変換装置において、直流母線電流のピーク値をピーク値演算器41及び過電流判定器42を介して監視し、過電流保護等のためにスイッチング素子を制御する。
【選択図】図2

Description

本発明は、半導体スイッチング素子により直流電圧部の電力を所定の形態の電力に変換して負荷に供給する電力変換装置において、直流電圧部に対して流入または流出する電流を検出し、その値に基づいて半導体スイッチング素子をオン、オフ制御するための技術に関するものである。
複数の半導体スイッチング素子をブリッジ接続してなるインバータにおいて、インバータの交流側相電流を検出せず、直流母線電流から相電流を合成する方式が現在普及している。この原理を、図4を用いて以下に説明する。
図4は、従来技術を説明するための交流電動機駆動システムの構成図であり、三相フルブリッジインバータにより交流電動機20を駆動するためのシステムである。図4(a)において、10U,10V,10Wはインバータを構成するU相、V相、W相のアーム部であり、それぞれ、環流ダイオードが逆並列に接続されたIGBT等の半導体スイッチング素子を2個直列に接続して構成され、これらのアーム部10U,10V,10Wは直流電圧部の両端に互いに並列に接続されている。なお、Q,Q,Q,Q,Q,Qはスイッチング素子、D,D,D,D,D,Dは環流ダイオードである。
また、各アーム部10U,10V,10Wのスイッチング素子同士の接続点には、交流電動機20の端子が接続されていると共に、直流電圧部とインバータとの間の直流母線には、直流母線電流iDCを検出するための電流検出器31が接続されている。
図4(b)には、図4(a)のインバータにおいて、スイッチング素子Q,Q,Qがオン、同Q,Q,Qがオフの状態における電流経路を示している。このとき、図から明らかなように、直流母線電流iDCはインバータの交流出力相電流のうちU相電流iの値に一致している。従って、このときの直流母線電流iDCを検出すれば、その検出値はU相電流iに一致するとみなすことができる。
同様に、各アーム部の上下のスイッチング素子において、上側素子のうちの一つがオン、あるいは、下側素子のうちの一つがオンの状態で直流母線電流iDCを検出すれば、その検出値は上側または下側において一つだけオンとなっている相の電流に一致することが分かる。例えば、スイッチング素子Q,Q,Qがオン、同Q,Q,Qがオフの場合には、直流母線電流iDCがW相電流iの値に一致する。
ここで、直流母線電流iDCの検出タイミング及び各スイッチング素子の状態は、共にインバータを制御する制御装置において管理できるため、理論上は制御装置によって直流母線電流iDCから相電流を自在に導出できることになる。
このような技術は、例えば後述する特許文献1に開示されている。
ただし、上述のような方法では、スイッチング素子のオン、オフ状態及び直流母線電流iDCの検出タイミングを高精度に管理する必要があるため、ハードウェアとして高性能のものを用いる必要があり、また、ソフトウェアの処理において多くの演算時間を要する等の問題がある。
そこで、直流母線電流の検出値を用いて永久磁石型同期電動機を制御する制御装置において、直流母線電流の検出値をローパスフィルタに通し、得られた直流母線電流の低周波成分を用いて同期電動機を安定化制御するようにした従来技術が、特許文献2に開示されている。
図5は、この特許文献2に記載されている制御装置を中心としたブロック図であり、10はインバータ、11はコンデンサからなる直流電圧部、12は直流母線、21は永久磁石型同期電動機であり、31は図4と同様に直流母線電流を検出する電流検出器である。
一方、32は周波数指令器、33はf/V変換器、34は積分器、35はローパスフィルタ、36は有効電流演算器、37はハイパスフィルタ、38は比例演算器、39はパルス幅変調器、40は加算器であり、これらと前記電流検出器31により制御装置が構成されている。
この従来技術は、直流母線電流に直流電圧部の電圧を乗じた値は、インバータ10の損失を無視すれば同期電動機21の入力有効電力になること、更に、同期電動機21の一相当たりの入力有効電力は同期電動機21の一相の電圧と有効電流との積に一致することを利用したものである。
すなわち、直流母線電流の検出値iDCをローパスフィルタ35に通して直流母線電流の低周波成分からその平均値iDC’を求め、このiDC’とf/V変換器33からの電圧指令値vとを用いて有効電流演算器36により同期電動機21の入力有効電流iδを求める。そして、ハイパスフィルタ37により直流分を除去してなる変動成分Δiδに比例演算器38にて所定ゲインを乗じることにより周波数補正量Δfを算出し、この補正量Δfを周波数指令fに負帰還して同期電動機21の安定化制御を行っている。
上記の構成によれば、相電流を検出することなく、直流母線電流の低周波成分のみを用いて安定した制御が実現可能であり、システム全体を安価に構成することができる。
特許第2563226号公報([0005],[0006]、図1,図2等) 特開2005−218273号号公報([0012]〜[0017]、図1等)
しかし、特許文献2に記載された従来技術では、同期電動機21等の負荷の入力有効電流は導くことはできても、相電流の振幅、更には無効電流を求めることはできない。
このため、例えば負荷におけるインピーダンスのうちリアクタンス分が減少して過大な電流が流れた場合には、有効電流は増えずに無効電流のみが増えるため、図5の構成では過大な電流が流れていることを検出できない。その結果、負荷やインバータが過熱してシステムの停止、更には装置の破壊に至る恐れがある。
更に、特許文献2に示すように負荷が界磁付き交流電動機であって、回転子位置のセンサを用いずに電動機を制御する場合には、電動機を低速で運転している場合に次のような大きな問題が生じる。
すなわち、電動機の出力は負荷トルクが一定ならば回転速度にほぼ比例するため、低速回転状態では比較的大きなトルクを発生しても電動機の出力は小さくなる。電動機の入力電力はこの出力に電動機の損失を加えたものであり、また、損失のうち銅損は回転速度への依存性が小さいことから、低速回転時には出力に対する損失の比率が大きくなる。
ここで、インバータ10の直流母線電流の低周波成分は、インバータ10の損失を無視すれば同期電動機21の入力電力に比例するため、電動機21の低速回転状態では上記低周波成分は極めて小さな値となる。このことから、電動機21が低速回転状態で脱調した場合、電動機21の電流振幅が大きくなると共に機械出力の変動も大きくなるものの、前述したように検出される低周波成分は小さく、更にその中で機械出力成分の占める割合が相対的に小さくなっているため、この機械出力の変動を検出できないことがある。
つまり、特許文献2に記載された従来技術では、電動機の脱調を検出できない場合があり、脱調に伴う電動機の電流振幅によって電動機が過熱してしまう恐れがある。
そこで本発明の解決課題は、負荷電流の振幅情報を簡便に得ることにより、有効電流だけでは分からない様々な事象を把握して負荷の制御や保護動作等に利用可能とし、システムの高性能化及び安全性向上を図った電力変換装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1に記載した発明は、
直流電圧部と、
複数の半導体スイッチング素子が直列接続され、その両端が前記直流電圧部に並列接続される少なくとも一つのアーム部と、
前記スイッチング素子のオン、オフを制御する制御手段と、を備え、
前記アーム部におけるスイッチング素子同士の接続点が、負荷の少なくとも一端子に接続される電力変換装置において、
前記直流電圧部と前記アーム部との間に流れる直流母線電流のピーク値相当値を利用して、前記スイッチング素子のオン、オフを制御するものである。
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した電力変換装置において、
更に直流母線電流の低周波成分相当値を利用して前記スイッチング素子のオン、オフを制御するものである。
請求項3に記載した発明は、請求項1または2に記載した電力変換装置において、
前記制御手段は、
集積回路を用いたディジタル制御手段と、
直流母線電流のピーク値相当値を生成するピークホールド手段と、
前記ピーク値相当値をディジタル値に変換して前記ディジタル制御手段に送るA/D変換手段と、を備えたものである。
請求項4に記載した発明は、請求項1〜3の何れか1項に記載した電力変換装置において、
直流母線電流のピーク値相当値を用いて、前記負荷に流れる電流の振幅を求めるものである。
請求項5に記載した発明は、請求項4に記載した電力変換装置において、
更に直流母線電流の低周波成分相当値を用いて前記負荷に流れる有効電流を求めるものである。
請求項6に記載した発明は、請求項1〜5の何れか1項に記載した電力変換装置において、
直流母線電流のピーク値相当値が所定値を上回った場合に、前記スイッチング素子の全てをオフするものである。
請求項7に記載した発明は、請求項6に記載した電力変換装置において、
前記負荷が界磁付き交流電動機であることを特徴とする。
請求項8に記載した発明は、請求項1〜7の何れか1項に記載した電力変換装置において、
複数の前記アーム部によりインバータが構成され、このインバータにより前記負荷としての永久磁石型同期電動機を駆動するものである。
本発明によれば、直流母線電流のピーク値を検出することにより、例えば負荷電流の振幅を求めることができ、これに基づいて電力変換装置の半導体スイッチング素子のオン、オフを制御して負荷への過電流の流入を防ぎ、負荷や電力変換装置の過熱、システムの停止や破壊を未然に防ぐことができる。
また、直流母線電流の低周波成分を用いた安定化制御を併用することも可能であり、更には必要に応じて、低周波成分から求めた有効電流と負荷電流の振幅とから無効電流を求めることもできる。
総じて本発明によれば、システムの高性能化、安全性向上に寄与することが可能である。
以下、図に沿って本発明の実施形態を説明する。
図1は、請求項1に係る発明の実施形態を説明するためのものであり、インバータによって交流電動機を駆動した場合の、インバータの直流母線電流iDCと交流電動機の相電流とを示す波形図である。
図1から分かるように、直流母線電流iDCのピーク値は、電流が最大となっている相の電流値(絶対値)に一致している。従って、iDCのピーク値を検出することにより、電動機の相電流のピーク値を知ることができ、これをインバータの制御に用いることができる。ここで、インバータの制御とは、最終的にはインバータを構成するスイッチング素子のオン、オフの制御に帰結する。
DCのピーク値の検出結果を利用する方法としては、例えば相電流の振幅が所定値以上になった場合には、インバータによる印加電圧を低減して相電流の振幅を低減することがある。
なお、iDCのピーク値は、図1からも明らかなように相電流の基本波の倍数次調波を含んでいる。しかし、この倍数次調波によるピーク値の脈動は比較的小さいため、ピーク値を平滑して得た平均値を用いてもよい。例えば、前述した相電流の振幅を低減させたい場合にはこれで十分である。つまり、ピーク値そのものではなく、その平均値のようにピーク値に準じた値(本明細書において、ピーク値そのもの及びピーク値に準じた値をまとめて、ピーク値相当値という)を用いても差し支えない場合があり、本発明はこのような場合を包含する。
次に、図2は請求項2に係る発明の実施形態であり、上述したiDCのピーク値と、直流母線電流の低周波成分との両方を用いて、同期電動機を制御する場合の駆動システムの構成図である。
具体的には、特許文献2に記載されている、iDCの低周波成分の平均値iDC’(本明細書において、低周波成分そのもの、及び、その平均値のごとく低周波成分に準じた値をまとめて、低周波成分相当値という)を用いた同期電動機の安定化制御系(図5参照)に、iDCのピーク値相当値を用いる構成を付加して同期電動機の過電流保護を図るための構成である。
図2において、図5と同一の構成要素には同一の符号を付してあり、この実施形態では、新たに直流母線電流iDCのピーク値を演算するピーク値演算器41と、その出力から同期電動機21の相電流の過電流状態を判定する過電流判定器42とが付加されている。
なお、iDCの低周波成分の平均値iDC’を用いた安定化制御系の動作は図5について説明した通りであり、ローパスフィルタ35から出力される低周波成分平均値iDC’と電圧指令値vとを用いて有効電流演算器36により同期電動機21の入力有効電流iδを求め、ハイパスフィルタ37により直流分を除去した変動成分Δiδに比例演算器38にて所定ゲインを乗じることにより周波数補正量Δfを算出し、これを周波数指令fに負帰還して同期電動機21の安定化制御を行う。
上記のように、iDCの低周波成分を用いて安定化制御を行いながら、ピーク値演算器41及び過電流判定器42によってiDCのピーク値を監視することにより、ピーク値が所定値を上回った場合には、例えば電動機21への印加電圧を低下させて相電流の振幅を抑制したり、あるいはインバータ10を停止させたりする対策が可能となり、システムの安全性を高めることができる。
なお、ピーク値演算器41は、前述したようにピーク値相当値を演算する手段であれば良い。
次いで、図3は請求項3に係る実施形態の構成図であり、例えば図2におけるピーク値演算器41の構成例を示している。
図3は、iDCのピーク値を検出して制御系に取り込むための構成例であり、制御系は、例えば集積回路を用いたCPUや論理回路からなるディジタル制御系として構成されている。
なお、iDCのピーク値は、インバータのスイッチングの状態を監視し、iDCがインバータ出力のある相の電流に一致しているタイミングでiDCのサンプリングを行うことによっても検出可能である。このような技術は、例えば前掲の特許文献1に開示されている原理を応用すれば実現可能である。ただし、そのためにはインバータのスイッチング周波数に同期した高速かつ高精度なサンプリングタイミングの管理が必要となり、多大な演算処理時間を要したり、あるいはこれを実現するための回路が複雑化するという問題がある。
そこで別の方法として、この実施形態のように、iDCのピーク値を簡単なピークホールド回路により検出し、その出力をサンプリングして制御系に取り込むという方法が考えられる。ピークホールド回路は、良く知られているように抵抗、コンデンサ及びダイオードを各1個用いて構成可能であるため、極めて安価に実現可能である。
図3の実施形態では、ピークホールド回路411として、抵抗R、コンデンサC及びダイオードD以外にオペアンプOPを1つ用いて理想ダイオードを構成し、入力側のインピーダンスを高めて入力側回路に影響を与えずに信号検出を行えるようにしてある。なお、オペアンプOPに入力される入力信号(アナログデータ)は、図2における電流検出器31の出力信号に相当する。
ここで、ピークホールド回路411に用いられるコンデンサC及び抵抗Rの値は、ピーク値を保持すべき時間を考慮して適切に設定すればよい。すなわち、C及びRで決まる時定数τ(=C×R)が小さいほど、出力されるピーク値が元の信号の変化に高速に追従可能となるが、この時定数τが余りに小さいと、出力されるピーク値の変動が大きくなって制御系を不安定にするためである。
このようにピークホールド回路411を介することにより、インバータ10のスイッチングのタイミングとは無関係にサンプルホールドを行うことが可能になり、図3に示すサンプルホールド回路412及びA/D変換器413を介してピークホールド値が送られるCPUでは、高速演算が不要になる。従って、高速のCPUに起因したコスト上昇要因もなくなる。
なお、図示しないが、直流母線電流iDCの低周波成分とピーク値との両方を電子回路によって生成し、それぞれのアナログ値をサンプルホールドして一つまたは複数のA/D変換器を介しディジタル制御系に取り込むことにより、低周波成分による安定化制御とピーク値に基づく過電流保護との両方を実現することが可能である。
既に述べたが、図1に示したように、iDCのピーク値は、負荷に流れる相電流あるいはこれらを合成した電流ベクトルの振幅と見なすことができる。相電流や電流ベクトルの振幅は制御系で用いられることが多々あり、これをiDCのピーク値のみから検出することによって、有用な物理量を安価な構成にて検出し利用できるようになる。
電流振幅の代表的な利用例としては、通流電流の振幅または実効値(正弦波の場合、実効値=√2×振幅)のユーザへの表示や、負荷の銅損(=抵抗値×電流実効値の二乗)の計算による温度上昇の予測などが考えられる。
請求項4に係る発明は、これらの物理量の利用を可能にするものである。
また、前掲の特許文献2に記載されているように、iDCの低周波成分から相電流における有効電流を得ることが可能である。従って、iDCという一つの物理量から、制御において有用な電流の振幅(及び実効値)と有効分の情報を簡便に得ることができ、請求項5に係る発明はこの点に着目したものである。
更に、次の関係式を用いれば、電流の振幅(及び実効値)と有効分とを用いて無効分を導出することもできる。
無効電流=√(電流実効値の二乗−有効電流の二乗)
電流の無効分の利用価値は様々であるが、例えば、伊東淳一、豊崎次郎、大沢博による論文「永久磁石同期電動機のV/f制御の高性能化」(電気学会論文誌D、122巻3号、平成14年、pp.253〜259)に記載されているように、同期電動機の高効率制御に用いることが可能である。
DCのピーク値を相電流のピーク値と見なせることを利用して、請求項6に記載するごとく、iDCのピーク値が所定値を上回った場合にアーム部のスイッチング素子を全てオフとしてシステムを停止させることが可能である。これはいわゆる「過電流保護機能」であり、通常は相電流を検出することによって実現するこの機能をiDCの検出のみによって達成できることになり、安価にシステムの安全性を高めることが可能となる。
先に説明したごとく、上記の過電流保護機能を、同期電動機が低速で脱調した場合の過熱防止に応用することができる。すなわち、同期電動機、中でも小容量用途に用いられる永久磁石型同期電動機(PMモータ)を位置センサレスによって駆動する場合、低速回転時に脱調しても、iDCの低周波成分が大きく変化しない場合が多く、制御系が脱調を検出できずに電動機が過熱し、最悪の場合には焼損する恐れがある。
しかし、PMモータが脱調した場合には電流の振幅が増大するので、iDCのピーク値を監視することによってこれを検知することができる。
すなわち、請求項7に記載したように、負荷がPMモータのような界磁付き交流電動機である場合に、iDCのピーク値が所定値を超えたときに変換装置のスイッチング素子を全てオフするように制御系を構成しておけば、脱調した場合に確実にシステムを停止することができ、過電流の通流を防ぐことができる。
なお、例えばファン負荷では速度のほぼ2乗に比例して負荷が増大し、これによって必要なトルク、更には電流振幅も増大する。すなわち、高速回転になると正常運転状態でも電流振幅が比較的大きくなる。従って、低速では脱調とみなすべき電流振幅が高速では正常であるという状況が生じ得るため、注意が必要である。
その対策としては、例えば回転速度、あるいはこれに比例するインバータの出力電圧の基本波周波数に応じて、iDCのピーク値と比較してインバータを停止するための所定値を変化させることが有効である。すなわち、例えばファン負荷の場合には、低速になるほど軽負荷となって正常な電流振幅が小さくなるため、インバータを停止させるための所定値を低速になるほど小さくすればよい。
請求項1の発明に係る実施形態を説明するための、インバータの直流母線電流と交流電動機の相電流とを示す波形図である。 請求項2に係る発明の実施形態を示す交流電動機駆動システムの構成図である。 請求項3に係る発明の実施形態を示す構成図である。 従来技術を説明するための交流電動機駆動システムの構成図である。 特許文献2に記載されている制御装置を中心としたブロック図である。
符号の説明
10:インバータ
11:直流電圧部
20:交流電動機
21:同期電動機
31:電流検出器
33:f/V変換器
34:積分器
35:ローパスフィルタ
36:有効電流演算器
37:ハイパスフィルタ
38:比例演算器
39:パルス幅変調器
40:加算器
41:ピーク値演算器
42:過電流判定器
411:ピークホールド回路
412:サンプルホールド回路
413:A/D変換器

Claims (8)

  1. 直流電圧部と、
    複数の半導体スイッチング素子が直列接続され、その両端が前記直流電圧部に並列接続される少なくとも一つのアーム部と、
    前記スイッチング素子のオン、オフを制御する制御手段と、を備え、
    前記アーム部におけるスイッチング素子同士の接続点が、負荷の少なくとも一端子に接続される電力変換装置において、
    前記直流電圧部と前記アーム部との間に流れる直流母線電流のピーク値相当値を利用して、前記スイッチング素子のオン、オフを制御することを特徴とする電力変換装置。
  2. 請求項1に記載した電力変換装置において、
    更に直流母線電流の低周波成分相当値を利用して前記スイッチング素子のオン、オフを制御することを特徴とする電力変換装置。
  3. 請求項1または2に記載した電力変換装置において、
    前記制御手段は、
    集積回路を用いたディジタル制御手段と、
    直流母線電流のピーク値相当値を生成するピークホールド手段と、
    前記ピーク値相当値をディジタル値に変換して前記ディジタル制御手段に送るA/D変換手段と、
    を備えたことを特徴とする電力変換装置。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載した電力変換装置において、
    直流母線電流のピーク値相当値を用いて、前記負荷に流れる電流の振幅を求めることを特徴とする電力変換装置。
  5. 請求項4に記載した電力変換装置において、
    更に直流母線電流の低周波成分相当値を用いて前記負荷に流れる有効電流を求めることを特徴とする電力変換装置。
  6. 請求項1〜5の何れか1項に記載した電力変換装置において、
    直流母線電流のピーク値相当値が所定値を上回った場合に、前記スイッチング素子の全てをオフすることを特徴とする電力変換装置。
  7. 請求項6に記載した電力変換装置において、
    前記負荷が界磁付き交流電動機であることを特徴とする電力変換装置。
  8. 請求項1〜7の何れか1項に記載した電力変換装置において、
    複数の前記アーム部によりインバータが構成され、このインバータにより前記負荷としての永久磁石型同期電動機を駆動することを特徴とする電力変換装置。
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