JPH0638088Y2 - フード - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、例えば雨衣用、防寒服用、スポーツウエア用
などのフードで、フード周壁に外部の音を聞き取るため
の聴音口が形成されたフードに関する。

〔従来の技術〕

従来、フード周壁に聴音口が形成されたフードとして、
例えば実公昭56-12258号公報に記載されたものが知られ
ている。

この従来のフードは、縫製加工が容易で、かつ聴音効果
に優れ、しかも通気性をも良好にさせることを目的とし
たフードで、フード上部布、フード下部布、および後布
を備え、またこのフード下部布の上部の表面側にフード
上部布の下部を重合させ、かつこの重合部のフード両側
部に各々聴音用通路を形成させて前記フード下部布とフ
ード上部布とを連接させて形成させたものである。

なお、この従来のフードの聴音用通路の通路は、一枚布
であるために容易に変形する下部布と、同じく一枚布で
あるために容易に変形する上部布とが重なり合った合わ
せ目にできる僅かな隙間である。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところで、このように従来のフードは、聴音用通路が、
一枚布であるために容易に変形する下部布と、同じく一
枚布であるために容易に変形する上部布とが重なり合っ
た合わせ目にできる僅かな隙間であるため、上記聴音用
通路の周壁である下部布側部分周壁と上部布側部分周壁
とは、フードを着用した際、下部布側部分周壁と上部布
側部分周壁との両者が共に着用者の頭部に沿った形に変
形することによって、上記下部布側部分周壁と上部布側
部分周壁とが互いに密着し易く、従って聴音用通路が容
易に閉鎖されて外部の音が聞き取り難かった。

本考案は、このような従来技術を背景になされたもの
で、外部の音が聞き取り易く、通気性が良好で、しかも
製造容易なフードを提供することを目的とするものであ
る。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は上記課題を解決するため下記に示す構成を有す
るものである。

即ち、本考案は、 少なくとも２枚以上の布を結合一体化してなるフードで
あって、フード両側面の構成布を所要箇所で内側に折り
返して、フード両側面の中央部の横方向に沿い、下方が
開放され、かつ全体が二重構造の襞を形成し、該襞の内
側の左右のフード側壁に孔を設けてなることを特徴とす
るフード。

を要旨とするものである。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基づき説明するが、本考
案は、この実施例に限定されるものではない。

なお、この実施例を述べるにあたって、雨衣用のフード
を例にとる。

第１図〜第３図において、１はフードを示し、該フード
１は対象形状を有する２枚のフード構成布2a,2bを縫着
して形成されている。フード１両側面の中央部に横方向
に沿って襞３が形成されており、又、左右各襞３の内側
の側壁8,8には各々２箇所ずつ孔４が設けられている。
上記フード構成布2a,2bは不透水性の合成樹脂製布（例
えば、ナイロン織布に合成ゴムをトッピングしたゴム引
布）で形成されている。更に，フード１にはその正面側
の周縁には着用者の視界を広げるための透明シート（例
えばポリ塩化ビニルなどの合成樹脂製のシート）５が縫
着されている。更に、フード１下部の先端には第３図に
示す如くベルベットファスナー６が縫着されている。

襞３は第２図に示す如くフード構成布2a,2bの所要箇所
（略中央部）を折り返しその上部を縫着することにより
形成されており、下方は開放されている。又、孔４は着
用者の耳の位置に相当する見当で設けられている。

尚、図中７はフードをコートの襟等に装着する際に使用
する固定具である。

この実施例のフードを使用するには、着用者は、このフ
ード１を頭に被り、フード下方両側端部を顎部前で交差
させ、これをベルベットファスナー６で係止させる。

またこのとき、フード両側壁に孔が形成されていて、か
つ襞がフード側壁に密着することなく、襞の下方が開放
されている為、フードを被ると孔から襞下方に亘って適
度な隙間が生じ、外部音が聞き易く、事故防止などが図
れるとともに通気性が良好である。

又、各孔の外側には襞が設けられているため雨等が孔か
ら侵入する虞はない。

さらにまた、実施例では、透明シートがフードの顔面側
に形成されているため、左右方向がより見易い。

さらにまた、実施例では、フードにベルベットファスナ
ーが逢着されているため、フードの着脱が容易である。

以上、本考案の実施例を説明したが、具体的な構成はこ
の実施例に限られるものではなく、本考案の要旨を変更
しない範囲における設計変更などがあっても本考案に含
まれる。

更にまた、実施例では、孔の位置を着用者のほぼ耳高さ
位置に配置させているが、必ずしもこの位置に限定させ
る必要はない。

しかし、外部の音を良好に聞き取るためには、孔の位置
をほぼ着用者の耳高さ位置に配置させた方が好ましい。

更にまた、実施例では、フード下部の両側端部を係止さ
せる係止具としてベルベットファスナーを採用させた
が、必ずしもこれに限定されなくともよく、例えばスナ
ップボタンなどを用いてもよい。

更にまた、この実施例は、雨衣用のフードを例に説明し
たが、これに限定されるものではなく例えば防寒服用や
スポーツウエア用などのフードに使用してもよい。

更にまた、この実施例では２枚のフード構成布2a,2bか
らフードが構成されているが、これに限られるものでは
なく、３枚以上のフード構成布からフードを構成しても
よい。しかしながら少ない枚数で構成する方が製造上好
ましい。

更にまた、この実施例では左右の側壁にそれぞれ２箇所
づつの孔を設けているがこれに限られるものではなく、
少なくとも左右に１箇所つづ孔を設ければよく、孔の数
は限定されない。また、孔の形状も本実施例の如き丸に
限られずいかなる形状も可能である。

更にまた、フードの素材は、不透水性の布帛に限定され
るものではなく、どのような布帛素材でもよいが、不透
水性の布帛が雨などが浸透しなくて好ましく、例えば合
成樹脂製の不透水製布であれば、前記ゴム引布の他にも
ポリエステル織布なども使用でき、また例えば合成繊維
製布帛にポリ塩化ビニルなどをコーティングしたいわゆ
るコーテッドファブリックなども使用できる。

〔考案の効果〕

以上説明した如く、本考案フードはフード両側面に、フ
ード両側面の構成布を所要箇所で内側に折り返して、フ
ード両側面の中央部の横方向に沿い、下方が開放され、
かつ全体が二重構造の襞を形成し、該襞の内側の左右の
フード側壁に孔を設けてなる構成を有するため、襞がフ
ード側壁に密着するのを防止して、外部の音を良好に聞
き取る事ができるとともに、通気性が良好で、しかも容
易に製造することができる優れたフードである。

【図面の簡単な説明】

第１図はフードを示す側面図、第２図は第１図II-II線
に沿う縦断面図、第３図はフードを使用する状態を示す
斜視図である。 １……フード 2a,2b……フード構成布 ３……襞 ４……孔

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】少なくとも２枚以上の布を結合一体化して
   なるフードであって、フード両側面の構成布を所要箇所
   で内側に折り返して、フード両側面の中央部の横方向に
   沿い、下方が開放され、かつ全体が二重構造の襞を形成
   し、該襞の内側の左右のフード側壁に孔を設けてなるこ
   とを特徴とするフード。