JPH0637650U - チェーンとスプロケットの噛合緩衝機構 - Google Patents
チェーンとスプロケットの噛合緩衝機構Info
- Publication number
- JPH0637650U JPH0637650U JP7942292U JP7942292U JPH0637650U JP H0637650 U JPH0637650 U JP H0637650U JP 7942292 U JP7942292 U JP 7942292U JP 7942292 U JP7942292 U JP 7942292U JP H0637650 U JPH0637650 U JP H0637650U
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- chain
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- meshing
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 スプロケットにチェーンが噛合するときに生
じる衝撃を緩衝するための機構を提供する。 【構成】 噛合緩衝機構30は、スプロケット21の側
面にスプロケット21と同心に突出形成された円形突出
部31に遊嵌支持されチェーン20のリンクプレート4
1,42の端面に接触する緩衝リング32を有してい
る。緩衝リング32は、スプロケット20に噛合したチ
ェーン21の複数のローラ45の内、最後方のローラ4
51より後方で且つこのローラ451を有するリンクプ
レート411の長手方向の中央部分が緩衝リング32に
接触したとき、ローラ451の後方隣のローラ452と
スプロケット21の歯底47との間で且つローラ452
より後方のチェーン20の中心線Mと直交してローラ4
52の中心を通る線51上に略々{(D/2)・[1−
COS(180°/Z)]}(但し、Dはスプロケット
21のピッチ円直径、Zはスプロケット21の歯数であ
る。)の隙間Sを生じさせる外周直径Gを有している。
じる衝撃を緩衝するための機構を提供する。 【構成】 噛合緩衝機構30は、スプロケット21の側
面にスプロケット21と同心に突出形成された円形突出
部31に遊嵌支持されチェーン20のリンクプレート4
1,42の端面に接触する緩衝リング32を有してい
る。緩衝リング32は、スプロケット20に噛合したチ
ェーン21の複数のローラ45の内、最後方のローラ4
51より後方で且つこのローラ451を有するリンクプ
レート411の長手方向の中央部分が緩衝リング32に
接触したとき、ローラ451の後方隣のローラ452と
スプロケット21の歯底47との間で且つローラ452
より後方のチェーン20の中心線Mと直交してローラ4
52の中心を通る線51上に略々{(D/2)・[1−
COS(180°/Z)]}(但し、Dはスプロケット
21のピッチ円直径、Zはスプロケット21の歯数であ
る。)の隙間Sを生じさせる外周直径Gを有している。
Description
【0001】
本考案は、チェーンがスプロケットに噛合するときに生じる衝撃を緩衝するた めの機構に関する。
【0002】
一般に、スプロケットとチェーンは、スプロケットの歯の間にチェーンのロー ラが入り込んで噛合するようになっている。このとき、チェーンは、図7に示す ように、リンクプレート11,11同士を連結するピン12の部分で屈曲し、ス プロケット13に巻き付けられて、多角形の形状になる。
【0003】 チェーン10とスプロケット13の噛合を順を追って説明すると、先ず、図7 において左端のローラ14は、図7中、矢印A方向に移動し、スプロケット13 と交差する位置Bまでくると、スプロケット13と噛合を開始する。 その後、ローラ14は、チェーン10がスプロケット13に対して接線状態に なる位置Cまで移動するとスプロケット13に完全に噛合する。この間に、チェ ーン10は実線の位置から想像線の位置へ移動する。 さらに、ローラ14は、Eの位置へ移動する。このとき、次のローラがBの位 置まで来ており、スプロケット13に噛合を開始する。
【0004】 このようにして、スプロケット13にローラ14が順次噛合して行く間に、チ ェーン10は、距離L(以下、本考案では「多角形量」と称する。)だけスプロ ケット13の径方向に往復移動させられる。 この多角形量Lは、略々{(D/2)・[1−COS(180°/Z)]}で ある。Dはスプロケットのピッチ円直径、Zはスプロケットの歯数である。 又、この往復移動は1秒間に略々(Z・N/60)回行なわれる。Nはスプロ ケットの1分間の回転数である。
【0005】
ところが、このようなスプロケットとチェーンの噛み合いは次のような問題点 を有している。 (1) チェーンがスプロケットに多角形の状態で噛合するため、スプロケットの 回転に伴って、チェーンに張力変動が生じ、回転力を円滑に伝達することができ ない。 (2) チェーンがスプロケットに噛合するとき、互いに衝突するようにして噛合 するため、噛合音が発生する。この噛合音の周波数は、略々(Z・N/60)で ある。 (3) チェーンは、多角形量Lだけ往復移動を強制的に行なわされるため、振動 音を発生する。 (4) チェーンの振動によって、スプロケットが取り付けられている動力伝達機 構も振動させられる。又、チェーンと動力伝達機構が共振した場合には、共振音 も発生する。
【0006】
本考案は、スプロケットの側面に前記スプロケットと同心に突出形成された円 形突出部と、前記円形突出部に遊嵌支持されチェーンのリンクプレートの端面に 接触する緩衝リングとを有し、前記緩衝リングは、前記スプロケットに噛合した 前記チェーンの複数のローラの内、最後方のローラより後方で且つ当該ローラを 有するリンクプレートが前記緩衝リングに接触したとき、前記最後方のローラの 後方隣のローラと前記スプロケットの歯底との間で且つ前記後方隣のローラより 後方のチェーン中心線と直交して前記後方隣のローラの中心を通る線上において 略々{(D/2)・[1−COS(180°/Z)]}(但し、Dはスプロケッ トのピッチ円直径、Zは前記スプロケットの歯数である。)の隙間を生じさせる 外周直径を有するという構成により、前記の課題を解決した。
【0007】
チェーンは、ローラの部分でスプロケットに噛合する。 又、チェーンがスプロケットに順次噛合していくとき、各リンクプレートは緩 衝リングに一旦接触する。このとき、リンクプレートが緩衝リングに接触したと き、そのリンクプレートに具えられた後方のローラと歯底との間に略々{(D/ 2)・[1−COS(180°/Z)]}の隙間が生じさせられる。 この隙間は、緩衝リングを有しない従来のチェーンがスプロケットに順次噛合 して行く間に、スプロケットの径方向に往復移動させられる距離(多角形量)に 略々相当する。 このように、ローラと歯底との間に強制的に隙間を生じさせられることによっ て、チェーンは、従来のスプロケットの径方向の往復移動が阻止されながら、ス プロケットに噛合する。
【0008】
以下、本考案の実施例を図1乃至図6に基づいて説明する。 チェーン20は、図5に示すように3つのスプロケット21,22,23に掛 け渡され、矢印F方向に循環移動するようになっている。 スプロケット21には、噛合緩衝機構30(図5においては図示省略)が組み 込まれている。
【0009】 噛合緩衝機構30(図1乃至図3参照)は、スプロケット21にチェーン20 が噛合するときに生じる衝撃を緩衝する機構である。 噛合緩衝機構30は、円形突出部31と、金属製の弾性を有する緩衝リング3 2とで構成されている。なお、緩衝リング32はゴム製であってもよい。 円形突出部31は、スプロケット21の両側面にスプロケット21と同心に突 出形成されている。 緩衝リング32は、円形突出部31,31に遊嵌支持されチェーン20のロー ラリンクプレート41及びピンリンクプレート42の端面に接触するようになっ ている。 緩衝リング32は、円形突出部31,31に圧入された外れ防止リング48, 48によってスプロケット21から離脱しないように規制されている。 緩衝リング32の外周直径Gは、チェーン20の内接円43の直径より大きく 設定されている。
【0010】 緩衝リング32の外周直径Gは、リンクプレート41,42の長手方向の略々 中央部分が緩衝リング32に接触したとき、スプロケット21に噛合を開始する チェーン20のローラ452とスプロケット21の歯底47との間に略々{(D /2)・[1−COS(180°/Z)]}の隙間Sを生じさせる大きさに形成 されている。Dはスプロケット21のピッチ円46の直径、Zはスプロケット2 1の歯33の数である。 なお、リンクプレート41,42の長手方向の中央は、チェーン20のピッチ P(ピン44の間隔)の中心と一致する位置にある。
【0011】 隙間Sは、ピン44とローラ452の中心を通り且つこのローラ452より後 方のチェーン20の中心線Mと直交する線(図1中符号51の線)上における隙 間である。 又、図1において、ローラリンクプレート41の長手方向の中心を通り且つロ ーラリンクプレート41の長手方向と直交する線52は、ローラリンクプレート 41と緩衝リング32との接点Hにおける法線である。
【0012】 次に動作を説明する。 チェーン20はローラ45の部分でスプロケット21に噛合する。 チェーン20は、スプロケット21に噛合するとき、ローラリンクプレート4 1が緩衝リング32に接触し、これからスプロケット21に噛合しようとするロ ーラ452とスプロケット21の歯底47との間に略々{(D/2)・[1−C OS(180°/Z)]}の隙間Sが生じる。
【0013】 この隙間Sは、緩衝リング32を有しない従来例のスプロケットにチェーンが 順次噛合して行く間にスプロケットの径方向に往復移動させられる多角形量Lに 略々相当する距離である。 又、ローラ452は、スプロケット21に噛合した複数のローラ45の内、最 後方のローラ451を具え且つ緩衝リング32に接触したリンクプレート411 の後方に設けられている。 なお、図1中、想像線で示したチェーン50は、仮に、スプロケット21に噛 合緩衝機構30を設けなかった場合の噛合状態を示すものである。
【0014】 スプロケット21に噛合を開始するチェーン20の部分は、隙間Sを生じさせ られることによって、従来の往復移動が阻止され、スプロケット21に、常時、 略々接線状態で噛合することになる。 従って、多角形量Lが殆どなくなり、チェーン20の噛合騒音が軽減される。
【0015】 図6に示すグラフは、ピッチ円直径(D)=46.07mm、歯数18枚のス プロケットにおいて、緩衝リングの直径Gを変えて得られる多角形量Lに対する 、チェーンの噛合騒音を測定したときのデータである。 グラフの縦軸は騒音(dB)を示し、横軸は多角形量(mm)を示している。 チェーン20が、スプロケット21に、常時、略々接線状態で噛合するように する場合の最適な隙間Sは、{(46.07/2)・[1−COS(180°/ 18)]}=0.35mmである。 この最適な隙間Sがチェーン50とスプロケット21との間に生じているとき 、多角形量は0である。最適な隙間Sより大きい隙間の場合の多角形量を+、小 さい隙間の場合の多角形量を−とする。
【0016】 図6のグラフによると、略々基準値0を境にして、噛合騒音が大きくなってお り、噛合緩衝機構30は、騒音を低減することが裏付けられる。 なお、騒音の最低値が基準値0よりずれているのは、チェーン20、スプロケ ット21等の加工誤差によって生じる寸法的なばらつきによるものと解される。
【0017】
本考案の噛合緩衝機構は、チェーンの噛合開始部分を緩衝リングで受けとめ、 チェーンがスプロケットに常時略々接線状態で噛合を開始することができるよう にしたので次の効果を奏する。 (1) チェーンは、スプロケットに噛合を開始するとき、従来のスプロケットの 径方向の往復移動が阻止されるため、スプロケットに噛合するときの衝撃が緩衝 され、回転力を円滑に伝達することができる。 (2) チェーンの噛合騒音や、噛合振動を低減することができる。 (3) チェーンの振動が低減されることによって、チェーンと動力伝達機構の共 振が少なくなり、共振音も低減する。
【図1】本考案の噛合緩衝機構を具えたスプロケットの
正面図であり、外れ防止リングを省略した図である。
正面図であり、外れ防止リングを省略した図である。
【図2】図1中2−2矢視図であり、チェーン以外の部
分を断面で表わした図である。
分を断面で表わした図である。
【図3】図1中3−3矢視図であり、チェーン以外の部
分を断面で表わした図である。
分を断面で表わした図である。
【図4】図1中4−4矢視図であり、チェーン以外の部
分を断面で表わした図である。
分を断面で表わした図である。
【図5】チェーンとスプロケットとの噛合状態を示した
概略正面図である。
概略正面図である。
【図6】図1における隙間Sの大きさを種々変更した場
合のスプロケットとチェーンの噛合騒音実験データのグ
ラフである。
合のスプロケットとチェーンの噛合騒音実験データのグ
ラフである。
【図7】チェーンとスプロケットの従来の噛合状態を示
す概略正面図である。
す概略正面図である。
H リンクプレートと緩衝リングとの接触部分 G 外周直径 M チェーンの中心線 S 隙間 20 チェーン 21 スプロケット 30 噛合緩衝機構 31 円形突出部 32 緩衝リング 41 ローラリンクプレート(リンクプレート) 42 ピンリンクプレート(リンクプレート) 45 ローラ 47 歯底 51 チェーンの中心線と直交する線 411 最後方のローラを有するリンクプレート 451 最後方のローラ 452 後方隣のローラ
Claims (1)
- 【請求項1】 スプロケットの側面に前記スプロケット
と同心に突出形成された円形突出部と、前記円形突出部
に遊嵌支持されチェーンのリンクプレートの端面に接触
する緩衝リングとを有し、前記緩衝リングは、前記スプ
ロケットに噛合した前記チェーンの複数のローラの内、
最後方のローラより後方で且つ当該ローラを有するリン
クプレートが前記緩衝リングに接触したとき、前記最後
方のローラの後方隣のローラと前記スプロケットの歯底
との間で且つ前記後方隣のローラより後方のチェーン中
心線と直交して前記後方隣のローラの中心を通る線上に
おいて略々{(D/2)・[1−COS(180°/
Z)]}(但し、Dはスプロケットのピッチ円直径、Z
は前記スプロケットの歯数である。)の隙間を生じさせ
る外周直径を有することを特徴とする、チェーンとスプ
ロケットの噛合緩衝機構。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7942292U JPH0637650U (ja) | 1992-10-22 | 1992-10-22 | チェーンとスプロケットの噛合緩衝機構 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7942292U JPH0637650U (ja) | 1992-10-22 | 1992-10-22 | チェーンとスプロケットの噛合緩衝機構 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0637650U true JPH0637650U (ja) | 1994-05-20 |
Family
ID=13689432
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7942292U Pending JPH0637650U (ja) | 1992-10-22 | 1992-10-22 | チェーンとスプロケットの噛合緩衝機構 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0637650U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100508165B1 (ko) * | 2002-09-27 | 2005-08-17 | 현대자동차주식회사 | 밸런스 샤프트 스프로켓의 체인 소음 저감 구조 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5347862A (en) * | 1976-10-13 | 1978-04-28 | Mitsutoyo Seisakusho | Inchhmilli conversion circuit |
-
1992
- 1992-10-22 JP JP7942292U patent/JPH0637650U/ja active Pending
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5347862A (en) * | 1976-10-13 | 1978-04-28 | Mitsutoyo Seisakusho | Inchhmilli conversion circuit |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100508165B1 (ko) * | 2002-09-27 | 2005-08-17 | 현대자동차주식회사 | 밸런스 샤프트 스프로켓의 체인 소음 저감 구조 |
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