JP3712764B2 - ローラチェーン組立体およびスプロケット組立体 - Google Patents

ローラチェーン組立体およびスプロケット組立体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般に、動力伝達用チェーンに関し、その中でもとくに、ローラチェーンに関する。
【0002】
【従来の技術およびその課題】
本件出願の優先権主張の基礎となる対応米国出願は、米国特許出願第08/361,432号(以下「前者」という)およびその一部継続出願である米国特許出願第08/434,975号(以下「後者」という)であって、前者は、「ピン突出量を最小にしたチェーン組立体(Chain Assemblies With Minimal Pin Projection)」という名称で1994年12月21日に出願されており、その出願内容は、引用することによって後者の出願の明細書に含まれる。
【0003】
また、前者の出願は、「位相調整されたチェーン組立体(Phased Chain Assemblies)」という名称で1993年10月 4日に出願された、米国特許出願第08/131,473号の一部継続出願であり、当該出願の出願内容は引用することによって後者の出願の明細書の中に含まれる。さらに、当該米国特許出願第08/131,473号は、1992年 5月19日に出願され現在は放棄されている米国特許出願第07/885,194号の一部継続出願であり、該特許出願も引用することによって後者の出願の明細書の中に含まれる。
【0004】
本発明は、動力伝達用チェーンの中でもとくにローラチェーンに適用される。ローラチェーンは、主に自動車エンジンのタイミング用として用いられるが、トルクコンバータからトランスミッションに動力を伝達する際や四輪駆動車のトランスファーケース内でも使用される。
【0005】
チェーンの一つの型式は、「ローラチェーン」として知られている。典型的なローラチェーンは、交互に配置された内側リンクおよび外側リンクから構成されている。「ブシュ」リンクとしても知られる内側リンクは、間隔を隔てて配置されたサイドバーから構成されており、サイドバーの各端部の開孔または孔内には、ブシュが圧入されている。「ピン」リンクまたは「ガイド」リンクとしても知られる外側リンクは、間隔を隔てて配置されたサイドバーから構成されており、サイドバーの各端部の開孔または孔内には、ピンが圧入されている。外側リンクを内側リンクに交互に枢支可能に連結するために、ブシュはピンの回りを自由に回転するようになっている。ブシュの上にはローラが設けられている。
【0006】
ローラチェーンがスプロケットの回りに巻き掛けられるとき、スプロケット歯は、チェーン幅方向に間隔を隔てたサイドバーと、チェーン長手方向に間隔を隔てたローラとの間に受け入れられる。ローラチェーンの例は米国特許第 4,186,617号および米国特許第 5,226,856号の中に見出され、これらの特許は引用することによって本明細書の中に含まれる。
【0007】
ローラチェーン駆動装置は、「ローラ付タイプ(“true roller”design)」とローラ無しタイプの双方を含んでいる。ローラ付タイプは、ブシュの回りに取り付けられた上述のローラを含んでいる。ローラ無しタイプは、スプロケットに直接接触するブシュを含んでいる。両タイプのローラチェーンは、一般に、英国規格チェーンおよび米国特許規格協会(ANSI)チェーンとして産業上特徴づけられている。
【0008】
従来のローラチェーンにおいては、外側リンクつまりピンリンクは、ピンに圧入されている。ピンは、一般に、外側リンクの縁部を越えてチェーン幅方向に、すなわちスプロケット回りのチェーン長手方向の運動と交差する方向に延びている。
【0009】
以下に説明するように、本発明の一実施態様においては、ピンは、外側リンクつまりピンリンクの外側縁部または側面と面一になっており、あるいは、外側リンクの側面からの突出量が最小になるように構成されている。ピンの突出量を最小にすることにより、幅の狭いチェーン構造にすることができるとともに、並設関係にある二本のチェーンの外側リンクが単一の組立体の中で結合され、または互いに接触関係におかれているような実施態様を実現できる。また、他の実施態様においては、二本の隣接チェーンの各ピンが接触関係にあり、あるいは一方のチェーンのピンが隣り合うチェーンの外側リンクの側面に接触している。
【0010】
本発明は、とくに、衝撃ノイズスペクトルおよびコーダルアクション(弦振動)ノイズスペクトルの変更のために、チェーンとスプロケットがオフセットまたは位相調整されたチェーン組立体に適用される。位相調整されたチェーンシステム(以下、「フェーズドチェーンシステム」という)においては、単一のチェーン組立体が、通常1/2ピッチ位相調整またはオフセットされた二本の並設チェーンに分割つまり置換されている。本発明の一実施態様においては、ピン突出量を最小にする構成が、並設関係にある二本のチェーンの各側面に用いられている。二本のチェーンを並設して接触関係におくことにより、従来のフェーズドチェーンシステムよりもより幅の狭いフェーズドチェーンシステムを実現できる。
【0011】
従来のローラチェーン駆動装置は、軸に支持された少なくとも二つのスプロケットの回りに巻き掛けられる無端状のローラチェーンから構成されている。駆動スプロケットの回転により、チェーンを通じて動力の伝達が起こり、続いて従動スプロケットが回転する。エンジンのタイミング駆動装置への適用においては、駆動スプロケットはエンジンのクランクシャフト上に固定され、従動スプロケットはカムシャフト上に固定されている。ローラチェーンおよび内向き歯付チェーン組立体に適した、種々の形式のエンジンタイミングシステムとその構成が、1993年10月 4日に出願された米国特許出願第08/131,473号の中にも示されており、該特許は、引用することによって本明細書の中に含まれる。
【0012】
ノイズはチェーン駆動装置につきものである。ノイズは種々の発生源によって発生するが、ローラチェーン駆動装置においては、ノイズは部分的には、噛合い開始時のチェーンとスプロケットとの衝突により発生する衝突音によって引き起こされる。衝突音の大きさは、とりわけ、チェーンおよびスプロケット間の衝突速度と、特定の瞬間または時間増分においてスプロケットと接触するチェーンリンクの質量とにより影響を受ける。
【0013】
自動車用チェーン駆動装置において、純音成分の不快な影響を最小にするために、全体のノイズレベルおよびピッチ周期のノイズ分布を低減させるための多くの努力がなされてきた。これらの努力のいくつかについては、1993年10月 4日に出願された上述の米国特許出願第08/131,473号の中で説明されている。本発明は、ランダム化およびチェーン組立体の位相調整を含む、上記出願の中で論じられたノイズ低減のためのいくつかの概念とともに適用される。その一方、本発明は、たとえば非位相調整スプロケットを含むチェーンシステムに対しても広く適用される。
【0014】
チェーンおよびスプロケットの関係を位相調整することにより、与えられた時間増分の間にスプロケットと衝突するチェーンローラの数(すなわち質量)を減少させることができる。同様に、チェーン,スプロケット関係の位相調整により、チェーンおよびスプロケットのコーダルアクションあるいは屈曲運動を変更し、または位相調整することができる。
【0015】
しかしながら、とくに最近のエンジンタイミングシステムにみられる、チェーン組立体の幅縮小化の要請により、並列でかつ位相調整関係にある二本のチェーンで単一のチェーンを置換するような場合には、フェーズドチェーンシステムを使用することが困難になっている。単一のチェーンによって占められていた同じ幅の中に二本の位相調整チェーン(以下、「フェーズドチェーン」という)を並設するためには、いくつかのリンクの除去または薄い内側リンクの使用が要求される。
【0016】
このような変更は、チェーン幅方向に沿ってリンクの数を少なくしなければならず、あるいはチェーンに沿って薄いリンクを用いなければならず、この結果、チェーン幅方向に沿って多数のリンクを備えたチェーン組立体よりもチェーン組立体の強度が低くなって不利である。
【0017】
フェーズドチェーンシステムは、並設された非位相調整チェーンシステム(以下、「ノンフェーズドチェーンシステム」という)と同様に、一般に、間隔を隔てて配置された関係にある二本のチェーンで構成されている。チェーンが運転中に互いに接触しないようにするために、二本のチェーンの間に隙間が設けられている。高速仕様の自動車への適用においては、各組立体の駆動スプロケットおよび従動スプロケット間の空間内で延びる各チェーンの部分でかなり大きな動きが発生する。二本のチェーン間の幅方向の間隙は、このような動きの最中に二本のチェーン間で接触が生じないようにするために設けられている。
【0018】
また、チェーンと他の構造物との間にクリアランスを設けることが、運転中のチェーンの長手方向または幅方向の運動により生じる接触を避けるために一般に推奨されている。チェーン間の間隙はまた、チェーン組立体の大きさまたは全幅に影響する。
【0019】
上述のように、本発明は、チェーンの側面からの突出量が最小になるように構成されたピンを使用している。外側リンクの縁部からピンが突出するのを防止するためにサイドバーを溶接したローラチェーンの一例がマキオンらの米国特許第 4,036,072号に示されている。マキオンらのチェーンでは、ピン端面がサイドバー内側面に当接した状態で溶接されている。
【0020】
位相調整されたローラチェーンシステム(以下、「フェーズドローラチェーンシステム」という)の一例がヒルの米国特許第 3,029,654号に開示されている。ヒルの特許では、三本のローラチェーンが並列でオフセットまたは位相調整された関係で配置されている。三本のチェーンは、リンクから幅方向に突出するピンとともに示されている。三本のチェーンは幅方向に間隔を隔てた関係で示されており、これにより、チェーンおよびピン間の接触が回避されている。
【0021】
フェーズドローラチェーンシステムの他の例は、川上の実開平3-28348 号(実願平1-51359 号) 公報に開示されている。川上のシステムでは、四本のチェーンが並列に配置されるとともに、1/4ピッチオフセットまたは位相調整されている。この公報の教示によれば、チェーンは互いに連結されておらず各々独立している。
【0022】
図3では、隣り合うチェーン間でピン同士が接触しているように見えるが、川上による独立チェーンの教示内容を考慮すると、この接触は単なる付随的な接触にすぎない。また、1/4ピッチのオフセットにより、ピンは互いに重ね合わされず、隣り合うチェーンのリンクとは接触しない。川上によるチェーン構成は、実開平5-17251 号(実願平3-90363 号)のシステムに非常によく似ている。
【0023】
フェーズドローラチェーンシステムの第3の例は、福本の特開平2-76944 号(特願昭63-227318 号)公報に開示されている。福本の出願は、ピンを突出させることによって相互に連結されている、二本の位相調整されたローラチェーン(以下、「フェーズドローラチェーン」という)を開示している。図2は近接関係にあるチェーンを示しており、一方、図4は、離れて配置されてはいるが突出ピンにより相互に連結されたチェーンを示している。福本は、二つのチェーンを相互連結することを教示しており、非連結または独立関係にあるチェーンを示してはいない。
【0024】
本発明は、幅の狭いローラチェーン組立体を提供することを目的とする。また、本発明の他の目的は、フェーズドチェーン組立体の幅を減少させることができ、さらには、同じ幅のチェーン内でより多くのリンクを使用できるようにすることにより、強度を向上させることができるローラチェーン組立体を提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明に係るローラチェーン組立体は、オフセットされた関係で並設された第1および第2のローラチェーンから構成されており、前記各ローラチェーンが、他のローラチェーンにもっとも接近して配置される内側部分と、前記内側部分と逆側に配置される外側部分とを有している。前記第1のローラチェーンは、交互に配置された内側および外側リンクの組を備え、各外側リンクが、ピン部材の両端に固定された第1および第2の外側リンクプレートを有し、各外側リンクプレートが前記ピン部材を受け入れるための一対の開孔を有しており、各内側リンクが、前記外側リンクの前記ピン部材上を回転するように取り付けられた一対のブシュを有し、前記内側リンクが前記ブシュに固定された一対の内側リンクプレートを有し、各内側リンクプレートが、前記ブシュを受け入れるための一対の開孔を有しており、前記内側リンクおよび外側リンクの各々がスプロケット歯を受け入れるように設けられるとともに、前記ピン部材が前記第2の外側リンクプレートの前記縁部を越えた突出量は、該ピン部材が前記第1の外側リンクプレートの前記縁部を越えた突出量よりも小さくなっている。前記第2のローラチェーンは、交互に配置された内側および外側リンクの組を備え、各外側リンクが、間隔を隔てたピン部材に固定された第1および第2の外側リンクプレートを有し、各外側リンクプレートが前記ピン部材を受け入れるための一対の開孔を有しており、各内側リンクが、前記外側リンクの前記ピン部材上を回転するように取り付けられた一対のブシュを有し、前記内側リンクが前記ブシュに固定された一対の内側リンクプレートを有し、各内側リンクプレートが、前記ブシュを受け入れるための一対の開孔を有しており、前記内側リンクおよび外側リンクの各々がスプロケット歯を受け入れるように設けられるとともに、前記ピン部材が前記第2の外側リンクプレートの前記縁部を越えた突出量は、該ピン部材が前記第1の外側リンクプレートの前記縁部を越えた突出量よりも小さくなっている。そして、前記第1のローラチェーンの前記第2の外側リンクプレートが当該ローラチェーンの前記内側部分に配置され、前記第2のローラチェーンの前記第2の外側リンクプレートが当該ローラチェーンの前記内側部分に配置されるとともに、前記第1のローラチェーンの前記第2の外側リンクプレートから突出する前記ピン部材が、前記第2のローラチェーンの前記第2の外側リンクプレートに当接しており、前記第2のローラチェーンの前記第2の外側リンクプレートから突出する前記ピン部材が、前記第1のローラチェーンの前記第2の外側リンクプレートに当接していることを特徴としている。
【0026】
請求項2の発明に係るローラチェーン組立体は、請求項1において、前記第1のチェーンのローラの位置が前記第2のチェーンのローラに対して1/2ピッチオフセットされていることを特徴としている。
【0027】
請求項3の発明に係るローラチェーン組立体は、請求項1において、前記第1のチェーンの前記ピン部材が、前記第2のチェーンの前記各ピン部材の間にはまりこんでいることを特徴としている。
【0028】
請求項4の発明に係るスプロケット組立体は、請求項1記載のローラチェーン組立体と ともに用いられるスプロケット組立体であって、駆動軸に連結された第1および第2の駆動スプロケットを備え、該第1および第2の駆動スプロケットが間隔を隔てた複数の歯を有し、前記駆動スプロケットが前記駆動軸に沿って平行に配設され、前記第1の駆動スプロケットの前記歯の配置が、前記第2の駆動スプロケットの歯に対して円周上でオフセットされており、従動軸に連結された第1および第2の従動スプロケットをさらに備え、該第1および第2の従動スプロケットが間隔を隔てた複数の歯を有し、前記従動スプロケットが前記従動軸に沿って平行に配設され、前記第1の従動スプロケットの前記歯の配置が、前記第2の従動スプロケットの歯に対して円周上でオフセットされており、前記駆動軸が入力軸に駆動連結され、前記従動軸が出力軸に駆動連結されており、前記第1の駆動スプロケットが、前記第1の従動スプロケットと整列配置されるとともに、前記第1の駆動スプロケットを前記第1の従動スプロケットに駆動連結する前記第1のチェーンを有し、前記第2の駆動スプロケットが、前記第2の従動スプロケットと整列配置されるとともに、前記第2の駆動スプロケットを前記第2の従動スプロケットに駆動連結する前記第2のチェーンを有していることを特徴としている。
【0029】
請求項5の発明に係るローラチェーン組立体は、請求項4において、前記第1および第2の駆動スプロケットが約1/2ピッチオフセットされていることを特徴としている。
【0030】
【発明の実施の形態】
発明の概要
本発明は、チェーンの外側リンクを越える突出量を最小にしたピンが設けられるチェーン組立体に関する。すなわち、チェーン幅方向の少なくとも一側面において、ピン端面が好ましくは面一であり、あるいはピンが外側リンクの縁部を越えて延びてはいない。外側リンクを越えるピンの延長度合いは、好ましくは外側リンクまたは最外側リンクの厚みの50%以下であり、より好ましくは、外側リンクまたは最外側リンクの厚みの10%以下に制限される。
【0031】
本発明の一実施態様においては、フェーズドチェーンシステムが、オフセットあるいは位相調整された関係で並設されている二本のチェーンを含んでいる。ピン突出量は、並設関係にある二本のチェーンの側面上に制限されている。ピンの突出量を最小にすることにより、二本のチェーンの各外側リンクのみならず各ピンを接触関係におくことができる。このような接触関係は、並設されたチェーン間での接触が防止されていた従来のチェーン組立体とは大きく異なっている。
【0032】
ピンをリンクと実質的に面一にし、あるいはリンクの外側縁部を越えてごく最小の長さだけ突出させることにより、二本の並設されたチェーン組立体が近接して配置され、二本のチェーンの外側リンクが互いに接触することになる。二本のチェーンを近接配置させることによって、全システムの幅を小さくできる。
【0033】
チェーン幅方向中央に向かう方向にピンを押し込むことによって、ピンは外側リンクと面一に配置される。あるいは、チェーン外側においてピン孔開口がわずかに拡げられて、該開口内にピンが着座する。ピンがチェーンの他側面側よりも一側面側に多く突出することにより、ピンがチェーン長手方向に関して非対称に配置される。
【0034】
ピンはリンク外側面と面一である必要はないが、好ましくは、チェーン幅方向外方にあまり長く突出すべきではない。一実施態様においては、ピン突出量は、最内側リンクの厚みの50%以下に制限されている。また、より好ましい実施態様においては、ピン突出量は、最内側リンクの厚みの10%以下に制限されている。
【0035】
なお、ここで、最内側リンク(“innermost link”)という語は、たとえば、隣接するチェーンに並設された関係にあるチェーンの側のリンクを定義するのに用いられている。ノンフェーズドチェーンシステムまたは並設チェーンを有していないシステムにおいては、チェーンのいずれかの側が、最内側リンクを含む内側(“inner”side)と定義される。
【0036】
本発明は、チェーン組立体の幅を減少させる際のいくつかの利点を提供する。最近の自動車エンジン用タイミングチェーンにとって必要なパッケージサイズの小型化の際に、フェーズドチェーンシステム内における二本のチェーン間の間隙を無くすことはパッケージサイズ上の利点をもたらす。
【0037】
本発明はまた、並設関係にある二本のチェーンを組み立てるための新しい形態をも提供する。従来のチェーンシステムにおいては、二本の並設チェーンが、チェーンの長手方向または幅方向の動きにより二本のチェーン間で接触が起こらないように、間隔を隔てた関係でつまり特定のクリアランスをもって配置されている。一方、本発明においては、各チェーンが他のチェーンに接触するように、二本のチェーンが接触した関係で配置される。このようなアプローチの仕方は、接触を回避する従来の教示とは正反対のものである。
【0038】
本発明は、とくに、フェーズドチェーン組立体またはフェーズドチェーンシステムに適用される。それは、高速仕様の自動車のトランスミッション,トランスファケースまたはエンジンタイミングシステムであり、これらにおいて、スプロケットは二つの部分または分離された組立体に分割されており、各スプロケット部分は単一または複数のチェーンが巻き掛けられた状態で、互いにオフセットされまたは位相調整されている。
【0039】
これらの実施態様の各々は、その他の実施態様とともに、2本,3本または4本のチェーンからなるチェーン組立体を含む、複数のチェーン組立体を有している。またスプロケットは、1/4歯,1/3歯,1/2歯あるいは他の種々のピッチ量だけ位相調整されている。同様に、チェーン組立体は、1/4ピッチ,1/3ピッチ,1/2ピッチまたは他のピッチ分だけ位相調整されている。
【0040】
各チェーン組立体においては、リンクは、リンクの組を構成するように交互に配置されている。各リンクは一対の開孔を有し、あるリンクの組の開孔は、隣接するリンクの組の開孔と組み合わされるように配置されている。丸ピンまたはロッカージョイントの形態をとる枢支部材は、隣接するリンクの組を開孔を通して連結するとともに、隣接するリンクの組に対してリンクの組が枢支運動を行えるように、用いられている。ローラチェーンの場合には、リンクは相互に連結され、スプロケットにはローラまたはブシュのいずれかが接触している。
【0041】
好ましい実施態様の詳細な説明
図1は、従来のチェーンの一部を参照数字10で示している。チェーンは、リンク,ピン,ブシュおよびローラの組から構成されている。チェーンは、交互に配置された外側リンク12および内側リンク14の組を有しており、各リンクは図3により明確に示されている。外側リンクは、一対の外側リンクプレート16,18またはサイドバーによって構成されている。内側リンクは同様に、一対の内側リンクプレート20,22によって構成されている。
【0042】
外側リンクプレート16,18は、一対のピン24,26に固定されている。ピンは、間隔を隔てて配置されるとともに、外側リンクプレートの開孔28内に装着されている。ピンは、一般に、圧入によって、あるいは溶接,かしめ,または当該分野で知られるその他のあらゆる手段によって、外側リンクプレートに固定される。
【0043】
内側リンク20,22は、一対のブシュ30に固定されている。ブシュは、一般に円筒形状をしており、間隔を隔てて配置され、内側リンクプレートの開孔28内に装着されている。ブシュは、一般に、圧入によって、あるいは溶接,かしめ,または当該分野で知られるその他のあらゆる手段によって、内側リンクプレートに固定される。
【0044】
ブシュはピンの回りに取り付けられ、ピンの回りを自由に回転するようになっている。ピンの回りをブシュが回転することにより、外側リンクが内側リンクに対して枢支運動を行える。図1に示される従来のチェーンにおいては、ローラ34がブシュの回りに取り付けられ、ブシュの回りを回転自在になっている。ローラは一般に円筒形状をしており、スプロケット歯と接触する。図2(a)に示される従来のチェーンでは、ブシュは直接スプロケットと接触する。
【0045】
段付ブシュ31が図2(b)に示されている。この段付ブシュ31は、スプロケットと係合する大径部と、リンクプレートに圧入される小径部とを有している。
【0046】
このように、図1のチェーンは、ピンをブシュ内に、ブシュをローラ内にそれぞれ挿入することによって構成されている。ブシュおよびローラは、図1および図2(a)に示すように、一般にスプリット付で形成されている。ブシュは一対の内側リンクプレートに固定され、ピンは一対の外側リンクプレートに固定されている。内側リンクおよび外側リンクは、無端状のチェーンを構成するように、連続して交互に配置されている。チェーンの長さおよびリンクの正確な数は、とりわけ適用例(アプリケーション)やスプロケット間の芯間距離によって決定される。
【0047】
チェーンのローラはスプロケット歯と接触する。ローラはスプロケット歯間の基部に着座する。外側リンクおよび内側リンクは、スプロケット歯が各リンクプレート間および各ローラ間で受け入れられるように、構成されている。
【0048】
本発明は、チェーン幅方向の突出量が最小であるピンを有するチェーンを提供しようとしている。図5は、並設関係にある一対の位相調整チェーン(フェーズドチェーン)40,42を示している。二本のチェーンは、外側に沿って配置されたガイドリンクまたは外側リンク44と、スプロケットとの駆動接触のためのローラ48,50を有する内側リンク46とを含んでいる。二つのスプロケットは、約1/2ピッチ位相調整されまたはオフセットされている。ローラチェーンのための一対の位相調整されたスプロケット(以下、「フェーズドスプロケット」という)は、図4に示されている。
【0049】
図3に示される従来のチェーン組立体においては、ピン24,26は、チェーン組立体の両側から外方に突出している。ピンは、チェーン長手方向に関して一般に(製造公差の範囲内で)対称である。従来構造における典型的な二本のフェーズドチェーンは、分離され間隔を隔てられた関係におかれる。一方のチェーンのガイドリンクが、これと隣り合うチェーンのガイドリンクと接触しないように、両チェーン間には間隙が設けられる。
【0050】
図5は、本発明の最小ピン突出量という特徴部分を採用した一対のフェーズドチェーンを示している。同図に示すように、二本のチェーンは、各チェーンの外側に沿って配置された外側リンクつまりピンリンクを含んでいる。外側リンクはリンクプレート対によって形成され、内側リンクもまたリンクプレート対によって形成されている。図5の実施態様においては、各チェーン40,42の外側リンクが、外側リンクプレート52,53をチェーン40側に、外側リンクプレート54,55をチェーン42側にそれぞれ有している。
【0051】
また、チェーン40の内側リンク56が内側リンクプレート58,60を有し、チェーン42の内側リンク62が内側リンクプレート64,66を有している。一方のチェーンのピンを、隣り合うチェーンのリンクプレートまで突出させることによって、二本のチェーン間の接触状態が達成されている。すなわち、チェーン40のピン68はチェーン42のプレート54まで延びている。同様に、チェーン42のピン72はチェーン40のプレート73まで延びている。
【0052】
外側リンクプレートの縁部(“edge”)は、チェーン幅方向のリンクプレート側面上で平坦面になっている。二つの縁部間の距離がリンクプレートの厚みである。厚みは、たとえば図3,図5および図6に示されている。ピンは、同じ外側リンクプレートの外側縁部を越えて延びている。ピンは、従来の方法で外側リンクプレート内に圧入されている。
【0053】
このように、本発明による第1の実施態様が図5に示されている。この実施態様においては、各チェーンが、外側リンク44および内側リンク46と、スプロケット歯と接触するローラ50とを有している。二本のチェーンは、並設関係におかれており、1/2ピッチ位相調整またはピッチオフセットされている。したがって、二本のチェーンが巻き掛けられる各スプロケットも並設関係におかれており、1/2ピッチ位相調整されている。フェーズドスプロケットは図4に示されている。
【0054】
図5の実施態様においては、ピンは、各チェーンの両側において外側リンクプレートを越えて延びている。この実施態様では、一方のチェーンのピンが他方のチェーンの各ピンの間にはまりこんでいる。また、この実施態様では、一方のチェーンのピンが他方のチェーンのリンクプレートと接触するように設けられており、このような重ね合わせにより、チェーンの幅を狭くすることができる。1/2ピッチのオフセットによってピンの重ね合わせが行われている。言い換えれば、一方のチェーンのピンは、他方のチェーンの各ピンの間に配置されている。
【0055】
なお、図5では、リンクプレートの縁部を越えるピンの突出量が誇張して示されており、チェーンシステムのパッケージサイズを小型化して本発明の教示を生かすためには、ピン突出量はもっと小さくされる。
【0056】
図6に示される他の実施態様は、前記実施態様と似ているが、各チェーンのリンクプレートを接触させることを含んでいる。すなわち、各チェーン100,102は独立しているが、各々の外側リンクプレートを介して互いに接触している。チェーン100は、外側リンクプレート対106,108を有する外側リンク104と、内側リンクプレート対112,114を有する内側リンク110とを含んでいる。同様に、チェーン102は、外側リンクプレート対118,120を有する外側リンク116と、内側リンクプレート対124,126を有する内側リンク122とを含んでいる。
【0057】
チェーン100はまた、ピン128およびローラ130,132を含んでいる。同様に、チェーン102は、ピン134およびローラ136,138を含んでいる。チェーン100のピン128は、隣接するチェーン102の側における、外側リンクプレート108の縁部を越える突出量が制限されている。同様に、チェーン102のピン134は、隣接するチェーン100の側における、外側リンクプレート120の縁部を越える突出量が制限されている。その一方、これらのピンは、隣接するチェーンの側に向かってある距離だけ突出させて、二つのチェーンの各リンクプレート間で接触させるようにしてもよい。
【0058】
ピン突出量を最小にするための、ピンの外側リンク内への装着は、多くの可能な方法によって実現される。三つの製造方法が図7ないし図9に示されている。もちろん、他の製造方法も可能であり、本発明は、ここに図示され記述された方法に限定されるものではない。
【0059】
図7の方法では、(a)に示されるように、ピン140が、外側リンクの外側に突出するまで、リンク142内を通って押し込まれる。ピンの頭がリベッティングされた後、(b)に示すように、望ましい突出状態が得られる位置まで、ピンはガイドリンク内に押し込められる。ピンの頭はリンク端部から突出していてもよいが、好ましくはリンクと実質的に面一であるか、あるいはリンク内に没入している。ピンはリンク開孔の凹部内に押し込まれていてもよく、あるいはリンク自体を塑性変形させてもよい。
【0060】
一実施態様においては、ピンは、リンクの厚みの10%以下の量だけリンク表面から突出している。他の実施態様においては、ピンは、リンクの厚みの50%以下の量だけリンク表面から突出している。他の突出量も可能ではあるが、本発明の意図は、たとえばチェーン幅の減少を含む本発明の利点を促進させるために、ピン突出量を制限することにある。
【0061】
ピンがリンク内に装着されたとき、ピンはチェーン長手方向に関して非対称に配置される。すなわち、ピンは、チェーン組立体の幅方向に沿って、チェーンの他側面側よりも一側面側により多く突出している。
【0062】
第2の製造方法は図8に示されている。この方法においては、ピン144がリンク148の開孔146内の凹部に押し込まれている。この凹部の大きさは、リンク縁部からのピン突出量の上記望ましい関係を維持できれば十分である。
【0063】
第3の製造方法は図9に示されている。この方法では、ピン150は開孔内に没入しており、リンク152内でのピンの位置を維持するために、ピン上端が溶接部156により溶接されている。同図(a)に示すように、従来の伝統的なリンクにおいても、リンク内でのピンの位置を維持するために溶接が採用されているが、この場合、溶接部分がリンクから外方に突出している。
【0064】
本発明においては、図9(b)に示すように、溶接部156は、ピン頭部とリンク外側縁部との間の凹部内に位置しており、これにより、リンク外側縁部を越える溶接部の突出量が最小に抑えられている。また、たとえば化学処理のような、ピンを締結あるいは固定するその他の手段についても、本発明によって考慮されている。
【0065】
このように、二本のチェーンをごく接近して配置することによって、本発明の最小ピン突出量という特徴部分が、システム内の二本のチェーンをより幅の狭いパッケージ内に配置させることができる。一実施態様においては、並設された二本のチェーンの最内側の各外側リンクがチェーンシステムの運転中に互いに接触する。あるいは、本発明の最小ピン突出量により、従来のチェーンと同じ幅のパッケージ内により多くのリンクを備えたチェーンを配置することができる。
【0066】
二本のチェーンをごく接近して配置することにより、チェーンに沿ってより多くのリンクを配列することができる。チェーン幅に沿って多数のリンクを配列することにより、一般に、チェーン幅に沿ったリンク枚数が少ないチェーンよりも高強度のチェーンが提供される。
【0067】
他の実施態様においては、一方のチェーンリンクの幅が他方のチェーンリンクの幅よりも狭く、これにより、二つのチェーンを異なった幅のフェーズドシステムに適用できる。幅の狭いチェーンは、幅の狭い内側および外側リンクによって実現される。
【0068】
本発明の特徴部分は、自動車エンジンのタイミング用およびトランスファケース用のチェーン、またはトランスミッションチェーンのための高速仕様のチェーンにもっともよく適用される。1993年10月 4日に出願された米国特許出願第08/131,473号に示されるような種々のタイミングシステム構成に、本発明の適用は可能である。
【0069】
二つのフェーズドスプロケット34,35およびローラチェーン36の一部が図4に示されており、各スプロケットは1/2ピッチ位相調整されている。
【0070】
本発明のフェーズドシステムを実施するに際して、二本のフェーズドローラチェーンを単一のローラチェーンシステムによって置き換えてもよい。標準の0.375インチピッチのローラチェーンの場合、フェーズドローラチェーン駆動装置を首尾よく得るためには、ある制限がチェーンに必要である。0.375インチピッチのローラチェーンを置換するフェーズドシステムの場合、とくに以下の表1に示すパラメータが必要である。
【表1】
Figure 0003712764
【0071】
標準の0.315インチ(8ミリ)ピッチのローラチェーンの場合、フェーズドローラチェーン駆動装置を首尾よく得るためには、ある制限がチェーンに必要である。8ミリピッチのローラチェーンを置換するフェーズドシステムの場合、とくに以下の表2に示すパラメータが必要である。
【表2】
Figure 0003712764
【0072】
これらのパラメータは、本発明を実施する場合に最適のチェーン駆動装置を得るためのものである。各表は、フェーズドチェーンシステムにおける二本のチェーンについて各チェーンの各パラメータの仕様範囲(“Spec. Range per Chain”)から始まっている。各パラメータの好ましい大きさは、最適仕様単一チェーン(“Best Method Single Chain”)として表中に記載されている。
【0073】
フェーズドチェーンシステムは、従来システムの単一チェーンのかわりに、二本の並設されオフセットされたチェーンを用いている。これにより、二本のチェーンの好ましい実施態様(“Phased Assembly Total(2 chain)”)と、従来の典型的な単一チェーンシステム(“Comparable 3SR Heavy Duty Chain”)との間で比較がなされている。これらのパラメータおよび比較結果は、本発明を限定しようとするものではなく、本発明の例示として挙げられている。
【0074】
二本のチェーンのパッケージサイズは、多くのファクタによって制限を受ける。ピン長さがチェーンの全幅を決定する。このため、二本のフェーズドチェーンのピン長さの合計は、従来の単一チェーンにおけるパッケージサイズまたはピン全長の範囲内におさめられなければならない。0.375インチピッチのローラチェーンの場合、好ましいピン長さは0.300インチ以下であり、最も好ましいピン長さは0.285インチである。
【0075】
外側および内側リンクの全幅は、上記ピン長さの範囲内におさめられなければならない。このため、ピンリンク(つまり外側リンク)の厚みおよびブシュリンク(つまり内側リンク)の厚みはローラ長さに関連して制限されるが、同時に、十分なリンク強度を得るためには十分な厚みを有していなければならない。指示された厚みは、従来の標準チェーンのブシュリンクよりもブシュリンクの厚みを増加させ、この結果、耐疲労性能を向上させることが期待されている。
【0076】
0.375インチピッチチェーンの場合、幅狭のチェーンで高強度を得るために、フェーズドシステム内の二本のチェーンのリンク高さが増加している。また、従来の単一チェーンで負担される荷重に比べて二本のチェーンで負担される荷重が減少するために、フェーズドシステム内の二本のチェーンについてピン径が減少している。ピン径を小さくすることにより、同じローラ外径に対してローラの肉厚を厚くできる。ピンおよびブシュ間の投影面であるベアリング面は、二本のフェーズドチェーンおよび従来の単一チェーンについてほぼ等しくなっている。
【0077】
本発明のいくつかの実施態様が示されているが、本発明はこれらの実施態様に限定されるものではない。本発明が関連する技術分野の当業者は、とくに上述の教示内容を考慮するとき、本発明の原理を利用する変形例やその他の実施態様を構築し得る。
【0078】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明に係るローラチェーン組立体によれば、幅の狭いチェーン構造にすることができる効果がある。また本発明によれば、フェーズドチェーン組立体の幅を減少させることができ、これにより、強度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】その一部を分解組立状態で示す、従来のローラチェーンの全体斜視図。
【図2】(a)は、その一部を分解組立状態で示す、従来のローラ(ブシュ)チェーンの全体斜視図であり、(b)は、(a)のブシュの変形例である段付ブシュの平面図。
【図3】ピンが外側リンクの縁部を越えて突出している状態を示す、従来のローラチェーンの平面図。
【図4】一対のフェーズドスプロケット(一部破断面で示す)のうちの一方のスプロケットと接触するローラチェーンの側面部分図。
【図5】本発明による最小のピン突出量を有する、一対のフェーズドローラチェーンの平面部分図。
【図6】本発明による最小のピン突出量を有する、一対のフェーズドローラチェーンの平面部分図。
【図7】本発明の製造方法を示す概略図であって、ピンが(a)の位置から、リンク外側縁部と実質的に面一になる(b)の位置まで押し込まれる様子を示す図。
【図8】本発明の製造方法を示す概略図であって、ピンがリンク開孔内の凹部に装着されている状態を示す図。
【図9】(a)は従来の溶接されたピンの概略図であり、 (b)は本発明の製造方法を示す概略図であって、ピンが開孔内に没入した位置で溶接されている状態を示す図。
【符号の説明】
40,42 フェーズドチェーン
52,53,54,55 外側リンクプレート
58,60,64,66 内側リンクプレート
68,72 ピン

Claims (5)

  1. オフセットされた関係で互いに連結されずに並設された第1および第2のローラチェーンからなるローラチェーン組立体において、
    前記各ローラチェーンが、他のローラチェーンにもっとも接近して配置される内側部分と、前記内側部分と逆側に配置される外側部分とを有しており、
    前記第1のローラチェーンが、交互に配置された内側および外側リンクの組を備え、各外側リンクが、間隔を隔ててピン部材に固定された第1および第2の外側リンクプレートを有し、各外側リンクプレートが前記ピン部材を受け入れるための一対の開孔を有しており、各内側リンクが、前記外側リンクの前記ピン部材上を回転するように取り付けられた一対のブシュを有し、前記内側リンクが前記ブシュに固定された一対の内側リンクプレートを有し、各内側リンクプレートが、前記ブシュを受け入れるための一対の開孔を有しており、前記内側リンクおよび外側リンクの各々がスプロケット歯を受け入れるように設けられており、前記外側リンクが、前記外側リンクプレートの前記開孔を通って延びる前記ピン部材を有しており、前記ピン部材が、第1の外側リンクプレート部材の縁部を越えてから、該外側リンクプレート対において第2の外側リンクの縁部を越えるまで延びており、前記ピン部材が前記第2の外側リンクプレートの前記縁部を越えた突出量は、該ピン部材が前記第1の外側リンクプレートの前記縁部を越えた突出量よりも小さくなっており、
    前記第2のローラチェーンが、交互に配置された内側および外側リンクの組を備え、各外側リンクが、間隔を隔てたピン部材に固定された第1および第2の外側リンクプレートを有し、各外側リンクプレートが前記ピン部材を受け入れるための一対の開孔を有しており、各内側リンクが、前記外側リンクの前記ピン部材上を回転するように取り付けられた一対のブシュを有し、前記内側リンクが前記ブシュに固定された一対の内側リンクプレートを有し、各内側リンクプレートが、前記ブシュを受け入れるための一対の開孔を有しており、前記内側リンクおよび外側リンクの各々がスプロケット歯を受け入れるように設けられており、前記外側リンクが、前記外側リンクプレートの前記開孔を通って延びる前記ピン部材を有しており、前記ピン部材が、第1の外側リンクプレート部材の縁部を越えてから、該外側リンクプレート対において第2の外側リンクの縁部を越えるまで延びており、前記ピン部材が前記第2の外側リンクプレートの前記縁部を越えた突出量は、該ピン部材が前記第1の外側リンクプレートの前記縁部を越えた突出量よりも小さくなっており、
    前記第1のローラチェーンの前記第2の外側リンクプレートが当該ローラチェーンの前記内側部分に配置され、前記第2のローラチェーンの前記第2の外側リンクプレートが当該ローラチェーンの前記内側部分に配置されるとともに、前記第1のローラチェーンの前記第2の外側リンクプレートから突出する前記ピン部材が、前記第2のローラチェーンの前記第2の外側リンクプレートに当接しており、前記第2のローラチェーンの前記第2の外側リンクプレートから突出する前記ピン部材が、前記第1のローラチェーンの前記第2の外側リンクプレートに当接している、
    ことを特徴とするローラチェーン組立体。
  2. 請求項において、前記第1のチェーンのローラの位置が前記第2のチェーンのローラに対して1/2ピッチオフセットされている、
    ことを特徴とするローラチェーン組立体。
  3. 請求項において、前記第1のチェーンの前記ピン部材が、前記第2のチェーンの前記各ピン部材の間にはまりこんでいる、
    ことを特徴とするローラチェーン組立体。
  4. 請求項記載のローラチェーン組立体とともに用いられるスプロケット組立体であって、
    駆動軸に連結された第1および第2の駆動スプロケットを備え、該第1および第2の駆動スプロケットが間隔を隔てた複数の歯を有し、前記駆動スプロケットが前記駆動軸に沿って平行に配設され、前記第1の駆動スプロケットの前記歯の配置が、前記第2の駆動スプロケットの歯に対して円周上でオフセットされており、
    従動軸に連結された第1および第2の従動スプロケットをさらに備え、該第1および第2の従動スプロケットが間隔を隔てた複数の歯を有し、前記従動スプロケットが前記従動軸に沿って平行に配設され、前記第1の従動スプロケットの前記歯の配置が、前記第2の従動スプロケットの歯に対して円周上でオフセットされており、
    前記駆動軸が入力軸に駆動連結され、前記従動軸が出力軸に駆動連結されており、
    前記第1の駆動スプロケットが、前記第1の従動スプロケットと整列配置されるとともに、前記第1の駆動スプロケットを前記第1の従動スプロケットに駆動連結する前記第1のチェーンを有し、前記第2の駆動スプロケットが、前記第2の従動スプロケットと整列配置されるとともに、前記第2の駆動スプロケットを前記第2の従動スプロケットに駆動連結する前記第2のチェーンを有している、
    ことを特徴とするスプロケット組立体。
  5. 請求項において、前記第1および第2の駆動スプロケットが約1/2ピッチオフセットされている、
    ことを特徴とするスプロケット組立体。
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