JPH0637454B2 - ω−イソシアナ−トアルキルアクリレ−トの製法 - Google Patents

ω−イソシアナ−トアルキルアクリレ−トの製法

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JPH0637454B2
JPH0637454B2 JP61149883A JP14988386A JPH0637454B2 JP H0637454 B2 JPH0637454 B2 JP H0637454B2 JP 61149883 A JP61149883 A JP 61149883A JP 14988386 A JP14988386 A JP 14988386A JP H0637454 B2 JPH0637454 B2 JP H0637454B2
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C269/00Preparation of derivatives of carbamic acid, i.e. compounds containing any of the groups, the nitrogen atom not being part of nitro or nitroso groups
    • C07C269/04Preparation of derivatives of carbamic acid, i.e. compounds containing any of the groups, the nitrogen atom not being part of nitro or nitroso groups from amines with formation of carbamate groups

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ω−イソシアナ−トアルキル−アクリレート
(又はメタクリレート)の新規な製造法に関する。
一般式 (Aは2〜14個の炭素原子を有するアルキレン基、R
はH又はCH3)で表わされるω−イソシアナートアルキ
ル−アクリレート(又はメタクリレート)は既知であ
る。2−イソシアナートエチル−メタクリレート(IE
M)を製造するためには、例えば米国特許271851
6号の方法により、エタノールアミンをクロル蟻酸エチ
ルエステルと反応させ、得られたエチルヒドロキシエチ
ルカルバメートをメタクリルクロリドを用いてアシル化
し、得られたウレタンを塩基性触媒の存在下に加熱分解
する。IEMは米国特許2821544号の方法によれ
ば、メタクリルクロリドをエタノールアミン塩酸塩と反
応させ、そして得られた2−アミノエチルメタクリレー
トをホスゲンと反応させることによつても得られる。最
後に米国特許4278809号の方法によれば、2−イ
ソプロペニルオキサゾリンをホスゲンと反応させること
によつても、IEMを製造できる。
既知の方法によれば、毒性の強い物質例えばホスゲン又
はクロル蟻酸エステルを使用せねばならないので、保安
用の大きい費用が必要である。そのほかこれらの方法で
は、大量の塩例えばNaCIが生成する。
本発明者らは、(a)それぞれ2〜12個の炭素原子を有
するω−アミノアルカノール、ω−アミノ−オキサアル
カノール又はω−アミノ−ポリオキサアルカノールを、
尿素及びアルカノールと反応させてN−ω−ヒドロキシ
アルキル−、N−ω−ヒドロキシ−オキサアルキル−又
はN−ω−ヒドロキシ−ポリオキサアルキル−カルバミ
ン酸エステルとなし、(b)このカルバミン酸エステルを
アクリル酸(又はメタクリル酸)アルキルエステル又は
アクリル酸(又はメタクリル酸)無水物と反応させてエ
ステル化し、そして(c)得られたω−アルコキシカルバ
モイル−アルキル−、−オキサアルキル−又は−ポリオ
キサアルキルアクリレート(又はメタクリレート)を加
熱して化合物I及びアルカノールに分解するとき、一般
(Aはそれぞれ2〜12個の炭素原子を有するアルキレ
ン基、オキサアルキレン基又はポリオキサアルキレン
基、RはH又はCH3である)で表わされるω−イソシア
ナートアルキル−アクリレート(又はメタクリレート)
を、有利に製造できることを見出した。
工程(a)すなわちアミノアルカノール、アミノ−オキサ
ーアルカノール又はアミノ−ポリオキサーアルカノール
と尿素及びアルカノールとのN−ω−ヒドロキシ−カル
バミン酸エステルへの反応は新規である。この化合物
は、これまでは主としてアミノアルカノールとクロル炭
酸エステルとの反応により得られた。例えば米国特許2
485855号明細書には、2−アミノエタノール及び
クロル炭酸エチルエステルからの2−ヒドロキシエチル
カルバミン酸エチルエステルの製法が開示されている。
岩倉(Chem. High PoIymers Japan2(1945)30
5)によれば、6−ヒドロキシヘキサノイルアジドをエ
タノールと共にベンゾール中で加熱する場合に、N−
(5−ヒドロキシペンチル)−カルバミン酸エチルエス
テルが得られる。さらに米国特許1927858号明細
書によれば、アミノアルコール及び炭酸ジアルキルから
N−ヒドロキシアルキルカルバミン酸エステルを製造で
きることが知られる。これらすべての方法では、比較的
有毒な物質及び高価な物質を使用する。
アミノアルコール成分の二機能性からみて種々の反応生
成物が考えられるにもかかわらず、本発明の方法により
N−ω−ヒドロキシアルキル−カルバミン酸エステルが
良好な収率で得られることは予想外であつた。閉環によ
りもつぱら2−オキソ−1,3−オキサゾリジン又は2−
オキソ−テトラヒドロ−1,3−オキサジンの生成が予期
されたアミノエタノール又はアミノプロパノールを使用
するときも、N−(2−ヒドロキシエチル)−又はN−
(3−ヒドロキシプロピル)−カルバミン酸エステルが
満足すべき収率で得られる。
新規方法のためのアミノアルカノールとしては、そのア
ルキレン基が4〜12個特に4〜8個の炭素原子を有す
るものが好ましい。適当なアミノアルカノールの例は、
2−アミノエタノール、3−アミノプロパノール、4−
アミノブタノール、5−アミノペンタノール、6−アミ
ノヘキサノール、3−アミノイソブタノール、2−アミ
ノブタノール−1、3−メチル−5−アミノペンタノー
ル及び2,2−ジメチル−3−アミノプロパノール−1で
ある。適当なオキサアミノアルカノールの例は、3−オ
キサ−5−アミノペンタノール−1、3−オキサ−6−
アミノヘキサノール−1、2,2−ジメチル−4−オキサ
−7−アミノヘプタノール及び5−オキサ−8−アミノ
オクタノール−1である。ポリオキサアミノアルカノー
ルの例としては、3,6−ジオキサ−9−アミノノナノー
ル−1があげられる。工程(a)におけるアルカノールと
しては、好ましくは1〜6個の炭素原子を有するアルカ
ノール、例えばメタノール、エタノール、プロパノー
ル、n−ブタノール、イソブタノール及びヘキサノール
が用いられる。特に好ましいものはプロパノール及びブ
タノールである。そのほかアルコール成分としては、シ
クロアルカノール例えば特にシクロヘキサノール及び芳
香脂肪族アルコール、例えばベンジルアルコール及び2
−フエニルエタノール、ならびにエーテルアルコール例
えばメトキシエタノールも適する。
反応においては、一般に1:0.6〜5:1〜100、好
ましくは1:1〜1.5:5〜50のアミノアルカノー
ル:尿素:アルカノールのモル比が用いられる。このこ
とは前記種類のアミノ−オキサアルカノール及びアミノ
−ポリオキサアルカノールの場合にもあてはまる。本方
法の実施に際しては、出発成分を前記の比率で混合し、
そして普通は170〜250℃特に180〜235℃の
温度で反応させる。その際使用するアルカノールの蒸気
圧に応じて、0.1〜50バールの圧力で操作するが、反
応の際に生成するアンモニアができるだけ完全に分離さ
れるように、反応混合物を沸騰させる反応圧力にするこ
とが好ましい。反応中のアンモニアの分離は、例えば不
活性ガスの導通により支持される。尿素の代わりに、反
応においてビウレツト、トリウレツト等を、場合により
尿素と共に使用することもできる。尿素及びアルカノー
ルの代わりに、対応するカルバミン酸エステルも、場合
によりアルカノール及び/又は尿素を添加して使用する
ことができる。
工程(a)を少量の触媒を添加して操作することもでき
る。そのような触媒としては、特に好ましくはリチウ
ム、カルシウム、アルミニウム、すず、ビスマス、アン
チモン、銅、亜鉛、チタン、バナジン、クロム、モリブ
デン、マンガン、鉄、ニツケル又はコバルトの塩化物、
臭化物、硫酸塩、燐酸塩、硝酸塩、硼酸塩、アルコラー
ト、フエノラート、スルホン酸塩、酸化物、酸化物水和
物、水酸化物、カルボキシレート、キレート化合物、炭
酸塩、チオカルバメート又はジチオカルバメートが用い
られる。特に好ましいのは鉄、コバルト、ニツケル、亜
鉛、すず及びチタンの化合物である。
この触媒は一般に、アミノアルカノールに対し0.0001〜
0.1好ましくは0.0005〜0.05当量金属イオンの量で用い
られる。
新規方法の工程(a)で生成するN―ω−ヒドロキシアル
キル−カルバミン酸エステルは、真空蒸留で過剰のアル
カノール及び場合により副生物として生成したカルバミ
ン酸エステルを留去することにより、あるいは結晶化に
より精製できる。
工程(b)では、N−ω−ヒドロキシアルキルカルバミ
ン酸エステルを、アクリル酸又はメタクリル酸のエステ
ル又は無水物を用いてアシル化する。エステル交換のた
めには、例えばアクリル酸メチルエステル、アクリル酸
エチルエステル、アクリル酸−n−ブチルエステル、メ
タクリル酸メチルエステル、メタクリル酸エチルエステ
ル、メタクリル酸プロピルエステル、メタクリル酸−n
−ブチルエステル又はメタクリル酸−三級ブチルエステ
ルが用いられる。特に好ましいものはメタクリル酸メチ
ルエステルである。
エステル交換による工程(b)の実施に際しては、アクリ
ル酸エステル又はメタクリル酸エステルが、不足量で又
は好ましくは過剰量で用いられる。一般に工程(a)で得
られたカルバミン酸エステルに対し、0.2〜10倍モル
量のアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルを使
用し、その際1.5倍ないし5倍量の過剰が特に優れてい
る。さらに反応混合物は溶剤、例えばベンゾール、トル
オール、キシロール、クロルベンゾール、ジオキサン、
シクロヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノ
ナン、n−デカン等を含有しうる。しかし溶剤なしで操
作することが好ましい。
一般にエステル交換工程においてはそのための、普通の
触媒が用いられる。その例はアルカリアルコラート例え
ばナトリウムのメチラート、エチラート、プロピラー
ト、リチウムメチラート、そして特にチタン、すず又は
ジルコンの化合物が用いられる。その例はチタンのテト
ラメチラート、テトラエチラート、テトラプロピラー
ト、テトラブチラート、ジブチルすずオキシド、ジブチ
ルすずジラウレート、ジメトキシジブチルすず及びジル
コニウム−ペンタン−2,4−ジノナートである。
触媒の量は、カルバミン酸エステルの1モルに対し、多
くは0.0005〜0.5モル好ましくは0.001〜0.02モルであ
る。反応に際しては一般に50〜150℃好ましくは8
0〜120℃の温度で、反応混合物を沸騰させて操作す
る。エステル交換の際に遊離するアルカノールは、場合
によりアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルの
一部と一緒に共沸混合物として、反応混合物から留去さ
れる。
エステル交換反応ののち、過剰のアクリル酸エステル又
はメタクリル酸エステル及び場合により溶剤を、例えば
好ましくは減圧下の蒸留により、反応混合物から分離す
る。希望により得られたω−アルコキシカルバモイル−
アクリル酸エステルもしくは−メタクリル酸エステル
を、例えば減圧下の蒸留又は結晶化により精製すること
ができる。しかしエステル交換工程の反応生成物を、精
製しないで又は場合により触媒例えばチタンアルコキシ
ドを加水分解及び過により分離したのち、工程(c)の
分解に送ることもできる。
アクリル酸又はメタクリル酸の無水物を用いてアシル化
を行う場合は、反応物質を化学当量で使用することが好
ましい。一般に80〜140℃好ましくは90〜110
℃で操作する。触媒としては特に酸、特に濃硫酸が、0.
1〜2モル%の量で用いられる。触媒及びアクリル酸
(又はメタクリル酸)を、例えば塩基水溶液例えば炭酸
ナトリウム溶液又は希苛性ソーダ液を用いて中和するこ
とにより分離したのち、粗生成物を場合により硫酸ナト
リウム又は硫酸マグネシウムを用いて乾燥したのち、精
製しないで工程(c)の分解に使用することができる。
α,β−モノオレフイン性不飽和の反応関与体が先に重
合することを防止するため、反応混合物に普通の安定剤
を添加することが好ましい。その例はハイドロキノン、
ハイドロキノンモノメチルエーテル、2,6−ジ三級ブチ
ル−4−メチルフエノール、p−ニトロソフエノール及
び/又はフエノチアジンである。そのほかアシル化中
に、反応混合物に酸素又は空気を導通することが特に有
利である。
得られたω−アルコキシカルバモイル−アクリル酸もし
くは−メタクリル酸のエステルを、工程(c)でイソシア
ネート及びアルカノールに分解する。気相中でウレタン
を熱分解してイソシアネート及びアルカノールにするこ
とは原則として公知であるが、不飽和カルボン酸を含有
するウレタンのエステル基の気相分解は新規である。そ
の際得られる良好な収率は、アクリル基及びメタクリル
基の重合しやすい傾向、ならびに予想される副反応例え
ばエステルの熱分解、エステル交換及びミハエル付加反
応を考えると、予想外である。分解は普通は気相中で3
00〜500℃の温度で、好ましくは管状炉中で熱安定
性のガスを通過させる反応器充填体の存在下に、減圧で
蒸発させることにより行われる。充填体は例えば小球、
環、砕片又は毛状の形を有し、炭末、鉄、しんちゆう、
銅、亜鉛、アルミニウム、チタン、クロム、コバルト、
ニツケル及び/又は石英から成る。特に好ましいものは
鉄、しんちゆう、亜鉛又はアルミニウムから成る充填体
である。
ω−アルコキシカルバモイル−アクリル酸エスレル(又
はメタクリル酸エステル)を、液相中に好ましくは溶剤
の存在下に分解触媒を添加して、150〜350℃の温
度で装入することもできる。このために適する分解触媒
の例は、ウレタンを分解するために普通の金属であるチ
タン、鉄、コバルト、ニツケル、亜鉛、ジルコニウム、
すず及び鉛、ならびにその塩及び/又は錯化合物、例え
ばチタンテトラブチラート、塩化鉄(III)、酢酸コバル
ト、酢酸ニツケル、塩化亜鉛、酢酸亜鉛、ナフテン酸亜
鉛、ジルコニウム−2,4−ペンタンジオネート、塩化す
ず(IV)、ジブチルすずジラウレート、ジメトキシジブチ
ルすず及びナフテン酸鉛である。前記触媒は、例えば分
解されるウレタノエステルに対し0.001〜2モル%好ま
しくは0.05〜1モル%の量で用いられる。
好ましく併用される溶剤の例は、o−ジクロルベンゾー
ル、フタル酸ジエチルエステル、−ジブチルエステル、
−ジ(2−エチルヘキシル)エステル、テレフタル酸ジ
(2−エチルヘキシル)エステル、アジピン酸ジブチル
エステル、−ジ(2−エチルヘキシル)エステル、テト
ラデカン、ヘキサデカン、デカリン、テトラリン及び4
〜15個の炭素原子を有するアルキルベンゾールであ
る。
イソシアネート及びアルカノールの沸点よりかなり高い
沸点を有し、そして減圧下の分解の場合も充分高い温度
が得られる溶剤を使用することが好ましい。一般に溶剤
は、常圧でイソシアネートの沸点より20〜200℃特
に50〜200℃高い沸点を有すべきである。種々の沸
点を有する溶剤の混合物を使用することもでき、その場
合は沸点の低い方の溶剤は、分解されるウレタンとイソ
シアネートの各沸点の中間にある沸点を有すべきであ
る。
本方法の好ましい実施態様においては、工程(c)で高い
方の沸点を有する溶剤中の分解触媒の溶液を、1〜50
mバールの減圧で沸騰加熱し、低い方の沸点を有する溶
剤に溶解したウレタンを徐々に添加し、そして同時にイ
ソシアネート、アルカノール及び低い方の沸点を有する
溶剤の一部を留去する。アルカノール、イソシアネート
及び溶剤の分離は、例えば分別凝縮により行われ、得ら
れたイソシアネートは必要ならば分別蒸留によりさらに
精製することができる。
新規方法により製造される一般式Iのω−イソシアナー
トアルキル−アクリレート(又はメタクリレート)は、
医薬及び殺虫剤を製造するための中間体として、ならび
に重合物又は共重合物を製造するための単量体又は共単
量体として用いられる。
実施例1 加熱される耐圧塔及び圧力調節弁を備えた1の撹拌式
オートクレーブ中で、4−アミノブタノール35.6g、尿
素26.4g、n−ブタノール592g及び塩化すず(II)6
8mgを、5バールで還流下にアンモニアを除去しながら
5時間煮沸する。黄色を帯びた液体が636g得られ
る。反応混合物の分析(ゲル透過クロマトグラフイ、外
部標準法)によると、N−(4−ヒドロキシブチル)−
カルバミン酸ブチルエステルへの転化率は84%であ
る。
過剰のブタノール及びカルバミン酸ブチルエステルを留
去したのち、残留物を薄層蒸発器により蒸留する。生成
物が140℃/0.1mバールで移行し、受器中で凝縮結
晶する。N−(4−ヒドロキシブチル)−カルバミン酸
エステル(純度>99%)が59.7g(79%)得られ
る。試料を酢酸エチルから再結晶すると、融点は51℃
である。
実施例2 実施例1により製造されたN−(4−ヒドロキシブチ
ル)−カルバミン酸ブチルエステル378g、メタクリ
ル酸メチルエステル800g及びチタンテトラブチレー
ト8gを、空気を導入しながら沸騰加熱し、充填体塔に
より3.5時間の間にメタノール及びメタクリル酸メチル
エステルの混合物215gを留去する。次いで過剰のメ
タクリル酸エステルを真空で留去し、残留物をジエチル
エーテル/シクロヘキサン(1:2)1.5の中に移
し、水2gを添加し、30分間激しく撹拌する。沈殿し
た固形物を吸引過し、液を回転蒸発器により蒸発濃
縮する。残留物(503g)を精製しないで実施例3及
び4と同様にして熱分解する。
実施例3 内部温度計及び滴下漏斗を備えた500mlのフラスコ
(フラスコ1)に、短い移行橋を介して他の500mの
フラスコ(フラスコ2)を連結した装置により実験を行
う。フラスコ2は還流冷却器を介して、前置された冷却
トラツプ(−78℃)を有する真空オイルポンプと連結
している。フラスコ1にフタル酸ジ(2−エチルヘキシ
ル)エステル200g及びジブチルすずジラウレート1
gを装入し、装置を1mバールの真空となし、フラスコ
1の内容物を沸騰加熱する(195〜200℃)。次い
でフタル酸ジエチルエステル40g中の実施例2により
得られたN−(4−メタクリロイルオキシブチル)−カ
ルバミン酸ブチルエステル40gの溶液を、45分かけ
て滴加する。添加の終了後、さらに10分かけてフタル
酸ジエチルエステル20gを滴加する。フラスコ2に無
色液体が84.5g集まり、これはガスクロマトグラフ分析
によると、フタル酸エステルのほかに、なお出発物質2
%及び4−イソシアノブチルメタクリレート18.6%を含
有する。これはイソシアネートの収率55%に相当す
る。
実施例4 薄層蒸発器、分解反応器(内容約1の円筒状石英管、
亜鉛被覆充填体を備えている)及び2段階蒸気凝縮装置
から成る分解装置を、1mバールの真空にする。実施例
2により得られたN−(4−メタクリロイルオキシブチ
ル)−カルバミン酸ブチルエステル385g(フエノチ
アジン100ppmにより安定化されている)を、175
℃に加熱された薄層蒸発器に4時間かけて導入し、完全
に蒸発する。このウレタン蒸気は、平均温度が365℃
である分解反応器に進入する。排出される分解ガスは、
後続の2段階凝縮装置内で30℃及び−15℃で分別濃
縮される。第一凝縮器では凝縮物276gが得られ、こ
れは4−イソシアナートブチルメタクリレート86%及
び出発物質12%を含有する。第二凝縮器では凝縮物1
00gが得られ、これはブタノールのほかに、さらに出
発物質6%を含有する。真空オイルポンプ前の冷却トラ
ツプにはブタノール7gが含まれる。
イソシアネートへの分解の選択率は、したがつて96%
である。凝縮器1の内容物を、薄層蒸発器により94〜
100℃(油温度)/0.1mバールで蒸留すると、純度9
8.6%の4−イソシアナートブチルメタクリレートが2
06g得られる。
実施例5 上に設置された耐圧塔及び圧力調節弁を備えた1の撹
拌式オートクレーブ中で、5−アミノ−3−オキサペン
タノール42g、尿素26.4g及びn−ブタノール592
gを、230℃及び16バールでアンモニアを除去しな
がら2時間還流加熱する。黄色を帯びた液体が628g
得られ、そのゲル透過クロマトグラフ分析によると、転
化率は92%である。過剰のブタノール及びカルバメー
トを留去したのち、残留物を蒸留すると、生成物が13
2℃/0.1mバールで留出する。N−(5−ヒドロキシ
−3−オキサペンチル)−カルバミン酸ブチルエステル
が286g(87%)得られる。
実施例6 実施例5により得られたN−(5−ヒドロキシ−3−オ
キサペンチル)−カルバミン酸ブチルエステル410
g、メタクリル酸無水物308g、濃硫酸0.5g及びフ
エノチアジン0.1gを、空気を導通しながら100℃に
加熱し、この温度で6時間撹拌する。炭酸ナトリウム水
溶液で酸を除去し、そして有機相を硫酸ナトリウム上で
乾燥したのち、得られた粗製のウレタンメタクリレート
を、精製しないで実施例7により熱分解する。
実施例7 実施例4に記載の装置で分解を行う。
実施例6により得られたN−(5−メタクリロイルオキ
シ−3−オキサペンチル)−カルバミン酸ブチルエステ
ル500gを、2時間かけて189℃に加熱されかつ1
mバールの真空にされた薄層蒸発器に加入する。これか
ら297gが蒸発し、203gが流出する。平均分解温
度は390℃である。35℃で運転される凝縮器1で、
粗製イソシアネート230gが集められる。薄層蒸発器
(95℃/0.3mbar)により蒸留すると、純度が>97
%の5−イソシアナート−3−オキサペンチルメタクリ
レートが172g(77%)得られる。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)それぞれ2〜12個の炭素原子を有す
    るω−アミノアルカノール、ω−アミノ−オキサアルカ
    ノール又はω−アミノ−ポリオキサアルカノールを、尿
    素及びアルカノールと反応させてN−ω−ヒドロキシア
    ルキル−、N−ω−ヒドロキシ−オキサアルキル−又は
    N−ω−ヒドロキシ−ポリオキサアルキル−カルバミン
    酸エステルとなし、(b)このカルバミン酸エステルをア
    クリル酸(又はメタクリル酸)アルキルエステル又はア
    クリル酸(又はメタクリル酸)無水物と反応させてエス
    テル化し、そして(c)得られたω−アルコキシカルバモ
    イル−アルキル−、−オキサアルキル−又は−ポリオキ
    サアルキルアクリレート(又はメタクリレート)を加熱
    して化合物I及びアルカノールに分解することを特徴と
    する、一般式 (Aはそれぞれ2〜12個の炭素原子を有するアルキレ
    ン基、オキサアルキレン基又はポリオキサアルキレン
    基、RはH又はCH3である)で表わされるω−イソシア
    ナートアルキル−アクリレート(又はメタクリレート)
    の製法。
  2. 【請求項2】工程(a)においてアミノアルカノール:尿
    素:アルカノールのモル比を1:1〜1.5:5〜50と
    することを特徴とする、特許請求の範囲第1項に記載の
    方法。
  3. 【請求項3】工程(a)において反応温度を180〜23
    5℃とすることを特徴とする、特許請求の範囲第1項に
    記載の方法。
  4. 【請求項4】工程(a)において4〜8個の炭素原子を有
    するω−アミノアルカノール又はω−アミノ−オキサア
    ルカノールを使用することを特徴とする、特許請求の範
    囲第1項に記載の方法。
  5. 【請求項5】工程(b)においてエステルとしてメタクリ
    ル酸メチルエステルを使用することを特徴とする、特許
    請求の範囲第1項に記載の方法。
  6. 【請求項6】一般式 (A及びRは前記の意味を有し、R′は酸素原子を含有
    しうる1〜6個の炭素原子を有するアルキル基を意味す
    る)で表わされるω−アルコキシカルバモイル−アルキ
    ル−、オキサアルキル−又は−ポリオキサアルキルアク
    リレート(又はメタクリレート)を、気相中で分解して
    化合物Iとアルカノールにすることを特徴とする、特許
    請求の範囲第1項に記載の方法。
  7. 【請求項7】分解を300〜450℃で行うことを特徴
    とする、特許請求の範囲第6項に記載の方法。
  8. 【請求項8】一般式 HO−A−NH2 IV (Aは前記の意味を有する)のアミノアルコールを、尿
    素及び一般式 R′−OH V (R′は前記の意味を有する)のアルカノールとアンモ
    ニアの脱離下に反応させて、一般式 HO−A−NHCO2R′ III (A及びR′は前記の意味を有する)で表わされるω−
    ヒドロキシアルキル−、ω−ヒドロキシ−オキサアルキ
    ル−又はω−ヒドロキシ−ポリオキサアルキル−カルバ
    ミン酸エステルとすることを特徴とする、特許請求の範
    囲第1項に記載の方法。
  9. 【請求項9】アミノアルカノール:尿素:アルカノール
    のモル比を1:1〜1.5:5〜50とすることを特徴と
    する、特許請求の範囲第8項に記載の方法。
  10. 【請求項10】反応を180〜235℃の温度で行うこ
    とを特徴とする、特許請求の範囲第8項に記載の方法。
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