JPH0637387B2 - 脳圧降下剤 - Google Patents
脳圧降下剤Info
- Publication number
- JPH0637387B2 JPH0637387B2 JP6256887A JP6256887A JPH0637387B2 JP H0637387 B2 JPH0637387 B2 JP H0637387B2 JP 6256887 A JP6256887 A JP 6256887A JP 6256887 A JP6256887 A JP 6256887A JP H0637387 B2 JPH0637387 B2 JP H0637387B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- erythritol
- cerebral
- injection
- isosorbide
- minutes
- Prior art date
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- Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はエリスリトールを有効成分とする脳圧降下剤に
関する。
関する。
[従来の技術] 脳腫瘍や頭部外傷などの際に現われる脳圧亢進症状の治
療には従来からマンニトール、イソソルビド等の高浸透
圧剤が用いられている。これらの高浸透圧剤は、マンニ
トールが静脈内投与用製剤として、イソソルビド(1,
4,:3,6−ジアンヒドロ−D−ソルビトール)が経
口投与用製剤として用いられる。
療には従来からマンニトール、イソソルビド等の高浸透
圧剤が用いられている。これらの高浸透圧剤は、マンニ
トールが静脈内投与用製剤として、イソソルビド(1,
4,:3,6−ジアンヒドロ−D−ソルビトール)が経
口投与用製剤として用いられる。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら、マンニトールは、水への溶解度が20%
(w/v)と低く、高濃度の注射剤をつくることができない
という欠点があり、イソソルビドは、苦味が強いため服
用し難いという欠点がある。
(w/v)と低く、高濃度の注射剤をつくることができない
という欠点があり、イソソルビドは、苦味が強いため服
用し難いという欠点がある。
本発明者等は、上記のごとく欠点のない新規な脳圧降下
剤を開発すべく、糖又は糖アルコール等について種々研
究を行なった結果、4炭糖アルコールの一種であるエリ
スリトールをウサギに投与する場合は、マンニトール又
はイソソルビドよりも強い脳圧降下作用を示すことを見
出だし、本発明を完成するに至った。
剤を開発すべく、糖又は糖アルコール等について種々研
究を行なった結果、4炭糖アルコールの一種であるエリ
スリトールをウサギに投与する場合は、マンニトール又
はイソソルビドよりも強い脳圧降下作用を示すことを見
出だし、本発明を完成するに至った。
[問題点を解決するための手段] 本発明は、エリスリトールを有効成分とする脳圧降下剤
である。
である。
本発明に用いられるエリスリトールは古くより知られた
4炭糖アルコールの一種で、良質な甘味を有し、通常は
酵母糖の発酵により製造される(例えば、特願昭60−
110295、同61−31091)。
4炭糖アルコールの一種で、良質な甘味を有し、通常は
酵母糖の発酵により製造される(例えば、特願昭60−
110295、同61−31091)。
本発明に係る脳圧降下剤は、通常、注射剤又は経口剤の
形態で用いられる。注射剤として用いる場合は、通常、
エリスリトールを注射用蒸留水で、濃度約10〜40%
(w/v)に調製した後、常法により製剤化したものが用い
られ、エリスリトール換算で体重1kg当たり通常0.3
〜3gを症状に合わせ1日1〜3回静脈内投与する。
形態で用いられる。注射剤として用いる場合は、通常、
エリスリトールを注射用蒸留水で、濃度約10〜40%
(w/v)に調製した後、常法により製剤化したものが用い
られ、エリスリトール換算で体重1kg当たり通常0.3
〜3gを症状に合わせ1日1〜3回静脈内投与する。
経口剤として用いる場合は、服用量が多くなるため、通
常高濃度の液剤又は粉剤として用いられ、エリスリトー
ル換算で体重1kg当たり通常0.3〜3gを症状に合わ
せて1日1〜3回服用する。
常高濃度の液剤又は粉剤として用いられ、エリスリトー
ル換算で体重1kg当たり通常0.3〜3gを症状に合わ
せて1日1〜3回服用する。
[実施例] 以下に本薬剤の薬理試験、毒性試験及び製剤例を示し、
本発明を更に詳細に説明する。
本発明を更に詳細に説明する。
試験例1(頭蓋内圧低下作用;静脈内投与) (方法) (動物);雄性ウサギ(日本白色種、体重2.5〜3.0
kg)を一群3匹として使用した。
kg)を一群3匹として使用した。
(被検薬);20%(w/v)エリスリトール及び20%(w/v)
マンニトール(対照薬)を使用し、各々0.5g/2.5
ml/kg、1g/5ml/kg、2g/10ml/kgを全量10
分で耳静脈より持続注入した。尚、対照群には整理食塩
液を10ml/kgの割合で同様に持続注入した。
マンニトール(対照薬)を使用し、各々0.5g/2.5
ml/kg、1g/5ml/kg、2g/10ml/kgを全量10
分で耳静脈より持続注入した。尚、対照群には整理食塩
液を10ml/kgの割合で同様に持続注入した。
(頭蓋内圧測定);ウサギにウレタン(675mg/kg)とα
−クロラロース(67.5mg/kg)混合液を腹腔内投与し
て麻酔を施し、脳定位固定装置に固定し、右頭頂骨に小
孔をあけ、カニューレを硬膜下に刺入後デンタルセメン
トで固定し、脳脊髄液圧を外耳孔レベルを“0”に設定
した低圧用トランデューサーから圧歪用増幅アンプを介
してペンレコーダー上に記録することにより行なった。
−クロラロース(67.5mg/kg)混合液を腹腔内投与し
て麻酔を施し、脳定位固定装置に固定し、右頭頂骨に小
孔をあけ、カニューレを硬膜下に刺入後デンタルセメン
トで固定し、脳脊髄液圧を外耳孔レベルを“0”に設定
した低圧用トランデューサーから圧歪用増幅アンプを介
してペンレコーダー上に記録することにより行なった。
(結果) エリスリトールを注入した結果を第1図に、マンニトー
ルを注入した結果を第2図に示す。
ルを注入した結果を第2図に示す。
第1図及び第2図より明らかな如く、エリスリトールは
1g/kg群では10分後に、2g/kg群では10〜60
分後に、一方、対照薬マンニトールは2g/kg群で10
〜30分後に、有意に頭蓋内圧を低下させた。また、両
薬物を比較した場合、エリスリトールの方が作用が強
く、作用時間も長いことが分かる。
1g/kg群では10分後に、2g/kg群では10〜60
分後に、一方、対照薬マンニトールは2g/kg群で10
〜30分後に、有意に頭蓋内圧を低下させた。また、両
薬物を比較した場合、エリスリトールの方が作用が強
く、作用時間も長いことが分かる。
試験例2(頭蓋内圧低下作用;十二指腸内投与) (方法) 被検薬として40%(w/v)エリスリトールを、対照薬と
してイソソルビド40%(w/v)を使用し、各々0.5g
/1.25ml/kg、1g/2.5ml/kg、2g/5ml/
kgを十二指腸内に留置したカテーテルより投与した。そ
の他は実施例1の方法と同様にして頭蓋内圧の測定を行
なった。
してイソソルビド40%(w/v)を使用し、各々0.5g
/1.25ml/kg、1g/2.5ml/kg、2g/5ml/
kgを十二指腸内に留置したカテーテルより投与した。そ
の他は実施例1の方法と同様にして頭蓋内圧の測定を行
なった。
(結果) エリスリトールを投与した結果を第3図に、イソソルビ
ドを投与した結果を第4図に示す。
ドを投与した結果を第4図に示す。
第3図及び第4図より明らかな如く、エリスリトールは
0.5g/kg群では45分後に、1g/kg群では20〜
60分後に、2g/kg群では10〜180分後に、一
方、対照薬イソソルビドは1g/kgでは20〜45分後
に、2g/kgでは10〜60分後に、有意に頭蓋内圧を
低下させた。また、両薬物を比較した場合エリスリトー
ルの方が作用が強く、作用時間も長かった。
0.5g/kg群では45分後に、1g/kg群では20〜
60分後に、2g/kg群では10〜180分後に、一
方、対照薬イソソルビドは1g/kgでは20〜45分後
に、2g/kgでは10〜60分後に、有意に頭蓋内圧を
低下させた。また、両薬物を比較した場合エリスリトー
ルの方が作用が強く、作用時間も長かった。
試験例3(急性毒性試験) エリスリトールをラットに経口あるいは静脈内投与して
パイロット急性毒性試験を行ない、以下の結果を得た。
パイロット急性毒性試験を行ない、以下の結果を得た。
LD50値及び95%信頼限界(g/kg) 経口投与: 雄 11.8(10.1〜13.8) 雌 9.5(8.4〜10.7) 静脈内投与:雄 6.1(5.9〜6.3) 雌 5.4(5.0〜5.9) 以上の結果から明らかなように、本発明の薬剤は毒性が
極めて低い。
極めて低い。
実施例1(注射剤) エリスリトール10kgを秤量し、注射用蒸留水45を
加え、撹拌溶解した後、注射用蒸留水を加えて全量50
に調整する。得られた溶液をポアサイズ0.2ミクロ
ンのメンブランフィルターによりろ過した後、500ml
ずつバイアル瓶に分注し、ゴム栓、アルミキャップによ
り密封し、高圧蒸気滅菌法により滅菌して注射剤とす
る。
加え、撹拌溶解した後、注射用蒸留水を加えて全量50
に調整する。得られた溶液をポアサイズ0.2ミクロ
ンのメンブランフィルターによりろ過した後、500ml
ずつバイアル瓶に分注し、ゴム栓、アルミキャップによ
り密封し、高圧蒸気滅菌法により滅菌して注射剤とす
る。
実施例2(液剤) エリスリトール40kgに精製水80を加え、加温溶解
した後、室温まで冷却し、精製水を加えて全量100
に調整する。得られた溶液をポアサイズ0.8ミクロン
のメンブランフィルターによりろ過した後、500mlず
るプラスチック製容器に分注し、密栓して経口用液剤と
する。
した後、室温まで冷却し、精製水を加えて全量100
に調整する。得られた溶液をポアサイズ0.8ミクロン
のメンブランフィルターによりろ過した後、500mlず
るプラスチック製容器に分注し、密栓して経口用液剤と
する。
実施例3(ドライシロップ剤) 微粉砕したエリスリトール40kgを品川式万能混合機に
入れ、撹拌しながら湿潤剤(エタノール8:水2)約6
を徐々に加え練合する。得られた練合物を1000〜2
000r.p.mに回転数を調節したミニマイザーにより処
理して粉砕した後、流動型熱風乾燥機を使用して60℃
で10時間乾燥する。乾燥終了後、32メッシュの篩を
使用して篩過し、用時溶解して使用するドライシロップ
剤とする。
入れ、撹拌しながら湿潤剤(エタノール8:水2)約6
を徐々に加え練合する。得られた練合物を1000〜2
000r.p.mに回転数を調節したミニマイザーにより処
理して粉砕した後、流動型熱風乾燥機を使用して60℃
で10時間乾燥する。乾燥終了後、32メッシュの篩を
使用して篩過し、用時溶解して使用するドライシロップ
剤とする。
[発明の効果] 本発明に係る薬剤は、マンニトール、イソソルビドより
も強い脳圧降下作用を有する上、毒性も極めて低い(試
験例1〜3)。更に、注射剤として使用する場合はエリ
スリトールの溶解度が高いため高濃度の注射剤を製造す
ることができる利点がある。また、経口剤として服用す
る場合は、エリスリトールが良質な甘味を有するため、
苦味を有するイソソルビドに比べて服用が楽である。
も強い脳圧降下作用を有する上、毒性も極めて低い(試
験例1〜3)。更に、注射剤として使用する場合はエリ
スリトールの溶解度が高いため高濃度の注射剤を製造す
ることができる利点がある。また、経口剤として服用す
る場合は、エリスリトールが良質な甘味を有するため、
苦味を有するイソソルビドに比べて服用が楽である。
第1図はエリスリトールをウサギに静脈内投与した場合
の頭蓋内圧の変化を示す曲線図であり、第2図はマンニ
トールをウサギに静脈内投与した場合の頭蓋内圧の変化
を示す曲線図であり、第3図はエリスリトールをウサギ
に十二指腸内投与した場合の頭蓋内圧の変化を示す曲線
図であり、第4図はイソソルビドをウサギに十二指腸内
投与した場合の頭蓋内圧の変化を示す曲線図である。ま
た、第1図ないし第4図において、*はp<0.05で
**はp<0.01で有意差があることを示す記号であ
る。
の頭蓋内圧の変化を示す曲線図であり、第2図はマンニ
トールをウサギに静脈内投与した場合の頭蓋内圧の変化
を示す曲線図であり、第3図はエリスリトールをウサギ
に十二指腸内投与した場合の頭蓋内圧の変化を示す曲線
図であり、第4図はイソソルビドをウサギに十二指腸内
投与した場合の頭蓋内圧の変化を示す曲線図である。ま
た、第1図ないし第4図において、*はp<0.05で
**はp<0.01で有意差があることを示す記号であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平尾 昭法 埼玉県和光市西大和団地2−11−404 (72)発明者 山本 真之 埼玉県蕨市中央1−29−9 (72)発明者 加藤 隆治 埼玉県浦和市木崎2−18−20−104 (72)発明者 佐野 哲朗 埼玉県大宮市東町2―171 審査官 穴吹 智子
Claims (3)
- 【請求項1】エリスリトールを有効成分とする脳圧降下
剤。 - 【請求項2】注射剤の形態にある特許請求の範囲第1項
記載の脳圧降下剤。 - 【請求項3】経口剤の形態にある特許請求の範囲第1項
記載の脳圧降下剤。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6256887A JPH0637387B2 (ja) | 1987-03-19 | 1987-03-19 | 脳圧降下剤 |
JP5235957A JPH07103017B2 (ja) | 1987-03-19 | 1993-08-30 | 眼圧降下剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6256887A JPH0637387B2 (ja) | 1987-03-19 | 1987-03-19 | 脳圧降下剤 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5235957A Division JPH07103017B2 (ja) | 1987-03-19 | 1993-08-30 | 眼圧降下剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63230627A JPS63230627A (ja) | 1988-09-27 |
JPH0637387B2 true JPH0637387B2 (ja) | 1994-05-18 |
Family
ID=13204026
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6256887A Expired - Lifetime JPH0637387B2 (ja) | 1987-03-19 | 1987-03-19 | 脳圧降下剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0637387B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11180863A (ja) | 1997-10-16 | 1999-07-06 | Nikken Chem Co Ltd | メニエ−ル病治療薬 |
-
1987
- 1987-03-19 JP JP6256887A patent/JPH0637387B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63230627A (ja) | 1988-09-27 |
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