JPH07103017B2 - 眼圧降下剤 - Google Patents
眼圧降下剤Info
- Publication number
- JPH07103017B2 JPH07103017B2 JP5235957A JP23595793A JPH07103017B2 JP H07103017 B2 JPH07103017 B2 JP H07103017B2 JP 5235957 A JP5235957 A JP 5235957A JP 23595793 A JP23595793 A JP 23595793A JP H07103017 B2 JPH07103017 B2 JP H07103017B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- erythritol
- intraocular pressure
- injection
- isosorbide
- mannitol
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
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- Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエリスリトールを有効成
分とする眼圧降下剤に関するものである。
分とする眼圧降下剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】緑内障の際の眼圧亢進症状の治療には従
来からマンニトール、イソソルビド等の高浸透圧剤が用
いられている。これらの高浸透圧剤は、マンニトールが
静脈内投与製剤として、イソソルビド(1,4:3,6−
ジアンヒドロ−D−ソルビトール)が経口投与製剤とし
て用いられている。
来からマンニトール、イソソルビド等の高浸透圧剤が用
いられている。これらの高浸透圧剤は、マンニトールが
静脈内投与製剤として、イソソルビド(1,4:3,6−
ジアンヒドロ−D−ソルビトール)が経口投与製剤とし
て用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、マンニ
トールは、水への溶解度が20%(w/v)と低く、高濃度
の注射剤をつくることができないという欠点があり、イ
ソソルビドは、苦味が強いため服用し難いという欠点が
ある。
トールは、水への溶解度が20%(w/v)と低く、高濃度
の注射剤をつくることができないという欠点があり、イ
ソソルビドは、苦味が強いため服用し難いという欠点が
ある。
【0004】本発明者等は、上記のごとき欠点のない新
規な眼圧降下剤を開発すべく、糖又は糖アルコール等に
ついて種々研究を行なった結果、4炭糖アルコールの一
種であるエリスリトールをウサギに投与する場合は、マ
ンニトール又はイソソルビドよりも強い眼圧降下作用を
示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
規な眼圧降下剤を開発すべく、糖又は糖アルコール等に
ついて種々研究を行なった結果、4炭糖アルコールの一
種であるエリスリトールをウサギに投与する場合は、マ
ンニトール又はイソソルビドよりも強い眼圧降下作用を
示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、エリスリトー
ルを有効成分とする眼圧降下剤である。本発明に用いら
れるエリスリトールは古くより知られた4炭糖アルコー
ルの一種で、良質な甘味を有し、通常は酵母等の発酵に
より製造される(例えば、特開昭60−110295、
同61−31091)。
ルを有効成分とする眼圧降下剤である。本発明に用いら
れるエリスリトールは古くより知られた4炭糖アルコー
ルの一種で、良質な甘味を有し、通常は酵母等の発酵に
より製造される(例えば、特開昭60−110295、
同61−31091)。
【0006】本発明に係る眼圧降下剤は、通常、注射剤
又は経口剤の形態で用いられる。注射剤として用いる場
合は、通常、エリスリトールを注射用蒸留水で、濃度約
10〜40%(w/v)に調製した後、常法により製剤化し
たものが用いられ、エリスリトール換算で体重1kg当た
り通常0.3〜3gを症状に合わせ1日1〜3回静脈内投
与する。経口剤として用いる場合は、服用量が多くなる
ため、通常高濃度の液剤又は粉剤として用いられ、エリ
スリトール換算で体重1kg当たり通常0.3〜3gを症状
に合わせて1日1〜3回服用する。
又は経口剤の形態で用いられる。注射剤として用いる場
合は、通常、エリスリトールを注射用蒸留水で、濃度約
10〜40%(w/v)に調製した後、常法により製剤化し
たものが用いられ、エリスリトール換算で体重1kg当た
り通常0.3〜3gを症状に合わせ1日1〜3回静脈内投
与する。経口剤として用いる場合は、服用量が多くなる
ため、通常高濃度の液剤又は粉剤として用いられ、エリ
スリトール換算で体重1kg当たり通常0.3〜3gを症状
に合わせて1日1〜3回服用する。
【0007】
【実施例】以下に本薬剤の薬理試験、毒性試験及び製剤
例を示し、本発明を更に詳細に説明する。
例を示し、本発明を更に詳細に説明する。
【0008】試験例1(眼圧低下作用) (方法) (動物);無麻酔雄性ウサギ(日本白色種、体重2.2
0〜2.65kg)を一群3匹として使用した。 (被検薬) (1)静脈内投与;20%(w/v)エリスリトール及び2
0%(w/v)マンニトール(対照薬)を使用し、各々2g/
10ml/kgを全量5分で耳静脈より持続注入した。 (2)経口投与;40%(w/v)エリスリトール及び40
%(w/v)イソソルビド(対照薬)を使用し、各々2g/5
ml/kgをネラトンカテーテルにより胃内へ投与した。 (眼圧測定);押田式固定器に固定したウサギの眼結膜
嚢に4%キシロカイン3滴を滴下しシェッツトノメータ
ー(Schiotz tonometer)を用いて眼圧を測定し、投薬
前の眼圧を100(%)とした場合の投薬後の眼圧の変
化率を経時的に求めることにより行なった。
0〜2.65kg)を一群3匹として使用した。 (被検薬) (1)静脈内投与;20%(w/v)エリスリトール及び2
0%(w/v)マンニトール(対照薬)を使用し、各々2g/
10ml/kgを全量5分で耳静脈より持続注入した。 (2)経口投与;40%(w/v)エリスリトール及び40
%(w/v)イソソルビド(対照薬)を使用し、各々2g/5
ml/kgをネラトンカテーテルにより胃内へ投与した。 (眼圧測定);押田式固定器に固定したウサギの眼結膜
嚢に4%キシロカイン3滴を滴下しシェッツトノメータ
ー(Schiotz tonometer)を用いて眼圧を測定し、投薬
前の眼圧を100(%)とした場合の投薬後の眼圧の変
化率を経時的に求めることにより行なった。
【0009】(結果)静脈内投与した場合の結果を図1
に、経口投与した場合の結果を図2に示す。図1より、
静脈内投与した場合、エリスリトール2g/kg群は、投
与後15〜45分間有意に眼圧を低下させ、その作用は
マンニトールよりも強いことが分かる。図2より、経口
投与した場合、エリスリトール2g/kg群は、投与後60
〜90分間有意に眼圧を低下させ、その作用はイソソル
ビドよりも強いことが分かる。
に、経口投与した場合の結果を図2に示す。図1より、
静脈内投与した場合、エリスリトール2g/kg群は、投
与後15〜45分間有意に眼圧を低下させ、その作用は
マンニトールよりも強いことが分かる。図2より、経口
投与した場合、エリスリトール2g/kg群は、投与後60
〜90分間有意に眼圧を低下させ、その作用はイソソル
ビドよりも強いことが分かる。
【0010】試験例2(急性毒性試験) エリスリトールをラットに経口あるいは静脈内投与して
パイロット急性毒性試験を行い、以下の結果を得た。 LD50値及び95%信頼限界(g/kg) 経口投与: 雄 11.8(10.1〜13.8) 雌 9.5(8.4〜10.7) 静脈内投与:雄 6.1(5.9〜6.3) 雌 5.4(5.0〜5.9) 以上の結果から明らかなように、本発明の薬剤は毒性が
極めて低い。
パイロット急性毒性試験を行い、以下の結果を得た。 LD50値及び95%信頼限界(g/kg) 経口投与: 雄 11.8(10.1〜13.8) 雌 9.5(8.4〜10.7) 静脈内投与:雄 6.1(5.9〜6.3) 雌 5.4(5.0〜5.9) 以上の結果から明らかなように、本発明の薬剤は毒性が
極めて低い。
【0011】実施例1(注射剤) エリスリトール10kgを秤量し、注射用蒸留水45リッ
トルを加え、攪拌溶解した後、注射用蒸留水を加えて全
量50リットルに調製する。得られた溶液をポアサイズ
0.2ミクロンのメンブランフィルターによりろ過した
後、500mlずつバイアル瓶に分注し、ゴム栓、アルミ
キャップにより密封し、高圧蒸気滅菌法により滅菌して
注射剤とする。
トルを加え、攪拌溶解した後、注射用蒸留水を加えて全
量50リットルに調製する。得られた溶液をポアサイズ
0.2ミクロンのメンブランフィルターによりろ過した
後、500mlずつバイアル瓶に分注し、ゴム栓、アルミ
キャップにより密封し、高圧蒸気滅菌法により滅菌して
注射剤とする。
【0012】実施例2(液剤) エリスリトール40kgに精製水80リットルを加え、加
温溶解した後、室温まで冷却し、精製水を加えて全量1
00リットルに調製する。得られた溶液をポアサイズ
0.8ミクロンのメンブランフィルターによりろ過した
後、500mlずつプラスチック製容器に分注し、密栓し
て経口用製剤とする。
温溶解した後、室温まで冷却し、精製水を加えて全量1
00リットルに調製する。得られた溶液をポアサイズ
0.8ミクロンのメンブランフィルターによりろ過した
後、500mlずつプラスチック製容器に分注し、密栓し
て経口用製剤とする。
【0013】実施例3(ドライシロップ剤) 微粉砕したエリスリトール40kgを品川式万能混合機に
入れ、攪拌しながら湿潤剤(エタノール8:水2)約6
リットルを徐々に加え練合する。得られた練合物を10
00〜2000r.p.mに回転数を調節したミニマイザー
により処理して粉砕した後、流動型熱風乾燥機を使用し
て60℃で10時間乾燥する。乾燥終了後、32メッシ
ュの篩を使用して篩過し、用時溶解して使用するドライ
シロップ剤とする。
入れ、攪拌しながら湿潤剤(エタノール8:水2)約6
リットルを徐々に加え練合する。得られた練合物を10
00〜2000r.p.mに回転数を調節したミニマイザー
により処理して粉砕した後、流動型熱風乾燥機を使用し
て60℃で10時間乾燥する。乾燥終了後、32メッシ
ュの篩を使用して篩過し、用時溶解して使用するドライ
シロップ剤とする。
【0014】
【発明の効果】本発明に係る薬剤は、マンニトール、イ
ソソルビドよりも強い眼圧降下作用を有する上、毒性も
極めて低い(試験例1〜2)。更に、注射剤として使用
する場合はエリスリトールの溶解度が高いため高濃度の
注射剤を製造することができる利点がある。また、経口
剤として服用する場合は、エリスリトールが良質な甘味
を有するため、苦味を有するイソソルビドに比べて服用
が楽である。
ソソルビドよりも強い眼圧降下作用を有する上、毒性も
極めて低い(試験例1〜2)。更に、注射剤として使用
する場合はエリスリトールの溶解度が高いため高濃度の
注射剤を製造することができる利点がある。また、経口
剤として服用する場合は、エリスリトールが良質な甘味
を有するため、苦味を有するイソソルビドに比べて服用
が楽である。
【0015】
【図1】エリスリトール及びマンニトールをウサギに静
脈内投与した場合の眼圧の変化を示す曲線図である。
脈内投与した場合の眼圧の変化を示す曲線図である。
【図2】エリスリトール及びイソソルビドをウサギに経
口投与した場合の眼圧の変化を示す曲線図である。
口投与した場合の眼圧の変化を示す曲線図である。
* p<0.05で有意差があることを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平尾 昭法 埼玉県和光市西大和団地2−11−404 (72)発明者 山本 真之 埼玉県蕨市中央1−29−9 (72)発明者 加藤 隆治 埼玉県浦和市木崎2−18−20−104 (72)発明者 佐野 哲朗 埼玉県大宮市東町2−171 審査官 後藤 圭次
Claims (3)
- 【請求項1】 エリスリトールを有効成分とする眼圧降
下剤。 - 【請求項2】 注射剤の形態にある請求項1記載の眼圧
降下剤。 - 【請求項3】 経口剤の形態にある請求項1記載の眼圧
降下剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5235957A JPH07103017B2 (ja) | 1987-03-19 | 1993-08-30 | 眼圧降下剤 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6256887A JPH0637387B2 (ja) | 1987-03-19 | 1987-03-19 | 脳圧降下剤 |
JP5235957A JPH07103017B2 (ja) | 1987-03-19 | 1993-08-30 | 眼圧降下剤 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6256887A Division JPH0637387B2 (ja) | 1987-03-19 | 1987-03-19 | 脳圧降下剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06192071A JPH06192071A (ja) | 1994-07-12 |
JPH07103017B2 true JPH07103017B2 (ja) | 1995-11-08 |
Family
ID=26403619
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5235957A Expired - Fee Related JPH07103017B2 (ja) | 1987-03-19 | 1993-08-30 | 眼圧降下剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07103017B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11180863A (ja) * | 1997-10-16 | 1999-07-06 | Nikken Chem Co Ltd | メニエ−ル病治療薬 |
JP2022059092A (ja) * | 2019-02-15 | 2022-04-13 | アステラス製薬株式会社 | 眼圧下降用医薬組成物 |
-
1993
- 1993-08-30 JP JP5235957A patent/JPH07103017B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06192071A (ja) | 1994-07-12 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |