JP2004522698A - 医薬組成物のための香料系およびそのような組成物の製造方法 - Google Patents

医薬組成物のための香料系およびそのような組成物の製造方法 Download PDF

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Abstract

液状医薬組成物のための香料系及びそのような香料系を含む医薬組成物が開示される。本発明の香料系は、少なくとも1種類の甘味料、少なくとも2種類の着香成分、並びにクエン酸、クエン酸ナトリウム、塩化ナトリウム、およびそれらの混合物からなる群より選択される少なくとも1種類の香味改質剤を含む。少なくとも2種類の着香成分は、バニラ着香成分、ペパーミント着香成分、メントール着香成分、綿菓子着香成分、およびそれらの混合物からなる群より選択される。1種類以上の甘味料は、グリセリン、グリチルリジン酸一アンモニウム、サッカリンナトリウム、アセスルファムカリウム、高フルクトース・コーンシロップ、および/またはそれらの混合物を含む。本発明の医薬組成物は、本発明の香料系、溶媒系、および少なくとも1種類の薬学的に活性の作用物質、例えば、ロピナビルもしくはその誘導体、リトナビルもしくはその誘導体、またはそれらの混合物を含む。そのような液状医薬組成物を製造するための方法も開示される。

Description

【0001】
(発明の分野)
本発明は、医薬組成物のための香料系、そのような香料系を含む医薬組成物、
およびそのような組成物の製造方法に関する。特には、本発明は、リトナビルもしくはその誘導体、ロピナビルもしくはその誘導体、および上記のいずれかの混合物を含む液状医薬組成物のための香料系に関する。また、本発明は、本発明の香料系を含む医薬組成物およびこれらの医薬組成物の製造方法にも向けられる。
【0002】
(発明の背景)
薬学的に活性の作用物質ロピナビルおよびリトナビルは、後天性免疫不全症候群(AIDS)の原因生物であるヒト免疫不全ウイルス(HIV)の公知阻害剤である。リトナビルおよびロピナビルの両者は、HIVプロテアーゼを阻害することによってHIVを阻害する。プロテアーゼは特定のペプチド結合でタンパク質を開裂する酵素であり、多くの重要な生物学的機能はプロテアーゼおよびそれらの阻害剤によって制御されるか、またはそれらによる介入を受ける。HIVプロテアーゼを阻害する薬学的に活性の作用物質を投与することにより、ヒトにおけるHIVの複製を制御するか、または停止させることができる。
【0003】
AIDSの治療に向けて多くの進歩がなされているが、この疾患の逆転に完全に有効であることが立証されている現行治療は存在しない。加えて、AIDSの治療に有用な薬学的に活性の作用物質の多くは苦みを有し、それが患者から彼らの薬物摂取計画を遵守する気力を失わせている。したがって、薬学的に活性の作用物質、例えば、ロピナビルおよびリトナビルを含む液状組成物の味の改善はAIDSに対する戦いにおいて重要である。
【0004】
液状医薬のための香料は公知である。例えば、1996年1月16日発行の米国特許第5,484,801号は、リトナビルを含む医薬組成物におけるワイルドチェリーフレーバー、バナナフレーバー、ストロベリーフレーバー、サッカリンナトリウム、クエン酸、チョコレートミント、および他のフレーバー賦活剤のような香料の使用を開示する。しかしながら、事実上水に不溶であり、かつ苦みを有する傾向にある薬学的に活性の作用物質、例えば、リトナビルおよび/またはロピナビルを含む液状医薬組成物のための改善された香料系の必要性が残る。
【0005】
(発明の概要)
一般には、出願人は、ロピナビルおよびリトナビルのような薬学的に活性の作用物質を含む液状医薬組成物のための香料系における成分の数およびタイプを増加させることにより、これらの作用物質を含む医薬組成物の味が改善されることを発見している。本発明の香料系は、一般には、2種類以上の着香成分、1種類以上の甘味料、並びにクエン酸ナトリウム、塩化ナトリウム、クエン酸およびそれらの混合物からなる群より選択される1種類以上の香味改質剤を含む。好ましくは前のセンテンスに認められる成分の2種類以上、最も好ましくはそれらのすべてが香味改質剤として本発明の香料系に含まれる。本発明の香料系に含まれる香味改質剤の総量は、そのような香料系を含む医薬組成物全体に基づいて少なくとも約0.10重量%であり、かつ約1.0重量%以下である。最も好ましくは、これらの香味改質剤のすべては以下の重量基準の量で香料系に含まれる:医薬組成物の総量に基づいて約0.20%の量のクエン酸ナトリウム、約0.35%の量の塩化ナトリウム、および約0.11%の量のクエン酸。ここで他に述べられるない限り、すべての重量は医薬組成物の総量に基づく。
【0006】
本発明の香料系は、バニラ、メントール、綿菓子、および/またはペパーミントフレーバーを有する少なくとも2種類の着香成分をも含む。本発明のより好ましい香料系はこれら着香成分の少なくとも3種類を含み、本発明の最も好ましい香料系はこれら着香成分の4種類すべてを含む。最も好ましいメントール香成分はメントール結晶であり、最も好ましいペパーミント香成分はペパーミントオイルである。本発明の香料系を含む医薬組成物における着香成分の重量基準での総量は少なくとも約1.4重量%であり、かつ約3.5重量%以下である。より好ましくは、本発明の香料系を含む医薬組成物における着香成分の総量は少なくとも約2.4重量%であり、かつ約2.8重量%以下である。最も好ましくは、本発明の香料系を含む医薬組成物における着香成分の総量は約2.6重量%である。好ましい実施形態においては、以下の着香成分が本発明の組成物中に以下の重量基準の量で含まれる:少なくとも約0.55%で約1.10%以下の量の綿菓子香成分;少なくとも約0.15%で約0.60%以下の量のペパーミント香成分;少なくとも約0.03%で約0.25%以下の量のメントール香成分;および少なくとも約0.70%で約1.5%以下の量のバニラ香成分。本発明の医薬組成物の最も好ましい実施形態においては、以下の着香成分がそのような組成物中に以下の重量基準の量で含まれる:約1.00%の量の綿菓子フレーバー;約0.30%の量のペパーミントオイル;約1.25%の量のバニラフレーバー;および約0.05%の量のメントール結晶。
【0007】
少なくとも1種類の甘味料、好ましくは少なくとも2種類の甘味料が本発明の香料系に含まれる。より好ましくは少なくとも3種類の甘味料、最も好ましくは少なくとも4種類の甘味料が本発明の香料系に含まれる。高フルクトース・コーンシロップ、グリセリン、サッカリンナトリウム、グリチルリジン酸一アンモニウム、およびアセスルファムカリウムが最も好ましい甘味料である。好ましくは、甘味料は医薬組成物の総重量の少なくとも約20重量%で、かつ約67重量%以下の総量で本発明の香料系に含まれる。より好ましくは、甘味料は少なくとも約22重量%で、かつ約27.5重量%以下の総量で本発明の香料系に含まれる。本発明の最も好ましい香料系は以下の甘味料を含む:約16.6重量%の量の高フルクトース・コーンシロップ、約5.5重量%ないし約8.5重量%の量のグリセリン、約0.58重量%の量のグリチルリジン酸一アンモニウム、約0.40重量%の量のサッカリンナトリウム、および約0.40重量%の量のアセスルファムカリウム。ここで用いられる場合、「含む(comprise(s))」、「含む(comprising)」、「含む(contain(s))」、「含む(containing)」、「含む(include(s))」および「含む(including)」という用語は、本発明の医薬組成物の成分に言及するとき:(1)本発明の医薬組成物に個別に、もしくは他の成分と同時に添加される成分;または(2)本発明の医薬組成物の調製中に形成され得る成分を指す。
【0008】
本発明は、(a)本発明の香料系;(b)1種類以上の薬学的に活性の作用物質、例えば、ロピナビル、リトナビル、またはそれらの混合物;(c)および、溶媒系を含む、液状の、好ましくは経口投与される、医薬組成物にも向けられる。場合によっては、本発明の医薬組成物は、1種類以上の濃厚剤、例えば、ポリビニルピロリドン、1種類以上のバイオアベイラビリティ亢進剤、例えば、ヒマシ油誘導体、1種類以上の酸化防止剤、および/または保存剤も含むことができる。
【0009】
ロピナビルおよびリトナビルのような薬学的に活性の作用物質が事実上水に不溶であるため、特定のタイプの医薬適合性の可溶化剤(すなわち、溶媒)を溶媒系に含めるべきである。これらの特定のタイプの可溶化剤には、これらに限定されるものではないが:水、医薬適合性のアルキルアルコール、および医薬適合性のアルキレングリコールが含まれる。これらの特定のタイプの可溶化剤のうちの少なくとも2種類が溶媒系に含まれるべきであり、最も好ましくは、これらのタイプの作用物質の3種類すべてが含まれるべきである。本発明の医薬組成物の少なくとも約32重量%、かつ約69重量%以下が溶媒系である。より好ましくは、溶媒系は本発明の医薬組成物の少なくとも約53重量%、かつ約60重量%以下を構成する。これらの溶媒系の総量および本発明の溶媒系に含まれる個々の可溶化剤の各々の量は、(a)組成物中に含まれる他の成分(例えば、着香成分または甘味料)の一部である可溶化剤;(b)以下に「医薬組成物の調製」セクションで説明されるように本発明の医薬組成物が製造される容器のすすぎに用いられる可溶化剤;および(c)以下に「いずれかの賦活バイオアベイラビリティ亢進剤およびいずれかの追加成分の追加」セクションにおいて説明されるように最終医薬組成物をバッチ容積にするのに用いられる可溶化剤のあらゆる追加量が除外される。
【0010】
香料系および香料系に含まれる個々の成分の各々についてここに開示される総量が、一般には、他に注記されない限り、そのような個々の成分に組み込まれるいずれかの溶媒または可溶化剤を含むことも注目される。例えば、高フルクトース・コーンシロップは本発明の香料系に含めることができる好ましい甘味料であり、高フルクトース・コーンシロップは通常相当量の水を含有する。高フルクトース・コーンシロップの量に含まれるこの水の量は甘味料及び香料系についてここに開示される総重量に含まれる。高フルクトース・コーンシロップに含まれる水の量は可溶化剤または溶媒系についてここに開示される量には含まれない。
【0011】
好ましい可溶化剤には、水、エタノール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、およびそれらの混合液が含まれる。最も好ましいアルキルアルコールはエタノールであり、かつ最も好ましいアルキレングリコールはプロピレングリコールである。
【0012】
本発明の香料系は、一般には、本発明の医薬組成物の少なくとも約20重量%、かつ約70重量%以下の量で含まれる。より好ましくは、本発明の香料系は、本発明の医薬組成物の少なくとも約22重量%、かつ約68重量%以下の量で含まれる。最も好ましくは、本発明の香料系は、約27重量%ないし約29.5重量%の量で本発明の医薬組成物に含まれる。
【0013】
他の成分、例えば、濃厚剤および医薬適合性の作用物質のバイオアベイラビリティを強化する作用物質も本発明の医薬組成物に含まれ得る。最も好ましい濃厚剤はポリビニルピロリドンである。最も好ましいバイオアベイラビリティ亢進剤はヒマシ油誘導体、例えば、Cremophor RH40として商業的に入手可能なポリオキシル40硬化ヒマシ油である。本発明の好ましい実施形態においては、1種類以上の濃厚剤が少なくとも約2.5重量%、かつ約5重量%以下の総量で本発明の医薬組成物に含まれ、および1種類以上のバイオアベイラビリティ亢進剤が少なくとも約0.01重量%、かつ約3重量%以下の総量で含まれる。最も好ましくは、ポリビニルピロリドンが約3重量%の量で本発明の医薬組成物に含まれ、かつヒマシ油誘導体が約1重量%の量で含まれる。
【0014】
好ましくは、リトナビルもしくはその誘導体、ロピナビルもしくはその誘導体、およびそれらの混合物が本発明に含まれる薬学的に活性の作用物質である。より好ましくは、リトナビルもしくは1種類以上のその誘導体およびロピナビルもしくは1種類以上のその誘導体の両者が本発明の組成物に含まれる。リトナビルもしくは1種類以上のその誘導体およびロピナビルもしくは1種類以上のその誘導体の両者が本発明の組成物に含まれる場合、最も好ましくは、ロピナビルもしくは1種類以上のその誘導体のロピナビルもしくは1種類以上のその誘導体に対する重量比は約4:1である。好ましくは、医薬組成物の少なくとも約4重量%は1種類以上の薬学的に活性の作用物質であり、より好ましくは、組成物中の薬学的に活性の作用物質(1種類もしくは複数種類)の量はその医薬組成物の約10重量%以下である。ロピナビルもしくは1種類以上のその誘導体およびリトナビルもしくは1種類以上のその誘導体の両者が本発明の組成物に含まれる場合、好ましくは、リトナビルもしくは1種類以上のその誘導体は少なくとも約1.30重量%、かつ約2.10重量%の量で組成物に含まれ;および、好ましくは、ロピナビルもしくはその誘導体は少なくとも約2.5重量%、かつ約8重量%の量で組成物に含まれる。最も好ましくは、リトナビルもしくは1種類以上のその誘導体は約2重量%の量で本発明の組成物に含まれ、およびロピナビルもしくは1種類以上のその誘導体は約8重量%の量で本発明の組成物に含まれる。
【0015】
本発明は、本発明の医薬組成物の製造方法にも関する。本発明の方法は:(a)溶媒系の少なくとも一部を容器に投入し;(b)1種類以上の薬学的に活性の作用物質、例えば、リトナビルもしくはその誘導体、ロピナビルもしくはその誘導体、またはそれらの混合物を、溶媒系の少なくとも一部を収容する容器内で溶解し;(c)香味改質剤(液状形態のあらゆる香味改質剤を除く)およびいずれかの非液状甘味料を別の容器において水に溶解して副混合物を形成し;(d)並びに、この副混合物を、1種類以上の溶解した薬学的に活性の作用物質を含有する少なくとも一部の溶媒系、いずれかの1種類以上の液状甘味料、いずれかの液状香味改質剤、着香成分、および溶媒系のいずれかの残部と合わせることを含む。本発明の方法は、前のセンテンスにおいて述べられる容器において、別の副混合物を調製することなしに、すべての成分を合わせることも含む。好ましくは、ヒマシ油誘導体が組成物に含まれる場合、容器に加える前にそれを加熱する。メントール結晶が組成物中に用いられる場合、好ましくは、1種類以上の薬学的に活性の作用物質を溶媒系に溶解する前にそれらを溶媒系の少なくとも一部に溶解する。好ましくは、容器は、プロセスの過程でその容器の内容物を混合するための混合手段を有する。最も好ましくは、ポリビニルピロリドンのような濃厚剤を容器に加え、医薬組成物中の他の成分と混合する。
【0016】
(発明の詳細な説明)
一般には、本発明の液状医薬組成物は、香料系、少なくとも1種類の薬学的に活性の作用物質、溶媒系及び、場合によっては、医薬組成物のバイオアベイラビリティの強化および/またはその粘度および/または安定性の増加に有用な他の添加物を含む。本発明の香料系は、少なくとも1種類の甘味料、並びに、メントール着香成分、ペパーミント着香成分、バニラ着香成分、綿菓子着香成分、およびそれらの混合物からなる群より選択される少なくとも2種類の着香成分を含む。本発明の香料系は、クエン酸ナトリウム、塩化ナトリウム、クエン酸、およびそれらの混合物からなる群より選択される少なくとも1種類の香味改質剤も含む。薬学的に活性の作用物質の各々を溶解することができる溶媒系も本発明の医薬組成物中に含まれる。
【0017】
ここで用いられる場合、以下の用語は以下の意味を有する。「着香成分」という用語は:(a)薬学的に許容することができ、(b)甘味料ではなく、および(c)公知かつ容易に識別可能な味および/または臭いの感覚のブレンドを本発明の医薬組成物に付与するいずれかの化合物または組成物を意味する。着香成分の例には、これらに限定されるものではないが:ワイルドチェリーフレーバー、ストロベリーフレーバー、バナナフレーバー、ペパーミントフレーバー、ペパーミントオイル、メントールフレーバー、メントール結晶、綿菓子フレーバー、バニラフレーバー、混合フルーツフレーバー、およびチョコレートフレーバーが含まれる。ここで用いられる場合、「医薬適合性の」という用語は:(1)合衆国食品医薬品局によって、合衆国で製造および/または販売される医薬組成物において使用可能であるとして;または(2)合衆国外のいずれかの医薬正規エージェントによって、そのような正規エージェントが管理する管轄権において作製および/または販売される医薬組成物において使用可能であるとして現在許容され、または将来許容されるようになる化合物または組成物を指す。
【0018】
「ロピナビル」という用語は、ここで用いられる場合、化学名[1S−[1R,(R),3R,4R]]−N−[4−[[(2,6−ジメチルフェノキシ)アセチル]アミノ]−3−ヒドロキシ−5−フェニル−1−(フェニルメチル)ペンチル]テトラヒドロ−アルファ−(1−メチルエチル)−2−オキソ−(2H)−ピリミジンアセタミドで表される薬学的に活性の作用物質を意味する。ここで用いられる「誘導体(1種類もしくは複数種類)」という用語は、ロピナビルに言及するとき、米国特許第5,914,332号(これは1999年6月22日に発行され、参照することによりここに組み込まれる)に記載されるようなロピナビルの医薬適合性の塩、エステル、医薬誘導体、および医薬類似体を意味する。「リトナビル」という用語は、ここで用いられる場合、化学名[5S−(5R,8R,10R,11R)]−10−ヒドロキシ−2−メチル−5−(1−メチルエチル)−1−[2−(1−メチルエチル)−4−チアゾリル]−3,6−ジオキソ−8,11−ビス(フェニルメチル)−2,4,7,12−テトラアザトリデカン−13−酸、5−チアゾリルメチルエステルで表される薬学的に活性の作用物質を意味する。ここで用いられる「誘導体(1種類もしくは複数種類)」という用語は、リトナビルに言及するとき、米国特許:(a)1996年7月30日発行の第5,541,206号;および(b)1997年7月15日発行の第5,648,497号(これらの両者は参照することによりここに組み込まれる)に記載されるようなリトナビルの医薬適合性の塩、エステル、医薬誘導体、および医薬類似体を意味する。
【0019】
「甘味料」という用語は、着香成分ではなく、かつ砂糖様もしくは砂糖ベースの味を有するか、またはそれを医薬組成物に付与するいずれかの医薬適合性の液体または固体化合物または組成物を意味する。甘味料の例には、これらに限定されるものではないが、グリセリン、サッカリンナトリウム、アセスルファムカリウム、グリチルリジン酸一アンモニウム、および高フルクトース・コーンシロップが含まれる。「香味改質剤(1種類もしくは複数種類)」という用語は、ここで用いられる場合、甘味料ではなく、かつ着香成分ではない、医薬組成物の香味を増強する医薬適合性の成分を意味する。香味改質剤の例には、これらに限定されるものではないが、クエン酸ナトリウム、クエン酸、および塩化ナトリウムが含まれる。
【0020】
香料系
一般には、最良の香味プロフィールを有する医薬組成物は、味わったときに:(1)識別可能な香味の即時の衝撃があり;(2)バランスのとれた完全な香味の急速な展開があり;(3)適合可能な口あたり要素があり(すなわち、その組成物の生地が満足のいくものである);(4)「オフノーツ(off−notes)」または予期せぬ香味がなく;(5)および後味が短い。本発明の香料系の開発における出願人の目的は、ロピナビルもしくはその誘導体、リトナビルもしくはその誘導体、およびそれらの混合物を含有する組成物がこれらの特徴の、すべてではないとしても、大部分を示すことを保証することであった。
【0021】
一般には、香味プロフィールには4種類の異なる基本味がある:苦味、甘味、酸味、および塩味。これら4種類の基本味が、経口摂取される組成物のそれらが口中に存在する間の味の記述およびこれらの組成物に関連する後味の記述に用いられる。ロピナビルおよびその誘導体並びにリトナビルおよびその誘導体は、苦味基本味が望ましくなく高い香味プロフィールを有する傾向にあり、これらの薬学的に活性の作用物質は長引く後味も有する。香料系を含まないか、または不満足な香料系を含むこれらの薬物は望ましくない香味プロフィールを有するため、患者は彼らの毎日の投薬計画に従って薬物を摂取しないようである。したがって、出願人は、望ましくない後味およびこれらの薬物の香味プロフィールにおける苦味基本味を相殺する香料系を開発している。加えて、この香料系は、これらの2種類の薬物に必要なタイプの溶媒系に適合する。
【0022】
ロピナビルおよびリトナビルは室温および圧力(すなわち、約25℃および1気圧)では水に特に不溶性であるため、これらの薬物は特定のタイプの溶媒系に溶解して維持しなければならず、本発明の香料系はそのような溶媒系と適合し得る。一般には、本発明の香料系は、少なくとも2種類の着香成分、少なくとも1種類の甘味料、および少なくとも2種類の香味改質剤を含む。
【0023】
着香成分
本発明の香料系における着香成分は不快な後味を最小に止め、かつロピナビルおよびリトナビル(およびそれらそれぞれの誘導体)香味プロフィールにおける苦味基本味を相殺する。様々な着香成分をこれらの薬物の香味プロフィールの改善に用いることができる;しかしながら、出願人は、少なくとも2種類の着香成分をそれらの香料系に含めることによってこれらの薬物の香味プロフィールを最適化している。好ましくは、少なくとも3種類の着香成分を本発明の香料系に含め、最も好ましくは、少なくとも4種類の着香成分を含める。出願人は、以下のフレーバーの組合せが、リトナビルもしくは1種類以上のその誘導体、ロピナビルもしくは1種類以上のその誘導体、およびそれらの混合物を含む医薬組成物のための香料系において特に有用であることを見出している:バニラ、綿菓子、メントール、およびペパーミント。しかしながら、他のフレーバーを用いることもできる。例えば、グリーンアップル、リコリス、チョコレート、チョコレートミント、ストロベリー、バナナ、混合フルーツ、およびチェリーを単独で、または前で明らかにされる、本発明において有用であるフレーバーとの組合せで用いることができる。
【0024】
一般には、着香成分は、少なくとも約1.4重量%かつ約3.5重量%以下の総量で本発明の医薬組成物に含まれる。好ましくは、着香成分は、少なくとも約1.45重量%かつ約3重量%以下の総量で、より好ましくは、少なくとも約2.4重量%かつ約2.8重量%以下の量で本発明の医薬組成物に含まれる。最も好ましくは、着香成分は、約2.6重量%の量で本発明の医薬組成物に含まれる。本発明の最も好ましい香料系は、メントール、ペパーミント、バニラ、および綿菓子着香成分を含む。
【0025】
メントール着香成分は、本発明の最も好ましい香料系にいずれかの形態(すなわち、液体または固体)で含まれる。例えば、メントール結晶(すなわち、固体形態)を本発明の組成物に組み込むことができ、またはメントール結晶を医薬適合性の溶媒(例えば、プロピレングリコール)に溶解し、溶媒中に溶解した結晶を本発明の組成物に含めることができる。好ましくは、本発明の最も好ましい香料系に含められるメントール着香成分の量は、少なくとも約0.03重量%かつ約0.25重量%以下である。最も好ましくは、メントール着香成分は、約0.05重量%の量で医薬組成物に含められる。これらの重量パーセンテージでは、固体形態のあらゆるメントールを溶解することができるあらゆる溶媒の重量は除外される。最も好ましくは、メントール着香成分はメントール結晶である。本発明において有用であるメントール結晶は、U.S.A.、NJ、RockleighのTakasagoから入手可能なL−Menthol Crystals USPである。
【0026】
バニラ着香成分は、本発明の最も好ましい香料系にいずれかの形態(すなわち、液体または固体)で含めることができる。例えば、バニラ豆の抽出物(すなわち、バニラ豆抽出物)を医薬適合性の溶媒と共に、またはそれを伴わずに、本発明の組成物に含めることができる。好ましくは、本発明の最も好ましい香料系に含まれるバニラ着香成分(例えばバニラ豆抽出物を、溶解することができるあらゆる溶媒を含む)の量は少なくとも約0.70重量%かつ約1.50重量%以下であり、より好ましくは、バニラ着香成分の量は少なくとも約1.15重量%かつ約1.35重量%以下である。最も好ましくは、バニラ着香成分は約1.25重量%の量で組成物に含められ、最も好ましくは、バニラフレーバーがバニラ着香成分として医薬組成物に含められる。本発明において有用である2種類のバニラフレーバーが、IL、シカゴのBush Boake & Alien,Inc.からArtificial Vanilla Cream FlavorおよびNatural and Artificial Vanilla Flavor(#33869、Yarnalla)として商業的に入手可能である。
【0027】
綿菓子着香成分は、本発明の最も好ましい香料系にいずれかの形態(すなわち、液体または固体)で含めることができる;しかしながら、出願人は、現在固体形態の綿菓子着香成分を知らず、液体形態が好ましい。好ましくは、本発明の最も好ましい香料系に含まれる綿菓子着香成分の量は少なくとも約0.55重量%かつ約1.10重量%以下であり、より好ましくは、綿菓子着香成分の量は少なくとも約0.95重量%かつ約1.05重量%である。最も好ましくは、綿菓子着香成分は約1.00重量%の量で医薬組成物に含まれ、最も好ましくは、綿菓子着香成分は綿菓子フレーバーである。本発明において有用である綿菓子フレーバーは、IL、WheelingのE.A.Weber & Co.からArtificial Cotton Candy Flavor #30−92−0011として商業的に入手可能である。
【0028】
ペパーミント着香成分は、本発明の最も好ましい香料系にいずれかの形態(すなわち、液体または固体)で含めることができる。好ましくは、本発明の最も好ましい香料系に含まれるペパーミント着香成分の量は少なくとも約0.15重量%かつ約0.60重量%以下であり、より好ましくは、ペパーミント着香成分の量は少なくとも約0.25重量%かつ約0.35重量%以下である。最も好ましくは、ペパーミント着香成分は約0.30重量%の量で医薬組成物に含まれ、最も好ましくは、ペパーミント着香成分はペパーミントオイルである。本発明において有用であるペパーミントオイルの1つは、MI、KalamazooのA.M.Todd Co.からPeppermint Oil NF Type 102−130として商業的に入手可能である。
【0029】
多くの着香成分は2つの形態:固体及び液体で商業的に入手可能であり、液体は様々な抗力で利用可能であることが注目される。また、これらの成分の両形態はデンプン、マルトデキストリン、ゴム、及び香料技術分野において公知の他の希釈剤で希釈することができ、かつ液体形態の着香成分は医薬適合性の溶媒でも希釈できることも注目される。ここでの着香成分に関連する重量パーセンテージは、他に注記されない限り、ここで引用される医薬適合性の商業的に入手可能な着香成分の効力と薬学的に等価である効力を有する、乾燥または液体形態の着香成分に関するものである。
【0030】
甘味料
薬学的に活性の作用物質、例えば、リトナビルもしくはその誘導体およびロピナビルもしくはその誘導体を含む医薬組成物の香味プロフィールを改善するため、少なくとも1種類の甘味料が組成物に含まれるべきであり、好ましくは、少なくとも2種類の甘味料が含まれるべきである。より好ましくは、少なくとも3種類もしくは4種類の甘味料が本発明の香料系に含まれるべきであり、最も好ましくは、少なくとも5種類の甘味料が含まれるべきである。有用な甘味料の例には、これらに限定されるものではないが:グリセリン、グリチルリジン酸一アンモニウム、高フルクトース・コーンシロップ、サッカリンナトリウム、アセスルファムカリウム、マルチトール、スクロース、ソルビトール、水素添加デンプン加水分解物、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルトース、デキストロース、およびフルクトース、並びにそれらの混合物が含まれる。本発明において有用である甘味料は、本発明の組成物にいずれかの形態(すなわち、液体または固体)で含めることができる。
【0031】
好ましくは、本発明の組成物に含まれる甘味料(1種類もしくは複数種類)の総量は少なくとも約20重量%かつ約67重量%以下である。より好ましくは、医薬組成物の少なくとも約22重量%かつ約28重量%以下が甘味料(1種類もしくは複数種類)である。本発明の最も好ましい香料系においては、甘味料の総量は少なくとも約23重量%かつ約27重量%以下である。ここで詳述される甘味料の重量パーセンテージでは、いずれかの1種類以上の着香成分において溶媒として用いられるいずれかの甘味料が排除されることが注目される。
【0032】
本発明の最も好ましい香料系においては、組成物に含まれる少なくとも5種類の甘味料はグリセリン、高フルクトース・コーンシロップ、グリチルリジン酸一アンモニウム、アセスルファムカリウム、およびサッカリンナトリウムである。好ましくは、本発明の最も好ましい香料系に含まれるグリセリンの量は少なくとも約5重量%かつ約30重量%以下であり、より好ましくは、グリセリンの量は少なくとも約5.25重量%かつ約28.5重量%である。最も好ましくは、グリセリンは少なくとも約5.85重量%かつ約8.5重量%以下の量で本発明の医薬組成物に含まれる。本発明において有用である2種類のグリセリン製品は、IL、MontgomeryのDialおよびU.S.A.、TN、MemphisのWitcoから、それぞれ、Glycerin USPおよびKemstrene 99.7% USPとして商業的に入手可能である。
【0033】
高フルクトース・コーンシロップは、本発明の最も好ましい香料系に、少なくとも約14.5重量%かつ約33.6重量%以下の量で、より好ましくは、少なくとも約15.7重量%かつ約17.4重量%以下の量で含まれる、最も好ましくは、高フルクトース・コーンシロップは約16.6重量%の量で本発明の医薬組成物に含まれる。本発明において有用である高フルクトース・コーンシロップは、U.S.A.、IA、KeokukのRoquetteからHi−Sweet 55 Code 352として商業的に入手可能である。
【0034】
好ましくは、本発明の最も好ましい香料系に含まれるアセスルファムカリウムの量は少なくとも約0.35重量%かつ約0.85重量%以下、より好ましくは、少なくとも約0.35重量%かつ約0.45重量%以下である。最も好ましくは、アセスルファムカリウムは約0.40重量%の量で医薬組成物に添加される。本発明において有用であるアセスルファムカリウム製品は、NJ、SomersetのNutrinova Inc.からSunett医薬品グレード・アセスルファムカリウム、FCCとして商業的に入手可能である。
【0035】
サッカリンナトリウムは、本発明の最も好ましい香料系に、少なくとも約0.05重量%かつ約0.85重量%以下の量で、より好ましくは、少なくとも約0.35重量%かつ約0.45重量%の量で含まれる。最も好ましくは、サッカリンナトリウムは約0.40重量%の量で医薬組成物に含まれる。本発明において有用であるサッカリンナトリウムは、U.S.A.、OH、CincinnatiのSyncal SからSodium Saccharin Powder USP/NFとして商業的に入手可能である。ここで用いられる場合、「USP」または「USP/NF」という用語は合衆国局方および国民医薬品集を意味し、その参照は、その成分が適切な合衆国局方および国民医薬品集の標準または仕様を満たすことを示す。
【0036】
グリチルリジン酸一アンモニウムは、本発明の最も好ましい香料系に、少なくとも約0.35重量%かつ約0.65重量%以下の量で、より好ましくは、少なくとも約0.55重量%かつ約0.65重量%の量で含まれる。最も好ましくは、グリチルリジン酸一アンモニウムは約0.58重量%の量で医薬組成物に含まれる。グリチルリジン酸一アンモニウムは本発明の組成物に液体または固体形態で含めることができる。有用な商業的に入手可能な液体形態のグリチルリジン酸一アンモニウムの一例は、U.S.A.、NJ、CamdenのMacAndrews & Forbesから商業的に入手可能なマグナスウィート(magnasweet)製品である。特に有用である製品の1つはMagnasweet 110 2Xであり、これはグリセリンに溶解したグリチルリジン酸一アンモニウムである。この製品は、そのマグナスウィート組成物の総量に基づいて、20重量%のグリチルリジン酸一アンモニウムおよび80重量%のグリセリンである。そのようなマグナスウィート製品が甘味料として本発明の組成物において用いられる場合、20重量%グリチルリジン酸一アンモニウムである製品は、本発明の最も好ましい香料系に、少なくとも約1.60重量%かつ約3.10重量%以下の量で、より好ましくは、少なくとも約2.75重量%かつ約3.10重量%以下の量で含まれなければならない。最も好ましくは、そのようなマグナスウィート製品は約2.90重量%の量で医薬組成物に含まれる。
【0037】
香味改質剤
本発明の香料系には少なくとも1種類の他の成分が含まれなければならない。一般には、これらの成分は香味改質剤である。一般には、香味改質剤は、着香成分および/または甘味料を強化、拡張または強調するために医薬組成物用の香料系に含められる。香味改質剤は、より強い初期香味衝撃を容易にし、フレーバーおよび甘味料の効果を後味にまで拡張し、並びに医薬組成物に含まれる薬学的に活性の成分または可溶化剤に由来する苦味および他の望ましくない後味の長引く効果に取り組む傾向にある。
【0038】
薬学的に活性の作用物質、例えば、リトナビルもしくはその誘導体およびロピナビルもしくはその誘導体を含む医薬組成物の香味プロフィールを改善するため、少なくとも1種類の香味改質剤を組成物に含めるべきであり、好ましくは、少なくとも2種類の香味改質剤を本発明の組成物に含めるべきである。最も好ましくは、少なくとも3種類の香味改質剤を本発明の香料系に含める。有用な香味改質剤の例には、これらに限定されるものではないが:クエン酸ナトリウム、塩化ナトリウム、クエン酸、タウマチン、およびそれらの混合物が含まれる。
【0039】
好ましくは、香味改質剤は、少なくとも約0.10重量%かつ約1.00重量%以下の量で本発明の組成物に含められる。より好ましくは、香味改質剤は、少なくとも約0.60重量%かつ約0.70重量%の量で本発明の組成物に含められる。最も好ましくは、香味改質剤は、約0.66重量%の量で本発明の組成物に含められる。
【0040】
本発明の最も好ましい香料系において、組成物に含まれる少なくとも3種類の香味改質剤はクエン酸、塩化ナトリウム、およびクエン酸ナトリウムである。好ましくは、本発明の最も好ましい香料系に含まれるクエン酸ナトリウムの量は約0.25重量%以下であり、より好ましくは、少なくとも約0.15重量%かつ約0.25重量%以下である。最も好ましくは、クエン酸ナトリウムは約0.20重量%の量で医薬組成物に含められる。本発明において有用であるクエン酸ナトリウム製品は、U.S.A.、NC、SouthportのADM Southportから商業的に入手可能なSodium Citrate Dihydrate USP FCCである。
【0041】
塩化ナトリウムは、好ましくは、本発明の最も好ましい香料系に、約0.40重量%以下の量で、より好ましくは、少なくとも約0.30重量%かつ約0.40重量%以下の量で含まれる。最も好ましくは、塩化ナトリウムは約0.35重量%の量で本発明の医薬組成物に含められる。本発明において有用である塩化ナトリウム製品は、U.S.A.、OH、RittmanのMorton Salt CompanyからSodium Chloride USPとして商業的に入手可能である。
【0042】
好ましくは、本発明の最も好ましい香料系に含まれるクエン酸の量は、少なくとも約0.10重量%かつ約0.25重量%以下であり、より好ましくは、少なくとも約0.10重量%かつ約0.12重量%以下である。最も好ましくは、クエン酸は約0.11重量%の量で医薬組成物に含められる。本発明において有用であるクエン酸製品は、U.S.A.、OH、DaytonのA.E.Staleyから商業的に入手可能なCitric Acid USP Anhydrous Powder #0703064である。
【0043】
薬学的に活性の作用物質
事実上水に不溶である薬学的に活性の作用物質、例えば、リトナビル、リトナビルの誘導体、ロピナビル、ロピナビルの誘導体、またはそれらの混合物は、本発明の組成物において有用である。一般には、本発明の医薬組成物は形態が液状であり、好ましくは、経口投与される。本発明の組成物には少なくとも1種類の薬学的に活性の作用物質が含まれ、好ましくは、2種類の薬学的に活性の作用物質が含まれる。
【0044】
本発明の組成物には、いずれかの薬学的に有効かつ医薬適合性の量の薬学的に活性の作用物質またはそれらの混合物を含めることができる。好ましい実施形態において、本発明の組成物に含まれる薬学的に活性の作用物質(1種類もしくは複数種類)の総量は少なくとも約4重量%かつ約10重量%以下である。より好ましくは、本発明の組成物に含まれる薬学的に活性の作用物質(1種類もしくは複数種類)の総量は少なくとも約9.5重量%かつ約10重量%以下である。最も好ましくは、本発明の組成物に含まれる薬学的に活性の作用物質(1種類もしくは複数種類)の総量は約9.8重量%である。ロピナビル、リトナビル、および/またはそれらの混合物が本発明の組成物に含まれる最も好ましい薬学的に活性の作用物質である。しかしながら、ロピナビルの誘導体、リトナビルの誘導体および/またはそれらの混合物も本発明の組成物において有用である。本発明の最も好ましい実施形態において、本発明の医薬組成物におけるロピナビルまたはその誘導体のリトナビルまたはその誘導体に対する比は、組成物中の各作用物質の重量パーセントに基づいて、約4:1である。
【0045】
ロピナビルまたはその誘導体およびリトナビルまたはその誘導体の両者が組成物に含まれる場合、リトナビルまたはその誘導体は、好ましくは、医薬組成物の総重量に基づいて、少なくとも約1.30重量%かつ約2.10重量%以下の量で含まれ;およびロピナビルまたはその誘導体は少なくとも約2.50重量%かつ約8.0重量%以下の量で含まれる。ロピナビルまたはその誘導体は、最も好ましくは、医薬組成物の総重量に基づいて、約8重量%の量で本発明の組成物に含まれ、およびリトナビルまたはその誘導体は、最も好ましくは、約2重量%の量で含まれる。
【0046】
溶媒系
固体形態にあるリトナビルおよびロピナビルの低い水性溶解度および不十分なバイオアベイラビリティは、特に合計1日用量が比較的高い場合、これらの薬物またはそれら各々の誘導体の一方または両者を含む医薬組成物を開発する処方の挑戦を創出する。一般に、ロピナビルは、室温(すなわち、約25℃)で医薬適合性の溶媒、例えば、プロピレングリコールおよびエタノールに十分に可溶である。しかしながら、リトナビルはこれらのタイプの医薬適合性の溶媒には不十分に、または中程度に可溶であるのみである。したがって、個々の溶媒は、これらの薬学的に活性の作用物質またはそれらそれぞれの誘導体の両者を含む医薬組成物に十分な溶解度をもたらさないことがある。出願人は、リトナビルおよびロピナビルの両者並びにそれらそれぞれの誘導体の溶解度が共溶媒系において有意に改善されることを見出しており、これは2種類以上の溶媒を溶媒系において用いるときの相乗効果を示す。
【0047】
出願人は、少なくとも2タイプ、好ましくは、少なくとも3タイプの医薬適合性の可溶化剤が本発明の医薬組成物に含まれる溶媒系において有用であることを発見している。これらの可溶化剤は、医薬適合性の水、アルキルアルコール、およびアルキレングリコールである。他のタイプの医薬適合性の可溶化剤も本発明の溶媒系において有用であり得る。一般には、リトナビルおよび/またはロピナビルおよび/またはそれらそれぞれの誘導体の溶解度を高めるのに有用であるいずれかの医薬適合性の可溶化剤が本発明の溶媒系における可溶化剤として有用である。有用な可溶化剤の例には、これらに限定されるものではないが:エタノール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、分画ヤシ油、それらの混合物、および米国特許第4,484,801号および第5,914,332号(これらは参照することによりここに組み込まれる)に開示される他のすべての医薬適合性の溶媒が含まれる。
【0048】
好ましくは、溶媒系は、医薬組成物の総重量の少なくとも約32重量%かつ約69重量%以下である。より好ましくは、医薬組成物の少なくとも約53重量%かつ約60重量%以下が溶媒系である。
【0049】
本発明の最も好ましい医薬組成物において、その医薬組成物に含まれる少なくとも3種類の可溶化剤は水、プロピレングリコール、およびエタノールを含む。本発明の最も好ましい溶媒系に含まれる水の量は約8.5重量%以下であり、より好ましくは、少なくとも約6重量%かつ約8重量%以下である。最も好ましくは、水は約6.80重量%の量で最も好ましい医薬組成物に含まれる。これらの水の重量パーセンテージは組成物に添加される水の量にのみ関与し、医薬組成物の調製の過程で生じるいかなる水も含まれない。本発明において有用である水は医薬適合性の精製及び蒸留水並びに医薬組成物の調製の過程で生じるあらゆる水である。
【0050】
あらゆるタイプの医薬適合性のアルキルアルコールを本発明の溶媒系に含めることができる。好ましくは、本発明の医薬組成物に含まれる1種類以上のアルキルアルコールは少なくとも約24重量%かつ約42重量%以下の量で、より好ましくは、少なくとも約33重量%かつ約37重量%以下の量で含まれる。最も好ましくは、1種類以上のアルキルアルコールは約35重量%の量で本発明の組成物に含まれる。さらなる量のアルキルアルコール、例えば、エタノールを本発明の組成物に含め、適切な投与形態を得ることができる。エタノールが本発明の組成物における使用に最も好ましいアルキルアルコールである。本発明において有用であるエタノールは、U.S.A.、IL、TuscolaのEquistarから商業的に入手可能なAlcohol、Dehydrated、USP 200 Proof(試薬グレード、非飲用)である。添加される水の量を比例して減少させることにより、190プルーフのアルキルアルコールを用いることができる。
【0051】
あらゆるタイプの医薬適合性のアルキレングリコールを本発明の好ましい溶媒系に含めることができるが、プロピレングリコールが最も好ましい。好ましくは、1種類以上の医薬適合性のアルキレングリコールは少なくとも約7.5重量%かつ約18重量%以下、より好ましくは、少なくとも約14重量%かつ約16重量%以下の量で含まれる。最も好ましくは、1種類以上のアルキレングリコールは約15重量%の量で医薬組成物に含まれる。本発明において有用であるプロピレングリコール製品は、U.S.A.、TX、FreeportのDow Chemical North America’s Texas OperationおよびTX、Pasedenaのthe Lyondell Bayport PlantからPropylene Glycol USPとして商業的に入手可能である。
【0052】
医薬組成物への他の添加物
一般には、他の医薬適合性の添加物、例えば、濃厚剤、バイオアベイラビリティ亢進剤、抗酸化剤、および/または保存剤を本発明の組成物に含めることができる。好ましくは、濃厚剤は少なくとも約2.50重量%かつ約5.0重量%以下の量で本発明の組成物に含まれる。より好ましくは、本発明の組成物に含まれる濃厚剤の量は少なくとも約2.50重量%かつ約3.20重量%以下であり、最も好ましくは、濃厚剤は約3.0重量%の量で組成物に含まれる。
【0053】
あらゆるタイプの医薬適合性の濃厚剤が本発明において有用である。これらのタイプの濃厚剤には、これらに限定されるものではないが:ポリビニルピロリドン、カルボマー、キサンタンガム、水和ケイ酸アルミニウムマグネシウム、およびセルロース誘導体、例えば、カルボキシメチルセルロースが含まれる。最も好ましくは、ポリビニルピロリドンが本発明の組成物において用いられる。有用なポリビニルピロリドンはポリビニルピロリドンUSPであり、これはU.S.A.、TX、Texas CityのISP ChemicalsからPlasdone K29/32として商業的に入手可能である。
【0054】
好ましくは、医薬適合性のバイオアベイラビリティ亢進剤は約3重量%以下の量で本発明の組成物に含まれる。より好ましくは、組成物に含まれるバイオアベイラビリティ亢進剤の量は少なくとも約0.95重量%かつ約1.10重量%以下であり、最も好ましくは、バイオアベイラビリティ亢進剤は約1.0重量%の量で組成物に含まれる。
【0055】
あらゆるタイプの医薬適合性のバイオアベイラビリティ亢進剤が本発明において有用である。これらのタイプのバイオアベイラビリティ亢進剤には、これらに限定されるものではないが:ポリオキシエチレングリコールトリリシノレエート、ヒマシ油誘導体、例えばこれに限定されるものではないが、ポリオキシエチレングリコール40硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(すなわち、ポリソルベート)、およびそれらの混合物が含まれる。最も好ましくは、U.S.A.、NJ、Mt.OliveのBASFからCremophor RH40として商業的に入手可能である、ポリオキシ40硬化ヒマシ油USPが本発明の組成物において用いられる。
【0056】
以下は本発明の最も好ましい約組成物である。
Figure 2004522698
【0057】
医薬組成物の調製
一般には、本発明の医薬組成物は、すべての成分が組成物に満足に溶解するいずれかの医薬適合性の方法で調製することができる。一般に、出願人は、最も効率的な製造のためには、溶媒系に含まれるいずれかの1種類以上の可溶化剤をまず混合容器に加えるべきであり、かついずれかの1種類以上の加熱半固体または加熱粘性液体、例えば、いずれかのヒマシ油誘導体が最後に、または少なくともそのプロセスの最後近くに添加する成分であるべきであることを見出している。加えて、組成物に含まれる最も不溶性の固体、例えば、いずれかのメントール結晶および/または薬学的に活性の作用物質(例えば、リトナビルおよび/またはロピナビル)はいずれかの1種類以上の可溶化剤の直後に容器に添加するべきであり;かつ非固体形態のいずれかの1種類以上の着香成分は加熱半固体または加熱粘性液体のいずれかの直前に混合容器に添加するべきである。また、出願人は、成分添加の間の連続攪拌が組成物に含まれるすべての成分の完全な溶解を容易にすることも見出している。
【0058】
好ましい方法において、出願人は、(1)溶媒系の少なくとも一部を容器に投入し;(2)いずれかのメントール結晶または固体形態のいずれかの他のメントールを容器内に存在する溶媒系の一部に溶解し;(3)溶媒系を収容する容器内で薬学的に活性の作用物質(1種類もしくは複数種類)を溶解させ;(4)溶媒系および薬学的に活性の作用物質(1種類もしくは複数種類)を収容する容器内でいずれかの濃厚剤を溶解させ;(5)着香成分を除く水溶性非液状香料系成分を水に溶解して副混合物を形成し;(6)溶解した薬学的に活性の作用物質(1種類もしくは複数種類)を収容する混合容器に副混合物、いずれかの1種類以上の液状甘味料(1種類もしくは複数種類)及び他の液状香料形成分、着香成分、並びにあらゆる残りの賦形剤を添加する、ことにより本発明の医薬組成物を調製できることを見出している。
【0059】
容器への可溶化剤の投入
溶媒系に含まれるいずれかの1種類以上の可溶化剤は、最初に混合容器に添加するべきである。好ましくは、混合容器は、調製プロセスの間組成物を連続的に混合する能力を有するジャケット装着ステンレス鋼圧力評価済容器である。混合は、好ましくは、100−320回転毎分(「rpm」)のうちの1つ以上の速度で、混合容器に固定されている2つの水中翼を用いて行う。好ましくは、混合容器は、いかなる爆発または火災害をも最小に止めるため、窒素、NFでパージすることが可能である。より好ましくは、本発明の組成物の調製の間、容器に連続窒素流を適用する。以下に十分に説明されるようにすべての成分を容器に添加した後、容器は密封するべきであり、かつ容器を密封した後に少なくとも1psigの窒素ヘッド圧を維持するべきである。本発明の医薬組成物の製造に用いることができる混合容器の例は:WI、TomahawkのNorthern Stainless,Inc.から入手可能な800Lステンレス鋼タンク;およびOH、CincinnatiのBrighton Corp.から入手可能な1900Lステンレス鋼タンクである。
【0060】
組成物において用いられるいずれかの1種類以上の可溶化剤は最初に容器に加えられるべきであり、それにより残りの成分をこれらの薬剤に溶解することができる。好ましくは、水、アルキルアルコール(例えば、エタノール)、およびアルキレングリコール(例えば、プロピレングリコール)が、上述の100−320rpmの速度での連続攪拌および連続窒素流を伴って容器に最初に添加される可溶化剤である。可溶化剤は約25℃の温度で混合容器に添加するべきであり、かつ容器中の溶媒系に目に見える分離がなくなるまで攪拌するべきである。
【0061】
固体形態のあらゆるメントールの溶解
固体形態(例えば、結晶)のあらゆるメントールは水中での溶解度が低いため、好ましくは、混合容器に添加し、容器内で可溶化剤を混合した直後に溶媒系に溶解する。あらゆるメントールを約25℃の温度で容器に添加した後、メントールが溶解するまで容器の内容物を混合するべきである。典型的には、メントールおよび可溶化剤は、薬学的に活性の作用物質を容器に添加する前に少なくとも約5分間混合するべきである。本発明の組成物に含まれる液体形態のあらゆるメントールは、以下に説明されるように、着香成分と共に容器に添加することができる。
【0062】
薬学的に活性の作用物質(1種類もしくは複数種類)の溶解
1種類以上の薬学的に活性の作用物質を添加する前に、混合容器の温度は約25℃に設定しなければならず、かつ容器の内容物の温度は少なくとも約18℃および約30℃以下でなければならない。この温度範囲は、この調製プロセスの残りを通して維持するべきである。好ましくは、リトナビルもしくはその誘導体およびロピナビルもしくはその誘導体の両者が組成物に含まれる場合、リトナビルもしくはその誘導体を徐々に、かつ着実に混合容器に添加して混合し、次いでロピナビルもしくはその誘導体を同じ方法で容器に添加するべきである。これらの薬学的に活性の作用物質の分散および溶解を容易にするため、容器の内容物を約200から320rpmの速度で連続的に混合して容器内の渦を維持するべきである。一般には、以下に説明されるようにいずれかの濃厚剤を容器に添加した後には、有意の量の薬学的に活性の作用物質を容器の底部に沈殿させることなしに混合速度を低下させることができる。
【0063】
好ましくは、薬学的に活性の作用物質を容器に添加した後、容器壁およびそれを通して薬学的に活性の作用物質を添加するいずれかのホッパーまたは導入口を医薬適合性のアルキルアルコール、例えば、エタノールですすぎ、すべての薬学的に活性の作用物質(1種類もしくは複数種類)が容器内に洗い流されて溶解されることを確実なものとする。各バッチサイズの溶液組成を等しくするため、800リットルのバッチサイズについては医薬組成物の単位容積当たり5.0重量%のアルコールリンスを、2000リットルのバッチサイズについては組成物の単位容積当たり約14.4重量%のアルコールリンスを、容器の壁およびいずれかのホッパーまたは導入口のすすぎに用いるべきである。好ましくは、壁およびそれを通していずれかの1種類以上の薬学的に活性の作用物質が配送されるいずれかのホッパーまたは導入口をすすいだ後、各バッチは組成物の単位容積当たり約31重量%のアルキルアルコール、例えば、エタノールを含む。連続攪拌および容器内容物の再循環は、容器の底部に沈殿する固体の量を最小に止め、かつ薬学的に活性の作用物質の溶解が完了することを確実なものにする手助けをする。視認検査および/または容器底部からのサンプリングによって薬学的に活性の作用物質の溶解がひとたび確認されたら、いずれかの濃厚剤(1種類もしくは複数種類)および他の固体低もしくは非水溶性成分を容器に添加するべきである。
【0064】
いずれかの濃厚剤(1種類もしくは複数種類)および他の乾燥固体の溶解
あらゆる残りの乾燥固体低もしくは非水溶性成分、例えば、濃厚剤は、薬学的に活性の作用物質(1種類もしくは複数種類)の後に添加して容器内で均一に混合するべきである。組成物に含まれるいずれかの濃厚剤(1種類もしくは複数種類)または他の低もしくは非溶解性成分は、その完全な分散および溶解を容易にするため、徐々に、かつ着実に容器に添加するべきである。これらの成分(例えば、いずれかの濃厚剤)の添加の間、指向性漏斗を用いてあらゆる凝集塊形成、凝集および容器壁への付着を最小限に止めることができる。容器の内容物は成分が均一に混合されるまで混合するべきである。
【0065】
いずれかの液体甘味料の添加
好ましくは、いずれかの1種類以上の液体甘味料は、いずれかの濃厚剤または他の低もしくは非可溶性成分の後に容器に添加する。より好ましくは、高フルクトース・コーンシロップおよびグリセリンの両者が組成物において用いられる場合、高フルクトース・コーンシロップの前にグリセリンを容器に添加する。グリセリンを添加した後、容器の内容物をそれらの内容物が均一に混合されるまで混合するべきであり、その後にいずれかの高フルクトース・コーンシロップを容器に添加するべきである。好ましくは、高フルクトース・コーンシロップを容器内に汲み入れた後、容器の内容物が均一になるまで混合する。
【0066】
いずれかの副混合物の調製および添加
容器の内容物を混合している間、好ましくは、組成物に含めようとする、いずれかの濃厚剤を除く水溶性粉末成分を別の容器において水に溶解する。好ましくは、別の容器に含まれる個々の水溶性粉末成分の各々は全医薬組成物の約3重量%未満である。好ましくは、この別の容器は、連続攪拌手段およびその内容物を約650+/−150rpmの速度で混合する能力を有するステンレス鋼容器である。別の容器において水溶性成分を効率的に溶解することができる限りあらゆるタイプの混合手段を用いることができる;しかしながら、1つのプロペラを有するエアミキサーが最も好ましい。いずれかの副混合物に含めようとする水溶性粉末成分は、非液体香味改質剤および非液体甘味料である。本発明の最も好ましい組成物においては、乾燥形態の塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、サッカリンナトリウム、アセスルファムカリウム、およびクエン酸を水に溶解し、別の容器内で混合して副混合物を形成する。これらの成分は、その副混合物を主混合容器に添加する前に各々が均一に混合される限り、いかなる順番でも別の容器に添加することができる。副混合物は周囲温度(すなわち、約25℃)で、650+/−150rpmの速度で一定に混合しながら調製する。一般には、容器の混合速度は、容器内の跳ねの量が最小であることを確実なものとするように調整するべきである。
【0067】
これらの粉末水溶性成分の各々は、好ましくは、副混合物に別々に添加して溶解する。副混合物がひとたび調製されたら、好ましくは、いずれかの1種類以上の液体甘味料と同じ導入口または搬送ラインを介して主混合容器にそれを汲み入れ、それによりいずれかの残りの高フルクトース・コーンシロップまたは他の液体甘味料を主混合容器内に洗い流して混合することができる。
【0068】
着香成分の添加
副混合物を主混合容器に添加した後、着香成分を容器に添加してその中で混合するべきである。着香成分は、一般には、いかなる順番でも添加することができる。最も好ましい実施形態においては、ペパーミントオイル、バニラフレーバー、および綿菓子フレーバーをすべて主混合容器に別々に添加し、容器内で混合する。あらゆる液体形態のメントールまたは液体形態の香味改質剤も着香成分と共に容器に添加することができる。
【0069】
バイオアベイラビリティ亢進剤およびさらなる成分の添加
バイオアベイラビリティ亢進剤を組成物に含める場合、着香成分の後に混合容器に好ましく添加される。より好ましくは、バイオアベイラビリティ亢進剤が液体形態で混合容器に添加される。したがって、ヒマシ油誘導体のようなバイオアベイラビリティ亢進剤を用いる場合、好ましくは、混合容器に添加する前にそれを加熱する。最も好ましい実施形態においては、混合容器に添加する前に、Polyoxy40 Hydrogenated Castor Oil、NFを別の容器において約40℃の温度に加熱し、溶融させて粘性液体を形成する。混合容器に添加する前にあらゆるヒマシ油誘導体を溶融させることは、ヒマシ油誘導体(または固体もしくは半固体形態のバイオアベイラビリティ亢進剤)の効率的かつ完全な分散および溶解を容易にする。ひとたび溶解したら、バイオアベイラビリティ亢進剤を主混合容器に添加し、内容物が均一になるまで混合するべきである。加熱する必要がない(すなわち、非粘性液体形態の)バイオアベイラビリティ亢進剤はこの調製プロセスの初期に他の非粘性液体と共に添加することができる。
【0070】
バイオアベイラビリティ亢進剤を混合容器に添加して混合した後、最終賦形剤を混合容器に添加することができる。ひとたびすべての賦形剤が容器に添加されると、さらなる量の医薬適合性のアルキルアルコール、例えば、エタノールを、最終組成物およびバッチ容積を製造するのに十分な(QS)量で容器に添加することができる。ひとたび十分な量のそのようなアルコールが添加されると、タンクを密封してNitrogen、NFで少なくとも1psigに加圧することができ、その溶液を周囲温度(すなわち、約25℃)で、約80から240rpmで連続混合しながら保存することができる。
【0071】
上記工程は、各々の成分が、そのような成分が混合容器に添加された直後に混合され、かつ組成物に溶解するあらゆる順番で実施できる。例えば、1種類以上の可溶化剤を最初に、次いで1種類以上の非液体成分を容器に添加することができ、その後、さらなる可溶化剤を容器に添加することができる。加えて、水溶性粉末成分が、これらの成分の完全な分散および溶解を容易にするために医薬適合性の方法で容器に添加される限り、副反応物を別に調製しなければならないことはない。例として、以下の最も好ましい成分の添加の順番が、容器の内容物が連続的に混合され、かつ各成分が均一に混合される限り、本発明の医薬組成物の調製に有用である。
【0072】
・混合容器において水をアルキルアルコール(例えば、エタノール)に添加する
・クエン酸を容器に添加する
・いずれかのアルキレングリコール、例えば、プロピレングリコールを容器に添加する
・第1の薬学的に活性の作用物質、例えば、リトナビルを混合容器に添加する
・いずれかの第2の薬学的に活性の作用物質、例えば、ロピナビルを混合容器に添加する
・第1液体甘味料、例えば、高フルクトース・コーンシロップを混合容器に添加する
・メントールを混合容器に添加する
・アセスルファムカリウムを混合容器に添加する
・塩化ナトリウムを混合容器に添加する
・サッカリンナトリウムを混合容器に添加する
・クエン酸ナトリウムを混合容器に添加する
・いずれかの濃厚剤、例えば、ポリビニルピロリドンを混合容器に添加する
・グリチルリジン酸一アンモニウムを混合容器に添加する
・ペパーミントオイルを混合容器に添加する
・バニラフレーバーを混合容器に添加する
・綿菓子フレーバーを混合容器に添加する
・いずれかのバイオアベイラビリティ亢進剤、例えば、ヒマシ油誘導体(好ましくは、液体形態)を混合容器に添加する
・いずれかの第2の液体甘味料、例えば、グリセリンを混合容器に添加する
【0073】
本発明の最も好ましい実施形態においては、本発明の医薬組成物を、最終包装形態にする前に濾過する。好ましくは、10から60ミクロンのオーダーのBuchner Filterをこれらの組成物の濾過に用いる。最も好ましくは、14ミクロンフィルターをこれらの組成物の濾過に用いる。
【0074】
前述のものは単に本発明を説明するものであり、本発明を開示される化合物、方法、および組成物に限定しようとするものではない。当該技術分野における熟練者に明かである変形および変更は、以下の請求の範囲において定義される本発明の範囲および本質のうちにあることが意図される。

Claims (69)

  1. ロピナビルもしくはその誘導体、リトナビルもしくはその誘導体、またはそれらの混合物を含む液状医薬組成物において有用である香料系であって:
    (a)1種類以上の甘味料;
    (b)メントール着香成分、ペパーミント着香成分、バニラ着香成分、綿菓子着香成分、およびそれらの混合物からなる群より選択される2種類以上の着香成分;および
    (c)クエン酸ナトリウム、塩化ナトリウム、クエン酸およびそれらの混合物からなる群より選択される1種類以上の香味改質剤、
    を含む香料系。
  2. 1種類以上の甘味料が高フルクトース・コーンシロップを含む請求項1の香料系。
  3. 1種類以上の香味改質剤がクエン酸ナトリウム、塩化ナトリウム、クエン酸およびそれらの混合物からなる群より選択される2種類の成分を含む、請求項1の香料系。
  4. 1種類以上の香味改質剤がクエン酸ナトリウム、クエン酸、および塩化ナトリウムである、請求項1の香料系。
  5. 2種類以上の着香成分が、メントール着香成分、ペパーミント着香成分、バニラ着香成分、綿菓子着香成分、およびそれらの混合物からなる群より選択される3種類の着香成分を含む、請求項1の香料系。
  6. 2種類以上の着香成分が4種類の着香成分を含み、かつ該4種類の着香成分がメントール結晶、バニラフレーバー、キャンディーフレーバー、およびペパーミントオイルである、請求項1の香料系。
  7. 医薬組成物の総重量の少なくとも約20重量%かつ約67重量%以下の量で1種類以上の甘味料をさらに含む、請求項1の香料系。
  8. 医薬組成物の総重量の少なくとも約22重量%かつ約27.5重量%以下の量で1種類以上の甘味料をさらに含む、請求項1の香料系。
  9. 医薬組成物の総重量の少なくとも約1.4重量%かつ約3.5重量%以下の量で着香成分をさらに含む、請求項1の香料系。
  10. 医薬組成物の総重量の少なくとも約2.4重量%かつ約2.8重量%以下の量で着香成分をさらに含む、請求項1の香料系。
  11. ロピナビルもしくはその誘導体、リトナビルもしくはその誘導体、またはそれらの混合物を含む液状医薬組成物において有用である香料系であって:
    (a)1種類以上の甘味料;
    (b)メントール着香成分、ペパーミント着香成分、バニラ着香成分、綿菓子着香成分、およびそれらの混合物からなる群より選択される3種類以上の着香成分;および
    (c)クエン酸ナトリウム、塩化ナトリウム、クエン酸およびそれらの混合物からなる群より選択される2種類以上の香味改質剤、
    を含む香料系。
  12. 3種類以上の着香成分が、メントール着香成分、ペパーミント着香成分、バニラ着香成分、および綿菓子着香成分である、請求項11の香料系。
  13. メントール着香成分がメントール結晶であり、かつペパーミント着香成分がペパーミントオイルである、請求項12の香料系。
  14. ロピナビルもしくはその誘導体、リトナビルもしくはその誘導体、またはそれらの混合物を含む液状医薬組成物において有用である香料系であって:
    (a)医薬組成物の総重量に基づいて重量基準で少なくとも約0.03%かつ約0.25%以下の量のメントール着香成分;
    (b)医薬組成物の総重量に基づいて重量基準で少なくとも約0.15%かつ約0.60%以下の量のペパーミント着香成分;
    (c)全医薬組成物の重量に基づいて重量基準で少なくとも約0.70%かつ約1.5%以下の量のバニラ着香成分;
    (d)医薬組成物の総重量に基づいて重量基準で少なくとも約0.55%かつ約1.10%以下の量の綿菓子着香成分;
    (e)医薬組成物の総重量に基づいて少なくとも約20重量%かつ約67重量%以下の量の1種類以上の甘味料;および
    (f)医薬組成物の総重量に基づいて少なくとも約0.10重量%かつ約1.0重量%以下の量の2種類以上の香味改質剤、
    を含み、該2種類以上の香味改質剤はクエン酸ナトリウム、クエン酸、塩化ナトリウム、およびそれらの混合物からなる群より選択される香料系。
  15. メントール着香成分がメントール結晶である請求項14の香料系。
  16. ペパーミント着香成分がペパーミントオイルである請求項14の香料系。
  17. 2種類以上の香味改質剤がクエン酸ナトリウム、クエン酸、および塩化ナトリウムである、請求項14の香料系。
  18. ロピナビルもしくはその誘導体、リトナビルもしくはその誘導体、またはそれらの混合物を含む液状医薬組成物において有用である香料系であって:
    (a)約0.35重量%の量の塩化ナトリウム;
    (b)約0.20重量%の量のクエン酸ナトリウム;
    (c)約0.40重量%の量のサッカリンナトリウム;
    (d)約0.40重量%の量のアセスルファムカリウム;
    (e)約0.11重量%の量のクエン酸;
    (f)約0.05重量%の量のメントール結晶;
    (g)約16.6重量%の量の高フルクトース・コーンシロップ;
    (h)約0.30重量%の量のペパーミントオイル;
    (i)約1.25重量%の量のバニラフレーバー;
    (j)約1.0重量%の量の綿菓子フレーバー;
    (k)約0.58重量%の量のグリチルリジン酸一アンモニウム;および
    (l)少なくとも約5.5重量%かつ約8.5重量%の量のグリセリン、
    を含み、ここで重量基準での量は医薬組成物の総重量に基づくものである香料系。
  19. (a)1種類以上の甘味料並びにメントール着香成分、ペパーミント着香成分、バニラ着香成分、綿菓子着香成分、およびそれらの混合物からなる群より選択される2種類以上の着香成分を含む香料系;
    (b)リトナビルもしくはその誘導体、ロピナビルもしくはその誘導体、およびそれらの混合物からなる群より選択される1種類以上の薬学的に活性の作用物質;並びに
    (c)水、アルキルアルコール、アルキレングリコール、およびそれらの混合物からなる群より選択される2種類以上の可溶化剤を含む溶媒系、
    を含む液状医薬組成物。
  20. 医薬組成物の総重量に基づいて少なくとも約32重量%かつ約69重量%以下の量で溶媒系をさらに含む、請求項19の医薬組成物。
  21. 医薬組成物の総重量に基づいて少なくとも約20重量%かつ約70重量%以下の量で香料系をさらに含む、請求項19の医薬組成物。
  22. 医薬組成物の総重量に基づいて重量基準で少なくとも約4%かつ約10%以下の量で1種類以上の薬学的に活性の作用物質をさらに含む、
    請求項19の医薬組成物。
  23. 医薬組成物の総重量に基づいて約10重量%の量で1種類以上の薬学的に活性の作用物質をさらに含む、請求項19の医薬組成物。
  24. 1種類以上の薬学的に活性の作用物質がリトナビルを含む、請求項19の医薬組成物。
  25. 1種類以上の薬学的に活性の作用物質がロピナビルおよびリトナビルの混合物を含む、請求項19の医薬組成物。
  26. 1種類以上の薬学的に活性の作用物質がロピナビルの誘導体を含む、請求項19の医薬組成物。
  27. 1種類以上の薬学的に活性の作用物質がリトナビルの誘導体を含む、請求項19の医薬組成物。
  28. 溶媒系が1種類以上のアルキルアルコールおよび1種類以上のアルキレングリコールを含む、請求項19の医薬組成物。
  29. 1種類以上のアルキルアルコールがエタノールを含み、かつ1種類以上のアルキレングリコールがプロピレングリコールを含む、請求項28の医薬組成物。
  30. 濃厚剤をさらに含む請求項28の医薬組成物。
  31. 濃厚剤がポリビニルピロリドンである請求項30の医薬組成物。
  32. バイオアベイラビリティ亢進剤をさらに含む請求項19の医薬組成物。
  33. バイオアベイラビリティ亢進剤がヒマシ油誘導体である請求項32の医薬組成物。
  34. (a)1種類以上の甘味料並びにペパーミント着香成分、メントール着香成分、バニラ着香成分、綿菓子着香成分、およびそれらの混合物からなる群より選択される3種類以上の着香成分を含む香料系;
    (b)リトナビル;
    (c)ロピナビル;
    (d)水、アルキルアルコール、アルキレングリコール、およびそれらの混合物からなる群より選択される2種類以上の可溶化剤を含む溶媒系、
    を含む液状医薬組成物。
  35. (a)医薬組成物の総重量に基づいて約2重量%の量のリトナビル;および
    (b)医薬組成物の総重量に基づいて約8重量%の量のロピナビル、
    をさらに含む請求項34の医薬組成物。
  36. 3種類以上の着香成分がペパーミント着香成分、メントール着香成分、綿菓子着香成分、およびバニラ着香成分である、請求項34の医薬組成物。
  37. ペパーミント着香成分が約0.30重量%の量のペパーミントオイルであり、メントール着香成分が約0.05重量%の量のメントール結晶であり、バニラ着香成分が約1.25重量%の量のバニラフレーバーであり;綿菓子着香成分が約1.00重量%の量の綿菓子フレーバーであり、すべての重量基準の量が医薬組成物の総重量に基づくものである、請求項36の医薬組成物。
  38. (a)1種類以上の甘味料並びにペパーミント着香成分、
    メントール着香成分、バニラ着香成分、綿菓子着香成分、およびそれらの混合物からなる群より選択される3種類以上の着香成分を含む香料系;
    (b)1種類以上のリトナビルの誘導体;
    (c)1種類以上のロピナビルの誘導体;並びに
    (d)水、アルキルアルコール、アルキレングリコール、およびそれらの混合物からなる群より選択される2種類以上の可溶化剤を含む溶媒系、
    を含む液状医薬組成物。
  39. (a)1種類以上の甘味料並びにペパーミント着香成分、
    メントール着香成分、バニラ着香成分、綿菓子着香成分、およびそれらの混合物からなる群より選択される3種類以上の着香成分を含む香料系;
    (b)リトナビル;並びに
    (c)水、アルキルアルコール、アルキレングリコール、およびそれらの混合物からなる群より選択される2種類以上の可溶化剤を含む溶媒系、
    を含む液状医薬組成物。
  40. 3種類以上の着香成分がペパーミント着香成分、メントール着香成分、バニラ着香成分、および綿菓子着香成分である、請求項39の医薬組成物。
  41. 溶媒系が水、エタノール、プロピレングリコール、およびそれらの混合物からなる群より選択される3種類以上の可溶化剤を含む、請求項39の医薬組成物。
  42. 医薬組成物の重量に基づいて少なくとも約1.30重量%かつ約2.10重量%以下の量でリトナビルをさらに含む、請求項34の医薬組成物。
  43. 医薬組成物の重量に基づいて少なくとも約2重量%の量でリトナビルをさらに含む、請求項42の医薬組成物。
  44. (a)1種類以上の甘味料、ペパーミント着香成分、メントール着香成分、バニラ着香成分、綿菓子着香成分、およびそれらの混合物からなる群より選択される3種類以上の着香成分を含む香料系;
    (b)1種類以上のリトナビルの誘導体;並びに
    (c)水、アルキルアルコール、アルキレングリコール、およびそれらの混合物からなる群より選択される2種類以上の可溶化剤を含む溶媒系、
    を含む液状医薬組成物。
  45. (a)1種類以上の甘味料並びにペパーミント着香成分、メントール着香成分、バニラ着香成分、綿菓子着香成分、およびそれらの混合物からなる群より選択される3種類以上の着香成分を含む香料系;
    (b)ロピナビル;並びに
    (c)水、アルキルアルコール、アルキレングリコール、およびそれらの混合物からなる群より選択される2種類以上の溶媒を含む溶媒系、
    を含む液状医薬組成物。
  46. 3種類以上の着香成分がペパーミント着香成分、メントール着香成分、バニラ着香成分、および綿菓子着香成分である、請求項45の医薬組成物。
  47. 溶媒系が水、エタノール、プロピレングリコール、およびそれらの混合物からなる群より選択される3種類以上の可溶化剤を含む、請求項45の医薬組成物。
  48. 医薬組成物の総重量に基づいて少なくとも約2.50重量%かつ約8重量%以下の量でロピナビルをさらに含む、請求項34の医薬組成物。
  49. (a)1種類以上の甘味料並びにペパーミント着香成分、
    メントール着香成分、バニラ着香成分、綿菓子着香成分、およびそれらの混合物からなる群より選択される3種類以上の着香成分を含む香料系;
    (b)1種類以上のロピナビルの誘導体;並びに
    (c)水、アルキルアルコール、アルキレングリコール、およびそれらの混合物からなる群より選択される2種類以上の溶媒を含む溶媒系、
    を含む液状医薬組成物。
  50. 液状医薬組成物の製造方法であって、該組成物が:(1)水、アルキルアルコール、アルキレングリコール、およびそれらの混合物からなる群より選択される2種類以上の可溶化剤を含む溶媒系;(2)(i)1種類以上の甘味料,(ii)ペパーミント着香成分、バニラ着香成分、メントール着香成分、綿菓子着香成分、およびそれらの混合物からなる群より選択される2種類以上の着香成分,(iii)クエン酸ナトリウム、塩化ナトリウム、クエン酸、およびそれらの混合物からなる群より選択される2種類以上の香味改質剤を含む香料系;並びに(3)ロピナビルもしくはその誘導体、リトナビルもしくはその誘導体、およびそれらの混合物からなる群より選択される1種類以上の薬学的に活性の作用物質を含み、該方法が:
    (a)容器に溶媒系の少なくとも一部を投入する工程;
    (c)1種類以上の薬学的に活性の作用物質を容器内の溶媒系の少なくとも一部に溶解する工程;
    (d)いずれかの非液状香味改質剤およびいずれかの非液状甘味料を水に溶解して副混合物を形成する工程;並びに
    (e)容器内で、1種類以上の溶解した薬学的に活性の作用物質を含む溶媒系の少なくとも一部を、いずれかの副混合物、いずれかの1種類以上の液状甘味料、いずれかの液体形態の香味改質剤、着香成分およびいずれかの溶媒系の残部と合わせる工程、
    を含む方法。
  51. 組成物がヒマシ油の誘導体をさらに含み、かつ該誘導体を容器に添加する前にヒマシ油誘導体を加熱する工程をさらに含む、請求項50に記載の方法。
  52. 溶媒系が水、エタノール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、およびそれらの混合物からなる群より選択される3種類以上の可溶化剤を含み、かつ容器に投入する工程が該3種類以上の可溶化剤を合わせることを含む、請求項50に記載の方法。
  53. 2種類以上の着香成分がメントール結晶であり、かつ1種類以上の薬学的に活性の作用物質を溶解する前に該メントール結晶を容器内で溶媒系の一部に溶解する工程をさらに含む、請求項50に記載の方法。
  54. 容器に溶媒系の少なくとも一部を投入する工程が水、エタノール、およびプロピレングリコールを容器に添加することを含む、請求項50に記載の方法。
  55. 液状医薬組成物の製造方法であって、該組成物が:(1)水、アルキルアルコール、アルキレングリコール、およびそれらの混合物からなる群より選択される3種類以上の可溶化剤を含む溶媒系;(2)(i)グリセリン、高フルクトース・コーンシロップ、グリチルリジン酸一アンモニウム、サッカリンナトリウム、アセスルファムカリウム、およびそれらの混合物からなる群より選択される1種類以上の甘味料,(ii)ペパーミント着香成分、バニラ着香成分、メントール着香成分、および綿菓子着香成分からなる群より選択される3種類以上の着香成分,並びに(iii)クエン酸ナトリウム、塩化ナトリウム、クエン酸、およびそれらの混合物からなる群より選択される3種類以上の香味改質剤を含む香料系;並びに(3)ロピナビルもしくはそれらの誘導体、リトナビルもしくはその誘導体、およびその混合物からなる群より選択される1種類以上の薬学的に活性の作用物質を含み、該方法が:
    (a)容器に溶媒系の一部を投入する工程であって、該一部は水、エタノール、およびプロピレンアルコールを含む工程;
    (b)1種類以上の薬学的に活性の作用物質を容器内の溶媒系の一部に溶解する工程;
    (c)1種類以上の甘味料を容器に添加する工程であって、少なくとも1種類の液状甘味料を添加することを含む工程;
    (d)いずれかの非液状香味改質剤およびいずれかの1種類以上の非液状甘味料を水に溶解して副混合物を形成する工程;並びに
    (e)前記副混合物、いずれかのさらなる甘味料、いずれかの液体形態の香味改質剤、および着香成分を容器に添加する工程、
    を含む方法。
  56. 容器が混合容器であり、かつ容器内の内容物を混合する工程をさらに含む、請求項55に記載の方法。
  57. 組成物がヒマシ油誘導体をさらに含み、かつヒマシ油誘導体を加熱して該誘導体を容器に添加する工程をさらに含む、請求項55に記載の方法。
  58. 濃厚剤を容器に添加する工程をさらに含む、請求項55に記載の方法。
  59. 濃厚剤がポリビニルピロリドンである請求項58に記載の方法。
  60. 副混合物および着香成分を添加する工程が、ペパーミント着香成分、バニラ着香成分、および綿菓子着香成分を容器に添加することを含む、請求項55に記載の方法。
  61. 3種類以上の着香成分がメントール結晶を含み、かつ1種類以上の薬学的に活性の作用物質を溶解する前にメントール結晶を溶媒系に溶解する工程をさらに含む、請求項55に記載の方法。
  62. 液状医薬組成物の製造方法であって、該組成物が:(1)水、アルキルアルコール、アルキレングリコール、およびそれらの混合物からなる群より選択される2種類以上の可溶化剤を含む溶媒系;(2)(i)1種類以上の甘味料,(ii)ペパーミント着香成分、バニラ着香成分、メントール着香成分、綿菓子着香成分、およびそれらの混合物からなる群より選択される2種類以上の着香成分,並びに(iii)クエン酸ナトリウム、塩化ナトリウム、クエン酸、およびそれらの混合物からなる群より選択される2種類以上の香味改質剤を含む香料系;並びに(3)ロピナビルもしくはその誘導体、リトナビルもしくはその誘導体、およびそれらの混合物からなる群より選択される1種類以上の薬学的に活性の作用物質を含み、該方法が:
    (a)容器に溶媒系の少なくとも一部を投入する工程;
    (b)1種類以上の薬学的に活性の作用物質を容器内の溶媒系の少なくとも一部に溶解する工程;並びに
    (c)容器内で、1種類以上の溶解した薬学的に活性の作用物質を含む溶媒系の少なくとも一部、香味改質剤、甘味料、着香成分およびいずれかの溶媒系の残部を合わせる工程、
    を含む方法。
  63. (1)水、アルキルアルコール、アルキレングリコール、およびそれらの混合物からなる群より選択される2種類以上の可溶化剤を含む溶媒系;(2)(i)グリセリン、高フルクトース・コーンシロップ、グリチルリジン酸一アンモニウム、アセスルファムカリウム、サッカリンナトリウム、およびそれらの混合物からなる群より選択される1種類以上の甘味料,(ii)ペパーミント着香成分、バニラ着香成分、メントール着香成分、綿菓子着香成分、およびそれらの混合物からなる群より選択される2種類以上の着香成分,並びに(iii)クエン酸ナトリウム、塩化ナトリウム、クエン酸、およびそれらの混合物からなる群より選択される2種類以上の香味改質剤を含む香料系;並びに(3)ロピナビルもしくはその誘導体、リトナビルもしくはその誘導体、およびそれらの混合物からなる群より選択される1種類以上の薬学的に活性の作用物質を含み、かつ
    (a)容器に溶媒系の少なくとも一部を投入する工程;
    (b)1種類以上の薬学的に活性の作用物質を容器内の溶媒系の少なくとも一部に溶解する工程;
    (c)いずれかの非液状香味改質剤およびいずれかの1種類以上の非液状甘味料を水に溶解して副混合物を形成する工程;並びに
    (d)容器内で、1種類以上の溶解した薬学的に活性の作用物質を含む溶媒系の少なくとも一部を、いずれかの副混合物、いずれかの1種類以上の液状甘味料、いずれかの1種類以上の液体形態の香味改質剤、着香成分およびいずれかの溶媒系の残部と合わせる工程、
    を含む方法によって製造される液状医薬組成物。
  64. 1種類以上の薬学的に活性の作用物質がリトナビルおよびロピナビルを含む、請求項63の液状医薬組成物。
  65. 1種類以上の薬学的に活性の作用物質がリトナビルのいすれかの1種類以上の誘導体およびロピナビルのいずれかの1種類以上の誘導体を含む、請求項63の液状医薬組成物。
  66. (1)水、アルキルアルコール、アルキレングリコール、およびそれらの混合物からなる群より選択される3種類以上の可溶化剤を含む溶媒系;(2)(i)グリセリン、アセスルファムカリウム、グリチルリジン酸一アンモニウム、高フルクトース・コーンシロップ、サッカリンナトリウム、およびそれらの混合物からなる群より選択される1種類以上の甘味料,(ii)ペパーミント着香成分、バニラ着香成分、メントール着香成分、綿菓子着香成分、およびそれらの混合物からなる群より選択される3種類以上の着香成分,並びに(iii)クエン酸ナトリウム、塩化ナトリウム、クエン酸、およびそれらの混合物からなる群より選択される3種類以上の香味改質剤を含む香料系;並びに(3)ロピナビルもしくはその誘導体、リトナビルもしくはその誘導体、およびそれらの混合物からなる群より選択される1種類以上の薬学的に活性の作用物質を含み、かつ
    (a)容器に溶媒系の一部を投入する工程であって、該一部は水、エタノール、およびプロピレンアルコールを含む工程;
    (b)1種類以上の薬学的に活性の作用物質を容器内の溶媒系の一部に溶解する工程;
    (c)1種類以上の甘味料を容器に添加する工程であって、いずれかの1種類以上の液状甘味料を容器に添加することを含む工程;
    (d)いずれかの非液状香味改質剤およびいずれかの非液状甘味料を水に溶解して副混合物を形成する工程;並びに
    (e)副混合物、いずれかの溶媒系の残部、着香成分、およびいずれかの液体形態の香味改質剤を容器に添加する工程、
    を含む方法によって製造される液状医薬組成物。
  67. 薬学的に活性の作用物質がリトナビルである請求項66の液状医薬組成物。
  68. 薬学的に活性の作用物質が1種類以上のリトナビルの誘導体を含む請求項66の液状医薬組成物。
  69. (1)水、アルキルアルコール、アルキレングリコール、およびそれらの混合物からなる群より選択される3種類以上の可溶化剤を含む溶媒系;(2)(i)グリセリン、グリチルリジン酸一アンモニウム、アセスルファムカリウム、高フルクトース・コーンシロップ、サッカリンナトリウム、およびそれらの混合物からなる群より選択される1種類以上の甘味料,(ii)ペパーミント着香成分、バニラ着香成分、メントール着香成分、綿菓子着香成分、およびそれらの混合物からなる群より選択される3種類以上の着香成分,並びに(iii)クエン酸ナトリウム、塩化ナトリウム、クエン酸、およびそれらの混合物からなる群より選択される3種類以上の香味改質剤を含む香料系;並びに(3)ロピナビルもしくはその誘導体、リトナビルもしくはその誘導体、およびそれらの混合物からなる群より選択される1種類以上の薬学的に活性の作用物質を含み、かつ
    (a)容器に溶媒系の少なくとも一部を投入する工程;
    (b)1種類以上の薬学的に活性の作用物質を容器内の溶媒系の少なくとも一部に溶解する工程;並びに
    (c)容器内で、1種類以上の溶解した薬学的に活性の作用物質を含む溶媒系の少なくとも一部、香味改質剤、甘味料、着香成分およびいずれかの溶媒系の残部を合わせる工程、
    を含む方法によって製造される液状医薬組成物。
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