JPH0637007B2 - 部品供給装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は自動組立装置に用いられる部品（パーツ）の供
給装置に関する。

〔従来の技術〕

自動組立装置、特に汎用型のＦＭＳ(flexible mancifac
turing system)用の部品供給装置として、従来より合成
振動を利用して数十個の部品をパーツパレットに整列さ
せて振込むようにしたマーシャリング振込機が用いられ
ている。この振込機は部品の形状、重量、重心などに対
応した振動数及び振巾の縦振動、横振動、回転振動をパ
ーツパレットに与えて、部品をパレット内に整列させる
ようにしたものである。

ところがこの振込機を用いた場合、丸物部品ではほぼ１
００％の振込率が得られるが、異形部品の場合には、振
込率は５０〜９０％である。即ち、パーツパレットの全
ての枠に対して部品が正しく整列されている割合は５０
〜９０％で、残りの１０〜５０％の枠内には部品が全く
入らなかったり、二重に入ったり、或いは部品の姿勢が
不良であったりする。

このようなパーツパレットをそのまま自動組立機に供給
すると、組立機がパレットの不良箇所に対応できずに、
不良組立品が発生したり、生産ラインが停止したりす
る。このため従来では振込機によって部品が振込まれた
パーツパレットを人が目視チェックして、１００％完全
な状態に修正してから、組立機にセットするようにして
いた。従って部品供給から自動組立に至る工程は人手が
介在する半自動であり、能率の悪いものであった。

〔発明が解決しようとする問題点〕

本発明は、上述の従来技術の欠点を解消して、完全自動
化できる組立システムを提供することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明の部品供給装置は、複数の枠を有するパーツパレ
ット（１０ａ、１０ｂ）に組立部品を振込んで各枠内に
整列させる整列手段（整列部１３）と、振込みが終わっ
たパーツパレットの画像を認識して正しく整列された部
品が入っている枠の認識番号データを得る認識手段（認
識部１５）と、 上記枠の認識番号データに基づいて、正しく整列された
組立部品が入っている枠からのみ組立部品を取り出し組
立部に供給する供給手段（供給部１６）とを具備する。

〔作用〕

認識番号データに基づいて正しく枠内に整列されたパー
ツのみを取出して組付け作業を行なうので、パーツパレ
ットの全枠に対する振込率が１００％でなくとも、支障
なく自動組立てが行なわれる。従って、人手や機械でパ
レット上の不整列部品を並べ直すような手間が省ける。

〔実施例〕

第１図は本発明を適用した自動組立装置の概略斜視図
で、第２図は要部斜視図である。このような自動組立装
置はコンベアライン１に沿って多数設けられている。コ
ンベアライン１の一方の側には、Ｘ−Ｙテーブル形の組
立機２が配置され、他方の側には部品供給機３が配置さ
れている。組立機２は、Ｘテーブル４、Ｙテーブル５及
びこれらによって位置決めされる組立ツール６及び制御
ボックス７を備えている。

部品供給機３は、４列の供給ユニットを備え、並行して
４種の部品を供給するようになっている。各列のユニッ
トでは、部品の振込、整列（マーシャリング）、認識、
供給の４サイクルから成る作業が順次行われる。作業効
率を高めるために各列のユニットは二つのパーツパレッ
ト１０ａ、１０ｂを有し、これらが振込みと供給とで交
互に用いられる。なおパレットは１つであっても良い。

第３図の動作図を参照しながら、第１図及び第２図の各
列の部品供給ユニットの詳細を説明すると、まず装置上
段に位置するホッパー１１に部品が投入される。次にホ
ッパー１１の排出口１１ａから整列部１３の上にセット
されたパーツパレット１０ａに部品１２が第３図Ａのよ
うに振込まれる。そして整列部１３の下に設けられた加
振機１４により、縦振動、横振動及び回転振動の合成振
動がパーツパレット１０ａに与えられ、部品１２がパレ
ットの枠内に正しく整列される。なお合成振動は、個々
の部品１２に合わせてそのモードが予め決められてい
る。

なおこのとき他方のパーツパレット１０ｂは列の最先端
の供給部１６にあって、組立のためにその枠内の各部品
１２が組立ツール６のチャックデバイスによって次々と
取出されている。

整列部１３において整列作業が終了したパーツパレット
１０ａは、次の認識部１５に送り出される。この認識部
１５の真上には、パターン認識用のビデオカメラ１７が
各列ごとに設けられていて、パレット１０ａの各枠内に
部品１２が正しく整列されているか否かがチェックされ
る。この際、後述の理由により、パレット１０ａは、第
３図Ｂのように一段上方に持上げられてからビデオカメ
ラ１７でその全域が撮像される。

ビデオカメラ１７の出力は画像処理装置１８に送られ、
パターン認識によって各枠内のパーツの形状、有無、パ
ーツの位置ずれ状態、二重振込などが弁別される。この
結果、正しくパーツが整列されている枠の認識番号デー
タ、即ちアドレス（またはポジション）情報のみが組立
機２の制御ボックス７に伝えられる。従って組立機２で
は、不良枠はそのままにして、正しく部品が整列された
枠からのみ部品の取出しが行われることになる。

認識作業が終了したパーツパレット１０ａは列の前端の
供給部１６に送り出されるが、その際、既に部品取込み
が完了しているパーツパレット１０ｂが、まず第３図Ｃ
のように認識部１５におけるパーツパレット１０ｂの下
を潜って整列部１０ｂに戻される。そしてその入れ代わ
りに、認識済のパーツパレット１０ａが、下段に降ろさ
れてから供給部１６に進められる。

供給部１６では、上述のように正しく部品が整列されて
いる枠のアドレス情報に基づいて、部品の取込みが行わ
れる。この際不良枠は無視されるから、パーツパレット
１０ａの各枠に対する部品振込率が５０〜９０％であっ
ても、これを人手によって１００％整列するように修正
する必要は無い。従って人手が介在しない全自動システ
ムを構成することができる。

一方、取込みが終了したパレット１０ｂは、不良枠を残
したまま第３図Ｃのように整列部１３に戻され、ここで
一旦枠内の不整列部品が全て除去され、次に第３図Ａに
戻って部品１２の振込、整列、認識、供給のサイクルが
繰返される。なお整列部１３において捨てられた戻り部
品はラダーコンベア１９を介してホッパー１１に戻され
る。

第４図はパーツパレット内の部品の整列状態を示す部品
平面図である。図示するように、パレットの各枠内に
は、正しく整列された部品１２ａ、位置ずれした部品１
２ｂ、二重振込の部品１２ｃなどが混在している。また
部品が入っていない空枠２１も有る。画像処理装置１８
では、ビデオカメラ１７の出力から得られる二値画像に
ついて周知のパターン認識を行って不良枠を検出してい
る。

パターン認識のアルゴリズムの一例としては、第５図の
フローチャートに示すように、まずカメラの画像を二値
画像で取込み、次に予め記憶されているマスター画像
（ティーチングデータ）とのマッチングがとられる。次
に第４図の×で示すようにな部品の外形が穴位置に対応
する複数のポイントについてサンプリングを行い、良否
（ＯＫ／ＮＧ）を判定する。そしてＯＫの枠のアドレス
データを組立機２の制御ボックス７又はホストコンピュ
ータに転送する。これによりパレットの不良枠は組立時
の部品取込みの対象から外される。

〔発明の効果〕

本発明の上述の如く、パーツパレットの枠内に部品を振
込んで整列させ、この整列状態を画像認識して部品が正
しく整列されている枠の認識番号データを得るようにし
たので、組立側においては、位置データに基づいて正し
く枠内に整列された部品のみをパレットから取出して取
付け作業を行うことができ、従って、パーツパレットの
全枠に対する振込率が１００％でなく、空枠や不整列の
部品を含んでいても、人手でこれを１００％に修正する
必要が無く、全自動の部品供給及び組立システムを構成
することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明を適用した自動組立装置の概略斜視図、
第２図は要部斜視図、第３図はパーツ供給の工程図、第
４図はパーツパレット内の部品の整列状態を示す部品平
面図、第５図は画像認識のフローチャートである。 なお図面に用いた符号において、 １……コンベアライン ２……組立機 ３……部品供給機 ４……Ｘテーブル ５……Ｙテーブル ６……組立テーブル ７……制御ボックス 10a,10b……パーツパレット 11……ホッパー 12……部品 13……整列部 14……加振機 15……認識部 16……供給部 17……ビデオカメラ 18……画像処理装置 である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】複数の枠を有するパーツパレットに組立部
   品を振込んで各枠内に整列させる整列手段と、 振込みが終わったパーツパレットの画像を認識して正し
   く整列された部品が入っている枠の認識番号データを得
   る認識手段と、 上記枠の認識番号データに基づいて、正しく整列された
   組立部品が入っている枠からのみ組立部品を取り出し組
   立部に供給する供給手段とを具備する部品供給装置。