JPH0637001B2 - ユニツト構成ｎｃ旋盤 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は量産対応のビルデイングブロック方式のＮＣ
旋盤に関する。

従来技術 専用工作機械の分野では工作機械を構成している各要素
を小単位の単純なユニットの形にまとめておき、工作物
の形状，加工方法などに応じて最も適したユニットを選
択し、単純なユニットを積木式に多種類組合わせること
によって構成されるビルデイングブロック方式が行われ
ている。例えば中ぐりユニット，面削りユニット，ドリ
ルユニットが知られている。

発明が解決しようとする問題点 しかしながら旋盤機能を有する単位構成の適当なユニッ
トがないためにＮＣ旋盤の多様化ニーズの１つとして、
量産部品の加工ラインに対して小形ＮＣ旋盤が投入され
るケースが多くなったが、従来のＮＣ旋盤では専用スペ
ースが大きく高価格となり、工作物の変更等によるレイ
アウト変えの時の対応が難しいなどの問題点を有してい
た。

問題点を解決するための手段 対向する平行な２面及び該２面に隣接する直角な１面の
３面を側面としそれぞれを取り付け基準面とするブロッ
ク形状の直方体フレームと、該直方体フレームの前記取
り付け基準面の３面と平行な穴に摺動可能に嵌装されチ
ャックを備える主軸が軸心に回転可能に軸承された主軸
台ユニットと、前方直方体フレームに設けられ該主軸台
ユニットを位置決めする駆動手段と、前記前方体フレー
ムの内側に前記主軸台ユニットの主軸と直交する方向で
対向する案内面に摺動可能に設けられ前記主軸と平行な
旋回軸で割出し可能なタレット刃物台及び旋回割出し駆
動手段を有する刃物台ユニットと、前記直方体フレーム
に設けられ該刃物台ユニットを位置決めする駆動手段と
を含み加工単位とする基本ユニットの一個または複数個
をその選択された基準面で基本ユニット取り付け用ベー
スの一つの基準上面に並列或いは重ねて配置固定するも
のである。

また刃物台ユニットにはローダが取り付けられているも
のである。

実施例 以下本発明の実施例を図面にもとづき説明する。ブロッ
ク形状をなす長方体フレーム１は外周の相対する最大面
積を有する平行なＡ面，Ｂ面とそれに隣接して直角なＣ
面が基準面とされ、基準面Ａ面，Ｂ面の間の中心で基準
面Ｃ面寄りにＣ面と平行で内面が四面とも駆動案内面に
形成された角穴１ａが穿設され、角穴１ａはＣ面側の壁
の一部が中央部で切欠かれて開放された矩形穴１ｂが設
けられている。主軸台ユニット２の枠体３は角筒形状を
なし、四面がすべて駆動案内面に形成されて、長方体フ
レーム１の角穴１ａ内に嵌挿され、隙間なく且つ円滑に
主軸のＺ軸方向に摺動可能に設けられている。枠体３の
側面中央部に穿設されたブラケット４は開放された矩形
穴１ｂの空間内に位置しボールナットが嵌着され、長方
体フレーム１の側面に固着された図示しないＮＣ装置の
指令で回転されるＺ軸サーボモータ５により回転される
Ｚ軸ボールねじ６と螺合されている。枠体３の中心穴に
主軸７が複数の軸受により回転可能に軸承され、主軸７
の後部に組込まれた図示しない可変速電動機によって回
転される。主軸７の先端にチャック８が嵌着され、チャ
ック８に工作物９が把持される。直方体フレーム１の側
面の基準面Ａ面，Ｂ面の間の中心に角穴１ａと平行する
矩形の貫通穴１ｃが角穴１ａと並んで設けられている。
貫通穴１ｃの前後両側の端部に主軸７と直角且つＡ面，
Ｂ面と平行にそれぞれ２本の角形摺動案内面１ｄ，１ｅ
が削設され、この角形摺動案内面１ｄ，１ｅに前後に２
本の摺動案内面１３ａ，１３ｂを有する刃物台ユニット
１２の刃物台１３が隙間なく円滑にＸ軸方向に移動可能
に載架されている。刃物台１３には摺動案内面１３ａと
平行に穴が穿設されており、ボールナット１４が嵌挿固
着され長方体フレーム１の側面に設けられたＸ軸サーボ
モータ１５により回転されるＸ軸ボールねじ１６と螺合
されている。刃物台１３の摺動案内面１３ａ，１３ｂと
直角をなす中心穴には図示しない割出軸が複数の軸受に
より旋回自在に軸承され、この割出軸の先端にタレット
１８が嵌着され、タレット１８の多角形に形成された円
周に工具ホルダ１９が着脱可能に固着され、工具ホルダ
１９にバイト２０が固着されている。そして図示しない
ＮＣ駆動の割出機構によってタレット１８が割出され
る。

以上詳述したように単体でＮＣ旋盤の機能を備える基本
ユニット２３は上面に取り付け面が削設されたベース２
４に固着されている。基本ユニット２３は取り付け基準
面をＡ面，Ｂ面，Ｃ面のうち何れを選んでベース２４に
取り付けるかによって、生産ラインの流れに合ったＮＣ
旋盤が構成されるようになされている。

第１図の態様は第５図に示す如く、基本ユニット２３の
長方体フレーム１の基準面Ｂ面をベース２４上に固着し
た最も基本的な横置き形である。

第２の態様は第６図の如く２つの基本ユニット２３を互
いの基準面Ｃ面を合わせてそれぞれの基準面Ａ面とＢ面
とベース２４上に固着した対称横置き形である。

第３の態様は第７図の如く２つの基本ユニット２３を互
いの基準面Ａ面，Ｂ面を合わせてそれぞれの基準面Ｃ面
をベース２４上に固着した縦置き形である。またこの変
形としてベース２４上の中央部に作業空間ができるよう
に左右にそれぞれ基本ユニット２３を位置させてタレッ
ト１８及びチャック８をそれぞれ対向させた対向形とす
ることも自由である。

第４の態様は第８図に示す如く２つの基本ユニット２３
の片方の基本ユニット２３の基準面Ｂ面を下にしてベー
ス２４上に固着し、他方の基本ユニット２３の基準面Ａ
面を下にして上積みした横置き上積み形をなし、上部の
基本ユニット２３のタレット１８の工具ホルダ取り付け
面に工作物反転装置26を設け、工作物の着脱反転を行わ
せるものである。

工作物反転装置２６の基部２７はタレット１８の工具取
り付け面に固着され、基部２７の前面に設けられている
旋回部２８は基部２７において流体圧旋回駆動装置によ
り主軸と直角な軸心で180 ゜旋回可能とされている。そ
して旋回部28と対称形に一対のグリッパ29が設けられて
いる。グリッパ29の先端部に設けられたＶ字形をなす工
作物把持爪２９ａはその把持中心が主軸軸心と平行で上
部タレット１８のＸ軸及びＺ軸方向の移動及び旋回で下
部主軸台ユニット上に割出し位置決めされたとき下部主
軸７と同心とするようになされグリッパ２９の把持爪２
９ａの開閉は旋回部２８に内蔵される図示しない流体圧
駆動装置によって行われるようなっている。この工作物
反転装置２６を装着するときは特にチャック８は動力チ
ャックが採用され、上部チャック８の下にチップカバー
３０が設けられる。

作用 第１の態様である第５図において刃物台ユニット１２は
タレット１８の工具取り付け面に工具ホルダ１９が固着
されバイト２０が取り付けられ、所定の旋回位置に停止
し、主軸台ユニット２の主軸７の先端に嵌着されるチャ
ック８に工作物９が固着されて所定の待機位置に停止し
ている。

ＮＣ装置の指令によりタレット１８が旋回されて、第１
の加工に必要なバイト２０が割出され、主軸７は主軸台
ユニット２に内蔵の主軸モータによって回転され工作物
９が回転される。Ｘ軸サーボモータ１５が回されてボー
ルねじ１６が回転されボールねじ１６と螺合されるボー
ルナット１４を有する刃物台１３がＸ軸方向主軸７側に
移動され、同時にＮＣ装置の指令によりＺ軸サーボモー
タ５が回転されボールねじ６が回されて主軸台ユニット
２がＺ軸方向に移動されて前進し、バイト２０の刃先と
工作物が接近し、所定の加工開始位置に位置決め停止さ
れたのち、刃物台１３のＸ軸方向及び主軸台ユニット２
のＺ軸方向の動きで切削送りがかけられて加工が行われ
る。所定の第１加工が完了するとバイト２０の刃先は工
作物から離され、主軸台ユニット２はＺ軸方向に移動し
て待機位置に後退位置決めされて停止し、刃物台１３は
Ｘ軸方向に移動して旋回位置に後退位置決めされ停止す
る。再びＮＣ装置の指令でタレット１８が旋回され第２
の加工に必要なバイトが割出され、前述の作動が繰り返
されて加工が行われ全加工が完了したのち、主軸７の回
転が停止され、工作物９の着脱が行われる。

第８図に示す第４の態様において、今上部基本ユニット
２３の刃物台ユニット１２はタレット１８の工具取り付
け面に工作物反転装置２６が固着され、Ｘ軸方向後退端
近くの所定の旋回位置で停止されている。上部主軸台ユ
ニット２はチャック８に把持された工作物９の片面加工
が完了し主軸７は旋回割出し機構によって所定の角度に
割出されて停止し、下部主軸７はチャック８が工作物が
無い空の状態で所定の旋回角度に割出されて停止してい
る。ＮＣ装置の指令で上部タレット１８が旋回され工作
物反転装置２６が上部チャック８側に割出され、工作物
反転装置２６の流体圧流路が切り換えられて工作物把持
爪２９ａが開かれ、上部刃物台１３がＸ軸方向チャック
側に移動してこれにともなって工作物反転装置２６も移
動し工作物把持爪２９ａの旋回中心が工作物９中心上に
位置決めされ停止する。上部主軸台ユニット２はＮＣの
指令でＺ軸方向を工作物反転装置２６側へ所定量移動
し、工作物反転装置２６の開放されている工作物把持爪
２９ａ内にチャック８に把持される工作物９が挿入さ
れ、工作物９の軸方向中央部に工作物把持爪２９ａが来
て停止する。次ぎに工作物反転装置２６の流体圧流路が
切り換えられて工作物把持爪２９ａが閉じられ工作物９
が把持される。ＮＣの指令で主軸台ユニット２の動力チ
ャック８の爪が開かれ、上部主軸台ユニット２はＺ軸方
向に後退して工作物９は工作物反転装置２６の工作物把
持爪２９ａに持ち換えられる。ＮＣの指令で工作物反転
装置２６の旋回駆動装置の流体圧流路が切り換えられて
工作物把持爪２９ａが旋回部２８によって180 ゜旋回さ
れ、把持される工作物９が反転される。続いてＮＣ装置
の指令で上部刃物台１３がＸ軸方向後方に移動して上部
タレット１８の旋回中心が下部主軸台ユニットの主軸真
上位置に位置決めされて停止し、上部タレット１８が旋
回され工作部９を把持する工作物反転装置２６が下部主
軸台ユニット２のチャック８側に割出される把持する工
作物９は下部主軸７と同心となる。

工作物を把持していない下部チャック８は爪が開かれた
状態とされており、下部主軸台ユニット２はＺ軸方向工
作物反転装置側へ移動し、下部チャック８の爪内に工作
物９の把持部が挿入され、チャック８の端面に設けられ
たストッパに工作物９の取り付け基準面が当たった位置
で停止する。ＮＣの指令で下部チャック８の爪が閉じら
れて下部主軸台ユニット２がＺ軸方向に後退し上部チャ
ック８から下部チャック８へ工作物９の反転と取り付け
換えが完了する。上部タレット１８が旋回され工作物反
転装置２６が待機する。以下下部基本ユニット２３によ
って加工が行われる。

効果 以上詳述したように本発明は１つの基本ユニット内にＮ
Ｃ旋盤の必要最小の構成要素であるＺ軸制御の主軸台ユ
ニットとＸ軸制御の刃物台ユニットが含まれているの
で、１つの基本ユニットのみで種々の機械加工に対応す
るライン構成ができスペースを要しない安価なライン構
成が可能となり、更に基本ユニットの直方体フレームは
取り付け基準面が側面の数個所に設けられているので、
基準面の取り方で複数個の基本ユニットを最も加工ライ
ンにマッチした配置とすることができる。また配置方法
によっては基本ユニット間の工作物の着脱搬送がグリッ
パ装置を付加するだけで基本ユニットの動作で極めて簡
単に実現できる効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は基本ユニットを横断面で示した説明図、第２図
は第１図の正面説明図、第３図は第２図のII−II線視
図、第４図は第２図のIII−III線視図、第５図〜第７図
は基本ユニットの取り付け態様説明図、第８図はタレッ
トに工作物反転装置を取り付けてマテハンを行う場合の
説明図である。 １……直方体フレーム、２……主軸台ユニット ７……主軸、８……チャック １２……刃物台ユニット、１３……刃物台 １８……タレット、２３……基本ユニット ２４……ベース、２６……工作物反転装置。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】対向する平行な２面及び該２面に隣接する
   直角な１面の３面を側面としそれぞれを取り付け基準面
   とするブロック形状の直方体フレームと、該直方体フレ
   ームの前記取り付け基準面の３面と平行な穴に摺動可能
   に嵌装されチャックを備える主軸が軸心に回転可能に軸
   承された主軸台ユニットと、前方直方体フレームに設け
   られ該主軸台ユニットを位置決めする駆動手段と、前記
   前方体フレームの内側に前記主軸台ユニットの主軸と直
   交する方向で対向する案内面に摺動可能に設けられ前記
   主軸と平行な旋回軸で割出し可能なタレット刃物台及び
   旋回割出し駆動手段を有する刃物台ユニットと、前記直
   方体フレームに設けられ該刃物台ユニットを位置決めす
   る駆動手段とを含み加工単位とする基本ユニットの一個
   または複数個をその選択された基準面で基本ユニット取
   り付け用ベースの一つの基準上面に並列或いは重ねて配
   置固定することを特徴とするユニット構成ＮＣ旋盤。
2. 【請求項２】刃物台ユニットにはローダが取り付けられ
   ている特許請求の範囲第１項記載のユニット構成ＮＣ旋
   盤。