JPH063682Y2 - 乗用車用ラジアルタイヤ - Google Patents
乗用車用ラジアルタイヤInfo
- Publication number
- JPH063682Y2 JPH063682Y2 JP1987027382U JP2738287U JPH063682Y2 JP H063682 Y2 JPH063682 Y2 JP H063682Y2 JP 1987027382 U JP1987027382 U JP 1987027382U JP 2738287 U JP2738287 U JP 2738287U JP H063682 Y2 JPH063682 Y2 JP H063682Y2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- tire
- block
- curvature
- radius
- curved surface
- Prior art date
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- Tires In General (AREA)
Description
【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は、トレッド表面に形成されたブロックのせん断
剛性を低下させることなく該ブロックの接地性を高めた
乗用車用ラジアルタイヤに関する。
剛性を低下させることなく該ブロックの接地性を高めた
乗用車用ラジアルタイヤに関する。
従来、ブロック端を面取りして湿潤走行性能を向上させ
ることが提案されている(実開昭57-59102号公報)。し
かし、この場合、ブロックのせん断剛性に大きく寄与す
るエッジ効果が利用できないので、ブロックのせん断剛
性が低下し、コーナリングフォース(CF)の低下を招
き、このため乾燥路走行時の操縦安定性が低下してしま
う。また、ブロックの断面方向(タイヤ幅方向)および
周方向の曲率半径をタイヤの断面方向および周方向の曲
率半径よりもそれぞれ小さくして、偏摩耗を起こすこと
なくグリップ能力を安定させることが提案されているが
(実開昭60-105208号公報)、この場合も同様の問題が
生じることになる。
ることが提案されている(実開昭57-59102号公報)。し
かし、この場合、ブロックのせん断剛性に大きく寄与す
るエッジ効果が利用できないので、ブロックのせん断剛
性が低下し、コーナリングフォース(CF)の低下を招
き、このため乾燥路走行時の操縦安定性が低下してしま
う。また、ブロックの断面方向(タイヤ幅方向)および
周方向の曲率半径をタイヤの断面方向および周方向の曲
率半径よりもそれぞれ小さくして、偏摩耗を起こすこと
なくグリップ能力を安定させることが提案されているが
(実開昭60-105208号公報)、この場合も同様の問題が
生じることになる。
本考案は、トレッド表面に形成されたブロックのせん断
剛性を低下させることなく該ブロックの接地性を高め、
これにより乾燥路走行時における大舵角時の操縦安定性
を向上せしめた乗用車用ラジアルタイヤを提供するこを
目的とする。
剛性を低下させることなく該ブロックの接地性を高め、
これにより乾燥路走行時における大舵角時の操縦安定性
を向上せしめた乗用車用ラジアルタイヤを提供するこを
目的とする。
このため、本考案は、トレッド表面にブロックからなる
トレッドパターンを形成したラジアルタイヤにおいて、
(1)前記ブロックの表面のタイヤ回転方向後側をタイヤ
周方向曲率半径R1の曲面で形成すると共に、タイヤ回
転方向前側を前記曲率半径R1よりも大きな曲率半径r
1で前記タイヤ回転方向後側の曲面より漸次低くなる曲
面で形成し、前記タイヤ回転方向前側の曲面の端部を前
記タイヤ周方向後側の曲面より0.5〜1.5mm低くし、(2)
車両に装着した場合における前記ブロックの表面のタイ
ヤ幅方向内側をタイヤ幅方向曲率半径R2の曲面で形成
すると共に、タイヤ幅方向外側を前記曲率半径R2より
も大きな曲率半径r2で前記タイヤ幅方向内側の曲面よ
り漸次低くなる曲面で形成し、前記タイヤ幅方向外側の
曲面の端部を前記タイヤ幅方向内側の曲面より0.5〜1.5
mm低くし、さらに、(3)のように低くなっている表面の
面積を該ブロックの全表面積の30%〜60%としたことを
特徴とする乗用車用ラジアルタイヤを要旨とするもので
ある。
トレッドパターンを形成したラジアルタイヤにおいて、
(1)前記ブロックの表面のタイヤ回転方向後側をタイヤ
周方向曲率半径R1の曲面で形成すると共に、タイヤ回
転方向前側を前記曲率半径R1よりも大きな曲率半径r
1で前記タイヤ回転方向後側の曲面より漸次低くなる曲
面で形成し、前記タイヤ回転方向前側の曲面の端部を前
記タイヤ周方向後側の曲面より0.5〜1.5mm低くし、(2)
車両に装着した場合における前記ブロックの表面のタイ
ヤ幅方向内側をタイヤ幅方向曲率半径R2の曲面で形成
すると共に、タイヤ幅方向外側を前記曲率半径R2より
も大きな曲率半径r2で前記タイヤ幅方向内側の曲面よ
り漸次低くなる曲面で形成し、前記タイヤ幅方向外側の
曲面の端部を前記タイヤ幅方向内側の曲面より0.5〜1.5
mm低くし、さらに、(3)のように低くなっている表面の
面積を該ブロックの全表面積の30%〜60%としたことを
特徴とする乗用車用ラジアルタイヤを要旨とするもので
ある。
以下、図を参照して本考案の構成につき詳しく説明す
る。
る。
第1図は、本考案の乗用車用ラジアルタイヤのトレッド
表面に形成されたトレッドパターンの一例を示す平面視
説明図である。第1図において、複数の主溝1がタイヤ
回転方向Tに環状に設けられ、また、これら主溝1を横
切るように複数の副溝2がタイヤ幅方向(径方向)に設
けられており、主溝1と副溝2とによって複数のブロッ
ク3が形成されている。この第1図に示されるトレッド
パターンは、タイヤ回転方向Tに逆V字形状をした方向
性パターンであるが、必ずしも方向性パターンである必
要はなく、回転方向が指示されたパターンであればよ
い。
表面に形成されたトレッドパターンの一例を示す平面視
説明図である。第1図において、複数の主溝1がタイヤ
回転方向Tに環状に設けられ、また、これら主溝1を横
切るように複数の副溝2がタイヤ幅方向(径方向)に設
けられており、主溝1と副溝2とによって複数のブロッ
ク3が形成されている。この第1図に示されるトレッド
パターンは、タイヤ回転方向Tに逆V字形状をした方向
性パターンであるが、必ずしも方向性パターンである必
要はなく、回転方向が指示されたパターンであればよ
い。
(1)本考案では、ブロックの表面のタイヤ回転方向後側
をタイヤ周方向曲率半径R1の曲面で形成すると共に、
タイヤ回転方向前側を前記曲率半径R1よりも大きな曲
率半径r1で前記タイヤ回転方向後側の曲面より漸次低
くなる曲面で形成し、前記タイヤ方向前側の曲面の端部
を前記タイヤ周方向後側の曲面より0.5〜1.5mm低くして
いる。
をタイヤ周方向曲率半径R1の曲面で形成すると共に、
タイヤ回転方向前側を前記曲率半径R1よりも大きな曲
率半径r1で前記タイヤ回転方向後側の曲面より漸次低
くなる曲面で形成し、前記タイヤ方向前側の曲面の端部
を前記タイヤ周方向後側の曲面より0.5〜1.5mm低くして
いる。
すなわち、ブロック3を拡大した第2図に示すように、
タイヤ回転方向T前側のブロック3の表面(実線で示
す)がタイヤ回転方向T後側のブロック3の表面(点線
で示す)よりも低い。
タイヤ回転方向T前側のブロック3の表面(実線で示
す)がタイヤ回転方向T後側のブロック3の表面(点線
で示す)よりも低い。
第3図にブロック3のタイヤ回転方向断面図を示す。第
3図において、ブロック3の表面のタイヤ回転方向前側
の周方向曲率半径r1がタイヤ回転方向後側の周方向曲
率半径R1よりも大きくなっている(r1>R1)。こ
のようにr1>R1)としたのは、ブロック3のタイヤ
回転方向の接地性を高めるためである。つまり、タイヤ
がトルクを受けて回転する場合、接地面内のブロックは
タイヤ回転方向後側の部分が浮き上がるように変形す
る。このため、トルクを受けないで回転している場合よ
り各ブロックのタイヤ回転前側に接地圧が集中してしま
う。これを防ぐため、r1>R1とする。
3図において、ブロック3の表面のタイヤ回転方向前側
の周方向曲率半径r1がタイヤ回転方向後側の周方向曲
率半径R1よりも大きくなっている(r1>R1)。こ
のようにr1>R1)としたのは、ブロック3のタイヤ
回転方向の接地性を高めるためである。つまり、タイヤ
がトルクを受けて回転する場合、接地面内のブロックは
タイヤ回転方向後側の部分が浮き上がるように変形す
る。このため、トルクを受けないで回転している場合よ
り各ブロックのタイヤ回転前側に接地圧が集中してしま
う。これを防ぐため、r1>R1とする。
また、ブロック3の表面のタイヤ回転方向前側端におけ
る差h1=(R1−r1)は、0.5〜1.5mmであることが
好ましい。
る差h1=(R1−r1)は、0.5〜1.5mmであることが
好ましい。
なお、周方向曲率半径r1を有するタイヤ回転方向前側
のブロック3の表面は、ブロック長さが通常10mm〜50mm
位であるので、ブロック3の断面において実質上直線で
ある。
のブロック3の表面は、ブロック長さが通常10mm〜50mm
位であるので、ブロック3の断面において実質上直線で
ある。
(2)また、本考案では、車両に装着した場合における前
記ブロックの表面のタイヤ幅方向内側をタイヤ幅方向曲
率半径R2の曲面で形成すると共に、タイヤ幅方向外側
を前記曲率半径R2よりも大きな曲率半径r2で前記タ
イヤ幅方向内側の曲面より漸次低くなる曲面で形成し、
前記タイヤ幅方向外側の曲面の端部を前記タイヤ幅方向
内側の曲面より0.5〜1.5mm低くしている。
記ブロックの表面のタイヤ幅方向内側をタイヤ幅方向曲
率半径R2の曲面で形成すると共に、タイヤ幅方向外側
を前記曲率半径R2よりも大きな曲率半径r2で前記タ
イヤ幅方向内側の曲面より漸次低くなる曲面で形成し、
前記タイヤ幅方向外側の曲面の端部を前記タイヤ幅方向
内側の曲面より0.5〜1.5mm低くしている。
第4図のブロック3のタイヤ幅方向断面図を示す。第4
図において、車両に装着した場合にタイヤ幅方向外側と
なるブロック3の表面の幅方向曲率半径r2がタイヤ幅
方向内側となるブロック3の表面の幅方向曲率半径r2
よりも大きくなっている(r2>R2)。
図において、車両に装着した場合にタイヤ幅方向外側と
なるブロック3の表面の幅方向曲率半径r2がタイヤ幅
方向内側となるブロック3の表面の幅方向曲率半径r2
よりも大きくなっている(r2>R2)。
このようにr2>R2としたのは、周方向の場合と同様
に、コーナリング時におけるブロック3の表面のタイヤ
幅方向外側の接地性を高めるためである。
に、コーナリング時におけるブロック3の表面のタイヤ
幅方向外側の接地性を高めるためである。
また、ブロック3の表面のタイヤ幅方向外側端における
差h2=(R2−r2)は、0.5〜1.5mmであることが好
ましい。
差h2=(R2−r2)は、0.5〜1.5mmであることが好
ましい。
なお、幅方向曲率半径r2を有するタイヤ幅方向外側の
ブロック3の表面は、ブロック幅が通常10mm〜40mm位で
あるので、ブロック3の断面において実質上直線であ
る。
ブロック3の表面は、ブロック幅が通常10mm〜40mm位で
あるので、ブロック3の断面において実質上直線であ
る。
(3)さらに、本考案においては、このように低くした部
分のブロック3の表面の面積を該ブロック3の全表面積
の30%〜60%としている。
分のブロック3の表面の面積を該ブロック3の全表面積
の30%〜60%としている。
30%未満ではエッジ部への変形(応力)集中を十分に緩
和できないため、均一な接地圧を得られず、一方、60%
を超えるとせん断剛性に大きな影響を及ぼすエッジ効果
が十分に発揮できなくなり、せん断剛性が低下してしま
うからである。
和できないため、均一な接地圧を得られず、一方、60%
を超えるとせん断剛性に大きな影響を及ぼすエッジ効果
が十分に発揮できなくなり、せん断剛性が低下してしま
うからである。
つぎに、下記の本考案タイヤ、従来タイヤ、比較タイヤ
について試験を行った結果を示す。
について試験を行った結果を示す。
(a)本考案タイヤ。
タイヤサイズ195/60R14。ベルト層:スチールコード1
×5(0.25)を50mm当り40本、タイヤ周方向に対し20°で
バイアス積層。カーカス層:ポリエステル1500D/2を50m
m当り55本、タイヤ周方向に対し実質90°で配置。ビー
ド部構造:JIS硬度90のビードフィラーをカーカス本体
とカーカスターンアップで挟み込んだ構造。タイヤ周方
向および断面方向の曲率半径はそれぞれ600mm。680mmで
ある。パターン:第1図に示すように方向性パターンと
し、ブロック形状については周方向ブロック長さ30mm、
断面方向ブロック長さ26mmであり、ブロックのタイヤ回
転方向前側端がタイヤ周方向曲率半径よりきまる線より
1mm低くなるように該前側端から後側に9mmの位置から
該前側端に1200mmの曲率半径で結び(第3図参照)、さ
らに、タイヤ周方向センターから見てブロックの外側端
をタイヤ断面方向曲率半径によりきまる線より1mm低く
なるようにブロックの外側端から幅方向8mmの位置から
該外側端に1400mmの曲率半径で結んでおり(第4図参
照)、この低くなっている部分のブロック表面の面積を
そのブロック全表面積の52%とした。
×5(0.25)を50mm当り40本、タイヤ周方向に対し20°で
バイアス積層。カーカス層:ポリエステル1500D/2を50m
m当り55本、タイヤ周方向に対し実質90°で配置。ビー
ド部構造:JIS硬度90のビードフィラーをカーカス本体
とカーカスターンアップで挟み込んだ構造。タイヤ周方
向および断面方向の曲率半径はそれぞれ600mm。680mmで
ある。パターン:第1図に示すように方向性パターンと
し、ブロック形状については周方向ブロック長さ30mm、
断面方向ブロック長さ26mmであり、ブロックのタイヤ回
転方向前側端がタイヤ周方向曲率半径よりきまる線より
1mm低くなるように該前側端から後側に9mmの位置から
該前側端に1200mmの曲率半径で結び(第3図参照)、さ
らに、タイヤ周方向センターから見てブロックの外側端
をタイヤ断面方向曲率半径によりきまる線より1mm低く
なるようにブロックの外側端から幅方向8mmの位置から
該外側端に1400mmの曲率半径で結んでおり(第4図参
照)、この低くなっている部分のブロック表面の面積を
そのブロック全表面積の52%とした。
(b)従来タイヤ。
タイヤサイズ195/60R14。構造は上記本考案タイヤと同
じ。パターン:第1図に示すように方向性パターンであ
り、ブロックの形状は周方向、断面方向曲率半径がそれ
ぞれタイヤの周方向、断面方向曲率半径に一致。ブロッ
クの大きさは、上記本考案タイヤと同じ。
じ。パターン:第1図に示すように方向性パターンであ
り、ブロックの形状は周方向、断面方向曲率半径がそれ
ぞれタイヤの周方向、断面方向曲率半径に一致。ブロッ
クの大きさは、上記本考案タイヤと同じ。
(c)比較タイヤ1。
タイヤサイズ195/60R14。構造は上記本考案タイヤと同
じ。パターン:第1図に示すように方向性パターンであ
り、ブロックの形状は、第5図(ブロックのタイヤ回転
方向断面図)および第6図(ブロックのタイヤ幅方向断
面図)に示すように、周方向、断面方向曲率半径がそれ
ぞれタイヤの周方向、断面図方向曲率半径600mm。680mm
より小さく、120mm、13mmである。ブロックの大きさ
は、上記本考案タイヤと同じ。第5図、第6図におい
て、R3はタイヤ周方向曲率半径、r3はブロック周方
向曲率半径、R4はタイヤ断面方向曲率半径、r4はブ
ロック断面方向曲率半径である。
じ。パターン:第1図に示すように方向性パターンであ
り、ブロックの形状は、第5図(ブロックのタイヤ回転
方向断面図)および第6図(ブロックのタイヤ幅方向断
面図)に示すように、周方向、断面方向曲率半径がそれ
ぞれタイヤの周方向、断面図方向曲率半径600mm。680mm
より小さく、120mm、13mmである。ブロックの大きさ
は、上記本考案タイヤと同じ。第5図、第6図におい
て、R3はタイヤ周方向曲率半径、r3はブロック周方
向曲率半径、R4はタイヤ断面方向曲率半径、r4はブ
ロック断面方向曲率半径である。
(d)比較タイヤ2。
タイヤサイズ195/60R14。構造は上記本考案タイヤと同
じ。パターン:第1図に示すように方向性パターンであ
り、ブロックの形状は、第7図および第8図に示すよう
に、上記本考案タイヤと同じ。第7図、第8図におい
て、r5はブロック3の表面のタイヤ回転方向前側の周
方向曲率半径、R5はブロック3の表面のタイヤ回転方
向後側の周方向曲率半径、r6タイヤ幅方向外側となる
ブロック3の表面の幅方向曲率半径、R6はタイヤ幅方
向内側となるブロック3の表面の幅方向曲率半径であ
る。差h2および差h4はそれぞれ2.0mmである。ブロ
ックの大きさは、上記本考案タイヤと同じ。低くなって
いる部分(曲率半径を小さくした部分)のブロック表面
の面積は、そのブロック全表面積の52%。
じ。パターン:第1図に示すように方向性パターンであ
り、ブロックの形状は、第7図および第8図に示すよう
に、上記本考案タイヤと同じ。第7図、第8図におい
て、r5はブロック3の表面のタイヤ回転方向前側の周
方向曲率半径、R5はブロック3の表面のタイヤ回転方
向後側の周方向曲率半径、r6タイヤ幅方向外側となる
ブロック3の表面の幅方向曲率半径、R6はタイヤ幅方
向内側となるブロック3の表面の幅方向曲率半径であ
る。差h2および差h4はそれぞれ2.0mmである。ブロ
ックの大きさは、上記本考案タイヤと同じ。低くなって
いる部分(曲率半径を小さくした部分)のブロック表面
の面積は、そのブロック全表面積の52%。
ブロック単体のせん断剛性および最大摩擦係数の試験: 試験方法は、第9図に示すように、ブロック3の下面を
下側鉄片4dに接着させ、垂直荷重3Kgのもとで上側鉄
片4uを矢印方向に動かし、その変位と応力を測定する
ことによった。この結果を第10図および第11図に指数で
示す。
下側鉄片4dに接着させ、垂直荷重3Kgのもとで上側鉄
片4uを矢印方向に動かし、その変位と応力を測定する
ことによった。この結果を第10図および第11図に指数で
示す。
第10図および第11図から判るように、せん断剛性および
最大摩擦係数について本考案タイヤのブロックが一番高
い値を示し、比較タイヤ1,2とも従来タイヤよりも低
い値を示した。このことから、本考案タイヤのブロック
が比較タイヤ1,2および従来タイヤのブロックよりも
せん断剛性および最大摩擦係数ともに高いことが判る。
最大摩擦係数について本考案タイヤのブロックが一番高
い値を示し、比較タイヤ1,2とも従来タイヤよりも低
い値を示した。このことから、本考案タイヤのブロック
が比較タイヤ1,2および従来タイヤのブロックよりも
せん断剛性および最大摩擦係数ともに高いことが判る。
室内コーナリング試験: 操縦安定性の代用特性として、室内コーナリング試験を
行った。
行った。
コーナリングパワー(CP)。
リム6JJ×44。内圧2.0Kg/cm2。室内コーナリング特性
の測定はMTS製フラットベルトコーナリング試験機を
用いてセーフティウォーク路面で行い、コーナリングパ
ワー(CP)は荷重350Kg、スリップ角1°の値を用い
た。この結果を指数で第12図に示す。第12図から判るよ
うに、本考案タイヤは従来タイヤに比してわずかに高い
値を示し、比較タイヤ2は従来タイヤよりわずかに低
く、比較タイヤ1では大きく低下している。このことか
ら、本考案タイヤの微小舵角時の操縦安定性は従来タイ
ヤと殆ど変わらないが比較タイヤ1,2よりも優れてい
ることが判る。
の測定はMTS製フラットベルトコーナリング試験機を
用いてセーフティウォーク路面で行い、コーナリングパ
ワー(CP)は荷重350Kg、スリップ角1°の値を用い
た。この結果を指数で第12図に示す。第12図から判るよ
うに、本考案タイヤは従来タイヤに比してわずかに高い
値を示し、比較タイヤ2は従来タイヤよりわずかに低
く、比較タイヤ1では大きく低下している。このことか
ら、本考案タイヤの微小舵角時の操縦安定性は従来タイ
ヤと殆ど変わらないが比較タイヤ1,2よりも優れてい
ることが判る。
コーナリングフォース(CF)。
荷重350Kgにおいて測定した。コーナリングフォースの
最大値の測定結果を指数で第13図に示す。第13図から判
るように、従来タイヤ、比較タイヤ1,2ともに殆ど変
わらないが本考案タイヤは他のタイヤよりも高い値を示
している。このことから、本考案タイヤは他のタイヤよ
りも最大摩擦係数が高く、大舵角時の操縦安定性に優れ
ることが判る。
最大値の測定結果を指数で第13図に示す。第13図から判
るように、従来タイヤ、比較タイヤ1,2ともに殆ど変
わらないが本考案タイヤは他のタイヤよりも高い値を示
している。このことから、本考案タイヤは他のタイヤよ
りも最大摩擦係数が高く、大舵角時の操縦安定性に優れ
ることが判る。
実車フィーリング試験: 供試タイヤを国産小型車に装着し、コクリート路におい
てフィーリング評価を行った。この結果は、本考案タイ
ヤ>従来タイヤ≧比較タイヤ2>比較タイヤ1の順であ
り、本考案タイヤは実車フィーリング評価でも優れてい
た。
てフィーリング評価を行った。この結果は、本考案タイ
ヤ>従来タイヤ≧比較タイヤ2>比較タイヤ1の順であ
り、本考案タイヤは実車フィーリング評価でも優れてい
た。
以上説明したように本考案によれば、ブロック表面を一
様な断面方向、周方向曲率半径とせずに該ブロック表面
に低部を設け、この低部をブロック断面においてほぼ直
線とすることによりブロックのせん断剛性を低下させる
ことなくブロックの接地性を高めることができる(エッ
ジ部への変形集中を防ぐことにより、ブロック内での接
地圧を均一にする)。このため、ブロックのゴムの摩擦
係数が上昇し、大舵角時の操縦安定性の向上および大舵
角時の良好な手応え増加を得ることができる。
様な断面方向、周方向曲率半径とせずに該ブロック表面
に低部を設け、この低部をブロック断面においてほぼ直
線とすることによりブロックのせん断剛性を低下させる
ことなくブロックの接地性を高めることができる(エッ
ジ部への変形集中を防ぐことにより、ブロック内での接
地圧を均一にする)。このため、ブロックのゴムの摩擦
係数が上昇し、大舵角時の操縦安定性の向上および大舵
角時の良好な手応え増加を得ることができる。
第1図は本考案の乗用車用ラジアルタイヤのトレッド表
面に形成されたトレッドパターンの一例を示す平面視説
明図、第2図は第1図におけるブロックの拡大説明図、
第3図は第1図におけるブロックのタイヤ回転方向断面
図、第4図は第1図におけるブロックのタイヤ幅方向断
面図、第5図は比較タイヤ1のブロックのタイヤ回転方
向断面図、第6図は比較タイヤ1のブロックのタイヤ幅
方向断面図、第7図は比較タイヤ2のブロックのタイヤ
回転方向断面図、第8図は比較タイヤ2のブロックのタ
イヤ幅方向断面図、第9図はブロック単体のせん断剛性
および最大摩擦係数の試験方法を示す説明図、第10はブ
ロック単体のせん断剛性をグラフで示す説明図、第11図
はブロック単体の最大摩擦係数をグラフで示す説明図、
第12図は供試タイヤのコーナリングパワーをグラフで示
す説明図、第13図は供試タイヤのコーナリングフォース
をグラフで示す説明図である。 1……主溝、2……副溝、3……ブロック、4d……下
側鉄片、4u……上側鉄片。
面に形成されたトレッドパターンの一例を示す平面視説
明図、第2図は第1図におけるブロックの拡大説明図、
第3図は第1図におけるブロックのタイヤ回転方向断面
図、第4図は第1図におけるブロックのタイヤ幅方向断
面図、第5図は比較タイヤ1のブロックのタイヤ回転方
向断面図、第6図は比較タイヤ1のブロックのタイヤ幅
方向断面図、第7図は比較タイヤ2のブロックのタイヤ
回転方向断面図、第8図は比較タイヤ2のブロックのタ
イヤ幅方向断面図、第9図はブロック単体のせん断剛性
および最大摩擦係数の試験方法を示す説明図、第10はブ
ロック単体のせん断剛性をグラフで示す説明図、第11図
はブロック単体の最大摩擦係数をグラフで示す説明図、
第12図は供試タイヤのコーナリングパワーをグラフで示
す説明図、第13図は供試タイヤのコーナリングフォース
をグラフで示す説明図である。 1……主溝、2……副溝、3……ブロック、4d……下
側鉄片、4u……上側鉄片。
Claims (1)
- 【請求項1】トレッド表面にブロックからなるトレッド
パターンを形成したラジアルタイヤにおいて、(1)前記
ブロックの表面のタイヤ回転方向後側をタイヤ周方向曲
率半径R1の曲面で形成すると共に、タイヤ回転方向前
側を前記曲率半径R1よりも大きな曲率半径r1で前記
タイヤ回転方向後側の曲面より漸次低くなる曲面で形成
し、前記タイヤ回転方向前側の曲面の端部を前記タイヤ
周方向後側の曲面より0.5〜1.5mm低くし、(2)車両に装
着した場合における前記ブロックの表面のタイヤ幅方向
内側をタイヤ幅方向曲率半径R2の曲面で形成すると共
に、タイヤ幅方向外側を前記曲率半径R2よりも大きな
曲率半径r2で前記タイヤ幅方向内側の曲面より漸次低
くなる曲面で形成し、前記タイヤ幅方向外側の曲面の端
部を前記タイヤ幅方向内側の曲面より0.5〜1.5mm低く
し、さらに、(3)このように低くなっている表面の面積
を該ブロックの全表面積の30%〜60%としたことを特徴と
する乗用車用ラジアルタイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1987027382U JPH063682Y2 (ja) | 1987-02-27 | 1987-02-27 | 乗用車用ラジアルタイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1987027382U JPH063682Y2 (ja) | 1987-02-27 | 1987-02-27 | 乗用車用ラジアルタイヤ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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