JPH0636596U - 吊り具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 径の異なる何れの部材にも被吊物を吊るすこ
とができ、また吊り下げた被吊物が風によって移動した
り、揺れ落ちたり、重みで外れ落ちたりするのを防ぐこ
とのできる吊り具を提供することを目的とする。 【構成】 中央部において回動自在に枢支されてなる第
一部材１及び第二部材２の上部に、それぞれ対面する方
向から下方に向けた大きな湾曲部１ａ，２ａが形成さ
れ、これら湾曲部１ａ，２ａと枢支部１ｃ，２ｃとの間
にも同方向に向けた小さな湾曲部１ｂ，２ｂが突設さ
れ、大小湾曲部１ａ，２ａ，１ｂ，２ｂを接近させる方
向に付勢するバネ体５を備え、第一部材１及び第二部材
２の下部には前記バネ体５に抗して大小湾曲部を離反さ
せる操作アーム１ｅ，２ｅ及び被吊部材８を係止させる
吊部１ｆが形成されてなる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、物干し竿及び物干し紐など大小径の異なる部材に物を吊るすのに好 適な吊り具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

管部材及び紐など大小径の異なる部材に物を吊るす場合には、従来から各種の 具材が用いられている。例えば、物干し竿及び物干し紐に洗濯物を並べて掛けて 干す場合、多くの洗濯物を干すことができないので、また洗濯物に竿跡及びロー プ跡がつくと見苦しくなるので、物干し竿及び物干し紐に複数のハンガーを平行 に吊るし、このハンガーに洗濯物を掛けて干していた。

【０００３】 このハンガーの上端には、湾曲状の吊部が形成されており、この吊部を物干し 竿及び物干し紐に掛けてハンガー全体を吊るしていた。またこの他にもハンガー の上端に、近接方向へのバネ力を付勢させた挟持部を備え、手で開放させた挟持 部を物干し竿及び物干し紐などの下方から挟み込んで吊るすものも存在していた 。

【０００４】 また窓先、ベランダ、玄関、室内などに鉢植え、装飾物などを吊るす場合、紐 を掛けて吊るすと紐が解けたり切れたりすることがあり、また取り付け・取り外 しが困難であるために、固定された杆部材などにＳ字杆を掛けて、この下端に鉢 植え、装飾物などを掛けて吊るしていた。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、このように物干し竿及び物干し紐にハンガーを吊り下げて洗濯物を干 すと、風を受けた洗濯物がハンガーと共に物干し竿の端まで移動して洗濯物が重 なり合うことがある他、洗濯物と共にハンガーが揺れ落ちることがある。また物 干し竿及び物干し紐の下方から挟持部を挟み込んでハンガーを吊るし、このハン ガーに重い洗濯物を掛けると、その重みによって物干し竿及び物干し紐を挟持し ていた挟持部が外れ、洗濯物を落下させることがある。特に紐及び細杆などの小 径の部材にハンガーの上端を挟持させても、挟持部の上端がバネ力によって接当 しているだけなので、洗濯物の重みで簡単に外れ易くなる。このために乾燥時間 を長く要したり、生乾きのまま洗濯物を取り込んだり、洗濯をやり直したりする ことが少なからずあった。 また同様に、Ｓ字杆を利用して鉢植え、装飾物などを掛けると、体及び物に当 たって外れ落ちたり、風で揺れ落ちる危険性があった。

【０００６】 本考案は斯かる事情に鑑みて提案されたものであり、２つの対面する大小の湾 曲部の端部を下方に向けてあり、またこれら２つの湾曲部には接近する方向への 付勢力を加えさせたことにより、径の異なる何れの部材にも被吊物を吊るすこと ができ、また吊り下げた被吊部材が風によって移動したり、揺れ落ちたり、重み で外れ落ちたりするのを防ぐことのできる吊り具を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案に係る吊り具は、中央部において回動自在に枢支されてなる第一部材及 び第二部材の上部に、それぞれ対面する方向から下方に向けた大きな湾曲部が形 成され、これら湾曲部と枢支部との間にも同方向に向けた小さな湾曲部が突設さ れ、大小湾曲部を接近させる方向に付勢するバネ体を備え、第一部材及び第二部 材の下部には前記バネ体に抗して大小湾曲部を離反させる操作アーム及び被吊部 材を係止させる吊部が形成されてなることを特徴とする。

【０００８】

【作用】

本考案に係る吊り具の二つの操作アームを握り寄せると、大小の湾曲部がバネ 体に抗して開き、ここから物干し竿及び物干し紐など径の異なる部材の何れかを 挿み入れることができる。このようにして対面する二つの湾曲部を部材に跨乗さ せると、それぞれの湾曲端がそれぞれ下方に向いているために、また対面する二 つの湾曲部が接近する方向に付勢されているために、跨乗した部材を挟持してし っかりと固定される。このためにハンガーを下端に係止した吊り具を部材に吊る しても、吊り具と共にハンガーが風によって簡単に移動したり、外れ落ちたり、 重みで外れ落ちたりすることもない。また鉢植え、装飾物を吊り下げても、簡単 に外れ落ちることもない。

【０００９】

【実施例】

以下、添付図面を参照して本考案に係る吊り具の一実施例を詳述する。 図１は本考案に係る吊り具の一実施例を示した全体斜視図、図２は同じく斜視 展開図、図３は同じく側面図、図４は大径の部材を挟持した吊り具の正面図、図 ５は小径の部材を挟持した吊り具の正面図である。 図１乃至図５に示すように本考案に係る吊り具Ａは、第一部材１と第二部材２ とがバネ体５と共に回動可能に組み付けられて一体的に構成されたものである。

【００１０】 第一部材１と第二部材２とは、それぞれ全体が硬質樹脂材あるいは軽金属によ って一体成形されている。第一部材１及び第二部材２の中央には、ピン孔１ｄ， ２ｄを有する枢支部１ｃ，２ｃがそれぞれ形成されており、第一部材１の枢支部 １ｃの中央縦方向に形成された切り欠き１ｅ’内に第二部材２の枢支部２ｃが嵌 入され、双方のピン孔１ｄ，２ｄにピン３が挿入されて、第一部材１と第二部材 ２とを枢着させてある。なお４は該ピン３の抜け止め用のＣリングである。

【００１１】 第一部材１及び第二部材２の上部は、大径の部材Ｂへの跨乗を可能とすべく、 対面方向から下方に向けた同じ大きさの大きな湾曲部１ａが形成されており、第 一部材１の湾曲部１ａは幅広く、第二部材２の湾曲部２ａは幅狭く形成されてい る。幅広く形成された第一部材１の湾曲部１ａの幅中央には、湾曲方向に沿った 大きな切り欠き１ａ’が湾曲端まで形成されており、第二部材２の湾曲部２ａは この切り欠き１ａ’の幅よりも幅狭く、また切り欠き１ａ’に対面する位置に形 成されている。

【００１２】 また第一部材１及び第二部材２の湾曲部１ａ，２ａと下方の枢支部１ｃ，２ｃ との間にも、上部の湾曲部１ａ，２ａと同方向に向けた小さな湾曲部１ｂ，２ｂ が突設されており、第一部材１の湾曲部１ｂは幅広く、第二部材２の湾曲部２ｂ は幅狭く形成されている。また上部の湾曲部１ａと同様に、幅広く形成された第 一部材１の湾曲部１ｂの幅中央には、湾曲方向に沿った大きな切り欠き１ｂ’が 湾曲端まで形成されており、第二部材２の湾曲部２ｂはこの切り欠き１ｂ’の幅 よりも幅狭く、また切り欠き１ｂ’に対面する位置に形成されている。

【００１３】 第一部材１及び第二部材２の下部には、操作アーム１ｅ，２ｅが形成されてい る。なお前記第一部材１の枢支部１ｃの中央縦方向に幅広く形成された切り欠き １ｅ’は第一部材１の操作アーム１ｅの下端にまで至っており、下部から下端ま では幅狭く切り欠かれている。第一部材１の下端、すなわち縦方向に切り欠き１ ｅ’が形成された操作アーム１ｅの下端には、後述する被吊部材を係止させるた めの吊部１ｆが形成されている。吊部１ｆは、切り欠き１ｃ’を中心として相対 する方向に突出させて切り上げた斜面１ｆ”，１ｆ”と、該斜面１ｆ”，１ｆ” の切り上げ端上部の首部１ｆ’とによって形成されており、吊部１ｆ自体に外方 向に付勢させてある。これに対して第二部材２の操作アーム２ｅは、第一部材１ の切り欠き１ｃ’よりも幅狭く、第一部材１の操作アーム１ｅと反対側の斜下方 に向けられて形成されている。このように枢支された第一部材１及び第二部材２ には、対面する大小湾曲部１ａ，２ａ，１ｂ，２ｂを接近させる方向に付勢する バネ体５の両端が支持されている。

【００１４】 よって、第一部材１及び第二部材２は、バネ体５の付勢力によって、前記枢支 部１ｃ，２ｃを支点として第二部材２の湾曲部２ａが第一部材１の湾曲部１ａの 切り欠き１ａ’内に深く突入し、またこれと同時に第二部材２の湾曲部２ｂが第 一部材１の湾曲部１ｂの切り欠き１ｂ’内に深く突入して、同時にそれぞれの切 り欠き１ｂ’，１ｂ’の内端に接当して止まった状態となっている。

【００１５】 これに対して第一部材１の操作アーム１ｅと第二部材２の操作アーム２ｅとを 握り寄せると、第二部材２の大小の湾曲部２ａ，２ｂが第一部材１の湾曲部１ａ ，１ｂの切り欠き１ａ’，１ｂ’内から離れて開き、ここから大径の部材Ｂある いは小径の部材Ｃに嵌入させることができる。続いて操作アーム１ｅ，２ｅから 手を離すと、対面する上部の湾曲部１ａ，２ａ及び下部の湾曲部１ｂ，２ｂはバ ネ体５によって近接方向に付勢されているために、大径の部材Ｂ若しくは小径の 部材Ｃに跨乗させたまま確りと挟持させることができる。

【００１６】 図６は本考案に係る吊り具下端にハンガーガイド杆を係止させて物干し竿に吊 下させた斜視全体図、図７は同じく係止部の正面断面図、図８は同じく係止部の 側面断面図であり、図１乃至図５と対応する箇所には同一符号を付してある。 図６乃至図８に示すように、本考案に係る吊り具Ａは、被吊物である複数のハ ンガー１０を支持させたハンガーガイド杆７を物干し竿としてなる大径の杆部材 Ｂに吊り下げることができる。

【００１７】 ハンガーガイド杆７は、側面視Ｉ形で軸長方向に長い硬質の樹脂材あるいはア ルミ材などの軽量材で形成されており、その長さは少なくとも物干し竿としてな る大径の杆部材Ｂよりも長くならない程度のものにしてあり、その両側面下部に は上向きの複数の係止突起７ａが軸長方向に連続して形成されている。

【００１８】 このように形成されたハンガーガイド杆７の上部両端付近には、吊り具Ａ下端 の吊部１ｆに係止させる被吊部材８が側方から嵌入されている。被吊部材８は、 ハンガーガイド杆７の上部を囲む軸長方向に短い硬質の樹脂材あるいはアルミ材 などの軽量枠材で形成されている。被吊部材８の内側上面８ｃには、中央上面を 上方に突出させたバネ体９が係止されており、該バネ体９の上方への付勢力によ って嵌入された被吊部材８の抜け止めを図ると共に軸長方向への移動調節を可能 としている。被吊部材８の上部には、上方に向けた突出部８ａが形成されており 、該突出部８ａに上下２段の挿入孔８ａ’，８ａ”が形成されている。そして吊 り具Ａ下端に被吊部材８を係止させるには、吊り具Ａ下端の係止部１ｆ端を、被 吊部材８上部の挿入孔８ａ’に上方から押し入れて下方の挿入孔８ａ”まで突入 させると、係止部１ｆの首部１ｆ”が挿入孔８ａ”に挿着し、また係止部１ｆ自 体が外方向に付勢するために、吊り具Ａと被吊部材８すなわちハンガーガイド杆 ７とが固定される。

【００１９】 ハンガー１０は、硬質樹脂あるいは軽金属などによって一体的に形成されてお り、その上部中央には、幹部１０ａが上方に突出しており、該幹部１０ａ上端に はハンガーガイド杆７への嵌入部材１０ｂが一体的に形成されている。該嵌入部 材１０ｂの前後上端は、内側から下方に向けて角折されており、該角折下端には 、ハンガーガイド杆７の係止突起７ａ，７ａ間に歯合する係止突起１０ｂ，１０ ｂが形成されている。また嵌入部材１０ｂの内側下面１０ｂ’，１０ｂ’には、 中央上面を上方に突出させたバネ体１１，１１が係止されている。

【００２０】 このように形成されたハンガー１０は複数用意されており、それぞれのハンガ ー１０をハンガーガイド杆７の側端から嵌入させて支持させると、上記バネ体１ １がハンガーガイド杆７の下面を押圧して嵌入部材１０ｂを下方に押し下げて、 嵌入部材５ｂの係止突起１０ｂとハンガーガイド杆７の係止突起７ａ，７ａとが 噛合するために、ハンガー１０を係止させることができる。またハンガー１０に 嵌入方向への力を加えると、バネ体１１，１１の付勢力に抗して、噛合していた 係止突起１０ｂと係止突起７ａ，７ａとが外れるために、ハンガー１０はハンガ ーガイド杆７に沿って移動する。

【００２１】 このようにして吊り具Ａの下部にハンガーガイド杆７を装着して物干し竿とし てなる大径の部材Ｂに吊るし、このハンガーガイド杆７に複数のハンガー１０を 平行に吊るすと、数多くの洗濯物（不図示）を干すことができ、例えば強い風な どによってハンガー１０がハンガーガイド扞７に沿って移動したり、外れ落ちた りすることはない。

【００２２】 なお、上記実施例においては、第一部材１と第二部材２とをピン３によって枢 着させているが、第一部材１と第二部材２との中央対面位置に凹凸部を形成し、 該凹凸部を接面させてバネ体の付勢力を利用して回動自在に係止させることも可 能である。なお前記実施例においては、吊り具Ａとハンガーガイド杆７とを被吊 部材８を利用して係止する構成とされているが、ハンガーガイド杆７の左右上面 に吊り具Ａを直接に装着する構成であってもよい。なおハンガーガイド杆７とハ ンガー１０とを係止させている係止突起７ａ，７ａ，１０ｂ，１０ｂの形状は、 山形に限定するものではなく歯合する丸形であってもよい。 このように構成された本考案に係る吊り具Ａは、特にその大きさに限定される ことなく、物干し用のハンガー１０を吊るす場合だけでなく、植木鉢及び装飾物 を吊るしたりする場合にも利用することができ、下端に係止部１ｆが形成された 操作アーム１ｅを任意の長さのものとすることも可能である。

【００２３】

【考案の効果】

以上において詳述した本考案に係る吊り具の大小湾曲部を物干し竿及び物干し 紐など径の異なる部材に吊るすと、これら対面する大小２つの湾曲部の湾曲端が 下方に向けてあるために、また湾曲部が近接する方向に付勢されているために、 吊り具は部材に跨乗したまま確りと挟持することができる。このために吊り具下 端にハンガーを係止させたハンガーガイド杆を装着すると、一度に多くのハンガ ーを平行に吊るすことができる。また吊り具と共に洗濯物が、風によって物干し 竿端まで移動して重なったり、揺れ落ちたり、重みで外れ落ちたりすることもな い。

【００２４】 さらに本考案に係る吊り具には、大小の湾曲部が上下二段に形成されているた めに、大径の部材ばかりでなく小径の部材にも、またハンガー及び鉢植えなどを 吊り下げることができる。 このように形成された本考案に係る吊り具は片手で操作して杆部材から着脱す ることができるので、使い勝手が良く、収納もコンパクトに行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る吊り具の一実施例を示した全体斜
視図である。

【図２】本考案に係る吊り具の斜視展開図である。

【図３】本考案に係る吊り具の側面図である。

【図４】大径の部材を挟持した吊り具の正面図である。

【図５】小径の部材を挟持した吊り具の正面図である。

【図６】本考案に係る吊り具下端にハンガーガイド杆を
係止させて物干し竿に吊下させた斜視全体図である。

【図７】同じく係止部の正面断面図である。

【図８】同じく係止部の側面断面図である。

【符号の説明】

Ａ 吊り具 Ｂ 大径の部材 Ｃ 小径の部材 １ 第一部材 １ａ 湾曲部 １ｂ 湾曲部 １ｃ 枢支部 １ｅ 操作アーム １ｆ 吊部 ２ 第二部材 ２ａ 湾曲部 ２ｂ 湾曲部 ２ｃ 枢支部 ２ｅ 操作アーム ５ バネ体 ８ 被吊部材

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 中央部において回動自在に枢支されてな
   る第一部材及び第二部材の上部に、それぞれ対面する方
   向から下方に向けた大きな湾曲部が形成され、これら湾
   曲部と枢支部との間にも同方向に向けた小さな湾曲部が
   突設され、大小湾曲部を接近させる方向に付勢するバネ
   体を備え、第一部材及び第二部材の下部には前記バネ体
   に抗して大小湾曲部を離反させる操作アーム及び被吊部
   材を係止させる吊部が形成されてなる吊り具。