JP4625440B2 - 環体及びこれを備える吊具 - Google Patents

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本発明は竿体、ロープ、枠形の物干具等に洗濯物等の被吊物を吊すのに好適な環体及びこれを備える吊具に関する。
物干具に洗濯物等の被吊物を吊すのに好適な環体は特許文献1に記載されている。この環体は、内側へ突出している凸部を有し、該凸部から周方向両側へ離隔した二つの位置をラジアル方向内側へ押圧することにより凸部がラジアル方向外側へ撓むように構成されている。
このように構成された環体が枠形をなす物干具に組込まれる場合、枠形に曲げられた杆部材の一端から複数の環体を挿嵌し、挿嵌後に杆部材の両端を溶接で結合することにより環体の脱落を防いでいる。
杆部材に挿嵌された環体は、凸部が杆部材の周面を押圧し、杆部材に対する移動が規制されている。また、使用に際しては、凸部から周方向両側へ離隔した二つの位置を指で摘みつつラジアル方向内側へ押圧することにより凸部がラジアル方向外側へ撓み、杆部材に対して移動が可能となり、適宜の移動位置で二つの位置の摘みを解除することにより凸部が復帰し、該凸部が杆部材の周面を押圧する。
実開2005−318960号公報
ところが、特許文献1に記載された環体は一体成形されており、また、環体を保持する枠形をなす物干具は、吊下げられる被吊物の荷重に耐えられるようにアルミニウム、ステンレス等の金属製であり、且つ枠形に曲げられた杆部材の両端が溶接で結合されており、環体の取外しができないようになっているため、コスト及び軽量性を考慮して環体が合成樹脂材により一体成形された際、経年による環体の劣化等により、該環体が破損したとき、新しい環体を追加で取付けることができず、環体の個数が減少することになり、改善策が要望されていた。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、主たる目的は内側へ突出している凸部から周方向両側へ離隔した二つの位置をラジアル方向内側へ押圧することにより凸部がラジアル方向外側へ撓むようになしてある環体の前記二つの位置の間に、周方向に分断するスリットと、分断端部からラジアル方向外側へ延出され、且つ離隔する方向へそれが開放されるのを規制する規制部材が嵌合されるべき二つの凸片とを設けることにより、環体の取外しができないように構成された物干具等において、経年による劣化等により環体が破損した際、新しい環体を追加で取付けることができる環体を提供することにある。
また、他の目的は内側へ突出している凸部から周方向両側へ離隔した二つの位置をラジアル方向内側へ押圧することにより凸部がラジアル方向外側へ撓むようになしてある環体の前記二つの位置の間に、周方向に分断するスリットと、分断端部からラジアル方向外側へ延出されている二つの凸片とを設け、前記二つの凸片が嵌入される嵌入孔及び前記物品が吊下げられる吊部を有し、前記環体が分断端部から開放されるのを規制する規制部材を備える構成とすることにより、吊具の取外しができないように構成された物干具等において、経年による劣化等により吊具が破損した際、新しい吊具を追加で取付けることができる吊具を提供することにある。
また、他の目的は前記規制部材を、二つの凸片を中心として回転を可能とすることにより、規制部材の吊部に吊るされる洗濯物等の被吊物の吊位置を容易に変更することができる吊具を提供することにある。
第1発明に係る環体は、内側へ突出している凸部を有し、該凸部から周方向両側へ離隔した二つの位置をラジアル方向内側へ押圧することにより凸部がラジアル方向外側へ撓むようになしてある環体において、前記二つの位置の間で周方向に分断するスリットと、分断端部からラジアル方向外側へ延出され、且つ離隔する方向へそれが開放されるのを規制する規制部材が嵌合されるべき二つの凸片とを有することを特徴とする。
第1発明にあっては、分断端部が離隔する方向へ開放することができ、該分断端部の間から物干具等に嵌込むことができ、しかも、二つの凸片に規制部材が嵌合されることにより分断端部が開放されるのを規制することができるため、環体の取外しができないように構成された物干具等において、経年による劣化等により環体が破損した際、新しい環体を追加で取付けることができ、環体の個数が減少するのをなくすることができる。
第2発明に係る環体は、内側へ突出している凸部を有し、該凸部から周方向両側へ離隔したつの位置をラジアル方向内側へ押圧することにより凸部がラジアル方向外側へ撓むようになしてある環体を備え、該環体に適宜の物品が吊下げられる吊具において、前記環体は前記二つの位置の間で周方向に分断するスリットと、分断端部からラジアル方向外側へ延出されている二つの凸片とを設けてあり、前記二つの凸片が嵌入される嵌入孔及び前記物品が吊下げられる吊部を有し、前記環体が分断端部から開放されるのを規制する規制部材を備えることを特徴とする。
第2発明にあっては、分断端部が離隔する方向へ開放することができ、該分断端部の間から物干具等に嵌込むことができ、しかも、二つの凸片に規制部材を嵌合することにより分断端部が開放されるのを規制することができるため、吊具の取外しができないように構成された物干具等において、経年による劣化等により吊具が破損した際、新しい吊具を追加で取付けることができ、吊具の個数が減少するのをなくすることができる。
第3発明に係る吊具は、第2発明において、前記規制部材は、前記二つの凸片を中心として回転を可能にしてあることを特徴とする。
第3発明にあっては、環体に対して規制部材を回すことができ、規制部材の吊部に吊るされる洗濯物等の被吊物の吊位置を容易に変更することができる。
第1発明によれば、環体の取外しができないように構成された物干具等において、経年による劣化等により環体が破損した際、新しい環体を追加で取付けることができ、環体の個数が減少するのをなくすることができる。
第2発明によれば、吊具の取外しができないように構成された物干具等において、経年による劣化等により吊具が破損した際、新しい吊具を追加で取付けることができ、吊具の個数が減少するのをなくすることができる。
第3発明によれば、環体に対して規制部材を回すことができ、規制部材の吊部に吊るされる洗濯物等の被吊物の吊位置を容易に変更することができる。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。図1は環体の構成を示す一部を断面した正面図、図2は環体を撓ませた状態を示す説明図である。
図に示した環体1は、枠形をなす物干具に移動を可能に挿嵌支持されるもので、二つの周方向位置側がラジアル方向内側へ突出している非円形の湾曲した凸部1a,1a及び該凸部1a,1aからの厚さがほぼ等しくなる非円形の外周部1bを有する略楕円形をなしており、凸部1a,1aから周方向両側へ等しく離隔した二つの位置1c,1cの外周部をラジアル方向内側へ押圧することにより凸部1a,1a側がラジアル方向外側へ撓み、略円形となるように構成されている。即ち、対向する二つの位置側が、対向する他の二つの位置側よりもラジアル方向内側へ突出しているように湾曲しており、他の二つの位置1c,1c間の距離H2が凸部1a,1a間の距離H1よりも長くなっており、他の二つの位置1c,1c側をラジアル方向内側へ押圧することにより、他の二つの位置1c,1c側をラジアル方向内側へ撓ませつつ凸部1a,1a側をラジアル方向外側へ撓ませ(図2参照)、全体を略円形となるように変形させることができるように構成されている。
また、環体1の外周部1bは凸部1a,1aから周方向両側へ等しく離隔した二つの位置1c,1cに押圧部11,11が一体に設けられている。この押圧部11,11は二つの位置1c,1cの外周部に一体に結合された結合部11a,11aと、該結合部11a,11aから周方向両側へ延出され、結合部11a,11a近傍の撓み量を規制する規制片11b,11bを有する略T字形をなしている。
規制片11b,11bと外周部1bとの間は隙間があり、押圧部11,11をラジアル方向内側へ押圧し、凸部1a,1a側をラジアル方向外側へ撓ませるとき、外周部1bが規制片11b,11bに当接し、結合部11a,11a近傍の撓み量、換言すれば押圧部11,11近傍の撓み量を規制するようにしてある。 また、環体1は押圧部11,11と合成樹脂材料により一体に成形され可撓になっている。
以上のように構成された環体1の一つの凸部1aに、周方向に分断するスリット12、及び分断端部からラジアル方向外側へ延出され、先端部に外向きの爪部13aを有する二つの凸片13,13とを一体に設け、該凸片13,13が離隔する方向へ拡げることができるように成してあり、また、二つの凸片13,13が係脱を可能に嵌入される嵌入孔21を有する規制部材2の嵌入孔21に前記二つの凸片13,13が嵌入されることにより分断端部から開放されるのを規制することができるようになしてある。
凸片13,13は断面半円形をなし、図1に示すように若干離隔しており、規制部材2の嵌入孔21に嵌入される際、爪部13aが嵌入孔21の縁に当接し、二つの凸片13,13を近接させつつ嵌入孔21に嵌入することができるように構成されている。
規制部材2は嵌入孔21が開設されている筒部2aと、該筒部2aの一端に連なる環状の吊部2bとを有し、合成樹脂材料により一体に成形されている。筒部2aには嵌入孔21に開口し、爪部13aが係合する二つの係合凹部22が設けられている。
図3は環体を物干具に取付けた状態を示す説明図である。物干具3は矩形に曲げられたアルミニウム管、ステンレス管等の金属管からなる杆部材31の両端を溶接してなる枠部3aと、該枠部3aの複数の周方向位置に取付けられ、枠部3aを吊下げる紐部材3bとを有し、該物干具3の枠部3aに環体1が取付けられる。また、環体1の凸片13,13に嵌合される規制部材2の吊部2bには略S字形をなす中継部材4が引掛けられ、該中継部材4に洗濯バサミ5等が掛止される。
非取付時の環体1は、分断端部から凸片13,13が離隔する方向へ開放することができるようになっている。
図4は環体を物干具に取付ける過程の状態を示す説明図、図5は環体を物干具に取付けた状態を示す説明図、図6は物干具に取付けられた環体に規制部材が取付けられた状態を示す説明図である。環体1を物干具3の枠部3aに取付ける場合、分断端部から凸片13,13が離隔する方向へ開放し、二つの凸片13,13の間から枠部3aの杆部材31に嵌込むことにより取付けることができる(図5参照)。この後、規制部材2の嵌入孔21に二つの凸片13,13を嵌入することにより、二つの凸片13,13の爪部13a,13aが係合凹部22,22に係合し、環体1のスリット12の部分が開放するのを規制することができる(図6参照)。
環体1を枠部3aに沿って移動させる場合、押圧部11,11を押圧し、押圧部11,11側をラジアル方向内側へ摘ませつつ凸部1a,1aをラジアル方向外側へ撓ませることにより、距離H1が杆部材31の外径Dよりも長くなり、換言すれば、凸部1a,1aが杆部材31の外径Dよりも大径となり(図4参照)、この押圧状態で環体1を自由に移動させることができる。このように押圧部11,11を押圧し、押圧部11,11側をラジアル方向内側へ撓ませるとき、凸部1a,1aから周方向両側へ離隔した二つの位置1c,1cの外周部が規制片11b,11bに当接し、結合部11a,11a近傍の撓み量が規制されるため、押圧力を加減することなく内側距離H1が杆部材31の外径Dよりも長くなるように、換言すれば、凸部1a,1aが杆部材31の外径Dよりも大径となるように変形させることができ、環体1の移動操作を容易にできる。
適宜の位置で環体1の移動操作を止め、押圧力をなくすることにより、環体1が弾性復元し、距離H1が杆部材31の外径Dよりも短くなって凸部11,11が杆部材31を挟み込み、杆部材31に対する位置を維持することができる(図6参照)。従って、規制部材2の吊部2aに洗濯バサミ5等の挾持具を掛止し、洗濯物を干すような場合、風によって被吊物が揺れるときにおいても環体1の物干具3に対する位置を維持することができ、被吊物の物干具3に対する位置を維持することができる。
環体1が破損し、新しい環体1を取付ける場合、前述したように分断端部から二つの凸片13,13が離隔する方向へ開放し、二つの凸片13,13の間から枠部3aの杆部材31に嵌込むことにより取付けることができ、この後、規制部材2の嵌入孔21に凸片13,13を嵌入することにより、該凸片13,13の爪部13a,13aが係合凹部22,22に係合し、分断端部が開放されるのを防止できる。従って、複数の環体1が破損した場合においても、物干具3を交換することなく、破損した個数の環体1を補充することにより、長期間に亘って使用することができる。
図7は環体を備える吊具の実施の形態を示す分解した一部縦断正面図、図8は環体に規制部材が結合された状態の一部縦断正面図である。この吊具は図1〜図6に示した環体1と、該環体1の二つの凸片13,13が嵌入される嵌入孔21及び洗濯バサミ5等の挾持具が吊下げられる吊部2bを有し、環体1が分断端部から開放されるのを規制する規制部材2とを備える。
この規制部材2は、嵌入孔21が開設されている筒部2aと、該筒部2aの一端に連なる環状の吊部2bとを有し、合成樹脂材料により一体に成形されている。筒部2aには嵌入孔21に開口し、爪部13a,13aが係合する二つの係合凹部22,22が設けられている。
このように構成された吊具において、環体と規制部材2とは離脱しており、物干具3に取付けられる際、規制部材2が環体の凸片13,13に嵌合されるが、その他、規制部材2が環体の凸片13,13に挿脱を可能に予め嵌合されており、物干具3に取付けられる際、規制部材2を一旦取外し、環体を物干具3に取付た後、再度規制部材2を環体の凸片13,13に嵌合することもできる。
その他の構成及び作用効果は図1〜図6に示した実施の形態と同様であるため、同様の構成については同じ符号を付し、その詳細な説明及び作用効果の説明を省略する。
図9は規制部材の他の実施の形態を示す断面図、図10は規制部材の他の実施の形態を示す底面図である。この規制部材2は二つの凸片13,13が相対回転及び係脱を可能に嵌入される嵌入孔23を中央部に開設してある円板部2cと、該円板部2cの周縁部に連なり、略U字形をなす吊部2dとを有し、合成樹脂材料により一体成形されている。円板部2cは、嵌入孔23に凸片13,13が嵌入されたとき、該凸片13,13の爪部13a,13aが嵌入孔23の縁部に係合する板厚に形成されている。
図11は規制部材が環体に結合された状態を示す一部縦断正面図である。この実施の形態にあっては、環体1を物干具3の枠部3aに取付ける場合、規制部材2の嵌入孔23に嵌入された凸片13,13の爪部13a,13aが嵌入孔23の縁部に係合し、規制部材2の離脱を防止できる。また、規制部材2の吊部2dに中継部材4を介して掛止される洗濯バサミ5等が挾持する被吊物の大きさ等により規制部材2を環体1に対して回転させることができるため、被吊物の位置変更を容易にできる。
その他の構成及び作用効果は図1〜図8に示した実施の形態と同様であるため、同様の構成については同じ符号を付し、その詳細な説明及び作用効果の説明を省略する。
尚、以上説明した実施の形態では、略楕円形をなす環体1が規制片11b,11bを有する構成としたが、この規制片11b,11bをなくし、外周部1bに押圧部11,11が設けられた構成としてもよく、押圧部11,11の構成は特に制限されない。
また、以上説明した実施の形態では内側の対向する二つの位置に凸部1a,1aを有する構成としたが、その他、内側の1つの周方向位置に凸部1aを有する構成としてもよい。また、凸部1aは図1に示すように湾曲する形状である他、円形の内周面の一部が内側へ突出する形状であってもよく、凸部1aの形状は特に制限されない。
また、本発明に係る環体1、及び吊具は物干具3に用いられる他、竿部材、ロープ等の条体に適宜の物を吊すために用いることも可能である。
本発明に係る環体の構成を示す一部を断面した正面図である。 本発明に係る環体を撓ませた状態を示す説明図である。 本発明に係る環体を物干具に取付けた状態を示す説明図である。 本発明に係る環体を物干具に取付ける過程の状態を示す説明図である。 本発明に係る環体を物干具に取付けた状態を示す説明図である。 物干具に取付けられた環体に規制部材が取付けられた状態を示す説明図である。 本発明に係る環体を備える吊具の実施の形態を示す分解した一部縦断正面図である。 本発明に係る環体に規制部材が結合された状態の一部縦断正面図である。 本発明に係る吊具の規制部材の他の実施の形態を示す断面図である。 本発明に係る吊具の規制部材の他の実施の形態を示す底面図である。 本発明に係る吊具の規制部材が環体に結合された状態を示す一部縦断正面図である。
符号の説明
1 環体
1a 凸部
12 スリット
13 凸片
13a 爪部
2 規制部材
2b 吊部
21,23 嵌入孔

Claims (3)

  1. 内側へ突出している凸部を有し、該凸部から周方向両側へ離隔した二つの位置をラジアル方向内側へ押圧することにより凸部がラジアル方向外側へ撓むようになしてある環体において、前記二つの位置の間で周方向に分断するスリットと、分断端部からラジアル方向外側へ延出され、且つ離隔する方向へそれが開放されるのを規制する規制部材が嵌合されるべき二つの凸片とを有することを特徴とする環体。
  2. 内側へ突出している凸部を有し、該凸部から周方向両側へ離隔したつの位置をラジアル方向内側へ押圧することにより凸部がラジアル方向外側へ撓むようになしてある環体を備え、該環体に適宜の物品が吊下げられる吊具において、前記環体は前記二つの位置の間で周方向に分断するスリットと、分断端部からラジアル方向外側へ延出されている二つの凸片とを設けてあり、前記二つの凸片が嵌入される嵌入孔及び前記物品が吊下げられる吊部を有し、前記環体が分断端部から開放されるのを規制する規制部材を備えることを特徴とする吊具。
  3. 前記規制部材は、前記二つの凸片を中心として回転を可能にしてある請求項2記載の吊具。
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