JPH0636404A - 磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気記録再生装置

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JPH0636404A
JPH0636404A JP5118596A JP11859693A JPH0636404A JP H0636404 A JPH0636404 A JP H0636404A JP 5118596 A JP5118596 A JP 5118596A JP 11859693 A JP11859693 A JP 11859693A JP H0636404 A JPH0636404 A JP H0636404A
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英生 岡田
Narimitsu Kakiwaki
成光 垣脇
Masaji Tsuji
政次 辻
Toru Okuda
徹 奥田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 速度制御ループ内に、周期的な外乱量あるい
は速度誤差(例えばモータートルクリップル)を学習し
て次の周期にフィードフォワードで加算する学習補償器
の遅延時間をリールモーターの回転数に応じて可変する
ようにしたのでキャプスタンモーター等を用いないでリ
ールモーターだけで磁気テープを等速駆動させる事ので
きる磁気記録再生装置の問題であった周期的な速度誤差
(モータートルクリップル)を低減することができ、部
品点数が極めて少ない定速テープ走行メカニズムを提供
すること。 【構成】 1は磁気テープ、2は巻き取り側リール、3
は供給側リール、4はテープガイド、5はテイク側リー
ルモーター、7はプレッシャーパッドで、磁気テープ1
はサプライリール3からテイクリール2にテープガイド
4に案内され巻装されている。上記磁気テープ1、巻き
取り側リール2、供給側リールは同一のカセットケース
内に収納されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気テープを用いる磁気
記録再生装置に関し、特にキャプスタンモータ等を用い
ないでリールモーターだけで磁気テープを等速駆動させ
る事のできる磁気記録再生装置のモータートルクリップ
ル等によって発生する速度ムラを低減する技術に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、磁気テープを用いる磁気記録再生
装置では、磁気テープの定速駆動をキャプスタンと磁気
テープを介してキャプスタンに圧接されるピンチローラ
で磁気テープを挟持し、キャプスタンを一定速度で回転
させ実現している。また、送られた磁気テープをリール
に巻き取る必要があるが、リール半径は時間と共に変化
するため、リールの回転速度も時間と共に変化する。そ
のため、1個の駆動モータでキャプスタン軸とリール軸
を駆動する場合には、リール軸駆動系にスリップ機構を
入れざるを得なかった。また、一定速度で駆動する以外
に、テープの早送り等の機能も必要であり、そのためモ
ーターからリール系への減速率を磁気テープを一定速度
で送る場合と早送りの場合とで切り替える必要があり、
複雑な機構が必要であった。また、記録、再生時には一
定速度でテープを駆動し、早送り時には通常速度の数倍
から数十倍のテープ速度でテープを駆動する必要があ
る。
【0003】さらに、オートリバース対応とするとキャ
プスタン、ピンチローラなどがフォワード用、リバース
用にそれぞれ必要となり、そのうえ再生、早送り、巻戻
しなどの各モードへの切り替え機構も必要である。その
ために、非常に多くの部品からなる複雑な機構を用いて
実現しており、駆動系の軽量化、低コスト化に限界があ
った。これに対し従来は、磁気テープ速度検出手段を用
いてテープ速度を検出し、その情報に基づいてリールの
回転数を制御することでキャプスタン等を用いずに非常
に少ない部品点数で一定速度でテープ送りを実現できる
テープ走行メカニズムを構成していた。例えば特開昭5
0−150410、特開昭57−117152の場合、
上記速度検出手段に速度検出ローラーを用いた構成とな
っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術において
次のような問題点があった。この種の磁気記録再生装置
においては、記録、再生時にはテープ速度を安定に走行
させる必要が有り、いわゆるワウフラッター値は0.3
%(JIS、RMS、聴感補正無し)以内にする必要が
ある。従来のキャプスタンを用いないでリールモーター
で磁気テープを定速駆動する方式ではワウフラッター値
は大きく、特に負荷の比較的大きなテープカセットを用
いた場合上記値を越えるという問題がありオーディオユ
ースとして使用不可能であった。さらに詳しくは上記ワ
ウフラッターを悪化させる原因はリールモーターの回転
数に比例するトルクリップルが支配的であった。
【0005】また、リールモーターはその性質上、磁気
テープの巻始め(BOT)から巻終わり(EOT)にか
けて回転数が変化するため、トルクリップルを低減する
ことが困難となっていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る制御方式は
上記問題点に顧みて、その問題点の原因であるモーター
トルクリップルを低減すべく速度制御ループ内に、周期
的な速度誤差(モータートルクリップル)を学習して次
の周期(遅延時間)にフィードフォワードで加算する学
習補償器を備え、上記学習補償器の遅延時間をリールモ
ーターの回転数に応じて可変するようにしたものであ
る。さらに上記学習制御を安定化するために帯域制限用
のフィルター及びアッテネーターを付加し、さらに上記
フィルター及びアッテネーターの付加による遅延時間の
変動を補正する手段を設けた構成としたことを特徴とす
る。
【0007】さらに、上記制御方式において、上記アッ
テネーターの値を1/2N(Nは0以上の整数)とする
構成としたことを特徴とする。
【0008】
【作用】上記のように構成された本発明を採用すること
で、ワウフラッターの原因となっているリールモーター
のトルクリップルを極力低減することが可能となり、従
来のメカニズムで必要であったキャプスタン、ピンチロ
ーラ、スリップ機構等が無い極めて部品点数の少ないリ
ールモーターによるワウフラッターの小さな定速度制御
が可能な磁気記録再生装置が得られる。
【0009】さらに、リールモーターの回転数を検出す
ることにより、BOTからEOTにかけて変化するトル
クリップルの周期に追従してトルクリップルを低減する
ことができる。
【0010】また、さらに、アッテネーターの値を1/
N(Nは0以上の整数)とすることにより、アッテネ
ーターでの演算をビットシフトで行うことができ、演算
時間の短縮及び回路規模の縮小が図られ、本制御をCP
U内での処理で行うことが可能となり、安価な磁気記録
再生装置が得られる。
【0011】
【実施例】
(実施例1)以下、図面を用いて第1の発明に基づく実
施例を説明する。
【0012】第1図は、本発明におけるリールモーター
の速度制御ループ内に、モータートルクリップル等によ
って発生する周期的な速度誤差を学習して次の周期(遅
延時間)にフィードフォワードで加算する学習補償器を
付加し、上記遅延時間をテイク側リールの回転数に応じ
て可変する磁気記録再生装置のブロック図である。図1
において、1は磁気テープ、2は巻き取り側リール(以
下テイクリール)、3は供給側リール(以下サプライリ
ール)、4はテープガイド、5はテイク側リールモータ
ー(以下リールモーター)、7はプレッシャーパッド
で、磁気テープ1はサプライリール3からテイクリール
2にテープガイド4に案内され巻装されている。上記磁
気テープ1、テイクリール2、サプライリール3は同一
のカセットケース(図示せず)内に収納されている。
【0013】磁気記録再生装置の記録再生動作中、磁気
テープ1はリールモーター5の駆動力によりサプライリ
ール3 からリールに図中矢印6の方向に定速走行して
いる。なお、サプライリール3にも他のリールモーター
が付随しているが本発明と直接関連がないので省略して
いる。一方磁気ヘッド8はカセットケース内に挿入され
プレッシャーパッド7とにより走行している磁気テープ
1を挟持することで磁気テープ1に信号を記録、または
磁気テープ1から信号を再生している。9は信号処理部
で磁気テープから読み取った信号や磁気テープ1に記録
する信号に所定の処理を加える回路部である。なお信号
処理部9は音声を処理する事が主であるがこれに限る訳
ではない。次に速度制御ループについて説明する。
【0014】速度制御は一般的に知られているため簡単
に説明する。10は磁気テープ1の速度検出部、12は
比較回路、13は目標値、14は位相補償回路、15は
モータードライバである。速度検出部10は回転ローラ
とロータリーエンコーダで構成され磁気テープ1の速度
をパルスで出力している。11は波形整形回路でアンプ
等で構成され速度検出部10から得られた信号を所定の
波形に整形し出力する。12は比較回路で、比較回路1
2は一定の時間に入力されたパルス数と目標値13を比
較し誤差信号を出力する。
【0015】14は位相補償回路である。15はモータ
ードライバで入力された信号に応じて次段のリールモー
ターの駆動を行っている。以上のように速度制御ループ
が構成されているためリールモーターは速度検出部から
のパルス数が常に目標値になるように制御されているた
め、磁気テープ1は一定の速度で駆動される。次に学習
制御について説明する。20は学習補償器で図中破線で
示している。学習制御部20は図のように後述する遅延
時間がLの遅延回路21で構成され、比較回路12の出
力値を記憶しL時間後の比較回路12の出力値に加算し
ている。これを伝達関数で示すと数1で表される。
【0016】
【数1】
【0017】ここで、sはラプラス変換における複素変
数である。
【0018】上述した学習制御の効果は多数の文献にて
述べられているのでここでは詳細な説明は省略するが、
例えば電気学会論文誌C、昭55−7『陽子シンクロト
ロン電磁石電源の繰り返し運転における高精度制御』な
どがある。
【0019】図2に学習補償器20の伝達特性をシミュ
レーションした結果を示す。図中実線がゲイン、一点鎖
線が位相である。ここでは、リールモーターのトルクリ
ップルがモーター回転数の10倍で発生するとして、遅
延時間LをBOTに相当するリールの回転数0.84
[Hz]の10倍の周波数8.4[Hz]に相当する周
期1/8.4[sec]に設定した場合を示している。
尚、遅延時間Lをリールの回転数の10倍に相当する周
期に設定したのは、本実施例で使用したリールモーター
5のトルクリップルが1回転につき10回発生するため
であり、モーターの種類によりこの倍数は当然異なる。
【0020】このように遅延時間Lをリールモーター5
のトルクリップルの周期に相当する値に設定することに
より、リールモーターのトルクリップルの周波数の整数
倍の周波数で一巡伝達特性のゲイン特性が向上できる。
一方、22はリールモーター2の回転数検出部で、リー
ルモーターのロータに付けられたパルスパターン(図示
せず)をフォトインタラプタ(図示せず)によって読み
だし、モーターの回転数に比例したパルスを得る構成と
なっている。なおここでは、リールモーター2の回転数
検出を上述の方法で検出しているがこの方式に限る訳で
はなく、例えばリールモーター2の逆起電圧等を利用し
てもよい。
【0021】23は回転数検出部22からの出力を所定
の波形に整形する回路で、アンプ等から構成されてい
る。24は回転数演算回路で入力された信号からリール
モーター5の回転数を算出している。25は遅延時間演
算回路で回転数演算回路24で得られた情報からリール
モーター5のリップルに相当する周期を算出し遅延回路
21の遅延時間Lを得る。例えば、リールモーターの回
転数の10倍の逆数として周期を算出する。従って、遅
延時間はBOTからEOTにかけてリールモーターの回
転数に応じて追従することが可能となる。また本実施例
では1周期前の情報を学習するような構成としたが、例
えばシステムと制御、vol.31、no5、1987
『繰り返し型学習補償器を用いた制御系の外乱抑制の考
察と多重周期学習補償器の提案』で記載のように多重周
期の学習補償器であってもよい。下記に多重周期の学習
補償器の伝達関数を数2に示す。
【0022】
【数2】
【0023】ここで、kiは係数で、好ましくはki=1
/nである。nは多重度(2、3、4・・・)である。
【0024】この場合上記文献にも記載されているよう
に遅延時間外での学習補償器の伝達特性のゲイン低下が
抑制されることになり、制御特性が良好となる。
【0025】以上のように構成されたことによりリール
モーター5の回転数の変化に応じ遅延回路21の遅延時
間Lが算出されているために、リールモーター5のBO
TからEOTにかけて常にリップルが減少するように働
く事が可能となり、ワウフラッターの低減が行える。
【0026】(実施例2)次に第2の発明に基づく実施
例を図面を用いて説明する。
【0027】図3は、本発明の第2の発明におけるリー
ルモーターの速度制御ループ内に、モータートルクリッ
プル等によって発生する周期的な速度誤差を学習して次
の周期(遅延時間)にフィードフォワードで加算する学
習補償器を付加し、上記学習補償器のループ内に帯域制
限用のフィルターとアッテネーターを設けた磁気記録再
生装置のブロック図である。図中実施例1で説明したも
のと同部品、同回路については同じ番号を記し、説明を
省略する。図において、20は本実施例における学習補
償器で遅延回路21、とフィルター27とアッテネータ
ー28より構成されている。フィルター27は学習補償
器の帯域を制限するためで、周期的な速度誤差(モータ
ートルクリップル)の含まれている帯域以外の領域のゲ
インを制限して速度制御系のゲイン余裕を確保してい
る。
【0028】例えば、ローパスフィルターとしてサンプ
リングホルダー(サンプリング周波数=84[Hz])
を用いる。つぎにアッテネーター28は位相特性を改善
するように設けられている。これにより、実施例1の学
習補償回路では図2でも示されるように速度制御系の安
定範囲は制御対象にたかだか±90°以下の位相遅れし
か許さないため1次以上の遅れ要素を持つ制御系では不
安定な系となるが、この欠点を改善できる。例えば、ア
ッテネーター28の値を1/2と設定すれば±150°
まで位相遅れを許容できることになり、速度制御系の安
定化が図られる。下記に本実施例による学習補償器の伝
達関数を数3に示す。
【0029】
【数3】
【0030】ここで、Kはアッテネーター28の値、F
(s)はフィルター27の伝達係数である。
【0031】また図4に遅延時間Lを実施例1と同様に
1/8.4[sec]に設定し、フィルター27として
サンプリングホルダー(サンプリング周波数=84[H
z])、アッテネーター28の値を1/2としたときの
伝達特性をシミュレーションした結果を示す。図2に比
べて位相特性が改善され、高域のゲインが制限されてい
る。
【0032】以上のように構成される事により、1次以
上の位相遅れを持つ制御系においても安定化が図られ
る。
【0033】(実施例3)つぎに第3の発明に基づく実
施例を図面を用いて説明する。
【0034】図5は、本発明の第3の発明におけるリー
ルモーターの速度制御ループ内に、モータートルクリッ
プル等によって発生する周期的な速度誤差を学習して次
の周期(遅延時間)にフィードフォワードで加算する学
習補償器を付加し、上記学習補償器のループ内に帯域制
限用のフィルターとアッテネーターを設けた磁気記録再
生装置において、帯域制限用のフィルターの時定数をリ
ールの回転数に応じて可変する磁気記録再生装置のブロ
ック図である。図中実施例1、実施例2で説明したもの
と同部品、同回路については同じ番号を記し、説明を省
略する。図中30はフィルター定数演算回路で、回転数
演算回路24からの出力値に応じてフィルターの定数を
計算する回路である。27は学習補償器の帯域制限用の
フィルターで上記フィルター定数演算回路30で得られ
た値に応じてフィルター定数を変えている。
【0035】以上のように構成されることにより、本実
施の学習補償器の帯域制限用のフィルター27はリール
の回転数に応じてフィルター定数を可変できるため、B
OTではリール31の回転が早くモータートルクリップ
ルは高い周波数で発生してしており、フィルター27の
カットオフ周波数は高く設定し(サンプリングホルダー
のサンプリング周波数を高くする)、またEOTではリ
ール2の回転が遅く、モータートルクリップルは低い周
波数で発生しており、フィルター27のカットオフ周波
数は低く設定すること(サンプリングホルダーのサンプ
リング周波数を低くすること)ができる。従って、学習
補償器のフィルター27の定数はBOTからEOTにか
けて常に最適化が図られる。
【0036】(実施例4)つぎに第4の発明に基づく実
施例を図面を用いて説明する。
【0037】図6は、本発明の第4の発明におけるリー
ルモーターの速度制御ループ内に、モータートルクリッ
プル等によって発生する周期的な速度誤差を学習して次
の周期(遅延時間)にフィードフォワードで加算する学
習補償器を付加し、上記学習補償器のループ内に帯域制
限用のフィルターとアッテネーターを設けた磁気記録再
生装置において、遅延量演算回路25から得られた遅延
時間に補正係数をかけて遅延時間を補正した磁気記録再
生装置のブロック図である。図中、先の実施例で説明し
たものと同部品、同回路については同じ番号を記し、説
明を省略する。図中32は補正係数で、リール2の回転
数に基づいて遅延時間演算回路25で求められた遅延時
間Lに所定の補正係数Zをかけて遅延時間を補正する。
【0038】つぎに補正係数について詳しく述べる。図
4は先述した学習補償器20の伝達特性を示す。このよ
うに学習補償器の伝達特性は遅延時間Lつまりモーター
トルクリップルに相当する周波数の整数倍でゲインが大
きくなっていることが特徴である。ところで先述したよ
うに制御系の安定のために、遅延時間に帯域制限用のフ
ィルター27を設けた場合、遅延時間Lがずれてくる現
象が発生する。例えば図4中↓で示す位置は遅延時間L
に相当する周波数(8.4[Hz])の4倍成分(3
3.6[Hz])に相当する周波数であるが、実際ゲイ
ンのピークは↓の位置よりも低い値にシフトしている。
このシフトの影響はシフト量が小さい場合は問題となら
ないが図4のように大きい場合↓の位置でのゲインはか
なり低くなっており、この状態では学習補償器の効果が
現れなくなる。
【0039】これは帯域制限用のフィルター27が学習
補償器の制御ループ内に存在し、学習補償器の伝達特性
がフィルター27の伝達特性に影響を受けシフトするよ
うになるからである。従って、当然ながらシフト量はフ
ィルター27と遅延回路21の伝達特性に影響する。図
7は補正係数32の値を0.966とした時の学習補償
器の伝達特性である。33.6[Hz]にゲインのピー
クが移動している。このように補正係数を導入すること
により学習補償器の伝達特性のゲインのピーク位置が遅
延時間Lの整数倍になるように補正でき、学習補償器の
上述した効果が得られる。
【0040】(実施例5)つぎに第5の発明に基づく実
施例を説明する。表1は前述した実施例4における補正
係数をBOTとEOTについてシミュレーションでもと
めた結果を示す。シミュレーションの条件はフィルター
27にサンプリングホルダーを用いており、そのサンプ
リング周波数を固定し、学習補償器の多重度毎に求めて
いる。
【0041】
【表1】
【0042】表1に示すようにBOTからEOTにかけ
て補正係数が異なっており、BOTからEOTにかけて
最適な学習補償器の効果を得るためにはリールの回転数
に応じて可変する必要があることが分かる。図8は、本
発明の第5の発明におけるリールモーターの速度制御ル
ープ内に、周期的な速度誤差(モータートルクリップ
ル)を学習して次の周期(遅延時間)にフィードフォワ
ードで加算する学習補償器を付加し、上記学習補償器の
ループ内に帯域制限用のフィルターとアッテネーターを
設けた磁気記録再生装置において、学習補償器の遅延時
間にリールの回転数に応じた補正係数をかけて遅延時間
を補正した磁気記録再生装置のブロック図である。
【0043】図中、先の実施例で説明したものと同部
品、同回路については同じ番号を記し、説明を省略す
る。40は補正係数演算回路で、回転数演算回路24の
出力値に応じて補正係数の値を演算または表1のように
予めシミュレーション等により計算されテーブル化され
た補正係数表から求める。以上のように構成された本発
明を用いることにより、上述したように、BOTからE
OTにかけて常に最適な補正係数が得られる。従って学
習補償器は常に最適化されトルクリップル低減を効果的
に行うことが可能である。
【0044】(実施例6)つぎに第6の発明に基づく実
施例を説明する。表2は前述した実施例4において、サ
ンプリングホルダーのサンプリング周期を遅延時間の1
/10倍、1/20倍、1/40倍とし、補正係数をシ
ミュレーションで学習補償器の多重度毎に求めた結果を
示す。
【0045】
【表2】
【0046】なお表2のシミュレーションの結果は上記
条件で有効であって、補正係数は本実施例のように、予
めシミュレーション等によって求める必要がある。この
ように補正係数はサンプリング周期を遅延時間のn倍に
設定することにより一意的に求まり補正係数の値をBO
TからEOTにかけて変化する遅延時間によらず、固定
する事ができる。図9は、第6の発明におけるリールモ
ーターの速度制御ループ内に、周期的な速度誤差(モー
タートルクリップル)を学習して次の周期(遅延時間)
にフィードフォワードで加算する学習補償器を付加し、
上記学習補償器のループ内に帯域制限用のフィルターと
アッテネーターを設けた磁気記録再生装置において、帯
域制限用のフィルターの定数を遅延時間に応じて可変し
た磁気記録再生装置のブロック図である。
【0047】図中、先の実施例で説明したものと同部
品、同回路については同じ番号を記し、説明を省略す
る。41はフィルター定数演算回路で遅延時間演算回路
25からの出力値に応じてフィルター27のフィルター
定数を演算又は表2のように予めテーブル化された表よ
り求める。例えばフィルター27がサンプリングホルダ
ーより構成されていれば、上述したようにサンプリング
ホルダーのサンプリング周期を遅延時間演算回路25で
得られた遅延時間Lのn倍となるように計算する。以上
のように構成する本発明によりBOTからEOTにかけ
て補正係数を固定することができ回路構成を簡略化でき
る。なお、本実施例ではフィルター27にサンプリング
ホルダーを用いたが、どのようなフィルターでもよくフ
ィルターの時定数が遅延時間Lのn倍となるようにすれ
ばよい。
【0048】図10は本発明の磁気記録再生装置を使用
したときの効果をワウフラッタメータの測定結果で示し
ている。図中上段は従来のリールモーターによる磁気テ
ープの定速駆動でのしたときのワウフラッターのFFT
による周波数分析結果、下段は本発明によるところの磁
気記録再生装置を使用したときのワウフラッターのFF
Tによる周波数分析結果である。図中▽で示す部分がト
ルクリップルであるが下段の値は上の値に比べて低減さ
れている。このように本発明の磁気記録再生装置を使用
することによりワウフラッターの低減が行えている事が
よく分かる。
【0049】(実施例7)実施例2において、アッテネ
ーターの値を1/2N(Nは0以上の整数)とした演算
で位相特性を改善するように設けられている。本実施例
におけるアッテネーターの構成を図11に示す。図11
に示すようにアッテネーターはシフトレジスター50で
構成され、Nビットのシフトによりアッテネーター28
の値を1/2Nとした演算を容易に行うことができる。
【0050】例えばN=0の時は、学習制御による位相
遅れが最大90°となり速度制御系の安定範囲は制御対
象に高々±90°以下の位相遅れしか許されないため
で、1次以上の遅れ要素をもつ制御系では不安定な系と
なる。しかし、N=1と設定すれば、実施例2で述べた
ように、±150°まで位相遅れを許容できることにな
り、速度制御系の安定化が図られる。
【0051】尚、アッテネーターをシフトレジスターで
構成するためには、本発明における信号処理系がデジタ
ルで構成されている場合を前提としていることは言うま
でもなく明らかである。
【0052】また、本実施例はアッテネーターを有する
実施例3、実施例4、実施例5、実施例6に対しても同
様に適用できる。
【0053】
【発明の効果】本発明によれば速度制御ループ内に、周
期的な外乱量あるいは速度誤差(モータートルクリップ
ル)を学習して次の周期にフィードフォワードで加算す
る学習補償器の遅延時間をリールモーターの回転数に応
じて可変するようにしたのでキャプスタンモータ等を用
いないでリールモーターだけで磁気テープを等速駆動さ
せる事のできる磁気記録再生装置の問題であった周期的
な速度ムラ(モータートルクリップル)を低減すること
ができ、オーディオユースに使用することが可能とな
る。
【0054】さらに上記学習制御を安定化するために帯
域制限用のフィルター及びアッテネーターを付加し、さ
らに上記フィルター及びアッテネーターの付加による遅
延時間の変動を補正する手段を設けたために常に最適な
状態で上記学習補償器の効果が得られる。
【0055】さらに上記アッテネーターの値を1/2N
とすることにより、演算が簡略化され、コプロセッサー
など多大な演算回路を必要とせず、小規模なCPUで制
御系が構成されるため、安価に磁気記録再生装置の学習
補償器の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例における磁気記録再生装置
のブロック図である。
【図2】本発明の第1実施例における学習補償器の伝達
特性を示す図である。
【図3】本発明の第2実施例における磁気記録再生装置
のブロック図である。
【図4】本発明の第2実施例における学習補償器の伝達
特性を示す図である。
【図5】本発明の第3実施例における磁気記録再生装置
のブロック図である。
【図6】本発明の第4実施例における磁気記録再生装置
のブロック図である。
【図7】本発明の第4実施例における学習補償器の伝達
特性を示す図である。
【図8】本発明の第5実施例における磁気記録再生装置
のブロック図である。
【図9】本発明の第6実施例における磁気記録再生装置
のブロック図である。
【図10】本発明の第6実施例における磁気記録再生装
置のワウフラッタの周波数分析図である。
【図11】本発明の第7実施例におけるアッテネーター
の構成図である。
【符号の説明】
1 磁気テープ 2 テイクリール 3 サプライリール 5 リールモーター 10 速度検出部 20 学習補償器 21 遅延回路 22 回転数検出部 25 遅延時間演算回路 27 フィルター 28 アッテネーター 30 フィルター定数演算回路 32 補正係数 40 補正係数演算回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥田 徹 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リールモーター速度制御ループ内に、周
    期的な速度誤差を学習して次の周期(遅延時間)にフィ
    ードフォワードで加算する学習補償器を備え、前記リー
    ルモーターの回転数を検出する回転検出手段を有し、前
    記学習補償器の遅延時間を回転検出手段の出力値に応じ
    て可変するようにした事を特徴とする磁気記録再生装
    置。
  2. 【請求項2】 リールモーター速度制御ループ内に、周
    期的な速度誤差を学習して次の周期(遅延時間)にフィ
    ードフォワードで加算する学習補償器を備え、前記リー
    ルモーターの回転数を検出する回転検出手段を有し、前
    記学習補償器の遅延時間を回転検出手段の出力値に応じ
    て可変するようにした磁気記録再生装置において、学習
    補償器の制御ループ内に帯域制限用のフィルター及びア
    ッテネーターを付加したことを特徴とする磁気記録再生
    装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の帯域制限用のフィルター
    の時定数をリールモーターの回転検出手段の出力値に応
    じて可変するようにしたことを特徴とする特許請求の範
    囲第2項記載の磁気記録再生装置。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の磁気記録再生装置におい
    て、学習補償器の遅延時間に遅延時間補正係数を掛ける
    こと特徴とする特許請求範囲第2項記載の磁気記録再生
    装置。
  5. 【請求項5】 請求項2記載の磁気記録再生装置におい
    て、学習補償器の遅延時間に遅延時間補正係数を掛け、
    該遅延時間補正係数の値を第2項記載の回転検出手段の
    出力値に応じて可変するようにしたことを特徴とする特
    許請求の範囲第2項記載の磁気記録再生装置。
  6. 【請求項6】 請求項2記載の帯域制限用のフィルター
    の時定数を遅延量演算回路で計算した遅延時間のn倍と
    した事を特徴とする特許請求の範囲第2項記載の磁気記
    録再生装置。
  7. 【請求項7】 請求項2、3、4、5又は6記載の磁気
    記録再生装置において、アッテネーターの値を1/2N
    (Nは0以上の整数)であることを特徴とする特許請求
    の範囲第2項、第3項、第4項、第5項又は第6項記載
    の磁気記録再生装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008000503A (ja) * 2006-06-26 2008-01-10 Matsushita Electric Ind Co Ltd 洗濯機

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