JPH0635910Y2 - 船尾防振ダンパー - Google Patents

船尾防振ダンパー

Info

Publication number
JPH0635910Y2
JPH0635910Y2 JP19654487U JP19654487U JPH0635910Y2 JP H0635910 Y2 JPH0635910 Y2 JP H0635910Y2 JP 19654487 U JP19654487 U JP 19654487U JP 19654487 U JP19654487 U JP 19654487U JP H0635910 Y2 JPH0635910 Y2 JP H0635910Y2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tank
water level
air pipe
stern
air
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP19654487U
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0198795U (ja
Inventor
正志 岡
惟夫 山野
穂高 清水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kawasaki Motors Ltd
Original Assignee
Kawasaki Jukogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawasaki Jukogyo KK filed Critical Kawasaki Jukogyo KK
Priority to JP19654487U priority Critical patent/JPH0635910Y2/ja
Publication of JPH0198795U publication Critical patent/JPH0198795U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JPH0635910Y2 publication Critical patent/JPH0635910Y2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Vibration Prevention Devices (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は、プロペラサーフェスフォースによって惹起さ
れる船体振動の防止を目的とする船尾防振ダンパーに関
する。
(従来の技術) 船尾に配設されたプロペラが回転すると、回転数×ブレ
ード数×整数倍の圧力変動が生起しこれが船尾振動を誘
発する。そのため従来よりこのプロペラサーフェスフォ
ースによる船尾振動を防止するため種々の防振ダンパー
が提案されている。その一つに実公昭57−11837号の船
尾防振装置がある。この装置は、第6図及び第7図に示
すように、船尾船体1に配設されたプロペラ2の直上の
船体内にタンク4が設けられ、しかもこのタンクの底面
5にはタンク4内と外海水とを連通する開孔5aが設けら
れてタンク4内下部に海水層8を形成するようになって
いる。一方、タンクの頂部4aには空気管11がその下端を
タンク4の頂面に固着して立設されている。そして、タ
ンク4内上部に存在する空気層7の圧力保持のため、気
蓄器10が連通管12を介して上記空気管11と連結されて配
備されている。空気管11には外海の水面の変動に応じて
開閉操作する弁11a、また連通管12には弁12aが気蓄器10
等のメンテナンス等のために設けられている。
(考案が解決しようとする問題点) かかる船尾部の防振ダンパーは、タンク上部の空気層を
ダンパーとして機能させようとするものであるから、タ
ンクの上部に常に空気層を確保する必要がある。そのた
め上記従来の装置においては、空気管11の弁11aを閉と
し、気蓄器10を作動させてタンク4内の空気層を適切な
圧力に維持するようにしている。しかしながら、例えば
船が浅い吃水で航行中、船の動揺等によりタンク4の底
面5が水面より露出してタンク4内の水が外に流出して
しまった場合、再びタンク4内に水が入り込もうとする
とタンク4内には気蓄器10による圧力がかかっているた
め元の水位に回復するのに相当な時間を要することにな
る。また、船体運動により短周期で吃水変化してタンク
内水位が下がった場合も上記と同様である。この場合空
気管11の弁11aを開けばよいが瞬時的に起こる船の動揺
等によって生じる吃水変化にその都度対処して弁操作す
ることは実際上困難である。上記のように、タンク4内
を常に気密に保つような構成では、吃水変化が生じた場
合にタンク4内に海水層と空気層の形成回復に時間がか
かり、タンク4のダンプタンク(防振装置)としての機
能が損なわれることがある。
また、従来装置では気蓄器等の機器が必要となって装置
が複雑化する上、それら機器の保守点検作業も必要とな
る。また、船尾のような狭隘な場所においては気蓄器等
の配置が難しく、気蓄器等の保守点検作業も困難であ
る。
そこで本考案においては、上記従来のようにタンク内を
常に気密にするという思想を排して、むしろ空気の出入
りを積極的に利用することにより、常に防振効果を発揮
させるために必要な厚さの空気層をタンク内に確保しう
るような空気パイプをタンクに設けることにより、従来
装置の問題点を解決しようとするものである。
(問題点を解決するための手段) そのため、本考案にかかる船尾防振ダンパーは、プロペ
ラを備えた船舶の船尾部であって、該プロペラの上方の
船体内にタンクを設け、該タンクと外海水とを連通する
開孔を該タンクの底面に設けた防振ダンパーにおいて、
該タンクの上方に一端を大気に開口し、他端を該タンク
の頂面を貫通して防振効果を発揮しうる必要最小空気層
厚さに相当する長さを該タンク下方に突出させて開口し
た空気パイプを設け、しかも該空気パイプの断面積aと
該タンクの水平断面積Aとの関係をa<0.03Aとし、該
空気パイプを介して該タンク内と大気とが連通している
ことを特徴とするものである。
(作用) 上記本考案の構成によれば、タンクの底面に設けた開孔
より該タンク内の下層部に海水層、上層部に空気層が形
成される。一方、該タンクの断面積に対し所定の径を有
する空気パイプが、該タンクと大気とを常に連通させて
設けてあるからタンク内への空気の出入りが限られた範
囲で許容される。これにより瞬時的な吃水変化に対して
はタンク内水位の変化はきわめて小さくなる。
つまり、ピッチングのような短周期で変わるタンク外の
水面変化に対しては、a<0.03Aに基づきタンク内への
又はタンク内からの空気の出入りに抵抗をつけて、タン
ク内の水位は上昇しにくく、かつ、下降しにくい作用を
得ることで、タンク内水位はこれに簡単に追随せず、そ
の一方比較的長い時間をかけて変化するたタンク外の水
面変化に対しては、タンク内と大気とが連通しているた
め(従ってa=0ということはない)タンク内水位の回
復に過大な時間を要さないようにこれを追随するように
する。
さらに該空気パイプを該タンクの頂面より適当長さ、即
ち防振効果を発揮しうる必要最小空気層厚さに相当する
長さ突出させているから船舶の吃水が大きく変化しても
該タンクの上層部には常に必要最小厚さ以上のの空気層
が確保される。
以上の結果、防振効果を発揮するために必要な最小厚さ
以上の適した範囲の厚さの空気層を常に確保できるの
で、該タンクは船体振動を防止するための防振ダンパー
としての機能を常に維持することができる。
(実施例) 以下、本考案の一実施例を図面を参照しながら説明す
る。
第1図は船尾部の側面図、第2図及び第3図は船尾部の
横断面図を示す。図において、1は船尾船体、2はプロ
ペラ、3は舵、4はタンク、5はタンクの底面、6はタ
ンク4に立設した空気パイプ、7、8はタンク内に存在
する空気層、海水層をそれぞれ示す。なお、Wは吃水線
を示す。
第1図及び第2図において、プロペラ2の上方の船尾部
の船体内にタンク4が設けられ、このタンク4の底面5
を形成する船体に、船体強度上許容される範囲の適当な
大きさの開孔5aが適当数設けられている。一方、所要の
径をもつ空気パイプ6が、上記タンク4に次のように設
けられている。すなわち、空気パイプ6の上端6aはタン
ク4より上方の船側外板9に固着されて大気に開放して
おり、その下端6bはタンク4の頂面4aを貫通してタンク
4の下方適当長さ(防振効果を発揮しうる必要最小空気
層厚さに相当する長さ)突出してタンク4内に開放して
いる。このようにタンク4内と大気とは空気パイプ6を
介して常に連通されている。なお、空気パイプ6の上端
6aを船側外板9に固着する代わりに、上甲板(図示略)
の上方まで延設して大気に開口してもよい。
いま、第2図のように、吃水線Wがタンク4の底面5と
タンク4の頂面4aの間にあるとき(例えばバラスト吃水
時など)、外海とタンク4とが開孔5aを通じて連通し、
タンク4内の下方部に海水層8、上方部に一定の空気層
7が形成されるようになっている。第3図は吃水線Wが
タンク頂部より上方に位置した時、即ちWが満載吃水線
のような場合である。但し空気パイプ6の上端6aの開口
より下方である。この場合でも空気パイプ6の下端6bの
開口がタンク4の頂面4aより下方に突出しているので、
海水層8はタンク4内においてはこの空気パイプ6の下
端6bのレベルまでしか形成されず、空気パイプ6の下端
6bよりタンク4の頂面4aまでは必ず空気層7が形成確保
されるものである。
ところで、本考案においては、空気パイプ6の大きさと
タンク4の大きさとが一定の関係を有するところに更な
る特徴がある。
すなわち、aを空気パイプ6の断面積、Aをタンク4の
水平断面図とするとき、a<0.03Aなる関係を満足する
ような空気パイプ6とするものである。これは、次のよ
うな技術思想に基づき種々の実験を行うことにより求め
られたものである。すなわち、 (a)積荷状態の変化に伴う吃水変化を生じた時、又は
タンク4の底面5が水面上に露出してタンク4内の水が
流出した場合、又は何らかの理由でタンク4内に水が流
入して空気層が小さくなった場合に、再びタンク4内の
水位が外部平均水位とつりあうまで過大な時間を要せ
ず、しかも (b)船体運動により比較的短周期に吃水が変化して
も、内部水位は殆ど変化せず(空気層厚さは変化せず)
防振装置としての効果を保つこと。
これは換言すると、a<0.03Aを満足する空気パイプ6
をタンク4に設けることにより、タンク4内の水位が下
がろうとするときは、空気パイプ6を通じて空気がタン
ク4内に侵入するのに抵抗させて水位の低下を妨げ、一
方、タンク4内の水位が上がろうとするときは、タンク
4内の空気が空気パイプ6を通じて大気に放出されるの
に抵抗させて短時間での水位の上昇が妨げる。反面一旦
タンク4内の水が流出して再びタンク4内に水が入り込
む場合または一旦タンク4内へ水が流入して再び流出す
る場合、タンク4内と大気を空気パイプ6で連通させて
いるので過大な時間を要せずタンク内水位を回復させる
ことができる、というものである。
ここで、a<0.03Aの理論的根拠について第4図および
第5図に基づいて説明する。
第4図に示すようにタンクを強制的に沈めた場合の、タ
ンク内の水位の変化をパイプ径を変えて計算し、その結
果を第5図に示したものである。第5図において、縦軸
に無次元化したタンク水位d0/dをとり、横軸にタンク内
水位がタンク外水位と同一になるまでの時間(秒)をと
って示している。ここで、d0はタンク外部の水位(吃
水)dとタンク内部の水位との差、Aとaは上記同様タ
ンク水平断面積と空気パイプの断面積、Paは大気圧力、
P0はタンク内圧力を示す。
第5図によれば、a=0.03Aの場合には短時間でタンク
内水位が外部水位に同じになるが、a=0.001Aに設定し
た場合には、同一水位になるまで150秒近くもかかり、
数秒の短周期で起こるピッチング等に対してはタンク内
水位は殆ど変化しないことが分かる。
このように、a<0.03Aに設定することで、タンク内に
対する空気の出入りに抵抗をつけたことから、ピッチン
グ周期程度の短時間では、タンク内水位を上昇しにく
く、かつ、下降しにくくして、空気層の厚さが殆ど変わ
らぬようにしている。上昇しにくいことと、下降しにく
いこととは、いずれも空気の出入りに抵抗をつけたこと
から生じるもので、本質的には同じ作用である。しか
も、空気パイプが一定長さタンク頂面から下方に突出し
ているため、タンク内水位の上限を規制し、船舶がいか
なる状態においても必要最小値以上の適した範囲の空気
層厚さを常に確保することができるものである。なお、
この適した範囲の空気層厚さは、対象船ごとに異なる。
上述したピッチングのような短周期(秒単位)で変わる
タンク外の水面変化に対しては、上昇しにくく、かつ、
下降しにくい作用によって、タンク内水位はこれに簡単
には追随しないが、比較的長い時間をかけて変化するタ
ンク外の水面変化に対しては、概ね分単位で追随するよ
うに(従ってタンク内水位の回復に過大な時間を要さな
いように)上限値0.03Aが決定されているのである。船
の大きさによってピッチング周期等は変化し、またタン
クの深さも船によって変化するから各船ごとにa/Aの適
した値が、0より大きく0.03未満の範囲内で決定され
る。
(考案の効果) 以上説明したように、本考案によれば、タンクの大きさ
に対し一定の関係をもつ空気パイプをタンクに設けたの
で、従来のような気蓄器等の機器は不要となって装置が
非常に簡略化される。そして、ピッチングのような短周
期で変わるタンク外の水面変化に対しては、タンク内の
水位は上昇しにくく、かつ、下降しにくい作用によって
タンク内水位の変動は小さく抑えることができ、しかも
空気パイプをタンク内に一定長さ突出させたので、いか
なる吃水においても、また波浪中で船体運動しても常に
タンク内上部に防振効果を発揮するために必要最小厚さ
以上の適した範囲の厚さの空気層を確保できる結果、防
振ダンパーとしての効果を常に損なうことがない。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第3図は、本考案の一実施例を示す図面であ
る。このうち第1図は本考案にかかる防振ダンパーを備
えた船尾部の側面図、第2図、第3図はその横断面図を
示す。第4図および第5図は、本考案の作用を具体例に
よって説明するための図であって、特にa<0.03Aの理
論的根拠を説明するための図である。 第6図および第7図は、従来の船尾防振装置を示す図面
である。 1…船尾船体、4…タンク、 5…タンクの底面、5a…開孔、 6…空気パイプ、7…空気層、 8…海水層、W…吃水線。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】プロペラを備えた船舶の船尾部であって、
    該プロペラの上方の船体内にタンクを設け、該タンクと
    外海水とを連通する開孔を該タンクの底面に設けた防振
    ダンパーにおいて、該タンクの上方に一端を大気に開口
    し、他端を該タンクの頂面を貫通して防振効果を発揮し
    うる必要最小空気層厚さに相当する長さを該タンク下方
    に突出させて開口した空気パイプを設け、しかも該空気
    パイプの断面積aと該タンクの水平断面積Aとの関係を
    a<0.03Aとし、該空気パイプを介して該タンク内と大
    気とが連通していることを特徴とする船尾防振ダンパ
    ー。
JP19654487U 1987-12-23 1987-12-23 船尾防振ダンパー Expired - Lifetime JPH0635910Y2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19654487U JPH0635910Y2 (ja) 1987-12-23 1987-12-23 船尾防振ダンパー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19654487U JPH0635910Y2 (ja) 1987-12-23 1987-12-23 船尾防振ダンパー

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0198795U JPH0198795U (ja) 1989-07-03
JPH0635910Y2 true JPH0635910Y2 (ja) 1994-09-21

Family

ID=31487147

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19654487U Expired - Lifetime JPH0635910Y2 (ja) 1987-12-23 1987-12-23 船尾防振ダンパー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0635910Y2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009248874A (ja) * 2008-04-09 2009-10-29 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 船体構造

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2841701B2 (ja) * 1990-05-08 1998-12-24 セイコーエプソン株式会社 インクジェットヘッドのキャップ装置
JPH0810553Y2 (ja) * 1990-11-09 1996-03-29 川崎重工業株式会社 抵抗減少型船尾防振ダンパー

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009248874A (ja) * 2008-04-09 2009-10-29 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 船体構造

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0198795U (ja) 1989-07-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1719697B1 (en) Device for reducing motion of marine structure
US4176614A (en) Control force tank and method for stabilizing floating vessels
US4850744A (en) Semi-submersible platform with adjustable heave motion
KR101605092B1 (ko) 진공 유동방지 장치를 구비한 부유체
JPH0635910Y2 (ja) 船尾防振ダンパー
US4010704A (en) Buoyant sphere
KR20020028606A (ko) 바닥없는 스파형의 기름저장탱크
EP0340224B1 (en) Bilge drain valve
KR20170034230A (ko) 구조물의 동요를 저감하기 위한 장치 및 이를 포함하는 구조물
EP1292491B1 (en) Floating platform for offshore drilling or production of hydrocarbons
JP4981736B2 (ja) 船体構造
JPH0353159B2 (ja)
JP2539273B2 (ja) 船体損傷時における復原方法
JP2601001Y2 (ja) 船舶の動揺低減装置
JPS62292587A (ja) 半潜水式海洋構造物の潜水浮力体
US6021728A (en) Buoyancy unit with controlled heave
JPH09151986A (ja) U字タンク型動吸振装置
JPH0694072A (ja) U字型制振タンク
JPS5853628B2 (ja) 海洋浮体構造物繋留装置及び繋留方法
JPH0810553Y2 (ja) 抵抗減少型船尾防振ダンパー
WO2007032724A1 (en) Rescue capsule with buoyancy elements and water ballast tanks
RU2047538C1 (ru) Пассивный успокоитель бортовой качки судна
JPH0334396Y2 (ja)
RU2123958C1 (ru) Судоподъемный понтон
JP2758551B2 (ja) 係留装置