JPH0635843U - エアシャワー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 クリーンルームの出入口に設置して入室者に
付着している塵埃や菌等を清浄化された高速ジェットエ
アで吹き飛ばして入室者を清浄化するためのエアシャワ
ーにおいて、入室者が高速ジェットエアを浴びて通過す
るシャワー室内の下方の空気吸込口側の巾寸法を、その
上方のジェットエアの吹出口側の巾寸法よりも小さくす
る。 【効果】 ジェット用ファンをシャワー室の下方にでき
た出っ張りを利用して配置でき、その結果、エアシャワ
ーの性能を低下させることなくエアシャワーの外径寸法
を小さくできる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、半導体産業や精密機械組立工場等のクリーンルームの出入口に設置 されるエアシャワーに関する。

【０００２】

【従来の技術】

クリーンルームの出入口に設置されるエアシャワーは、入室者に付着した塵埃 や菌等を高速ジェットエアで吹き飛ばし、入室者を清浄化してクリーンルーム内 に塵埃や菌等を持込まないために用いる装置である。そのため、高速ジェットエ アの吹出口はシャワー室内の両側壁面に設けてあり、入室者に対し両側面から高 速ジェットエアを吹き付け、効率よく塵埃等を吹き飛ばすことができるようにな っている。 図３及び図４は従来のエアシャワーの一例を示すもので、エアシャワー本体ａ には前室側のドアｂとクリーンルーム側のドアｃが備えられ、シャワー室ｄ内に 入室者が通過自在となっている。前記シャワー室ｄの両側壁ｅ，ｅの下方側には それぞれその裏面側に設けられるジェット用ファンｆの空気吸込口ｇが設けられ 、該空気吸込口ｇにはプレフィルタｈが備えられると共に両側壁ｅ，ｅの上方側 にはジェットエアの吹出口ｉとその裏面側にジェット用ＨＥＰＡフィルタｊがそ れぞれ設けられている。 かくして、ジェット用ファンｆによって空気吸込口ｇから吸い込まれたエアは プレフィルタｈを通過し、さらにＨＥＰＡフィルタｊにより清浄化され、ジェッ トエアの吹出口ｉからシャワー室ｄ内に吹き出され、このように清浄化されつつ 循環供給される。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、クリーンルームの面積が狭い、或いはクリーンルームの設置上 、出入口の寸法が小さい等の理由で、標準的なエアシャワーが設置できない場合 がある。このような場合には、シャワー室内の片面だけに高速ジェットエアの吹 出口が有るエアシャワーを設置せざるを得ない。このような場合、付着した塵埃 等を充分に吹き飛ばすために１８０度旋回しなければならず、時間もかかり面倒 であるという不都合を有する。 本考案はかかる不都合を有しないエアシャワーを提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案者は、前記不都合を解消する手段として、当初、従来用いられているエ アシャワーのシャワー室内両側面に吹出口のある標準的なエアシャワーのシャワ ー室内巾寸法（一般には１５００ｍｍ）を、吹出口が片側面にのみある構造のエ アシャワーのシャワー室内巾寸法（一般には１３５０ｍｍ）と同一寸法に、機能 を変えずに縮小することを試みた。

【０００５】 しかしながら、エアジェット用ファンの容量及び寸法、エアジェット吹出口、 エアジェット用ＨＥＰＡフィルタの構造等はエアシャワーの性能上変更すること は難しく、前記試みは上手く行かなかった。

【０００６】 そこで、更に検討を重ねた結果、人間の肩から腰にかけての巾寸法は膝から下 の巾寸法に比較してはるかに大きく、その差は１５０ｍｍ以上あることに着目し 、これによりエアシャワーの巾寸法の縮小に役立てることを考えた。

【０００７】 即ち、本考案のエアシャワーは、クリーンルームの出入口に設置して入室者に 付着している塵埃や菌等を清浄化された高速ジェットエアで吹き飛ばして入室者 を清浄化するためのエアシャワーにおいて、入室者が高速ジェットエアを浴びて 通過するシャワー室内の下方の空気吸込口側の巾寸法を、その上方のジェットエ アの吹出口側の巾寸法よりも小さくしたことを特徴とする。

【０００８】

【作用】

シャワー室内の下方の空気吸込口側の巾寸法を、その上方のジェットエアの吹 出口側の巾寸法よりも小さくしたので、ジェット用ファンをシャワー室の下方に できた出っ張りを利用して配置でき、その結果、エアシャワーの性能を低下させ ることなくエアシャワーの外径寸法を小さくできる。

【０００９】

【実施例】

次に、本考案エアシャワーの実施例を図面に基づき説明する。 図１及び図２は本考案のエアシャワーを示すもので、エアシャワー本体１には 前室側のドア２とクリーンルーム側のドア３が備えられ、シャワー室４内に入室 者が通過自在となっている。前記シャワー室４の両側壁５，５の下方側にはそれ ぞれその裏面側に設けられるジェット用ファン６の空気吸込口７が設けられ、該 空気吸込口７にはプレフィルタ８が備えられると共に両側壁５，５の上方側には ジェットエアの吹出口９とその裏面側にジェット用ＨＥＰＡフィルタ１０がそれ ぞれ設けられている。 かくして、ジェット用ファン６によって空気吸込口７から吸い込まれたエアは プレフィルタ８を通過し、さらにＨＥＰＡフィルタ１０により清浄化され、ジェ ットエアの吹出口９からシャワー室４内に吹き出され、このように清浄化されつ つ循環供給される。

【００１０】 このような構成は、従来のエアシャワーと特に変わるところはないが、本実施 例によれば、前記シャワー室４の両側壁５，５の下方側をシャワー室４側にそれ ぞれ７５ｍｍ程度宛出っ張らせ、その出っ張り部を利用してジェット用ファン６ を収容するようにしてある。したがって、前記標準的なエアシャワーと比較する と、エアシャワー室内の巾寸法（８００ｍｍ）は基本的にそのままにして、エア シャワーの外径寸法を１５０ｍｍ減少し得、片側吹出し構造の巾寸法と同一にす ることができた。

【００１１】 前記実施例では、シャワー室内の両側壁にエア吹出口を備えたタイプで説明し たが、性能面を或る程度犠牲にすれば、本考案エアシャワーはシャワー室の片側 の側壁にのみエア吹出口を備えたタイプにも適用できる。その場合は従来のシャ ワー室の片側にのみエア吹出口を備えたタイプのエアシャワーよりも更に小型化 が可能となることは言うまでもない。

【００１２】

【考案の効果】

このように、本考案エアシャワーによれば、クリーンルームの面積が狭い、或 いはクリーンルームの設置上、出入口の寸法が小さい等の理由により標準的な両 側吹出し構造のエアシャワーが設置できなかった所にも使用できるため、従来の 片側吹出し構造のエアシャワーに比べて同一時間運転しても付着した塵埃の吹飛 ばし効果を向上するためエアシャワーの運転時間を短縮でき、運転中に１８０度 旋回する必要もなく利用性に優れる効果が得られる。 尚、本考案のエアシャワーを片側吹出し構造のものに適用すれば大巾な小型化 が図れ、従来設置不可能な場所にもエアシャワーを設置できクリーンルームの清 浄度を維持できる優れた効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案エアシャワーの縦断面図

【図２】図１のII−II線断面図

【図３】従来のエアシャワーの縦断面図

【図４】図３のIV−IV線断面図

【符号の説明】

１ エアシャワー本体 ２ ドア ３ ドア ４ シャワー室 ５ 側壁 ６ ジェット用ファン ７ 空気吸込口 ８ プレフィルタ ９ ジェットエアの吹出口 １０ ＨＥＰＡフィルタ

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 クリーンルームの出入口に設置して入室
   者に付着している塵埃や菌等を清浄化された高速ジェッ
   トエアで吹き飛ばして入室者を清浄化するためのエアシ
   ャワーにおいて、入室者が高速ジェットエアを浴びて通
   過するシャワー室内の下方の空気吸込口側の巾寸法を、
   その上方のジェットエアの吹出口側の巾寸法よりも小さ
   くしたことを特徴とするエアシャワー。
2. 【請求項２】 前記シャワー室の両側壁の下方側をシャ
   ワー室側に出っ張らせることにより、シャワー室内の下
   方の空気吸込口側の巾寸法を、その上方のジェットエア
   の吹出口側の巾寸法よりも小さくしたことを特徴とする
   請求項１記載のエアシャワー。