JPH0635715Y2 - 車室内空気の排出装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はピックアップ型トラック等のキヤビン内空気を
換気のために排出するのに好適な車室内空気の排出装置
に関する。

（従来の技術） 従来のこの種装置の１例が第５図ないし第８図に示さ
れ、ピックアップ型トラック01のキヤビン02内の空気は
リヤピラー03のインナパネル03aの下部に穿設された空
気取入口04からリヤピラー03の内部空間内に流入し、ア
ウタパネル03bの内面に固着された樹脂製の塵取り状の
ベンチレーションパネル05のまわりを上昇して反転し、
ベンチレーションパネル05とアウタパネル03bとによっ
て限界された下降室06内を下降して、その下部において
アウタパネル03bに穿設された吹出口07から外部に排出
される。08は吹出口07を覆うガーニッシュである。

（考案が解決しようとする問題点） 上記従来の装置においては、高圧洗車時、吹出口07に水
が噴射された場合には吹出口07から大量の水がピラー03
内に入り、キヤビン02内に水が漏洩するおそれがあると
ともにピラー03の内部空間にリトラクタ等の装備品を格
納できないという問題があった。

（問題点を解決するための手段） 本考案は上記問題点に対処するために提案されたもので
あって、その要旨とするところは、アウタパネルとイン
ナパネルとによって構成された閉断面状のピラーと、上
記アウタパネルの内面に固着されこのアウタパネルと協
働して上方が開口し下方及び両側方が閉塞された下降室
を形成するベンチレーションパネルと、上記アウタパネ
ルの上記下降室下部に対向する位置に穿設された吹出口
と、この吹出口を覆うべく上記アウタパネルの外面に固
着され、上記吹出口から偏倚した位置に形成された空気
排出口を有するガーニッシュとを備え、上記ピラーの内
部空間に流入した車室内空気を上記下降室及び吹出口を
経て上記空気排出口より排出する車室内空気の排出装置
において、上記下降室内に配置され上縁が上記吹出口の
上方位置で部分的に上記アウタパネルの内面に結合され
るとともに両側縁及び下縁が上記ベンチレーションパネ
ルに結合されるバッフルプレートと、このバッフルプレ
ートにおける上記吹出口よりも上方部分に設けられ、上
記アウタパネル側に斜め上方に向かうルーバを切り起こ
すことによって形成されたルーバ孔と、上記アウタパネ
ルにおける上記吹出口よりも上方で且つ上記ガーニッシ
ュに対向する部分に設けられ、上記空気排出口との距離
がこの空気排出口と上記吹出口との距離よりも離れ且つ
上記吹出口より小さい開口面積を有する通気孔を設けた
ことを特徴とする車室内空気の排出装置にある。

（作用） 本考案においては、上記構成を具えているため、高圧洗
車時等、吹出口から入った水はバッフルプレートによっ
て遮られる。

また、通気孔から入った水は斜上方に向かうルーバによ
って跳ね返される。

また、バッフルプレートを配設することによって発生す
る高圧はルーバ孔を通り斜上方に向かうルーバに案内さ
れて通気孔から逃がされる。

（実施例） 本考案の１実施例が第１図ないし第４図に示されてい
る。

１はリヤピラーで、インナパネル２とアウタパネル３か
らなる。４はアウタパネル３の内面に固着された塵取り
状のベンチレーションパネルで、アウタパネル３と協働
して上方が開口し、下方及び両側方が閉塞された下降室
５を限界している。

６は下降室５内に配設された板金製のバッフルプレート
で、その上縁は流路14を形成する部分を残してその一
部、即ち、吹出口10の上方がアウタパネル３の内面に固
定され、その両側縁及び下縁はベンチレーションパネル
４に固定されている。かくして、このバッフルプレート
６の車室側には行止まり空間15が形成され、車外側には
主下降流路16が限界される。

このバッフルプレート６の上部には複数のルーバ７を斜
上方に向って切り起こすことによってルーバ孔８が形成
されている。

アウタパネル３にはルーバ孔８に対向する位置に通気孔
９が穿設され、また、通気孔９の下方で下降室５の下部
に相当する位置に吹出口10が穿設されている。

そして、通気孔９及び吹出口10を覆うガーニッシュ11が
アウタパネル３に取り付けられている。アウタパネル３
に第４図に示すように内方に凹の凹溝12を形成すること
によってガーニッシュ11との間に狭い空気流路13を限界
している。

しかして、キヤビン２内の空気はリヤピラー１のインナ
パネル２の下部に穿設された図示しない空気取入口から
リヤピラー１の内部空間に入り、矢印に示すように、ベ
ンチレーションパネル４のまわりを通って上昇した後、
反転して下降室５内に入る。そして、この空気は分岐し
てその大部分はバッフルプレート６の上方に形成された
流路14から主下降流路16内に入り、残る小部分は行止ま
り空間15内に入る。主下降流路16内に入った空気はこの
中を下降して吹出口10から吹出され、ガーニッシュ11と
アウタパネル３との狭い空気流路13を通り、ガーニッシ
ュ11の空気排出口11aから外部へ排出される。

一方、行止まり空間15に入った室内空気はルーバ孔８を
通りルーバ７に案内されて主下降流路16内に入り、次い
で、ルーバ孔８と対向する位置に穿設された通気孔９か
ら空気流路13に排出されるので、この行止まり空間15内
に流入した室内空気の圧力上昇を防止できる。

高圧洗車時等、この排出装置に高圧の水が直接噴射され
ることによって空気排出口11a及び吹出口10を経てアウ
タパネル３側の下降室、即ち、主下降流路16内に水が浸
入しても、これはバッフルプレート６及びルーバ７に衝
突して跳ね返されるので、これより中に入ることはな
い。

また、主下降流路16内の内圧が上昇してもこの圧力を通
気孔９から逃がすことによってこの主下降流路16内の内
圧上昇を抑制しうるので、この主下降流路16内に入った
水が圧力差によってルーバ孔８や流路14を通って行止ま
り空間15内に浸入するのを防止できる。

（考案の効果） 本考案においては、下降室内に配置され上縁が吹出口の
上方位置でアウタパネルの内面に結合されるとともに両
側縁及び下縁がベンチレーションパネルに結合されるバ
ッフルプレートと、このバッフルプレートにおける吹出
口よりも上方部分に設けられ、アウタパネル側に斜め上
方に向かうルーバを切り起こすことによって形成された
ルーバ孔と、アウタパネルにおける吹出口よりも上方で
且つガーニッシュに対向する部分に設けられ、空気排出
口との距離よりも離れ且つ吹出口より小さい開口面積を
有する通気孔を設けたため、高圧洗車時等において空気
排出口から吹出口を経てアウタパネル側の下降室、即
ち、主下降流路内に浸入した水はバッフルプレート及び
アウタパネル側に斜め上方に向かうように切り起こされ
たルーバによって跳ね返すことができる。

そして、ルーバ孔は吹出口の上方部分に設けられている
ので、アウタパネル側の下降室、即ち、主下降流路に浸
入した水がこのルーバ孔に到達するのを抑制しうる。

また、アウタパネル側の下降室、即ち、主下降流路内に
水が入ることによってこの主下降流路内の圧力が上昇し
ようとするが、この主下降流路の高圧空気を通気孔から
逃がすことによってこの主下降流路内の内圧の上昇を抑
制できるので、圧力差により水が車室内に流入するのを
阻止できる。

そして、この通気孔は吹出口よりも上方部分に設けられ
ているので主下降流路内の高圧空気を円滑に逃がすこと
ができる。

また、この通気孔は吹出口より上方で且つガーニッシュ
に対向する部分に設けられ、これと空気排出口と吹出口
との距離より離れ、且つ、吹出口より小さい開口面積を
有するので、高圧洗車時等に水がこの通気孔を通って主
下降流路内に浸入するのを抑制できる。

また、万一、通気孔から主下降流路内に浸入した水は斜
め上方に向かうルーバによって跳ね返されるので、ルー
バ孔を通ってインナパネル側の下降室、即ち、行止まり
空間内に入るのを阻止される。

かくして、ピラーの内部空間への大量の水が浸入するの
を防止できるので、車室内への水の漏洩を防ぐことがで
きるとともにピラーの内部空間を装備品の格納場所とし
て利用できる。

更に、行止まり空間内に入った室内空気はルーバ孔を通
り斜め上方に向かうルーバに案内されて通気孔から円滑
に排出されるので、この行止まり空間内に入った室内空
気の圧力上昇を防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第４図は本考案の１実施例を示し、第１図
は分解斜視図、第２図は第１図及び第４図のII−II線に
沿う端面図、第３図は第１図及び第４図のIII−III線に
沿う端面図、第４図は第１図及び第２図のIV−IV線に沿
う端面図である。第５図ないし第８図は従来装置の１例
を示し、第５図はピックアップ型トラックの斜視図、第
６図は車室内空気の排出装置の外観斜視図、第７図は第
６図のVII−VII線に沿う端面図、第８図は第６図のVIII
−VIII線に沿う端面図である。 ピラー…１、アウタパネル…３、インナパネル…２、ベ
ンチレーションパネル…４、ガーニッシュ…11、空気排
出口…11a、下降室…５、吹出口…10、バッフルプレー
ト…６、ルーバ…７、ルーバ孔…８、 通気孔…９

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭48−44146（ＪＰ，Ｕ) 実公 昭56−40174（ＪＰ，Ｙ２)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】アウタパネルとインナパネルとによって構
   成された閉断面状のピラーと、上記アウタパネルの内面
   に固着されこのアウタパネルと協働して上方が開口し下
   方及び両側方が閉塞された下降室を形成するベンチレー
   ションパネルと、上記アウタパネルの上記下降室下部に
   対向する位置に穿設された吹出口と、この吹出口を覆う
   べく上記アウタパネルの外面に固着され、上記吹出口か
   ら偏倚した位置に形成された空気排出口を有するガーニ
   ッシュとを備え、上記ピラーの内部空間に流入した車室
   内空気を上記下降室及び吹出口を経て上記空気排出口よ
   り排出する車室内空気の排出装置において、上記下降室
   内に配置され上縁が上記吹出口の上方位置で部分的に上
   記アウタパネルの内面に結合されるとともに両側縁及び
   下縁が上記ベンチレーションパネルに結合されるバッフ
   ルプレートと、このバッフルプレートにおける上記吹出
   口よりも上方部分に設けられ、上記アウタパネル側に斜
   め上方に向かうルーバを切り起こすことによって形成さ
   れたルーバ孔と、上記アウタパネルにおける上記吹出口
   よりも上方で且つ上記ガーニッシュに対向する部分に設
   けられ、上記空気排出口との距離がこの空気排出口と上
   記吹出口との距離よりも離れ且つ上記吹出口より小さい
   開口面積を有する通気孔を設けたことを特徴とする車室
   内空気の排出装置。