JPH0635697B2 - 不織布製造方法及び不織布製造装置 - Google Patents

不織布製造方法及び不織布製造装置

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JPH0635697B2
JPH0635697B2 JP59210021A JP21002184A JPH0635697B2 JP H0635697 B2 JPH0635697 B2 JP H0635697B2 JP 59210021 A JP59210021 A JP 59210021A JP 21002184 A JP21002184 A JP 21002184A JP H0635697 B2 JPH0635697 B2 JP H0635697B2
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conveyor
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suction
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hot air
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嘉伸 青山
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Inoue Kinzoku Kogyo Co Ltd
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、熱融着繊維を混綿した繊維集合体を加熱して
不織布となす不織布製造方法及び不織布製造装置に関す
る。
[従来の技術とその問題点] 従来、この不織布製造方法は、第3図に示す如く、熱融
着繊維を混綿した繊維集合体Aを搬送コンベア 1から外
周面を金網で被覆した吸引ドラム 2へ移送し、繊維集合
体Aが吸引ドラム 2の吸引領域を通過する間に繊維集合
体Aの非搬送面側から吸引ドラム 2へ前記融着繊維の融
着温度Tm(例えば、 110〜 140℃)以上の熱風を通過さ
せて繊維集合体Aを加熱し、繊維同士を熱融着したもの
を冷却ドラム 3で冷却して不織布Bを得ていた。
しかし、上記従来の不織布製造方法には、次の様な欠点
があった。
イ 吸引ドラム 2の搬送面温度は、融着温度Tm以上であ
る熱風温度近くまで昇温している。そのため、繊維集合
体Aは吸引ドラム 2の搬送面と直接接触する搬送面側の
加熱のみが急速に進行し、得られた不織布Bの表裏面の
風合が著しく異なる。
ロ 吸引ドラム 2の外周を被覆する金網は、熱融着した
繊維の剥離性を向上させるために、高価なテフロンコー
テイング等の剥離処理を施す必要がある。ところが、如
何に剥離処理を施しても、金網に絡み付くように熱融着
した融着繊維を剥離する際に生じる剥離抵抗により、該
融着繊維が繊維集合体Aから若干引抜かれた状態となる
ため不織布Bに片面剥離、しわ等が発生していた。
ハ 前記不織布の表裏面の風合の差異、片面剥離及びし
わ等の発生を最少限にするために、熱風温度と融着Tm
の温度差を小さくする必要がある。そのため、繊維集合
体Aの長時間加熱が必要となり処理能力が非常に低かっ
た。
[問題を解決するための手段] そこで、本発明は、上記欠点を解決するために幾多の実
験を繰返した結果、第2図に示す如く、外径が 0.4mmφ
のワイヤー4aからなる冷却されたネツト 4上に 2デニー
ル(外径が役 0.024mmφ)の繊維a からなる繊維集合体
Aを載置して繊維集合体A及びネツト 4へ熱風を通過さ
せた場合、単位体積当りの熱容量(比熱に比重を乗した
値)に関しては繊維a がワイヤー4aの約 3/ 7であるこ
と並びに単位体積当りの伝熱面積(表面積を体積で除し
た値)に関してはワイヤー4aが繊維a の約 6/ 100であ
ることから、昇温速度に関しては繊維a のほうがワイヤ
ー4aより非常に速いため、繊維a が融着温度Tm に達し
た時点でもワイヤー4aを融着温度Tm 未満とすることが
出来ることを発見し、かかる知見に基づいて本発明を完
成した。
本第1発明の不織布製造方法は、熱融着繊維を混綿した
繊維集合体を加熱して不織布となす不織布製造方法にお
いて、表面開口率が70%以上の吸引ドラムと反転ロール
との間に巻架されたワイヤーネツトからなり且つ該吸引
ドラムへ接触開始するまでに強制冷却された搬送コンベ
アに前記繊維集合体を移載し、搬送コンベアで搬送され
る繊維集合体が前記吸引ドラムの吸引領域を通過する間
に繊維集合体の非搬送面側から吸引ドラムへ前記熱融着
繊維の融着温度以上の熱風を通過させて繊維集合体を加
熱し、加熱領域出口における繊維集合体の温度が前記融
着温度以上で且つ前記搬送コンベアの搬送面温度が前記
融着温度未満となる運転速度で前記搬送コンベアを駆動
することから構成されている。
この構成によつて加熱領域を通過する搬送コンベアの搬
送面温度は融着温度以上とならず、繊維集合体は搬送コ
ンベアからの加熱を受けることなく通過熱風のみで加熱
融着されるので、表面剥離及びしわ等のない不織布とな
る。
本第2発明の不織布製造装置の構成は、熱融着繊維を混
綿した繊維集合体を加熱して不織布となす不織布製造方
法において、表面開口率が70%以上の吸引ドラムと、該
吸引ドラムと反転ロールとの間に巻架されて所望運転速
度で駆動される無端状のワイヤーネツトからなる搬送コ
ンベアと、該搬送コンベアのドラム巻回領域の外周側に
配され、搬送コンベアの搬送面へ向って熱風を供給する
熱風供給室と、前記搬送コンベアのドラム巻回領域を除
く適所に配され、前記吸引ドラムの吸引領域の出口にお
ける搬送コンベアの搬送面温度を前記熱融着繊維の融着
温度未満とする冷気風量を搬送コンベアを介して吸引す
る吸引室と備えたことである。
この構成によつて加熱領域の出口における搬送コンベア
の搬送面温度は融着温度未満となり、繊維集合体を搬送
コンベアで加熱することなく通気熱風のみで加熱して表
面剥離及びしわ等のない不織布を製造することが出来
る。
[第2の発明の実施例] 本第2発明に係る不織布製造装置を第1図に示す実施例
に基づいて説明する。本体フレーム 5に回転自在に枢支
された強制駆動の吸引ドラム 6と自由回転の反転ロール
7,7…には、無端状のワイヤーネツトからなる搬送コ
ンベア 8が巻架されている。更に、吸引ドラム 6と反転
ロール 9,9…と張力調節装置14には、搬送コンベア 8
の吸引ドラム 6への巻回領域を覆うようにして、無端状
のワイヤーネツトからなる押圧コンベア10が必要に応じ
て巻架されており、前記搬送コンベア 8と該押圧コンベ
ア10で繊維集合体Aを挾持搬送するように構成されてい
る。搬送コンベア 8及び押圧コンベア10は、吸引ドラム
6の強制駆動に伴ない所望運転速度Vで駆動される。前
記吸引ドラム 6は、その外周面6aがステンレススチール
等からなるハニカム状の多孔弯曲体等から形成され、表
面開口率を70%以上で且つ外径を 500〜1500mmφ程度と
してある。吸引ドラム 6の表面開口率を70%以上とする
のは、外周面6aと搬送コンベア 8との接触面積を小さく
し、後述する熱風温度Ta 近くに達した外周面6aから強
制冷却された低温度の搬送コンベア 8へ接触伝熱する熱
量を小さくして搬送コンベア 8の昇温を防止するためで
ある。吸引ドラム 6の内部は、多孔の弯曲整流板11a 及
びシール板11b を備えた固定ドラム11が固定軸12に取付
けられており、吸引ドラム 6の外周壁と固定ドラム11の
間を吸引領域Dとシール領域Eに分割してある。吸引ド
ラム 6及び固定ドラム11は、夫々の側板6c,11c 通気孔
6c′,11c ′が開口されていると共に、吸引ドラム 6の
通気孔6c′を熱風循環装置(図示省略)の吸引口に接続
して、固定ドラム11内が所定の負圧状態(例えば、−30
〜− 100mmAq )となるように構成されている。前記搬
送コンベア 8及び押圧コンベア10は、ステンレスステー
ル等からなる線径が 0.3〜 0.6mmφ程度の単線又は撚線
を平織又はスパイラル等したワイヤーネツトが用いられ
る。前記吸引ドラム 6の吸引領域Dの外周側には、熱風
供給室13が設けられている。熱風供給室13は、丸孔又は
スリツト孔等を形成したノズル板13a が吸引ドラム 6と
の間に整流空間Fを置いて設けられており、室外の熱風
発生装置(図示省略)から熱風供給口13b へ供給された
融着温度Tm (例えば、 110〜 140℃)以上の温度Ta
の熱風を押圧コンベア10の裏面(又は押圧コンベア10を
設けていないときは搬送コンベア 8の搬送面)へ向って
供給するように構成されている。熱風の速度は、供給熱
風量の吸引ドラム 6の吸引領域Dの有効平面積で除して
所謂前面風速値が 0.5〜 5.0m/sec程度となるよう設定
される。前記吸引ドラム 6の入口外側には、搬送コンベ
ア 8を冷却するための吸引室15が配設されている。吸引
室15は、搬送コンベア 8の裏面と対向する多孔状の吸気
板15a を備え、搬送コンベア 8の搬送面側にある雰囲気
空気を搬送コンベア 8を介して室内15b へ吸引した後、
排出口15c から室外へ排出し、吸引ドラム 6の吸引領域
Dの出口(即ち、前記熱風による加熱領域の出口)を通
過する搬送コンベア 8の搬送面温度Tc が融着温度Tm
未満となるように構成されている。なお、搬送コンベア
8の搬送面側の雰囲気温度が高い場合には、図示省略し
たが、搬送コンベア 8の搬送面側へ冷気を供給すること
も勿論可能である。なお、前記押圧コンベア10の強制冷
却は、図示実施例の如く、外気と接するコンベア長さが
長い場合には特に必要でない。前記熱風供給室13の下方
に設けた搬送コンベアー16は、無端状のワイヤーネツト
等からなり、裏面側に冷気吸引式の冷却手段17が設けら
れている。該搬出コンベア16の入口上方には、エンボス
ロール装置18が必要に応じて設けられる。
以上の如く構成された不織布製造装置について、以下そ
の動作を説明する。不織布製造装置は、所望運転速度V
の搬送コンベア 8に搬送されて吸引ドラム 6の吸引領域
Dを通過する繊維集合体Aへ、熱風供給室13のノズル板
13a から融着温度Tm 以上の温度Ta で吹き出した熱風
を通過させて、吸引領域Dの出口に達した繊維集合体A
を融着温度Tm 以上に加熱する。ところで、所望運転速
度Vの搬送コンベア 8は、吸引ドラム 6へ接触開始する
までに所定温度以下に冷却されていると共に、熱風温度
Ta まで昇温した吸引ドラム 6の外周面6aとの接触伝熱
面積が非常に小さいことから、前記吸引領域Dの出口に
おける搬送面8aの温度が前記融着温度Tm 未満の温度状
態に維持される。その結果、融着温度Tm 以上に加熱さ
れた繊維集合体Aは、搬送コンベア 8の搬送面8aで若干
冷却される状態となるため、搬送面8aに融着することが
なくスムーズに搬送面8aから離れる。
[第1発明の実施例] 次に、前記不織布製造装置を用いた本第1発明に係る不
織布製造方法を説明すると以下のとおりである。適宜量
の熱融着繊維を混綿後、カード成形等の適宜手段(図示
省略)でウエツブ成形した繊維集合体Aは、入口コンベ
ア19に案内されて搬送コンベア 8へ移載された後、搬送
コンベア 8と押圧コンベア10で挾持搬送されて吸引ドラ
ム 6へ移動する。そして、搬送コンベア 8は、吸引室15
へ吸引される冷気の冷却作用により、吸引ドラム 6へ接
触開始するまでに強制冷却される。搬送コンベア 8で搬
送される繊維集合体Aは、吸引ドラム 6の吸引領域Dを
通過する間に、熱風供給室13のノズル板13a から前記熱
融着繊維の融着温度Tm 以上の温度Ta で吹き出した熱
風を、押圧コンベア10を介して繊維集合体Aの非搬送面
側から吸引ドラム 6へ通過させることにより加熱され
る。繊維集合体Aは、吸引ドラム 6の吸引領域Dの出口
に達すると、搬送コンベア 8の運転速度Vが後述する所
望速度であるため、融着温度Tm 以上となる。搬送コン
ベア 8の運転速度Vは、吸引ドラム 6の吸引領域Dの出
口における繊維集合体Aの温度が前記融着温度Tm 以上
で且つ前記搬送コンベア 8の搬送面温度が前記融着温度
Tm 未満となるように所望運転速度に決定される。融着
温度Tm 以上となり、繊維同士が熱融着した繊維集合体
A′は、繊維集合体A′と接触する面の温度が融着温度
Tm 未満の搬送コンベア 6及び押圧コンベア10からスム
ーズに離れた後、必要に応じてエンボスロール装置18で
エンボス加工されて、搬出コンベア16へ導かれる。続け
て、繊維集合体A′は、搬出コンベア16上で冷却手段17
により強制冷却されて不織布Cとなる。
[試験例] 本発明者は、熱風の温度Ta 及び搬送コンベアの運転速
度Vが繊維集合体Aの加熱等にどの様な影響を及ぼすか
を下記の条件で調査し、表に記載する結果を得た。
(条 件) (1) 繊維集合体の条件 高融点繊維 ポリエステル繊維からなる2デニールで長さ51mm 低融点繊維 ポリエチレンで被覆されたポリプロピレン繊維からなる
2デニールで長さ51mm 混綿比率 高融点繊維:低融点繊維=60:40 目付…20g /m2 (2) 搬送コンベア及び押圧コンベアの条件 材質…SUS 304 線径 縦…0.17mmφを 7本撚った撚線 横…0.42mmφからなる単線 織構造 縦が25本/inchで横が18本/inchの平織構造 (3) 加熱条件 熱風の前記前面風速値 2.0m /sec 吸引ドラム 材質…SUS 304 外径…1000mmφ 吸引領域の有効長さ…2,200mm 外周面の開口率…85% [本発明の効果] 本第1発明に係る不織布製造方法は、次の如き優れた効
果を有する。
繊維集合体の加熱は、搬送コンベアの搬送面温度が
融着温度Tm 未満であるため、繊維集合体を通過する熱
風のみで行なわれる。その結果、得られた不織布Bは、
表裏面の風合が略々等しいものとなる。
繊維集合体は、搬送コンベアの搬送面温度が融着温
度Tm 未満であるため、搬送面と低融点繊維との融着現
象が生じることなく、搬送コンベアの搬送面から何らの
剥離抵抗なくスムーズに離れる。その結果、得られた不
織布は、片面剥離、しわ等のない平滑な不織布である。
前記及びの相乗効果により、従来得られなかっ
た両面風合の略々等しく且つ平滑な不織布を製造するこ
とが出来る。
熱風温度と融着温度の温度差を大きくすることが可
能となるため、繊維集合体を短時間で加熱することが出
来る。その結果、加熱領域の単位長さ当りの不織布の製
造能力は従来の 3〜 6倍と向上し、コンパクトな製造装
置で製造することが可能となり作業能率の構造が図れ
る。
更に、本第2発明に係る不織布製造装置は、次の如き優
れた効果を有する。
従来得られなかった表裏面風合の略々等しく且つ平
滑な不織布を製造することが出来る。
加熱領域の単位長さ当りの不織布の製造能力を従来
の 3〜 6倍と向上できるので、コンパクトな製造装置で
製造することが可能となり作業能率の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る不織布製造装置の実施例を示す側
断面図、第2図は本発明に係る不織布製造方法の原理を
説明する拡大図、第3図は従来の不織布製造装置を示す
側断面図である。 6……吸引ドラム、 8……搬送コンベア、13……熱風供
給室、15……吸引室、A……繊維集合体、a ……繊維、
C……不織布、D……吸引領域、Tm ……融着温度、T
a ……熱風温度

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱融着繊維を混綿した繊維集合体を加熱し
    て不織布となす不織布製造方法において、表面開口率が
    70%以上の吸引ドラムと反転ロールとの間に巻架された
    ワイヤーネツトからなり且つ該吸引ドラムへ接触開始す
    るまでに強制冷却された搬送コンベアに前記繊維集合体
    を移載し、搬送コンベアで搬送される繊維集合体が前記
    吸引ドラムの吸引領域を通過する間に繊維集合体の非搬
    送面側から吸引ドラムへ前記熱融着繊維の融着温度以上
    の熱風を通過させて繊維集合体を加熱し、加熱領域出口
    における繊維集合体の温度が前記融着温度以上で且つ前
    記搬送コンベアの搬送面温度が前記融着温度未満となる
    運転速度で前記搬送コンベアを駆動することを特徴とす
    る不織布製造方法。
  2. 【請求項2】熱融着繊維を混綿した繊維集合体を加熱し
    て不織布となす不織布製造装置において、表面開口率が
    70%以上の吸引ドラムと、該吸引ドラムと反転ロールと
    の間に巻架されて所望運転速度で駆動される無端状のワ
    イヤーネツトからなる搬送コンベアと、該搬送コンベア
    のドラム巻回領域の外周側に配され、搬送コンベアの搬
    送面へ向って熱風を供給する熱風供給室と、前記搬送コ
    ンベアのドラム巻回領域を除く適所に配され、前記吸引
    ドラムの吸引領域の出口における搬送コンベアの搬送面
    温度を前記熱融着繊維の融着温度未満とする冷気風量を
    搬送コンベアを介して吸引する吸引室とからなることを
    特徴とする不織布製造装置。
JP59210021A 1984-10-05 1984-10-05 不織布製造方法及び不織布製造装置 Expired - Lifetime JPH0635697B2 (ja)

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