JPH0635695U - サブタンクのフリーピストン構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 油圧緩衝器の減衰力特性を向上する。 【構成】 サブタンク８のフリーピストン１１にはサブ
タンクケース１０内周面に設けたストッパリング１３に
当接する当接部１１ａより前方（下端部側）に突出した
突出部１１ｂを形成した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は車両等の油圧緩衝器に接続されるサブタンクのフリーピストン構造に 関する。

【０００２】

【従来の技術】

車両等に用いられる油圧緩衝器に接続されるサブタンクとして、図５に示すよ うなものがある。このサブタンクは、サブタンクケース１０１内にフリーピスト ン１０２を摺動自在に嵌装して油圧緩衝器本体内油室に連通する油室と高圧ガス を封入するガス室を画成し、またサブタンクケース１０１内にはフリーピストン １０２の摺動範囲を規制するストッパリング１０３を嵌装し、更に連結部材１０ ４を介して油圧緩衝器本体に連結して、連結部材１０４内の油路１０５を介して 油室と油圧緩衝器内油室とを連通する。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上述したサブタンクにあっては、フリーピストン先端部がスト ッパリングにて規制されるため、油圧緩衝器本体に連結したときに、図５に点々 を付して示すストッパ部からサブタンクケース端部までの空間１０６内にエアー が残留してしまい、この残留エアーによって応答性が低下するなどの減衰力特性 の悪化が生じるおそれがある。

【０００４】 また、油圧緩衝器本体内の作動油が蒸発或いは漏れなどによって減少した場合 、減少体積相当分を補うためにサブタンクのフリーピストンがストッパリング側 に移動し、場合によっては図６に示すようにフリーピストン１０２がストッパリ ング１０３を越えて移動して、カジリやカミコミが発生して、ロック状態になる おそれがある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】 上記課題を解決すべく本考案は、フリーピストンにはサブタンクケース内周面 に設けたストッパ部に当接する部分より前方に突出した突出部を形成した。この 突出部の軸方向長さはストッパ部からサブタンクケース端部までの距離より長く 形成することができる。

【０００６】

【作用】

フリーピストンにはサブタンクケース内周面に設けたストッパ部に当接する部 分より前方に突出した突出部が形成されているので、ストッパ部からサブタンク ケース端部までの空間が小さくなり、残留エアーを少なくすることができる。ま た、その突出部の軸方向長さをストッパ部からサブタンクケース端部までの距離 より長く形成することによって、フリーピストンとストッパ部のカミコミ等を防 止できる。

【０００７】

【実施例】

以下本考案の実施例を添付図面に基づいて説明する。図１は本考案に係るサブ タンクを備えた油圧緩衝器の断面図、図２は同サブタンクのフリーピストンの拡 大断面図、図３は同サブタンクの要部拡大断面図、図４は同サブタンクの別実施 例の断面図である。

【０００８】 油圧緩衝器本体１は、アウタチューブ２内にダンパシリンダ３を立設し、この ダンパシリンダ３内に上方からピストンロッド４を挿通して、ピストンロッド４ 先端部にダンパシリンダ３内周面に摺接するピストン５を固着し、ピストン５に は減衰力発生用の油路及びバルブ機構を設けている。

【０００９】 そして、この油圧緩衝器本体１に連結部材７を介してサブタンク８を連結して いる。このサブタンク８はサブタンクケース１０内にフリーピストン１１を摺動 自在に嵌装して、高圧ガスを封入するガス室Ｓ１と連結部材７の油路１２を通じ て緩衝器本体内油室Ｓ３に連通する油室Ｓ２とを画成し、またサブタンクケース １０の下端部内周面にはストッパリング１３を嵌装している。

【００１０】 このサブタンク８のフリーピストン１１は、図２及び図３に示すようにサブタ ンクケース１０内周面に設けたストッパリング１３に当接する当接部１１ａより 前方（下端部側）に突出した突出部１１ｂを形成している。この突出部１１ｂの 軸方向長さは、ストッパリング１３からサブタンクケース１０下端までの距離よ り若干長くしている。

【００１１】 以上のように構成したので、サブタンク８を油圧緩衝器本体１に組み付けると き、図３に示すようにフリーピストン１１の突出部１１ｂがサブタンクケース１ ０の下端とストッパリング１３との間の空間内に突出した状態になり、この空間 内に残留するエアーがほとんどなくなる。したがって、残留エアーによって応答 性の低下するなどの減衰力特性の悪化を防止することができる。尚、連通路１２ 内のエアーは組み付け時に油圧緩衝器本体１を傾けることによって排除される。

【００１２】 また、フリーピストン１１の突出部１１ｂの軸方向長さをストッパリング１３ からサブタンクケース１０下端までの距離より若干長くしているので、油圧緩衝 器本体１内の作動油が大幅に減少した場合、フリーピストン１１の突出部１１ｂ が連結部材７の当接した状態でフリーピストン１１の当接部１１ａがストッパリ ング１３に当接しないので、フリーピストン１１の当接部１１ａが局部的にスト ッパリング１３に当たる等してカジリやカミコミが生じることを防止でき、ロッ ク状態を回避できる。

【００１３】 図４に示す別実施例は、フリーピストン１１の突出部１１ｂから更に連結部材 ７の連通路１２内に突出するサブ突出部１１ｃを形成したものであり、これによ り連通路１２内のエアーをより効果的に排出することができる。

【００１４】

【考案の効果】

以上に説明したように本考案によれば、フリーピストンにはサブタンクケース 内周面に設けたストッパ部に当接する部分より前方に突出した突出部を形成した ので、ストッパ部からサブタンクケース端部までの空間に残留するエアーを少な くすることができ、減衰力特性を向上することができる。また、その突出部の軸 方向長さをストッパ部からサブタンクケース端部までの距離より長く形成するこ とによって、フリーピストンとストッパ部のカミコミ等を防止でき、ロック状態 になるのを防止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るサブタンクを備えた油圧緩衝器の
断面図

【図２】同サブタンクのフリーピストンの拡大断面図

【図３】同サブタンクの要部拡大断面図

【図４】同サブタンクの別実施例の断面図

【図５】従来のサブタンクの要部拡大断面図

【図６】従来のサブタンクの他の状態を示す要部拡大断
面図

【符号の説明】

１…油圧緩衝器本体、２…アウタチューブ、３…ダンパ
シリンダ、４…ピストンロッド、５…ピストン、７…連
結部材、８…サブタンク、１０…サブタンクケース、１
１…フリーピストン、１１ａ…当接部、１１ｂ…突出
部、１３…ストッパリング。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 サブタンクケース内にフリーピストンを
   摺動可能に嵌装したサブタンクにおいて、前記フリーピ
   ストンにはサブタンクケース内周面に設けたストッパ部
   に当接する部分よりサブタンクケース端部方向に突出す
   る突出部を形成したことを特徴とするサブタンクのフリ
   ーピストン構造。
2. 【請求項２】 前記突出部の軸方向長さは前記ストッパ
   部からサブタンクケース端部までの距離より長く設定し
   たことを特徴とする請求項１に記載のサブタンクのフリ
   ーピストン構造。