JPH0635372Y2 - 有機電解質電池 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は有機電解質電池、特に筒形電池の下部絶縁板の
改良に関するものである。

従来の技術 筒形有機電解質電池の下部絶縁板はシート状のものであ
って、絶縁効果は有するが、渦巻状に構成された負極お
よび正極と下部絶縁板、および金属性容器の内底部との
間が気密であるため、有機電解液注入後の液回りが悪
く、正極への電解液浸透が不充分となり、ひいては注液
量も少なくなって放電性能のバラツキを発生させてい
た。

従来、正極へ電解液を均一に浸透させる方法として以下
のものがある。

（１）負極或は正極を薄くして、渦巻状に構成後の群を
ゆるくして、電解液注入後の液回りを良くする。

（２）電解液注入を２回くり返して電解液量を多くして
浸透を促進する。

考案が解決しようとする問題点 しかし（１）の方法は充分な液回り状態を確保するため
には電池性能を犠牲にしなければ効果が得られず、
（２）の方法は作業性等が複雑になり問題があった。

本考案は上記従来の問題点を解消するもので、電解液注
入後の液回りを向上し、正極への電解液浸透を均一にし
て、放電性能の安定した電池を提供することを目的とす
る。

問題点を解決するための手段 この問題を解決するため本考案は渦巻状に構成された負
極および正極と金属性容器内底部との間に介在する下部
絶縁板に網目状のものを使用するものである。

作用 この構成によれば下部絶縁板に設けた網目部が、渦巻状
に構成された負極および正極と下部絶縁板、および金属
性容器内底部との間の機密状態を解放して、電解液注入
後の液回りを向上させ、正極への電解液浸透を均一にし
て、放電性能の安定化に役立つこととなる。

実施例 以下、本考案の実施例を第１図から第４図を参照して説
明する。

第１図はリチウム−フッ化炭素系の筒形有機電解質電池
を示す。図において１は正極、２は負極で、各々、３セ
パーレタで包被されている。４は本考案による樹脂製の
下部絶縁板で、網目状のものを設置している。５は金属
性容器で、負極リード板６が内底部に溶接されている。

第２図は本考案の下部絶縁板で、網目状にしたものの断
面図であり、第３図はその正面図である。

次に従来方法の樹脂製下部絶縁板を使用した電池をＡと
し、本実施例によるものをＢとして、それぞれの放電性
能および正極への電解液浸透状態を測定したところを第
４図A,Bのとおりであった。

考案の効果 以上の説明から明らかなように下部絶縁板に網目状のも
のを使用した本考案の電池は、渦巻状に構成された負極
および正極と下部絶縁板、および金属性容器内底部との
間の機密状態を解放して、電解液注入後の液回りを向上
させ、正極への電解液浸透を均一にして、放電性能の安
定化を図ることができると言う効果が得られた。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例における有機電解質電池の下部
半截断面図、第２図は網目状の下部絶縁板の断面図、第
３図はその正面図、第４図A,Bは放電性能および正極へ
の電解液浸透状態の比較を示す図である。 １……正極、２……負極、３……セパレータ、４……下
部絶縁板、５……金属性容器、６……負極リード板、４
−a,4−ｂ……網目状の下部絶縁板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】軽金属を活物質とした負極と、正極と有機
   電解質とからなる電池であって、渦巻状に構成された負
   極および正極と負極端子を兼ねる金属性容器内底部との
   間に介在する樹脂製の下部絶縁板に、網目状のものを使
   用することを特徴とする有機電解質電池。