JPS6321100Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は渦巻状発電要素を備えた電池に関し、
有底筒状の外装缶の内底面と、発電要素を内部に
収納するとともに前記外装缶内に嵌挿した筒状内
缶下端部との間に多角形状の絶縁板を配置して、
絶縁板の角部を内缶下端部と外装缶内底面との間
で部分的に挾持するとともに、角部間を結ぶ辺と
内缶下端との間に微小間〓を設けて、電池製造時
の注液を容易かつ迅速にすることを目的とするも
のである。

渦巻状発電要素を備えた電池は、第１図に示す
如くセパレータ１、陽極板２及び陰極板３を渦巻
状に巻回した発電要素４を、上端に封口板５を支
える内方折曲部６ａを有した筒状内缶６内に挿入
し、これを有底筒状の外装缶７内に収納する。そ
して筒状内缶の内方折曲部６ａに環状ガスケツト
８を配置し、封口板５を外装缶７の上端を内方へ
かしめて絶縁的に封口するとともに、陰極板３は
これと電気的、機械的に接触している巻芯９と、
その上端が喰い込んだ軟質金属体あるいはスポン
ジ状金属体１０とを介して封口板５に接続され、
陽極板２は内缶６を介して外装缶７に接続されて
いる。なお１１及び１２は短絡防止のために発電
要素の上下に設置したリング状絶縁板及び円盤状
絶縁板である。

これまでの電池は筒状内缶６にリング状絶縁板
１１の外周縁が密着し、円盤状絶縁板１２には内
缶６の下端が第４図、第５図に示すＡの如く喰込
んでいた。従つて電解液の注入に当つては発電要
素の下部からの液の回り込みは期待できなく、発
電要素の上面中央部からの浸入によらなければな
らないため、気液の置換が速やかに行なわれず注
液所要時間がかかるという問題があつた。

本考案はこのような問題を解決したものであ
り、渦巻状発電要素の下側に配置する絶縁板を多
角形として筒状内缶と外装缶内底面とでこの絶縁
板の周縁部を部分的に挾持することを特徴とした
ものである。

以下、本考案の実施例を図面によつて説明す
る。第２図は第１図のイ部分に相当する本考案電
池の要部拡大断面図であり、発電要素４と外装缶
７との間に位置する絶縁板１３は、例えば第３図
に示す六角形に形成されていて、筒状内缶６と外
装缶７の内底面とで周縁部の一部Ａは内缶６が喰
い込むように挾持されるとともに一部は何ら挾持
されなく第２図のＢで示す如く、発電要素４と内
缶６及び絶縁板１３との間に微小間〓を生じ、内
缶６と外装缶７との間に通じた排気経路を形成し
ている。

このため、電解液の注入に当つて発電要素の上
面中央部に電解液を供給すると、発電要素中の空
気は液によつて押されて微小間〓Ｂより、第２図
の矢印の如く発電要素外へ押し出され、気液の置
換が促進されるため、電解液は速やかに発電要素
下部まで入り込み、発電要素への電解液の供給は
均一かつ迅速に行なうことができ、電池の組立作
業時の効率向上を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は渦巻状発電要素を内部に収納した電池
の断面図、第２図は第１図のイ部分に相当する本
考案電池の要部拡大断面図、第３図は絶縁板と筒
状内缶との関係を示す下面図、第４図は従来の電
池の要部拡大断面図、第５図は絶縁板と筒状内缶
との関係を示す下面図である。 ４……渦巻状発電要素、５……封口板、６……
筒状内缶、６……外装缶、８……ガスケツト、１
３……多角形（六角形）の絶縁板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 有底筒状の外装缶の内底面と、渦巻状発電要素
   を内部に収納するとともに前記外装缶内に嵌挿し
   た筒状内缶の下端との間に前記外装缶内径と同一
   の外径をもつた多角形の絶縁板を配置し、前記外
   装缶内底面と筒状内缶とによつて多角形絶縁板の
   角部を部分的に挾持するとともに、角部間を結ぶ
   辺と内缶下端との間に微小間〓を設けてなる電
   池。