JPH0635099Y2 - 化粧板付アルミニウム型材 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案に係る化粧板付アルミニウム型材は、ガラス障
子用の框を構成するのに利用する。

（従来の技術） 近年、家屋に対する高級指向が高まり、ガラス障子用の
框の表面を、天然木により造られた化粧板で覆う事が広
く行なわれる様になっている。

この為従来から、アルミニウム押し出し型材の側面に化
粧板を添着した、各種構造の化粧板付アルミニウム型材
が、框を構成する為に造られている。

従来から一般的に使用されている化粧板付アルミニウム
型材としては、 化粧板にブラケットを固定すると共に、アルミニウム
型材と化粧板とを、それぞれの部材の長さ方向に亙って
相対的に摺動させる事で、両部材同士を凹凸係合させた
もの、 或は アルミニウム型材の側面に、単に化粧板を螺子止めし
たもの がある。

（考案が解決しようとする課題） ところが、上述の様な従来の化粧板付アルミニウム型材
の場合、次に述べる様な不都合を生じる。即ち、 アルミニウム型材とブラケットを固定した化粧板と
を、それぞれの部材の長さ方向に亙って相対的に摺動さ
せる事で組み合わせたものの場合、化粧板とブラケット
との取付位置の誤差が、そのまま化粧板とアルミニウム
型材との組み合わせ誤差につながる為、ブラケットを化
粧板に固定する作業を慎重に行なう必要があり、化粧板
付アルミニウム型材の製造の能率化を図り難い。

又、アルミニウム型材の側面に、単に化粧板を螺子止
めしたものの場合、螺子止め箇所が多くなり、やはり化
粧板付アルミニウム型材の製造の能率化を図り難くなる
だけでなく、場合によっては螺子止めを行なえない部分
も生じる為、採用出来ない場合もある。

本考案の化粧板付アルミニウム型材は、上述の様な不都
合を何れも解消するものである。

（課題を解決する為の手段） 本考案の化粧板付アルミニウム型材は、アルミニウムを
押し出し成形する事で造られ、側面に断面がＬ字形の第
一の鉤部を有し、それ自体でガラスパネルの端縁部を支
持出来る型材と、側面に第一の鉤部と係合する断面がＬ
字形の第二の鉤部を有する補助板を固定した化粧板とか
ら成り、この化粧板と上記型材とを螺子止めにより結合
している。

更に、本考案の化粧板付アルミニウム型材では、上記第
一、第二の両鉤部を、それぞれ化粧板とアルミニウム型
材との螺子止め結合時に互いに係合する位置に形成する
と共に、第一、第二の両鉤部を、化粧板とアルミニウム
型材との引き離し時に、互いの係合が外れる方向に向け
ている。

（作用） 上述の様に構成される本考案の化粧板付アルミニウム型
材を組み立てる場合、予め補助板を固定した化粧板とア
ルミニウム型材とを互いに近付け、補助板に形成した第
二の鉤部と、アルミニウム型材に形成した第一の鉤部と
を係合させる。

両鉤部は、それぞれ断面がＬ字形を成し、しかも化粧板
とアルミニウム型材との引き離し時に、互いの係合が外
れる方向に向いており、両鉤部同士を互いに係合させた
状態のまま、化粧板とアルミニウム型材との位置関係
を、若干調節自在となる為、この状態で、化粧板とアル
ミニウム型材との位置合わせを行なう。

化粧板とアルミニウム型材との位置合わせが完了したな
らば、化粧板とアルミニウム型材とを螺子止めする。化
粧板とアルミニウム型材とは、螺子止めによるだけでな
く、上記第一、第二の両鉤部同士の係合によっても互い
に結合される為、螺子止め部分は、化粧板とアルミニウ
ム型材とを単に螺子止めした場合に比べて少なく出来
る。又、螺子止め位置の自由度も増す為、螺子止めを行
なえなくなる事もない。

又、修繕作業等の為、化粧板とアルミニウム型材とを分
離する必要が生じた場合には、螺子止め部分を外し、上
記第一、第二の両鉤部同士の係合を外す。この様に両鉤
部同士の係合を外す作業は軽い力で容易に行なう事が出
来、この作業に伴って化粧板やアルミニウム型材を傷め
る恐れもない。従って、修繕作業後、（修繕前に傷んで
いなければ）再びそれ迄の部材を使用する事が可能とな
る。

（実施例） 第１〜２図は本考案の化粧板付アルミニウム型材により
造られた窓装置を示している。この窓装置は、上枠１と
下枠２と左右の竪枠３、３とから成る窓枠４の内側に、
上框５と下框６と突き合わせ框7a、7bと召し合わせ框8
a、8bとでガラスパネル９の四周を囲んだガラス障子10
a、10bを建て込む事で構成されている。

各枠１〜３及び各框５、６、7a、7b、8a、8bは、何れも
化粧板付アルミニウム型材により造られているが、各枠
１〜３を構成する化粧板付アルミニウム型材は、従来か
らの構造により造られたものであり、各框５、６、7a、
7b、8a、8bを構成する化粧板付アルミニウム型材が、本
考案の構造により造られている。

各ガラス障子10a、10bの上框５、５を構成する化粧板付
アルミニウム型材は、アルミニウムを押し出し成形する
事で造られ、それ自体でガラスパネル９の上端縁部を支
持出来る型材11と、補助板12を固定した化粧板13とから
構成されている。

型材11の室内側面（第１図の右側面）には、断面がＬ字
形で、下方（上下は使用状態を示した図面による。以下
同じ。）に向けて開口した第一の鉤部14を形成してい
る。一方、化粧板13の室外側面（第１図の左側面）に形
成した凹部15の内側には補助板12を、螺子17により固定
している。この補助板12の下端縁部には、室外側（第１
図の左側）に向けて、断面がＬ字形で、上方に開口した
第二の鉤部16を形成している。

上述の様な第一の鉤部14を形成したアルミニウム製の型
材11と、補助板12を固定した化粧板13とは、第一、第二
の両鉤部14、16同士を互いに係合させると共に、型材11
の上端縁に形成した突条18に穿設した円孔を挿通した螺
子19を、化粧板13の上面に螺合させる事で、互いに結合
される。この為、上記第一、第二の両鉤部14、16は、そ
れぞれ化粧板13とアルミニウム製の型材11との螺子止め
結合時に、互いに係合する位置に形成している。

上述の様に構成される本考案の化粧板付アルミニウム型
材を組み立てる場合、予め補助板12を固定した化粧板13
とアルミニウム製の型材11とを、型材11が化粧板13より
も上方に存在する状態から、互いに近付ける。そして、
化粧板13に固定された補助板12に形成した第二の鉤部16
と、アルミニウム製の型材11に形成した第一の鉤部14と
を互いに係合させる。この係合により、型材11と化粧板
13とが、室内外方向には、互いに離れない様になる。

第一、第二の両鉤部14、16は、それぞれ断面がＬ字形を
成し、しかも化粧板13とアルミニウム製の型材11とを第
１図の上下方向に亙って引き離そうとした時に、互いの
係合が外れる方向に向いている。上記両鉤部14、16がこ
の様な向きに形成されている事に伴ない、両鉤部14、16
同士を互いに係合させた状態のまま、化粧板13と型材11
との上下位置関係を、若干調節自在となる。

この為、第一、第二の両鉤部14、16同士を係合させ、型
材11の突条18を貫通させた螺子19によって化粧板13と型
材11とを結合する場合、化粧板13と補助板12との取付位
置に若干の誤差が存在していたとしても、この誤差が吸
収される。言い換えれば、上記化粧板13の幅寸法（高
さ）をあまり厳密に規制しなくても、上記化粧板13と型
材11とをがたつきなく結合出来る。

螺子19を化粧板13の上面に螺合させた後は、化粧板13と
型材11とは、螺子19による螺子止め部と、第一、第二の
両鉤部14、16同士の係合部とにより、互いに結合され
る。この様に、化粧板13とアルミニウム製の型材11と
は、螺子止めによるだけでなく、第一、第二の両鉤部1
4、16同士の係合によっても、互いに結合される為、螺
子19による螺子止め部分は、従来の場合の様に、化粧板
13と型材11とを単に螺子止めする場合に比べて、少なく
出来る。又、螺子止め位置の自由度も増す為、螺子止め
を行なえなくなる事もない。

即ち、化粧板13と型材11とを結合する為の螺子19は、上
框５、５を構成する場合の様に、型材11、11の上縁部に
形成した突条18、18を貫通させる他、下框６、６を構成
する場合の様に、型材20、20の下縁部に形成した突条2
1、21を貫通したりする事も出来る。尚、上記型材20、2
0は、それ自体でガラスパネル９、９の下端縁を支持出
来る。

又、突き合わせ框7a、7bや召し合わせ框8a、8bの場合、
第２図に示す様に、突き合わせ框7a、7bを構成する型材
22の外端縁部に形成した突条23、23を貫通させたり、召
し合わせ框8a、8bを構成する型材24a、24bの端縁部に形
成した突条25a、25bを貫通させる事も出来る。

更に、第２図に示した召し合わせ框8a、8bの場合、型材
24a、24bを結合する為の第一、第二の鉤部14、16の係脱
方向と、螺子19、19の螺合方向とが異なるが、この場合
に於いても、第一、第二の両鉤部14、16により、型材24
a、24bと化粧板13、13との位置合わせをする事が出来
る。

尚、上記各型材22、24a、24bは、それ自体で、ガラスパ
ネルの端縁を支持出来る。

（考案の効果） 本考案の化粧板付アルミニウム型材は、以上に述べた通
り構成される為、螺子止めする個所が少なくて済み、製
造作業が容易であるにも拘らず、化粧板とアルミニウム
型材との位置合わせを容易に行なう事が出来、良質の化
粧板付アルミニウム型材を安価に提供する事が出来る。

また、窓枠やガラス障子を修理する為、化粧板とアルミ
ニウム型材とを分離し、再び結合する作業も、容易に、
しかも各部材を傷める事なく行なえる。従って、各部材
を再使用する事が可能となり、修理に要する費用の節減
を図れる。

【図面の簡単な説明】

第１〜２図は本考案の化粧板付アルミニウム型材により
造られた窓装置を示しており、第１図は縦断側面図、第
２図は横断平面図である。 1:上枠、2:下枠、3:竪枠、4:窓枠、5:上框、6:下框、7
a、7b:突き合わせ框、8a、8b:召し合わせ框、9:ガラス
パネル、10a、10b:ガラス障子、11:型材、12:補助板、1
3:化粧板、14:第一の鉤部、15:凹部、16:第二の鉤部、1
7:螺子、18:突条、19:螺子、20:型材、21:突条、22:型
材、23:突条、24a、24b:型材、25a、25b:突条。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】アルミニウムを押し出し成形する事で造ら
   れ、側面に断面がＬ字形の第一の鉤部を有し、それ自体
   でガラスパネルの端縁部を支持出来る型材と、側面に第
   一の鉤部と係合する断面がＬ字形の第二の鉤部を有する
   補助板を固定した化粧板とから成り、この化粧板と上記
   型材とを螺子止めにより結合した化粧板付アルミニウム
   型材であって、上記第一、第二の両鉤部を、それぞれ化
   粧板とアルミニウム型材との螺子止め結合時に互いに係
   合する位置に形成すると共に、第一、第二の両鉤部を、
   化粧板とアルミニウム型材との引き離し時に、互いの係
   合が外れる方向に向けた、化粧板付アルミニウム型材。