JPH0635027Y2 - 落葉避け機能付き軒樋の構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は落葉避け機能付き軒樋の構造に関するものであ
り、詳しくは落葉を避けるための網板の軒樋への取付構
造に関するものである。

［従来の技術］ 従来、落葉避け機能付きの軒樋としては第５図に示すよ
うに軒樋１の両上端部に形成された耳部２に網取付用の
取付具７を取着し、この両取付具７間に網板５を架設し
て、取付具７に設けた係止片７′により網板５を固定す
るというものであった。

［考案が解決しようとする課題］ しかし上述のような従来例にあっては、屋外側に位置す
る耳部2bに設けられた取付具７が外観上見えることとな
り、この取付具７によって軒樋１の外観が損なわれると
いう問題があった。しかも、網板５の着脱が容易ではな
い上に、網板５にがたつきが生じやすく、さらに網板５
上に溜まった汚れた落葉が落下する時、軒樋１の屋外側
の面に付着したりしてこの屋外側の面を汚してしまうも
のであった。

本考案は上記問題点を解決しようとするものであり、そ
の目的とするところは、軒樋の外観を損なうことなく、
簡単且つ確実に軒樋に落葉避け機能を設けることができ
る落葉避け機能付き軒樋の構造を提供するにある。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成するために、本考案における落葉避け機
能付き軒樋の構造は、軒樋１の両上端部に形成された耳
部のうち、家屋側に配される一方の耳部2aの内面側より
屋外側上方に向けて係止片３を突設し、上記家屋側に配
される耳部２よりも高いところに位置する他方の耳部2b
の下方内面に係止凹部４を設け、両耳部間2a,2bの長さ
よりもやや長い幅であって弾性を有している網板５の一
端を上記係止片３に載設すると共に他端を係止片３より
も高い位置にある係止凹部４に係合させて上記両耳部2
a,2b間に網板５を上方に湾曲し且つ家屋側に向けて下り
傾斜させた状態で配設したことに特徴を有するものであ
る。

［作用］ 網板は軒樋の内面側にその両端を位置させるとともに軒
樋の屋外側については軒樋内面に設けた係合凹部を利用
するとともに網板の弾性を利用して配設することから網
板を簡単に配設することができる上に、この時、網板が
外から見えないように配設することができるものであ
り、また網板の湾曲と傾きとから、網板上の汚れた落葉
が外から見えることもないものである。

［実施例］ 第１図、第４図は本考案の各実施例を示すものである。
この軒樋１は軒樋保持具６にて家屋の軒先に配設するこ
とができるように両上端部に耳部２を形成してあり、第
２図に示すように両耳部２に軒樋保持具６の両端に設け
た保持部6aをそれぞれ嵌着して固定してある。そして軒
樋保持具６は家屋の鼻板等に取着され、軒樋１は軒先保
持具６と共に家屋の軒先に設置されるようにしてある。
軒樋１の屋外側に位置される耳部2bの下方内面には耳部
2bの下方を内方に折曲させることで内方に向けて開口し
た係止凹部４を形成してある。家屋側に位置される耳部
2aの内面には屋外側上方に向けて係止片３を突設してあ
る。この係止片３は第３図に示すように家屋側に位置さ
れる耳部2aに嵌着する網板取付用の取付具７の下端に形
成してある。取付具７は横片7aの両端より下方に向けて
垂下片7bを垂設してあり、この垂下片7bによって耳部2a
を保持して耳部2aに取着することができるようにしてあ
る。そして内面側に位置する垂下片7b′の下端より屋外
側上方に向けて係止片３を突設してあり、取付具７を家
屋側に位置する耳部2aに嵌着させることで、耳部2aの内
面側に係止片３を突設してある。7cは抜け止め用の固定
片である。このとき、上記係止片３は耳部2aの内面側よ
り一体に突設されていてもよい。５は上記係止凹部４と
係止片３との間に配設される網板である。この網板５は
弾性を有する合成樹脂等から形成されており、上記両耳
部2a,2b間の長さよりもやや長い目に幅を形成してあ
る。そして一端を係止片３に載設すると共に他端を上記
係止凹部４に係合して両耳部2a,2b間に配設してある。
このとき網板５は両耳部2a,2b間の長さよりも長い目に
形成してあることにより、一端を係止片３に載設すると
共に他端を係止凹部４に係合することで、弾性力により
やや上方に向けて彎曲された状態で配設されるようにし
てあるとともに、耳部2b及び係止凹部４を、耳部2a及び
係止片３よりも高い位置とすることによって、家屋側に
向けて下り傾斜する状態で配されるようにしてある。こ
のようにやや上方に向けて彎曲させて状態で設置してあ
ることにより、落葉が網板５上に乗ったとしても家屋側
に滑り落ちやすく、軒樋１で受ける雨水の流れを妨害す
ることがない。

このように網板５の他端は軒樋１自体である屋外側の耳
部2bの下方内面に設けた係止凹部４に係合させてあるの
で、屋外側に位置される耳部2bには網板５の他端を固定
するための部材を設ける必要がなく、部材が外観上見え
るということがなく、軒樋１の外観を損なうということ
がない。また、網板５の他端は軒樋１自体に設けた係止
凹部４に係合させてあるので、取付具７は家屋側の耳部
部2aの片側だけに設けるだけでよく、網板５を取付ける
場合の部品点数を減らすことができると共に施工工数を
減らすことができ、網板５の取付けを容易に行うことが
できる。

［考案の効果］ 以上のように本考案においては、網板は自身の弾性によ
って軒樋に確実にがたつきなく取り付けられるととも
に、一端側は係止片上に載設することから着脱が容易な
ものであり、そして装着された状態の網板は上方に湾曲
するとともに家屋側に傾斜していることから、この網板
上にのった落葉は家屋側に滑り落ちやすくなっていて軒
樋で受ける雨水の流れを妨害することがないと同時に、
溜まった落葉が軒樋の屋外側に見えてしまうようなこと
がなく、そして網板上の汚れた落葉が落下する時も軒樋
の家屋側から落ちるために、軒樋の屋外側の面が汚れに
くいものであり、網板が軒樋の内面側に配されて外から
見えることもないことと併せて、外観を損なうというこ
とがないものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の施工状態を示す断面図、第
２図は同上の部分拡大斜視図、第３図は同上の保持具の
斜視図、第４図は同上の他の実施例の断面図、第５図は
従来例の断面図であって、 １は軒樋、２は耳部、2aは家屋側に位置する耳部、2bは
屋外側に位置する耳部、３は係止片、４は係止凹部、５
は網板である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】軒樋の両上端部に形成された耳部のうち、
   家屋側に配される一方の耳部の内面側より屋外側上方に
   向けて係止片を突設し、上記家屋側に配される耳部より
   も高いところに位置する他方の耳部の下方内面に係止凹
   部を設け、両耳部間の長さよりもやや長い幅であって弾
   性を有している網板の一端を上記係止片に載設すると共
   に他端を係止片よりも高い位置にある係止凹部に係合さ
   せて上記両耳部間に網板を上方に湾曲し且つ家屋側に向
   けて下り傾斜させた状態で配設して成る落葉避け機能付
   き軒樋の構造。