JPH06349673A - 積層セラミックコンデンサの製造方法 - Google Patents

積層セラミックコンデンサの製造方法

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JPH06349673A
JPH06349673A JP5141613A JP14161393A JPH06349673A JP H06349673 A JPH06349673 A JP H06349673A JP 5141613 A JP5141613 A JP 5141613A JP 14161393 A JP14161393 A JP 14161393A JP H06349673 A JPH06349673 A JP H06349673A
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internal electrode
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ceramic capacitor
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Toshiyuki Suzuki
俊之 鈴木
Tsutomu Nishimura
勉 西村
Atsuo Nagai
淳夫 長井
Takeki Kamata
雄樹 鎌田
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は卑金属を内部電極とする積層セラミッ
クコンデンサを、焼成時の雰囲気コントロールなく大量
に安定して製造する方法を提供するものである。 【構成】卑金属を内部電極とする積層セラミックコンデ
ンサの製造方法において、有機成分を除去する脱バイン
ダ工程を、積層セラミックコンデンサ未焼結体中の誘電
体セラミック層および卑金属内部電極層が焼結しない温
度と卑金属内部電極層が酸化しない雰囲気で行い、その
後卑金属内部電極層を還元するガスを含まない雰囲気中
で誘電体セラミック層と卑金属内部電極層を焼結させる
工程を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、卑金属を内部電極とす
る積層セラミックコンデンサの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】積層セラミックコンデンサは、電極と誘
電体が層状に構成されているもので、セラミック作製技
術によって一体化、固体化されるため、高周波用途にも
優れた性能を示す。また、チップ型はリード線がないた
め部品実装の際直付けが可能で、電子機器の小型軽量化
への要求にもマッチし、今後増々発展が期待されてい
る。
【0003】積層セラミックコンデンサに対する今後の
要求は、大容量化、小型化、低価格化である。積層セラ
ミックコンデンサの容量は一般的に次の式で表せる。 C=EoEs×s/d×n ただし Eo:真空の誘導率 Es:誘電体材料の比誘電率 n:積層数 s:1層当りの有効電極面積 d:誘電体の厚さ 大容量化に向けては、上式よりも明らかなように、誘電
体材料の高誘電率化、電極面積を大きくするための高積
層化、誘電体層の薄層化などが有効な手段である。そし
てそのための取り組みが各方面でなされている。
【0004】次に、低コスト化であるが、これが最も大
きな要求である。なぜならば、大容量化および小型化
は、低コスト化と相反する要求ではなく同時に取り組む
べき課題であるからである。
【0005】従来の積層セラミックコンデンサのほとん
どは、内部電極に貴金属のPdが用いられている。その
ため、生産コストに占める内部電極材料コストの比率が
7割以上とも言われている。特に静電容量の大きなもの
では内部電極層数が多くなるため、さらにコスト高とな
る。そのため積層セラミックコンデンサは容量効率が高
く、誘電的特性に優れ、かつ高信頼性にもかかわらず、
価格面がその進展に大きな障害となっていた。そして、
これらのコストダウンを目指して各方面で種々の検討が
なされている。その取り組みは、省貴金属化と脱貴金属
化に大別できる。省貴金属化に対しては、貴金属のうち
で比較的コストの低いAgに着目し、Ag−Pdを内部
電極材料とする方法が検討されている(たとえば、特開
昭49-19399号公報)。
【0006】一方、Agでもコストが高いとし、脱貴金
属化、すなわち卑金属化を指向する方向もある。つまり
内部電極材料にNiを用いるというものである。Niな
どの卑金属を内部電極として使用する場合、焼成はNi
が酸化されない非酸化性雰囲気で行われなければなら
ず、誘電体材料にも当然耐還元性が要求される(たとえ
ば、特開昭55-37568号公報、特開昭61-256968 号公報、
特開昭60-109104 号公報など)。
【0007】次にNiを内部電極とする積層セラミック
コンデンサは、一般に、表面に内部電極が塗布された誘
電体グリーンシートを複数枚積層した未焼結積層体をま
ず作製し、それを切断工程により個片に分ける。その個
片一つ一つが積層セラミックコンデンサとなる。次にこ
の積層セラミックコンデンサの未焼結体中に含まれる有
機成分の除去を大気中400℃程度までの温度で行う。
そのため卑金属内部電極層のNiの約半分が酸化され
る。これが脱バインダ工程である。その後、窒素とグリ
ーンガス(窒素と水素の混合ガス)で雰囲気中の酸素濃
度をNiとNiOの平衡酸素分圧以下に制御した焼成工
程により、内部電極と誘電体層が焼結一体化される。そ
の後外部電極の形成、Niメッキ、半田メッキがなされ
る。
【0008】ここで焼成工程は、誘電体材料組成に影響
されるものの、一般に1250℃以上の温度で行われ
る。1250℃でのNiとNiOの平衡酸素分圧は約1
×10-7気圧程度である。しかしながら、NiとNiO
の平衡酸素分圧は温度と共に変化するものであり、焼成
工程における昇降温過程においては極めて低い値とな
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記のよ
うな方法では大きな問題がある。まず第1は電気炉内の
雰囲気を、炉内の位置によるばらつきなく所望の酸素濃
度にコントロールすることが困難なことである。通常積
層セラミックコンデンサはジルコニア製の鞘に乗せて焼
成されているが、焼成量を増やすためにその鞘が何段に
も積み重ねて行われる。そしてその鞘と鞘との間隔が狭
ければ狭いほど炉内に入れる鞘の枚数が多くなり、それ
だけ大量の積層セラミックコンデンサを一度の焼成で製
造することができる。しかし窒素とグリーンガスによっ
て雰囲気コントロールを行って焼成する場合、鞘と鞘の
間へ均一なガスをまんべんなくいきわたらせることは困
難である。そのため試料の炉内での位置によって酸素濃
度が異なることとなり、特性においても大きなばらつき
を生じる結果となる。そして、この特性のばらつきは、
誘電体材料よりは内部電極層の形成状態に起因する場合
が多い。すなわち誘電体材料の特性が雰囲気のばらつき
によって大きく変化するのではなく、内部電極層が拡散
等の原因により途切れ途切れになったり、あるいは消失
してしまい、電極の有効面積が減少したために設計どう
りの容量が出ないなどの問題を生ずるのである。ではな
ぜ上記のような問題が発生するのかであるが、これには
脱バインダ工程の段階で、有機成分の除去と同時に内部
電極の酸化が起こるためである。そのため、焼成工程に
おいては、内部電極層を還元しながら誘電体セラミック
層と内部電極層を焼結させている。そのためにグリーン
ガスで電気炉内の雰囲気をコントロールする必要が生じ
るのである。しかしながら、この場合、どうしてもガス
が均一に炉内に分布せず、位置によって内部電極層の還
元の程度が異なることとなる。そして、充分に内部電極
層が還元された部分のものについては問題がないもの
の、還元不十分のものについては特性が得られないこと
になる。一方、電気炉内で最も還元されにくい部分も還
元されるほど還元ガス(たとえば水素ガス)の濃度を高
めた場合、最も還元され易い位置の試料に問題が生じ
る。それは誘電体材料が半導体化してしまい、絶縁抵抗
が極端に低くなり、コンデンサとしての役目を果たさな
くなるというものである。これほど電気炉内に還元ガス
を均一に分布させることは困難なのである。現在の大気
中で行う脱バインダでは、内部電極層が酸化されない程
度にバインダを充分に除去することはできない。カーボ
ンを充分に除去するため温度を上げると内部電極層の酸
化が多くなり、50%以上電極が酸化されると膨張によ
りデラミネーションなどの構造欠陥が発生したり、特性
が得られなくなる。酸化を防ぐために温度を下げると、
未焼結積層体中の残存カーボン量が多くなる。これは製
品としての信頼性が低くなるという重大な問題を引き起
こす。
【0010】本発明は上記の問題に留意し、卑金属を内
部電極とする積層セラミックコンデンサの製造におい
て、焼成時の雰囲気コントロールなく、大量に、かつ、
安定して製造する方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の積層セラミックコンデンサの製造方法は、
卑金属内部電極層を有する積層セラミックコンデンサ
を、水蒸気10から70vol%、水素0.1から5v
ol%を含む不活性ガス中、400から700℃の温度
で脱バインダし、その後卑金属内部電極層を還元するガ
スを含まない雰囲気中で誘電体セラミック層と卑金属内
部電極層を焼結させる工程を有することを特徴とするも
のである。ここで卑金属内部電極層の出発原料は、少な
くともNi金属粉と有機ビヒクルとを混練してなるNi
ペーストであることを特徴とするものである。
【0012】
【作用】本発明の積層セラミックコンデンサの製造方法
は、大気中で行う脱バインダに対して不活性ガス中で行
うので、脱バインダ工程で卑金属内部電極層が酸化され
ない。したがって大気中よりも温度を高くしてバインダ
の熱分解の効果を促進することができる。また水蒸気に
よっても促進される。しかし600℃以上の高温では水
蒸気の酸素によっても卑金属内部電極層が酸化される
が、還元ガスにより酸化を防ぐことができる。この脱バ
インダ方法により卑金属内部電極層が酸化されずに有機
成分を十分に除去することができる。その後の焼結工程
においては、雰囲気中の還元ガス(たとえば水素ガスな
ど)濃度をコントロールする必要がない。ここで、問題
となるのは雰囲気中の酸素濃度である。しかしながら、
1250℃でのNiとNiOの平衡酸素分圧程度の酸素
を均一に含ませた雰囲気を実現することはさほど困難な
ことではない。たとえば、一般に用いられる配管の窒素
ガス中の酸素濃度もほぼこの程度であるし、電気炉内を
真空ポンプなどにより減圧することによっても容易に得
られるものである。また卑金属内部電極層がメタライズ
工程によって十分金属化されているために、焼結工程に
おける雰囲気中の酸素は卑金属内部電極層の酸化に使用
されるものの、一度に焼成する試料の数が増えればふえ
るほど電極酸化の度合は小さくなるため、電極消失によ
り特性に大きな影響を及ぼすこともない。このことは従
来例で示した製造方法とは逆に、量が増えれば増えるほ
ど雰囲気中の酸素濃度は問題にならない程度のもので雰
囲気コントロールの必要がないことを示すものである。
【0013】
【実施例】以下に本発明の一実施例について詳細に説明
する。 (実施例1)まず未焼結積層セラミックコンデンサの作
製方法について説明する。誘電体材料にはチタン酸バリ
ウム(BaTiO3 )99.5重量%に添加物として二
酸化マンガン(MnO2 )0.5重量%を加えた組成を
用いた。ここでBaTiO3は、試薬の炭酸バリウム
(BaCO3 )と二酸化チタン(TiO2 )とをボール
ミル中で湿式混合した後、吸引濾過、乾燥し、空気中1
200℃で2時間仮焼し合成した。この後ボールミル中
で湿式粉砕したものを乾燥して用いた。このようにして
作製したBaTiO3 の平均粒径はSEM観察により約
0.8μmであった。
【0014】次にMnO2 は試薬のMnO2 をボールミ
ル中で湿式粉砕し平均粒径を約1μmにしたものを使用
した。このように作製したBaTiO3 とMnO2 を前
記の組成になるように混合したものを無機成分とし、さ
らに、有機バインダとしてポリビニルブチラール樹脂、
可塑剤としてDBP(ジブチルフタレート)、溶剤とし
て、1.1.1.トリクロロエタン、酢酸nブチルを加え、ボ
ールミルにて混合しスラリーを調製した。なお、スラリ
ー化の条件は、無機成分100gに対して、ポリビニル
ブチラール樹脂10g、DBP5g、1.1.1.トリクロロ
エタン100g、酢酸nブチル70gとした。このよう
にして調製したスラリーを真空脱泡の後ドクターブレー
ド法によりフィルム状に造膜しグリーンシートを作製し
た。乾燥後のグリーンシートの厚みは約40μmとなる
ようにした。
【0015】次に内部電極用の卑金属ペーストとして
は、市販のNiペースト(住友金属鉱山製)を用いた。
次に上記Niペーストを用いてグリーンシート上に所望
のパターンをスクリーン印刷(印刷乾燥後約7μm)し
た。このようにして得られた電極パターン形成済みグリ
ーンシートを、内部電極パターンが対向するように11
枚重ね合わせ(すなわち、有効層は10層)、熱圧着し
て一体化した。そしてさらに4mm×3mmの寸法に切断し
て未焼結積層体を準備した。この未焼結積層体の厚みは
約1mmとなるように有効層の両側に各300μm の無効
層を設けた。図1にその断面図を示す。図1において、
1は誘電体層(無効層)、2は誘電体層(有効層)、3
は内部電極層を示している。
【0016】次に、この未焼結積層体の脱バインダを行
なう。脱バインダには管状炉(炉心管内径100mm、
長さ1000mm)を使用し、600℃で4時間、1分
間に0.9リットルの15vol%の水蒸気を含む窒素
ガスと0.1リットルのグリーンガス(窒素ガスに10
%の水素ガスを含有する混合ガス)を流しながら行っ
た。その温度プロファイルを図2に示す。ここに示した
温度プロファイルは一例である。なお、本実施例に示し
た条件での脱バインダ工程の後、内部電極層のNiがど
の程度かを調べた。これは脱バインダ後の未焼結積層体
の磁気特性をVSM装置(試料振動型磁力計)で測定
し、磁化量より判断した。その結果、脱バインダ工程後
のNi量は、脱バインダ工程前、すなわち試料切断後を
100とした場合、約105に増加していた。ここでN
i量が切断後に対して約5%増加したのは、Niペース
トの段階で初期酸化していた部分まで還元されたためと
考えられる。残存カーボン量は大気中400℃の脱バイ
ンダでは300〜400ppmあったが、本実施例の脱
バインダ方法では、残存カーボン量は200〜300p
pmであった。このようにして準備された試料を次に焼
成した。
【0017】焼成には管状炉(炉心管内径100mm、
長さ1000mm)を使用した。試料はジルコニアの鞘
に乗せ炉心管の中央に位置するように設置した。鞘はま
ず1段で行なった。試料数は約100個、全面に広がる
ように配置した。なお敷粉にはジルコニアを使用した。
試料を入れた後、炉心管内を窒素ガスで置換した。
【0018】焼結工程の温度プロファイルを図3に示し
た。なお、焼成時には電気炉内に1分間当り2リットル
の窒素ガスと10ccのグリーンガス(窒素ガスに10
%の水素ガスを含有する混合ガス)を流した(グリーン
ガスはキープ終了まで)。本実施例に用いた窒素ガス
は、液体窒素のタンクから配管により供給されているも
のであり、含まれる酸素濃度は、東レエンジニアリング
(株)製酸素分析計(LC−700L)で測定したとこ
ろ約1ppmであった。以上のようにして得られた焼結
体の端面に、外部電極として市販の900℃窒素雰囲気
焼成用Cuペーストを塗布し、メッシュ型の連続ベルト
炉によって焼付け、特性測定用試料とした。
【0019】靜電容量及び誘電正接は、周波数1キロヘ
ルツ、入力信号レベル1Vrms.にて測定し、靜電容量と
内部電極の寸法形状より比誘電率を算出した。その後直
流50Vを1分間印加し、その時の絶縁抵抗を測定した。
なお、誘電体層の厚みは約25μm 、内部電極層の厚みは
3〜4μm であった。このようにして測定した試料の特
性は比誘電率が室温で約2000、誘電正接(tan δ)
が約0.8%、絶縁抵抗が約1×1011Ωであった。
【0020】以上の結果は、本発明の製造方法により積
層セラミックコンデンサの作製が可能であることを示し
ている。 (実施例2)次に本実施例においては試料を大量に炉内
に投入したときの結果について詳しく説明する。未焼結
積層体の準備方法、焼結工程での温度プロファイルやガ
ス流量は実施例1と同様にして行なった。試料はジルコ
ニアの鞘に乗せ7段積みにした。試料は各段に約100
個全面に広がるように配置した。このようにして実施例
1と同様に真空焼成を行なった。以上のようにして作製
した試料の特性は1段だけで焼成した実施例1の結果と
ほとんど同じであり、積層体作製時の寸法誤差の範囲内
であった。また、Ni量を前述したと同様の方法で測定
したところ約100〜110の範囲にあった。この値は
鞘1段だけで焼成した場合よりも高いものである。これ
は投入する窒素ガス中の酸素量が同じであったため、焼
成する試料が多いほど1つ1つの試料が酸化される度合
が低くなるためである。また鞘の上下の位置による影響
や同じ鞘内でも位置による影響はほとんど認められなか
った。大量試料の焼成において比較例として通常脱バイ
ンダ試料の焼成を行なった。しかしながら比較例の試料
は本発明の製造方法により作製した試料と大きく異なる
特性を示した。まず、靜電容量を試料の上下位置の関係
でみた場合、下の鞘ほど低い値を示した。また、同じ鞘
の中でガスの流れる方向で特性をみた場合、ガスの吹き
出し位置に近い程静電容量が高く、出口に近い程低くな
る傾向にあった。そして極端な場合容量がほとんど得ら
れなかった。得られなかった試料の断面を研磨し、光学
顕微鏡で観察したところ、内部電極層がほとんど消失し
ていた。一方、VSM装置によりNi量を測定したとこ
ろ切断後のNi量を100としたときの相対量として約
50〜110の間にばらついていた。この約50という
値は本実施例で用いた脱バインダ工程後のNi量に相当
するものである。言い替えれば比較例の場合、還元ガス
を電気炉内に投入して焼成したにもかかわらず試料位置
によってはその還元ガスがまったく作用していないこと
を示すものである。そして、同じ鞘内でみた場合、最初
に還元ガスを受ける部分で大部分が消費され、出口に近
い所の試料に対しては充分に供給されていないことがわ
かる。以上のような結果は電気炉内の雰囲気のばらつき
を示すものであり、焼成前に電極を酸化させていないこ
とが非常に重要であるといえる。
【0021】以上の結果より、本発明の実施例に示した
脱バインダ方法により雰囲気コントロールする必要もな
く大量の試料を特性のばらつき少なく製造することが可
能となる。そして、本発明の方法は、焼成試料が多くな
れば多くなるほどその効果を十分に発揮するものであ
る。
【0022】なお、材料面からみた場合、まず誘電体材
料組成は本発明の実施例に示したものに限るものではな
く、耐還元性を有するものであればよい。またグリーン
シート作製時の有機成分についても本実施例に示したも
のに限るものではない。ただし、有機成分の種類により
炭素成分除去のための脱バインダ条件が異なってくるた
め、使用する有機成分により最適な条件を選択してやる
必要がある。水蒸気10から70vol%、水素0.1
から5vol%を含む不活性ガス中、400から700
℃の温度で、Ni電極が酸化されずに残存カーボン量の
低減がみられた。
【0023】また、プロセス面からみた場合、焼結工程
においては本実施例では窒素ガスとグリーンガスの一定
混合ガスを用いたが、混合比はこれに限るものではな
い。
【0024】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の積層セラミ
ックコンデンサの製造方法は誘電体セラミック層と卑金
属内部電極層が焼結しない温度と酸化しない雰囲気で脱
バインダした後、焼結工程を容易に行なうことが可能で
ある。そして焼結工程において厳密に、雰囲気をコント
ロールする方法と比較して、電気炉内の位置による雰囲
気のばらつきがないため、試料を一度に大量焼成するこ
とが可能である。以上の点から本発明は工業上極めて有
効な発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の未焼結積層体の断面図
【図2】脱バインダ工程の温度プロファイルを示す図
【図3】焼結工程の温度プロファイルを示す図
【符号の説明】
1 誘電体層(無効層) 2 誘電体層(有効層) 3 内部電極層
フロントページの続き (72)発明者 鎌田 雄樹 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 卑金属内部電極層を有する積層セラミッ
    クコンデンサを、水蒸気10から70vol%、水素
    0.1から5vol%を含む不活性ガス中、400から
    700℃の温度で脱バインダし、その後卑金属内部電極
    層を還元するガスを含まない雰囲気中で誘電体セラミッ
    ク層と卑金属内部電極層を焼結させる工程を有すること
    を特徴とする積層セラミックコンデンサの製造方法。
  2. 【請求項2】 卑金属内部電極層の出発原料が、少なく
    ともNi金属粉と有機ビヒクルとを混練してなるNiペ
    ーストであることを特徴とする請求項1記載の積層セラ
    ミックコンデンサの製造方法。
JP5141613A 1993-06-14 1993-06-14 積層セラミックコンデンサの製造方法 Pending JPH06349673A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002008147A1 (en) * 2000-07-26 2002-01-31 Koninklijke Philips Electronics N.V. Dielectric ceramic barium titanate composition and electronic device
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