JPH06349609A - 電圧非直線抵抗体及びその製造方法 - Google Patents

電圧非直線抵抗体及びその製造方法

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JPH06349609A
JPH06349609A JP5164135A JP16413593A JPH06349609A JP H06349609 A JPH06349609 A JP H06349609A JP 5164135 A JP5164135 A JP 5164135A JP 16413593 A JP16413593 A JP 16413593A JP H06349609 A JPH06349609 A JP H06349609A
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JP
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metal
voltage
oxide
powder
resistor
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JP5164135A
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Koji Hayashi
宏爾 林
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な製法により低コストで製造でき、加工
性に優れると共に靭性が高く、熱衝撃に対して高い抵抗
をもつ電圧非直線抵抗体を提供する。 【構成】 金属粒子と、電気抵抗率が105Ω・m以上の
金属酸化物の粒界とからなる電圧非直線抵抗体。この電
圧非直線抵抗体は、表面に電気抵抗率が105Ω・m以上
の金属酸化物からなる酸化被膜を有する金属粉末を加圧
成形することにより、又は加圧成形体を更に真空中又は
非活性雰囲気中において、前記金属粉末を構成する金属
の融点以下の温度で熱処理することにより製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子機器のバリスタ素
子や送電線における避雷器等として用いられる電圧非直
線抵抗体、及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電圧非直線抵抗体は、電流−電圧特性が
オームの法則に従わない抵抗体であって、電気回路素子
としてはバリスタと呼ばれる。即ち、バリスタはバリス
タ電圧と呼ばれる所定の電圧までは高抵抗を示すが、バ
リスタ電圧を越えると急激に電流を流す性質を持つ抵抗
体であり、電子機器のバリスタ素子や送電線における避
雷器等として、回路等に異常な高電圧が加わるのを防止
するために利用されている。
【0003】従来のバリスタ又は電圧非直線抵抗体とし
ては、炭化ケイ素(SiC)、酸化亜鉛(ZnO)、チ
タン酸バリウム(BaTiO3)等を主成分とするセラ
ミックス焼結体からなるものが知られている。特にZn
Oを主成分とするものは、電圧非直線性に優れているほ
か、結晶粒径や素子の厚さによってバリスタ電圧のコン
トロールが可能なことから、IC回路の保護等に広く用
いられている。又、半導体素子のチェナーダイオードも
電圧非直線抵抗体の一種である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のセラミックス焼
結体からなるバリスタは、電圧非直線性には優れている
ものの、多くの添加物の均一な混合と高温での焼結が必
要となるため、一般的に高コストであるという欠点があ
った。例えば、最も一般的なZnOを主成分とするバリ
スタの場合には、ZnO粉末に粒界形成のための添加物
であるBi23等のほかに、非直線性を向上させるため
にMnO2、CoO、Sb23等を添加混合し、110
0〜1200℃という高温で焼結する必要があった。
【0005】この様な製造上の困難性に加えて、セラミ
ックス焼結体自体が高硬度であるために加工が困難であ
ること、更に実装においては溶射等による電極形成が必
要であることも、セラミックス焼結体からなるバリスタ
のコストを上昇させる要因となっていた。
【0006】又、セラミックス焼結体からなるバリスタ
においては、セラミックスが脆いので取り扱いに注意を
要すること、瞬間的に大電流が流れた時に発生するジュ
ール熱による熱衝撃に対して抵抗が小さいことも、実用
上における大きな問題であった。
【0007】本発明は、かかる従来の事情に鑑み、簡単
な製法により低コストで製造でき、加工性に優れると共
に靭性が高く、熱衝撃に対して高い抵抗をもつバリス
タ、即ち電圧非直線抵抗体を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明において提供する電圧非直線抵抗体は、金属
粒子と、電気抵抗率が105Ω・m以上の金属酸化物の粒
界とからなることを特徴とするものである。
【0009】かかる本発明の電圧非直線抵抗体は、表面
に電気抵抗率が105Ω・m以上の金属酸化物からなる酸
化被膜を有する金属粉末を加圧成形することにより、又
は加圧成形により得られた成形体を更に真空中又は非活
性雰囲気中において、前記金属粉末を構成する金属の融
点以下の温度で熱処理することにより、製造することが
できる。
【0010】尚、粒界自体及び酸化被膜自体の電気抵抗
を測定することは極めて困難であるから、本発明におい
て金属酸化物の粒界又は酸化被膜の電気抵抗率(比抵
抗)とは、当該金属酸化物と同一組成の金属酸化物のバ
ルク体における電気抵抗率を言うものとする。
【0011】
【作用】本発明の電圧非直線抵抗体は、良導体若しくは
半導体である金属粒子と、この金属粒子の間に存在する
金属酸化物の粒界とからなっている。かかる構造により
電圧非直線性が得られる機構は現状ではまだ明確ではな
いが、薄い金属酸化物の粒界に電位差が集中することに
よって、高い再現性で絶縁破壊が生じることによるもの
と考えられる。
【0012】本発明の電圧非直線抵抗体は、粒界を構成
する金属酸化物の電気抵抗率が高いほど非直線性が向上
し、その電気抵抗率が105Ω・m未満では粒界における
絶縁性が乏しいため有効な電圧非直線性が得られない。
電圧非直線抵抗体の非直線性を一層向上させるために
は、粒界の金属酸化物の電気抵抗率が1011Ω・m以上
であることが望ましい。
【0013】かかる本発明の電圧非直線抵抗体は、酸化
被膜を有する金属粉末を加圧成形するか、又はその加圧
成形体を比較的低い温度で熱処理するだけの極めて簡単
な方法により製造することができる。酸化被膜を有する
金属粉末は基本的に1種類であるが、2種類以上を混合
して用いてもよい。得られる電圧非直線抵抗体の粒界は
使用する金属粉末表面の酸化被膜により構成され、金属
粒子は金属粉末の各粒子自身により構成される。
【0014】従って、使用する金属粉末の酸化被膜をな
す金属酸化物は、有効な電圧非直線性を得るため電気抵
抗率が105Ω・m以上、好ましくは1011Ω・m以上で
あることを必要とする。電気抵抗率が105Ω・m以上、
好ましくは1011Ω・m以上の金属酸化物としては、例
えばAl23、MgO、SiO2、NiO等がある。
【0015】一方、金属粉末は、表面に電気抵抗率が1
5Ω・m以上の金属酸化物の酸化被膜を生成し得るもの
が好ましく、純金属粉末のほか合金の粉末であっても、
1種の金属粒子表面に異種金属を被覆した粉末であって
もよい。例えば、酸化被膜としてMg−Al−O化合物
(結晶相としてMgAl23が知られている)を生成す
るMg−Al合金のほか、Al−Si合金等が有効に使
用できる。
【0016】又、金属粉末の酸化被膜は、必ずしも金属
粉末自身の酸化によって生成される必要はなく、CVD
法等により形成することもできる。従って、金属粉末の
表面に、その金属粉末を構成する金属の酸化物と異なる
別種の金属酸化物をCVD法等により形成した粉末を使
用することも可能である。
【0017】かかる本発明方法に従って、酸化被膜を有
する金属粉末を加圧成形しただけの加圧成形体も電圧非
直線性を示し、電圧非直線抵抗体として有効であるが、
粉末同士の接着強度が低いため全体の強度が低く、実装
時の加工抵抗や通電時の熱応力により壊れる恐れがあ
る。そこで、強度を向上させるため、加圧成形体を真空
中又は窒素や希ガス等の非活性雰囲気中で熱処理するこ
とが有効である。
【0018】加圧成形体の熱処理により部分的な焼結現
状が生じ、酸化被膜を維持したまま粒子同士が強固に接
着するので、全体の強度を向上させることができる。熱
処理温度は、使用する金属粉末の組成や粒径、或は目的
とする強度によって異なるが、金属粉末を構成する金属
の融点以下の比較的低い温度でよい。しかも、この熱処
理による粒子形状の変化は殆どないため、バリスタ電圧
の変化は小さく、熱処理温度が比較的高い領域でバリス
タ電圧の若干の低下が認められる程度である。又、セラ
ミックスの焼結時に見られるような寸法収縮も少なく、
寸法精度が容易に確保できる利点がある。
【0019】しかし、熱処理温度が金属粉末を構成する
金属の融点を越えると、金属成分が酸化被膜を突き破っ
て互いに接続することにより絶縁性が破壊されるので、
電圧非直線性を確保するため上記金属の融点以下の温度
で熱処理する必要がある。更に、部分的な酸化被膜の破
壊を防ぐために、上記金属の融点より50℃低い温度以
下で熱処理することが好ましい。例えばAl粉末では、
Alの融点が659℃であるから、熱処理温度は600
℃以下であることが好ましく、特に100〜500℃の
範囲が更に好ましい。
【0020】かかる本発明による電圧非直線抵抗体は、
極めて簡単な方法により製造され、熱処理を施す場合も
比較的低い温度でよいうえ、本質的に金属からなるので
加工性に優れ且つ電極形成も容易であるから、従来のセ
ラミックス焼結体からなる電圧非直線抵抗体に比べて低
コストであり、実装作業の上でも有利である。又、金属
からなるので靭性が高く、瞬間的に大電流が流れた場合
のジュール熱による熱衝撃に対しても高い抵抗を示す。
【0021】尚、本発明の電圧非直線抵抗体におけるバ
リスタ電圧の制御は、原料である金属粉末の粒径やその
表面に存在する金属酸化物の性状、あるいは電圧非直線
抵抗体の厚さ等を変えることによって行うことができ
る。
【0022】
【実施例】実施例1 アトマイズ法により、平均粒径(長径)が20μmで平
均厚さが1μmの鱗片状であって、酸素含有率が0.8
重量%の表面に酸化被膜を有する金属Al粉末を作製し
た。この金属Al粉末を、圧力400MPaで直径10
mm及び厚さ3mmの円板形状に一軸成形し、相対密度
85%の加圧成形体を得た。更に、この加圧成形体を、
10-5torrの真空中において100〜700℃の温
度で1時間熱処理した。
【0023】前記加圧成形体からなる試料、及び加圧成
形体を熱処理した試料について、相対密度を求めると共
に電流−電圧特性を評価し、非オーム指数αを表1に示
した。非オーム指数α(非直線指数とも言う)は、非直
線性が発現する領域において電流(I)と電圧(V)の
間に成立する下記数式により定義され、αが大きいほど
バリスタ電圧からの電流の立ち上がりが大きいことを示
す。
【0024】
【数1】ln(I)=α×ln(V/C) ただし、Cは定数である。
【0025】
【表1】
【0026】上記の結果から、加圧成形のみの試料1及
び加圧成形体を更に熱処理した試料2〜7の抵抗体はい
ずれも電圧非直線性を示す抵抗体であり、特に熱処理温
度が100〜500℃の試料は非オーム指数αが大きく
優れた電圧非直線抵抗体であるが、Alの融点を越えた
温度で熱処理した試料8は非オーム指数αが1となり導
体化したことが判る。
【0027】又、熱処理温度400℃の試料5について
測定した電流−電圧特性を図1に示した。尚、500℃
以下で熱処理した試料の電圧−電流特性は、図1の場合
と大きな違いは見られなかった。更に、全ての本発明の
試料1〜7について、非直線領域を越えて大電流域まで
測定を実施したが、10回の繰り返し測定後も性能の劣
化は認められなかった。
【0028】実施例2 実施例1における金属Al粉末の代わりに、平均粒径1
0μmの球状のNi粉末及び平均長径25μmで平均厚
さ5μmのAl−30重量%Si合金粉末を用い、加圧
成形体の熱処理温度を500℃(一定)としたほかは実
施例1と同様の条件で試料を製造し、相対密度を求める
と共に電気特性を評価した。結果を表2に示した。
【0029】
【表2】 金属粉末の組成 酸素含有量 相対密度 バリスタ電圧 非オーム指数 (重量%) (重量%) (%) (V/mm) α 100%Ni 1.5 84 25 8 Al−30%Si 0.6 83 20 10
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、従来のセラミックス焼
結体からなる電圧非直線抵抗体に比べて遥かに簡単な製
法により低コストで製造でき、しかも本質的に金属から
なるため加工性に優れると共に靭性が高く、熱衝撃に対
しても高い抵抗をもつ電圧非直線抵抗体を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】酸化被膜を有する金属Al粉末の加圧成形体を
熱処理して得た本発明の電圧非直線抵抗体における電圧
非直線性の測定結果を、電流密度と電位勾配に換算して
両対数目盛で示したグラフである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属粒子と、電気抵抗率が105Ω・m以
    上の金属酸化物の粒界とからなる電圧非直線抵抗体。
  2. 【請求項2】 粒界の金属酸化物がAl23、MgO、
    SiO2又はNiOであることを特徴とする、請求項1
    に記載の電圧非直線抵抗体。
  3. 【請求項3】 粒界の金属酸化物が金属粒子を構成する
    金属の酸化物からなることを特徴とする、請求項1又は
    2に記載の電圧非直線抵抗体。
  4. 【請求項4】 表面に電気抵抗率が105Ω・m以上の金
    属酸化物からなる酸化被膜を有する金属粉末を加圧成形
    することを特徴とする電圧非直線抵抗体の製造方法。
  5. 【請求項5】 加圧成形により得られた成形体を、真空
    中又は非活性雰囲気中において、金属粉末を構成する金
    属の融点以下の温度で熱処理することを特徴とする、請
    求項4に記載の電圧非直線抵抗体の製造方法。
  6. 【請求項6】 金属粉末として表面に酸化被膜を有する
    Al粉末を使用し、その加圧成形体を100〜500℃
    の温度で熱処理することを特徴とする、請求項4又は5
    に記載の電圧非直線抵抗体の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013129271A1 (ja) * 2012-02-29 2013-09-06 株式会社村田製作所 Esd保護デバイス

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013129271A1 (ja) * 2012-02-29 2013-09-06 株式会社村田製作所 Esd保護デバイス
JPWO2013129271A1 (ja) * 2012-02-29 2015-07-30 株式会社村田製作所 Esd保護デバイス

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