JPH0634812A - カラーフィルタ - Google Patents

カラーフィルタ

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JPH0634812A
JPH0634812A JP19096292A JP19096292A JPH0634812A JP H0634812 A JPH0634812 A JP H0634812A JP 19096292 A JP19096292 A JP 19096292A JP 19096292 A JP19096292 A JP 19096292A JP H0634812 A JPH0634812 A JP H0634812A
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雅美 矢部
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雄三 桜井
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Abstract

(57)【要約】 【構成】本発明は、透明基板と着色層と透明保護膜とを
備えたカラーフィルタにおいて、該透明保護膜が、
(a)テトラカルボン酸二無水物とアミノ化合物を反応
させて得られた化合物(A)と、(b)アルコキシシラ
ン化合物の加水分解物(B)を常圧または減圧蒸留せし
めて、加水分解反応により生成したアルコールR4 OH
の50%以上を除去した生成物(B´)とを含有する硬
化性組成物の層で形成されたことを特徴とするカラーフ
ィルタである。 【効果】本発明にかかる硬化性組成物を透明保護膜とし
たカラーフィルタは、表面の外観形状および表面平坦性
が優れているため、液晶表示セルに加工した際に外観欠
点が検出されない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶表示素子および固
体撮像素子などに用いられるカラーフィルタに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、カラーフィルタは次の手順で製造
される。透明基板上に着色層をパターン加工する。
透明保護膜を着色層の上に形成する。透明導電膜のパ
ターンを形成する。ここで透明保護膜はパターン加工し
た着色層の平坦化、および着色層の保護のために重要で
ある。
【0003】この透明保護膜には、透明性、表面平坦化
性、硬度、耐熱性、耐候性、密着性といった特性が要求
される。透明保護膜としては、特開平3-251819号公報に
示されるアクリル樹脂、特開平2-228630号公報に示され
るエポキシ樹脂、特開昭61-254905 号公報に示されるポ
リイミド樹脂、特開昭63-241076 号公報に示されるシリ
コーン樹脂などが知られている。シリコーン樹脂は透明
性、表面平坦化性、耐熱性、耐候性、硬度に優れている
が、密着性、耐クラック性が問題である。ポリイミド樹
脂は、耐熱性、耐候性、密着性に優れているが、表面平
坦化性、硬度が必ずしも十分ではない。
【0004】特開昭63-291924 号公報にイミド基でシリ
コーン樹脂を変性した樹脂が知られている。このイミド
変性シリコーン樹脂はシリコーン樹脂の特性を保持しな
がら密着性、耐クラック性が向上している。
【0005】しかしながらイミド変性シリコーン樹脂
は、アルコキシシランの加水分解物から構成されるの
で、加水分解によって大量に生成する沸点が100℃以
下の低級アルコールがコーティング組成物中に存在する
ことになる。この低沸点のアルコールはコーティング時
に急激に蒸発するため、塗布されたコーティング組成物
の内部で対流が発生して塗布外観が非常に悪くなる。こ
の塗布むらは、素子のセルギャップむらなどの原因とな
り表示品位の低下を招く。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、塗布むらをなくすことにより、表面の外観形状およ
び表面特性の優れた信頼性の高いカラーフィルタを提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、かかる本発明
の目的は、以下の構成により達成される。
【0008】(1)透明基板と着色層と透明保護膜とを
備えたカラーフィルタにおいて、該透明保護膜が (a)テトラカルボン酸二無水物と、下記一般式(1) H2 N−(CH2 m −SiR1 n (OR2 3-n (1) (式(1) においてmは1以上の整数、nは0〜2の整
数、R1 、R2 はアルキル基、アリール基)で表される
アミノ化合物を反応させて得られた化合物(A)と、 (b)一般式(2) R3 p Si(OR4 4-p (2) (式(2) においてpは1〜3の整数、R3 は有機基、R
4 はアルキル基、アリール基)で表される化合物を加水
分解して得られる加水分解物(B)を常圧または減圧蒸
留せしめて、前記加水分解反応により生成したアルコー
ルR4 OHの少なくとも一部を除去して得られる生成物
(B´)とを含有する硬化性組成物の層で形成されてい
ることを特徴とするカラーフィルタ。
【0009】(2)透明基板と着色層と透明保護膜とを
備えたカラーフィルタにおいて、該透明保護膜が (a)テトラカルボン酸二無水物と、下記一般式(1) H2 N−(CH2 m −SiR1 n (OR2 3-n (1) (式(1) においてmは1以上の整数、nは0〜2の整
数、R1 、R2 はアルキル基、アリール基)で表される
アミノ化合物を反応させて得られた化合物(A)と、 (b)一般式(2) R3 p Si(OR4 4-p (2) (式(2) においてpは1〜3の整数、R3 は有機基、R
4 はアルキル基、アリール基)で表される化合物を加水
分解して得られる加水分解物(B)とを含有する組成物
を常圧または減圧蒸留せしめて、上記加水分解反応によ
り生成したアルコールR4 OHの少なくとも一部を除去
して得られた硬化性組成物の層で形成されていることを
特徴とするカラーフィルタ。
【0010】(3)硬化性組成物が、シリコーン系界面
活性剤をさらに含有することを特徴とする前記(1)ま
たは(2)記載のカラーフィルタ。
【0011】(a)成分の化合物(A)は、テトラカル
ボン酸二無水物と、下記一般式(1) H2 N−(CH2 m −SiR1 n (OR2 3-n (1) (式(1) においてmは1以上の整数、nは0〜2の整
数、R1 、R2 はアルキル基、アリール基)で表される
アミノ化合物との反応で得られるアミド酸である。
【0012】テトラカルボン酸二無水物としては、脂肪
族、芳香族のテトラカルボン酸二無水物が挙げられ、下
記には限定されないが例えば、ピロメリット酸二無水
物、3,3',4,4' −ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無
水物、2,2',3,3' −ベンゾフェノンテトラカルボン酸二
無水物、3,3',4,4' −ビフェニルテトラカルボン酸二無
水物、3,3',4,4' −ジフェニルスルホンテトラカルボン
酸二無水物、4,4'−オキシジフタル酸二無水物、2,3,5
−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、1,2,3,
4 −シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4
−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物などが挙げ
られる。これらのテトラカルボン酸二無水物は、二種以
上組み合わせて用いることもできる。
【0013】一般式(1) で示されるアミノ化合物として
は、例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、
3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプ
ロピルトリプロポキシシラン、3−アミノプロピルメチ
ルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエト
キシシラン、3−アミノプロピルメチルジプロポキシシ
ラン、3−アミノプロピルエチルジメトキシシラン、3
−アミノプロピルエチルジエトキシシラン、3−アミノ
プロピルエチルジプロポキシシラン、3−アミノプロピ
ルジメチルメトキシシラン、3−アミノプロピルジメチ
ルエトキシシラン、3−アミノプロピルジメチルプロポ
キシシランなどが挙げられる。これらのアミノ化合物
は、二種以上組み合わせて用いることもできる。
【0014】テトラカルボン酸二無水物とアミノ化合物
の反応は、各種の有機溶媒中で行われる。有機溶媒とし
ては、沸点が100℃以上の極性溶媒が好ましく、例え
ば、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリド
ン、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、エ
チレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコ
ールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチ
ルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エ
チレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエ
チルエーテル、酢酸エチレングリコールモノメチルエー
テル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、酢
酸エチレングリコールモノブチルエーテル、シクロヘキ
サノンなどが挙げられる。これらの溶媒は、二種以上組
み合わせて用いることもできる。溶媒は固形分濃度が5
重量%以上80重量%以下になるように添加することが
好ましい。反応温度としては、0℃以上60℃以下が好
ましいが、発熱反応であるので0℃以上30℃以下がよ
り好ましい。テトラカルボン酸二無水物とアミノ化合物
の重量比率は1:1〜1:3の間で選択できるが、未反
応原料を残さないために1:2付近が好ましい。
【0015】加水分解物(B)は一般式(2) R3 p Si(OR4 4-p (2) (式2においてpは1〜3の整数、R3 は有機基、R4
はアルキル基、アリール基)で表されるアルコキシシラ
ン化合物を加水分解して得られるものであるが、この加
水分解反応は平衡反応であるため、加水分解物の他に部
分加水分解物および部分縮合物を含む混合物となってい
る。一般式(2) 中のR3 の有機基としては、メチル基、
エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基などのアル
キル基、ビニル基、アリル基、γ−アミノプロピル基、
3,4−エポキシシクロヘキシルエチル基、γ−グリシ
ドキシプロピル基、γ−メタクリロキシプロピル基、γ
−メルカプトプロピル基、フェニル基などが例として挙
げられる。これらの中でも、メチル基、フェニル基、γ
−グリシドキシプロピル基、γ−メタクリロキシプロピ
ル基、ビニル基、3,4−エポキシシクロヘキシルエチ
ル基が特に好ましい。R4の例としては、メチル基、エ
チル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル
基、sec−ブチル基、t−ブチル基、アセチル基など
が例として挙げられる。
【0016】一般式(2) で表されるアルコキシシラン化
合物としては、具体的には、メチルトリメトキシシラ
ン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシ
シラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキ
シシラン、エチルトリプロポキシシラン、フェニルトリ
メトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニ
ルトリプロポキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、
ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジプロポキシシラ
ン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシ
ラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニルメチルジメ
トキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニル
メチルジプロポキシシラン、3−グリシドキシプロピル
トリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエ
トキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリプロポキ
シシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシ
シラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシ
ラン、3−グリシドキシプロピルメチルジプロポキシシ
ラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、
3−メタクリロキシプロピルトリプロポキシシラン、3
−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3
−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3
−メタクリロキシプロピルメチルジプロポキシシラン、
3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メル
カプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプ
ロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピ
ルメチルジエトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘ
キシルエチルトリメトキシシラン、3,4−エポキシシ
クロヘキシルエチルトリエトキシシラン、3,4−エポ
キシシクロヘキシルエチルメチルジメトキシシラン、
3,4−エポキシシクロヘキシルエチルメチルジエトキ
シシランなどが挙げられる。これらのアルコキシシラン
化合物は、二種以上組み合わせて用いることもできる。
【0017】加水分解には反応を促進するために20℃
以上100℃以下の加熱をすることもできるが、触媒を
添加することも好ましい。触媒としては、酸触媒が好ま
しく、塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、パラトルエンスルホ
ン酸などが挙げられる。
【0018】加水分解は無溶媒で行うこともできるが、
有機溶媒中で行うこともできる。有機溶媒としては、沸
点が100℃以上の極性溶媒が好ましく、例えば、ジメ
チルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメ
チルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、エチレング
リコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノ
エチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテ
ル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレング
リコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ
メチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエー
テル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢
酸エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸エチレ
ングリコールモノブチルエーテル、シクロヘキサノンな
どが挙げられる。
【0019】加水分解反応によって得られた加水分解物
と部分縮合物の混合物から、加水分解反応により生成し
たアルコールR4 OH、特に低級アルコールを除くた
め、常圧または減圧蒸留を行うことが本発明においては
重要である。粘度の安定性の面から減圧蒸留が特に好ま
しい。常圧蒸留は、60℃以上130℃以下の温度で行
うことが好ましく、減圧蒸留は圧力10Torr以上2
00Torr以下の圧力で10℃以上100℃以下の温
度で行うことが好ましい。蒸留の時間としては、特に限
定はされず、アルコールの留去量によって適宜選択する
ことができる。
【0020】蒸留は、加水分解物(B)の製造後、化合
物(A)との混合前に行うことが好ましいが、化合物
(A)、加水分解物(B)を混合してから、あるいは化
合物(A)、加水分解物(B)と後述の界面活性剤を混
合してから行うこともできる。コーティング時に低沸点
のアルコールの急激な蒸発による塗布ムラが発生する
と、カラーフィルタの表示品位低下の原因となるため、
アルコールの留去量は加水分解で生成したアルコール量
の50%以上であることが好ましく、70%以上がより
好ましい。
【0021】塗布外観の向上のためにはアルコール、特
に低級アルコールの留去が効果的であるが、さらにシリ
コーン系界面活性剤を添加することが、より効果的であ
り、両者の組み合わせによってさらに塗布性が向上す
る。添加量は組成物全体の0.01重量%以上5重量%
以下が好ましい。界面活性剤は、(a)成分と(b)成
分の調整時、または調整後に添加してもよいが、均一に
混合するためにあらかじめ調整の際に添加する溶媒に分
散しておくことが好ましい。シリコーン系界面活性剤と
しては、“フローレン”WS(共栄社油脂製)、“ディ
スパロン”#1610、#1721、#1761(楠本
化成製)、“アディトール”XL121,122(ヘキ
スト社製)、Byk−300(ビックケミー社製)など
が挙げられる。
【0022】(a)成分と(b)成分の比率は、(b)
成分をあらかじめ蒸留しておく場合には化合物(A)と
蒸留生成物(B´)の重量比率を1:0.3〜1:10
の範囲で選択することができ、蒸留する前に混合する場
合には化合物(A)と加水分解物(B)の重量比率を
1:0.4〜1:13の範囲で選択できる。(a)成分
が多すぎると着色、硬度低下、粘度安定性低下が問題に
なる。(b)成分が多すぎると密着性の低下、クラック
が問題になる。
【0023】化合物(A)と蒸留生成物(B´)を混合
して、あるいは化合物(A)と加水分解物(B)の混合
後に常圧または減圧蒸留を行って、あるいはこれらにさ
らに界面活性剤を添加して硬化性組成物を調製するが、
その際に溶媒を加えて濃度を調整することができる。溶
媒としては、沸点が100℃以上の極性溶媒が好まし
く、例えば、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−
ピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキ
シド、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレ
ングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコール
モノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエー
テル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレ
ングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコー
ルモノエチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノメ
チルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエー
テル、酢酸エチレングリコールモノブチルエーテル、シ
クロヘキサノンなどが挙げられる。これらの溶媒は、二
種以上組み合わせて用いることもできる。
【0024】本発明の硬化性組成物の固形分濃度は2%
以上50%以下が好ましく、10%以上30%以下がよ
り好ましい。濃度が2%以下では所定の膜厚にコーティ
ングするのが困難である。また50%以上では組成物の
粘度安定性が低下しやすい。30%以下の濃度にするこ
とによりさらに塗布性が向上する。
【0025】本発明の硬化性組成物は、透明な基板上に
パターン加工された着色層の表面にコーティングされ
る。コーティングの方法は特に限定されないが、ロール
コート、スピンコート、ディップコート、スプレーコー
ト、スリットダイ等の方法が挙げられ、オフセット印
刷、スクリーン印刷などの印刷手法でパターンを形成す
ることも可能である。
【0026】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0027】実施例1 <(a)成分(化合物(A))の製造>丸底フラスコに
N−メチル−2−ピロリドン131gを入れ、N2 通気
下、撹拌しながらベンゾフェノンテトラカルボン酸二無
水物60gを加えた。氷浴で内温を6℃に下げた後、3
−アミノプロピルメチルジエトキシシラン71gを滴下
した。滴下終了後、室温で3時間撹拌して褐色の溶液を
得た。
【0028】<(b)成分(蒸留生成物(B´))の製
造>丸底フラスコにメチルトリメトキシシラン290g
を入れ、撹拌、氷冷し内温を6℃にした。0.1 %酢酸水
溶液115gを内温30℃以下で滴下した。滴下終了
後、氷浴を外して3時間攪拌した後、攪拌を停止して一
夜放置した。得られた加水分解物100gをエバポレー
タで70Torrの減圧下で濃縮し、残量が58gにな
ったところで濃縮を止め、全量が80gになるようにエ
チレングリコールモノブチルエーテルを添加した。この
ときメチルアルコールは理論生成量の83%が除去され
た。
【0029】<調合>フラスコにエチレングリコールモ
ノブチルエーテル50gと“ディスパロン”#1610
(楠本化成製)0.28gを仕込み、N2 通気しながら
1時間攪拌した。次に(a)成分15g,(b)成分3
0gを加えて1時間撹拌して組成物1を得た。組成物1
の濃度は20%であり、粘度は12センチポイズであっ
た。
【0030】実施例2 実施例1において、(a)成分の製造に用いた3−アミ
ノプロピルメチルジエトキシシラン71gにかわりに3
−アミノプロピルトリエトキシシラン82gを用いたこ
と以外は全く同様にして、組成物2を得た。このときメ
チルアルコールは理論生成量の83%が除去された。
【0031】実施例3 <(b)成分(蒸留生成物(B´))の製造>丸底フラ
スコにメチルトリメトキシシラン50gとフェニルトリ
メトキシシラン75gを入れ、撹拌、氷冷し内温を6℃
にした。0.1 %リン酸水溶液40gを内温30℃以下で
滴下後、氷浴を外して3時間撹拌し、撹拌を停止して一
夜放置した。得られた加水分解物100gをエバポレー
タで70Torrの減圧下で濃縮し、残量が68gにな
ったところで濃縮を止め、全量が100gになるように
エチレングリコールモノブチルエーテルを添加した。こ
のときメチルアルコールは理論生成量の74%が除去さ
れた。
【0032】<調合>フラスコにエチレングリコールモ
ノブチルエーテル50gと“ディスパロン”#1610
(楠本化成製)0.28gを仕込み、N2 通気しながら
1時間攪拌した。次に実施例1の(a)成分15g,上
記の(b)成分30gを加えて1時間撹拌して組成物3
を得た。組成物3の濃度は20%であり、粘度は10セ
ンチポイズであった。
【0033】実施例4 <(b)成分(蒸留生成物(B´))の製造>丸底フラ
スコにメチルトリメトキシシラン115gとジメチルジ
メトキシシラン34gを入れ、撹拌、氷冷し内温を6℃
にした。0.1 %酢酸水溶液56gを内温30℃以下で滴
下した。滴下終了後、氷浴を外して3時間攪拌した後、
攪拌を停止して一夜放置した。得られた加水分解物10
0gをエバポレータで濃縮し、残量が60gになったと
ころで濃縮を止め、全量が85gになるようにエチレン
グリコールモノブチルエーテルを添加した。このときメ
チルアルコールは理論生成量の83%が除去された。
【0034】<調合>フラスコにエチレングリコールモ
ノブチルエーテル50gと“ディスパロン”#1610
(楠本化成製)0.28gを仕込み、N2 通気しながら
1時間攪拌した。次に実施例1の(a)成分15g,上
記の(b)成分30gを加えて1時間撹拌して組成物4
を得た。
【0035】実施例5 <(b)成分(加水分解物(B))の製造>丸底フラス
コにメチルトリメトキシシラン290gを入れ、攪拌、
氷冷し内温を6℃にした。0.1 %酢酸水溶液115gを
内温30℃以下で滴下した。滴下終了後、氷浴を外して
3時間攪拌した後、攪拌を停止して一夜放置した。副生
メタノールを留去することなくコーティング組成物の調
合に使用した。
【0036】<調合>フラスコにエチレングリコールモ
ノブチルエーテル60gと“ディスパロン”#1610
(楠本化成製)0.28gを仕込み、N2 通気しながら
1時間攪拌した。つぎに実施例1の(a)成分15g、
上記の(b)成分46.9gを加えて1時間攪拌した。
得られた組成物をエバポレーターで70Torrの減圧
下で濃縮し、残量が102gになったところで濃縮を止
めて組成物5を得た。このときメチルアルコールは理論
生成量の83%が除去された。
【0037】実施例6 実施例1において“ディスパロン”#1610を加えな
いこと以外は全く同様にして、組成物6を得た。
【0038】比較例1 <(b)成分(加水分解物(B))の製造>フラスコに
メチルトリメトキシシラン290gを入れ、撹拌、氷冷
し内温を6℃にした。0.1 %酢酸水溶液115gを内温
30℃以下で滴下した。滴下終了後、氷浴を外して3時
間攪拌した後、攪拌を停止して一夜放置した。副生メタ
ノールを留去することなくコーティング組成物の調合に
使用した。
【0039】<調合>フラスコににエチレングリコール
モノブチルエーテル50gと“ディスパロン”#161
0(楠本化成製)0.28gを仕込み、N2 通気しなが
ら1時間攪拌した。次に実施例1の(a)成分15g,
上記の(b)成分37.5gを加えて1時間撹拌して組
成物7を得た。
【0040】比較例2 実施例1において“ディスパロン”#1610をフッ素
系の界面活性剤“フロラード”FC−431(住友スリ
ーエム製)に変更した以外は全く同様にして、組成物8
を得た。
【0041】<塗布性の評価>得られた組成物1〜8を
10cm角のガラス基板および着色層を形成したガラス
基板上に800rpmで30秒間スピンコートした後、
300℃で30分間硬化させた。得られた塗布膜を蛍光
灯の反射光で外観検査を行った。表1に示すように組成
物1〜6(実施例1〜6)は非常に良好であった。組成
物7(比較例1)は、中心部から放射状にのびる塗布ム
ラが検出された。組成物8(比較例2)はガラス面上に
はじきが見られた。
【0042】
【表1】
【0043】
【発明の効果】本発明のコーティング組成物を透明保護
膜としたカラーフィルタは、表面の外観形状および表面
平坦性が優れているため、液晶表示セルに加工した際に
外観欠点が検出されず、高品位なものとなる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明基板と着色層と透明保護膜とを備えた
    カラーフィルタにおいて、該透明保護膜が (a)テトラカルボン酸二無水物と、下記一般式(1) H2 N−(CH2 m −SiR1 n (OR2 3-n (1) (式(1) においてmは1以上の整数、nは0〜2の整
    数、R1 、R2 はアルキル基、アリール基)で表される
    アミノ化合物を反応させて得られた化合物(A)と、 (b)一般式(2) R3 p Si(OR4 4-p (2) (式(2) においてpは1〜3の整数、R3 は有機基、R
    4 はアルキル基、アリール基)で表される化合物を加水
    分解して得られる加水分解物(B)を常圧または減圧蒸
    留せしめて、前記加水分解反応により生成したアルコー
    ルR4 OHの少なくとも一部を除去して得られる生成物
    (B´)とを含有する硬化性組成物の層で形成されてい
    ることを特徴とするカラーフィルタ。
  2. 【請求項2】透明基板と着色層と透明保護膜とを備えた
    カラーフィルタにおいて、該透明保護膜が (a)テトラカルボン酸二無水物と、下記一般式(1) H2 N−(CH2 m −SiR1 n (OR2 3-n (1) (式(1) においてmは1以上の整数、nは0〜2の整
    数、R1 、R2 はアルキル基、アリール基)で表される
    アミノ化合物を反応させて得られた化合物(A)と、 (b)一般式(2) R3 p Si(OR4 4-p (2) (式(2) においてpは1〜3の整数、R3 は有機基、R
    4 はアルキル基、アリール基)で表される化合物を加水
    分解して得られる加水分解物(B)とを含有する組成物
    を常圧または減圧蒸留せしめて、上記加水分解反応によ
    り生成したアルコールR4 OHの少なくとも一部を除去
    して得られた硬化性組成物の層で形成されていることを
    特徴とするカラーフィルタ。
  3. 【請求項3】硬化性組成物が、シリコーン系界面活性剤
    をさらに含有することを特徴とする請求項1または請求
    項2記載のカラーフィルタ。
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