JPH06347634A - カラーフィルタの製造装置および製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高精度なパターンに形成し色むらの抑えられ
たカラーフィルタを製造する製造装置および製造方法。 【構成】 凹版印刷版１を覆い９で覆うなどしてチャン
バを形成し、そのチャンバ内に積極的に一定濃度の低沸
点溶剤の雰囲気を溶剤揮発雰囲気供給器１１で導入し、
その一定濃度の雰囲気中でインキ３が部分的に乾くこと
を抑止しながらインキ３の塗布工程および転移工程を行
なう。このようにインキ３が部分的に乾くことを抑止す
ることでパターンが高精度で色むらが解消されたカラー
フィルタを製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は液晶表示装置のようなカ
ラーフィルタを製造する製造装置およびそれを用いたカ
ラーフィルタの製造方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】液晶表示装置は画面の高精細化や大画面
化が進むとともに、フルカラー表示の開発が進められて
既に実用化されているものもある。また実用面では、そ
のようなフルカラー表示を行なう液晶表示装置を低価格
で提供することが要求されている。そのようなフルカラ
ー表示を行なう液晶表示装置には一般的にカラーフィル
タが用いられる。カラーフィルタは、Ｒ（赤）、Ｇ
（緑）、Ｂ（青）などの三原色にそれぞれ対応する 3つ
の表示ドットで 1画素を構成するように、そのＲ、Ｇ、
Ｂそれぞれの色の矩形パターン（色セル）を交互に配列
して形成されたものである。

【０００３】ところで上記のようなカラーフィルタを製
造する主な製造方法としては、染色法や顔料分散法のよ
うなフォトリソグラフィ法と、電着法と、印刷法との 3
種類に大別することができる。これらの製造方法にはい
ずれも一長一短があるので、製作するカラーフィルタの
特性や目的によって使い分けられている。

【０００４】上記の 3種類の製造方法のうち、特に印刷
法は製造工程を簡易化することができ、低コスト化に適
した有力な量産技術として注目されている。この印刷法
としては、スクリーン印刷方式、フレキソ印刷方式、オ
フセット印刷方式、凹版オフセット印刷方式がある。特
に凹版オフセット印刷方式は一般的にグラビア印刷等で
知られるように印刷精度のばらつきが少ない印刷方式で
あるため、量産対応の印刷法では最も有力視されている
技術である。凹版オフセット印刷方式は印刷パターンを
凹版状に形成した刷版にカラーフィルタを形成するため
のインキをスキージで塗り拡げて刷版の凹部にはインキ
を残し刷版の表面の余分なインキをドクタで払拭する工
程と、刷版に保持されたインキをブランケット表面に転
移させ、このブランケット表面に転移されたインキを透
明基板上に転写する工程とを備えている。

【０００５】しかしながら、カラーフィルタにおいては
さらに高精度で色むらの少ない製造技術が要求されてい
るが、従来の凹版オフセット印刷方式をはじめとする印
刷法では他の方法と比べて印刷精度が劣るという欠点を
有している。しかも前述したように液晶表示装置におい
て近年は画面の高精細化や大画面化が進んでいることか
ら、カラーフィルタに要求される精度はさらに厳しいも
のとなってきており、色むらなどの不良の発生をさらに
厳しく抑制できなければならない。例えば従来の凹版オ
フセット印刷方式で製造されたカラーフィルタでは、ス
トライプ状のパターンにおいてパターン幅のばらつきが
発生し、その結果、完成したカラーフィルタに顕著な色
むらが発生するという問題がある。

【０００６】また、均一でパターン精度の良好な印刷を
行なうことを企図して、上記のようなカラーフィルタを
製造するにあたり、その製造装置をクリーンルームに設
置している。そして塵埃を除去し温度や湿度を制御した
清浄な空気をクリーンルームに導入しその空気をフロー
（または還流）させるなどして、そのような状態のクリ
ーンルーム内でカラーフィルタを製造している。例え
ば、高精細な液晶表示装置用カラーフィルタはクラス 1
00レベルのクリーンルーム内で製造するようにしてい
る。しかしながら、例えば製造作業者の皮膚から発生す
る塵埃などにより、クリーンルーム内は実際には必ずし
も無塵ではないため、空気の流れに乗って浮遊する塵埃
の付着によりカラーフィルタにピンホール欠陥等が発生
するという問題がある。

【０００７】また、凹版オフセット印刷方式に使用され
るブランケットは厚さ 1mm足らずのシリコンゴムで形成
され、さらに印刷パターンのインキ離れを良くし、高い
印刷精度を保つために、シリコンゴムにシリコンオイル
が含有されている。通常、刷板からインキをブランケッ
トに移す直前にこのブランケットを加熱して内部からシ
リコンオイルを浮き出させている。しかし、シリコンゴ
ム中のシリコンオイルは短時間で枯渇してしまうため、
高い印刷精度を保つことが困難である。さらに、シリコ
ンオイルの浮き出し量を温度で制御することが至難であ
るため、印刷精度がばらつくという問題がある。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】上述のように、カラー
フィルタを製造する従来の印刷法においては、近年の画
面の高精細化や大画面化に対して印刷精度が不十分で、
製造したカラーフィルタに色むらが顕著に発生するとい
う問題があった。

【０００９】また、塵埃の付着によりカラーフィルタに
ピンホール欠陥等が発生するという問題があった。

【００１０】さらに、ブランケット中のシリコンオイル
の制御が困難であることにより高い印刷精度を保つこと
が困難であったり、印刷精度がばらついたりするという
問題があった。

【００１１】本発明は、このような問題を解決するため
に成されたもので、その目的は、印刷法によりカラーフ
ィルタを製造するにあたり、色むらの顕著な発生やピン
ホール欠陥等の発生の問題を解消して、高精度なパター
ンに形成し色むらの抑えられたカラーフィルタを製造す
る製造装置およびそれを用いた製造方法を提供すること
にある。

【００１２】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明のカラーフィルタの製造装置は、カラーフィ
ルタのパターンが刻設された凹版印刷版と、前記凹版印
刷版に前記カラーフィルタを形成するためのインキを塗
り拡げるスキージと、前記凹版印刷版の凹部には前記イ
ンキを残して前記凹版印刷版の表面の余分なインキを払
拭するドクタと、前記凹版印刷版および前記スキージお
よび前記ドクタを覆ってチャンバを形成する凹版印刷版
覆いと、前記凹版印刷版覆いにより形成されたチャンバ
の内部に、前記インキに用いられる溶剤の沸点以下の沸
点を有する溶剤の揮発雰囲気を供給する溶剤揮発雰囲気
供給器と、前記凹版印刷版に保持されたインキが表面に
転移され該表面に転移されたインキをさらに透明基板上
に転写するブランケットとを具備することを特徴として
いる。

【００１３】また、本発明のカラーフィルタの製造方法
は、カラーフィルタを形成するためのインキに用いられ
る溶剤の沸点よりも低い沸点を有する溶剤を揮発させ一
定濃度に保った雰囲気中で、前記インキをカラーフィル
タのパターンが刻設された凹版印刷版にスキージで塗り
拡げて前記凹版印刷版の凹部には前記インキを残し前記
凹版印刷版の表面の余分なインキをドクタで払拭する工
程と、乾燥窒素中または乾燥空気中または不活性ガス中
で前記凹版印刷版に保持されたインキをブランケット表
面に転移させ、該ブランケット表面に転移されたインキ
を透明基板上に転写する工程とを具備することを特徴と
している。

【００１４】また、本発明のカラーフィルタの製造方法
は、カラーフィルタのパターンが刻設された凹版印刷版
にカラーフィルタを形成するためのインキをスキージで
塗り拡げて前記凹版印刷版の凹部には前記インキを残し
前記凹版印刷版の表面の余分なインキをドクタで払拭す
る工程と、ブランケット表面にオイルを被覆する工程お
よび前記凹版印刷版の表面にオイルを被覆する工程のう
ち少なくともいずれか一つの工程と、前記凹版印刷版に
保持されたインキをブランケット表面に転移させ、該ブ
ランケット表面に転移されたインキを透明基板上に転写
する工程とを具備することを特徴としている。

【００１５】なお、前記のカラーフィルタのインキに用
いられる溶剤の沸点以下の沸点を有する溶剤としては、
例えばテトラヒドロフラン、アセトンのような通常のカ
ラーフィルタ形成用インキに用いられる溶剤であって、
使用するインキの溶剤よりも低い沸点を有しておりカラ
ーフィルタ形成用インキとの相溶性がありその雰囲気中
ではインキが乾燥することを抑止するような溶剤が好適
である。

【００１６】

【作用】上述したカラーフィルタの色むらは、印刷精度
のばらつき、すなわち印刷位置、膜厚、パターン寸法
（幅／間隔）などのばらつきに起因して発生するものと
考えられる。ここで、機械的な印刷精度に対しては、印
刷版の精度や装置自体の機械的精度を向上させるという
対策で対応することができる。しかし、凹版オフセット
印刷装置では、特に機械的な印刷精度の他にインキを凹
版からブランケット表面に転移させるまでの間にインキ
中の溶剤が不均一に揮発しながら乾くために、出来上が
ったカラーフィルタのパターンや膜厚に位置的なばらつ
きが生じ、これが色むらとなって現れていた。例えば、
ドクタで印刷版表面を払拭する際にはある程度の時間が
必要だが、その払拭開始の部分から終了した部分までの
間でインキの乾燥状態（いわゆる乾きむら）にばらつき
が生じるため、製造されたカラーフィルタのパターンや
膜厚に位置的なばらつきが生じていた。

【００１７】そこで本発明では、カラーフィルタを形成
するためのインキに用いられる溶剤の沸点以下の沸点を
有する溶剤の揮発雰囲気中で、カラーフィルタのパター
ンが刻設された凹版印刷版にインキをスキージで塗り拡
げ余分なインキをドクタで払拭して、凹版印刷版に保持
されるインキ中の溶剤の濃度をほぼ均一に保って位置的
なばらつきを抑えている。つまり、従来の製造装置およ
びそれによる製造方法においてはインキ中の溶剤が揮発
して若干の揮発雰囲気となって放出されていたが、これ
ではインキ中の溶剤の部分的な乾燥を抑止することがで
きず逆に乾燥むらを助長していた。そこで本発明では印
刷版を覆いで覆うなどしてチャンバを形成し、そのチャ
ンバ内に積極的に一定濃度の低沸点溶剤の雰囲気を作
り、その一定濃度の雰囲気中でインキが部分的に乾くこ
とを抑止しながらインキの塗布工程および転移工程を行
なうようにしているのである。このようにインキが部分
的に乾くことを抑止することで、パターンが高精度で色
むらが解消されたカラーフィルタを製造することができ
る。

【００１８】また、凹版印刷版、スキージ、ドクタを覆
いで覆うことによって、作業室中の空気の流れに乗って
浮遊する塵埃が生乾きの状態のインキに付着することを
抑止することができるので、浮遊塵埃に起因して発生す
るカラーフィルタのピンホール欠陥等の問題を解消する
ことができる。

【００１９】また、ブランケット表面にオイルを被覆す
る工程および凹版印刷版の表面にオイルを被覆する工程
のうち少なくともいずれか一つの工程とを有するカラー
フィルタの製造方法にあっては、印刷の度に常に同量均
一にシリコンオイルを被覆することができるため、常
に、しかも半永久的に高い印刷精度を保つことができ
る。

【００２０】

【実施例】以下、本発明に係るカラーフィルタの製造装
置および製造方法の実施例を図面に基づいて詳細に説明
する。なお、以下に述べる実施例では液晶表示装置用の
カラーフィルタを製造する場合について示している。

【００２１】実施例１ 図１は本発明のカラーフィルタの製造装置の構造を示す
図である。このカラーフィルタの製造装置は、カラーフ
ィルタのパターンが刻設された凹版印刷版１と、この凹
版印刷版１にカラーフィルタを形成するためのインキ３
を塗り拡げるスキージ５と、凹版印刷版１の凹部にはイ
ンキ３を残しつつ凹版印刷版１の表面の余分なインキを
払拭するドクタ７と、凹版印刷版１およびスキージ５お
よびドクタ７を覆って一つのチャンバを形成する凹版印
刷版覆い９と、凹版印刷版覆い９により形成されたチャ
ンバの内部に、前記のインキ３に用いられる溶剤の沸点
以下の沸点を有する溶剤を揮発させた雰囲気を供給する
溶剤揮発雰囲気供給器１１と、凹版印刷版１に保持され
たインキ３が表面に転移され、その表面に転移されたイ
ンキ３をさらに透明基板などの被印刷体上に転写する、
印刷シリンダに貼設されたブランケット１３と、このブ
ランケット１３を覆ってチャンバを形成するブランケッ
ト覆い１５と、このブランケット覆い１５によって形成
されたチャンバに乾燥窒素または乾燥空気または不活性
ガスを供給する乾燥ガス供給器１７とを具備している。

【００２２】上記のインキ３としては、例えばテトラヒ
ドロフラン、アセトンのような溶剤を用いた通常のカラ
ーフィルタ形成用インキを用いることができる。

【００２３】凹版印刷版覆い９は、図１に示すように凹
版印刷版を上から開閉自在に覆うような形状としてもよ
く、あるいは例えばその前後に開口を設けて、凹版印刷
版をインラインに出入り自在であるようにしてもよい。
要は、実効的には形成されたチャンバ内に溶剤揮発雰囲
気やドライ窒素をほぼ一定の濃度で均一に保持できかつ
凹版印刷版の保守や取換えが自在に可能な構造であれば
よい。

【００２４】溶剤揮発雰囲気供給器１１は、インキ３に
用いられている溶剤の沸点以下の沸点を有する溶剤にド
ライ窒素ガスをくぐらせて、その溶剤を揮発させたガス
とドライ窒素ガスとを混合した雰囲気を形成し、これを
前述のごとく凹版印刷版覆い９により形成されたチャン
バの内部に供給する。また凹版印刷版覆い９により形成
されたチャンバの内部には調節弁を開閉してドライ窒素
ガスあるいは不活性ガスを導くこともできるように配管
されている。

【００２５】そして凹版印刷版覆い９により形成された
チャンバの内部の溶剤の濃度は、必要に応じてドライ窒
素ガスや溶剤揮発雰囲気を導入して常にほぼ一定の濃度
に保つようにすることが望ましい。またその揮発雰囲気
として用いる溶剤としては、インキ３に用いられている
溶剤と同系であってその揮発雰囲気がインキ３の乾燥を
抑止するものを用いることは言うまでもない。

【００２６】ブランケット覆い１５によって形成された
チャンバには、乾燥ガス供給器１７から前記のドライ窒
素ガス等が導入されるように配管されている。乾燥ガス
供給器１７からのドライ窒素ガス等の乾燥ガスの導入は
調節弁を開閉することで調整される。このような乾燥ガ
ス供給器１７から導入された乾燥ガスは、インキ３の乾
燥を促進させる。これによりインキ３のブランケット１
３への転移およびブランケット１３に一旦保持されたイ
ンキ３の透明基板１９への転写をよりスムーズに確実な
ものとすることができる。またブランケット覆い１５で
ブランケット１３を覆うことにより、ブランケット１３
への浮遊塵埃の被着を抑止するという効果をも得ること
ができる。また、ブランケット１３はそれが載置された
台車２１を移動して被印刷物である透明基板１９の主面
に接して転写すれば、インキ離れが良好で精度良く高歩
留まりで印刷を行なうことができる。

【００２７】実施例２ 次に、実施例１の製造装置を用いたカラーフィルタの製
造方法について説明する。まず、溶剤揮発雰囲気供給器
１１で、カラーフィルタを形成するためのインキ３に用
いられる溶剤の沸点以下の沸点を有する溶剤を揮発させ
これにドライ窒素ガスを混合した溶剤揮発雰囲気を形成
し、これを凹版印刷版覆い９により形成されたチャンバ
に導入し一定濃度に保つ。

【００２８】そしてその溶剤揮発雰囲気中でインキ３を
カラーフィルタのパターンが刻設された凹版印刷版１に
スキージ５で塗り拡げて、凹版印刷版１の凹部にはイン
キ３を残すとともに凹版印刷版１の表面の余分なインキ
３をドクタ７で払拭し、凹版印刷版１に保持されたイン
キ３中の溶剤の濃度を位置的なばらつきを抑えて略均一
に保つ。このとき、必要に応じてドライ窒素ガスや溶剤
揮発雰囲気を導入して常にほぼ一定の濃度に保つように
する。

【００２９】そして乾燥ガス供給器１７により、ドライ
窒素ガスあるいは乾燥空気あるいは不活性ガスをブラン
ケット覆い１５によって形成されたチャンバに導入し、
その乾燥ガス雰囲気中で前記の凹版印刷版１に保持され
たインキ３をブランケット１３表面に転移させ、さらに
そのブランケット１３表面に転移されたインキ３を透明
基板１９上に転写する。

【００３０】このようにして形成されたカラーフィルタ
は、色セルのパターン幅および間隔が30μｍ程度にまで
高精度に形成することができた。しかもこのとき、クリ
ーンルームの湿度や温度については一般的な従来の製造
方法での条件を用いており、作業環境の煩雑な調整や大
幅な改修も必要としなかった。

【００３１】このように本発明によれば、凹版印刷版１
を凹版印刷版覆い９で覆ってチャンバを形成し、そのチ
ャンバ内に積極的に一定濃度の低沸点溶剤の雰囲気を作
り、その一定濃度の雰囲気中でインキ３が部分的に乾く
ことを抑止しながらインキの塗布および転移を行なうよ
うにしている。このようにインキ３が部分的に乾くこと
を抑止することで色むらやパターン欠陥が解消されたカ
ラーフィルタを製造することができる。また、凹版印刷
版１、スキージ５、ドクタ７を凹版印刷版覆い９で覆う
ことによってクリーンルームのような作業室中の空気の
流れに乗って浮遊する塵埃が生乾きの状態のインキ３に
付着することを抑止することができるので、浮遊塵埃に
起因して発生するカラーフィルタのピンホール欠陥等の
問題を解消することができる。

【００３２】実施例３ ブランケット表面にオイルを被覆する工程および凹版印
刷版の表面にオイルを被覆する工程のうち少なくともい
ずれか一つの工程を有するカラーフィルタの製造方法に
ついて図１を参照して説明する。インキ３をカラーフィ
ルタのパターンが刻設された凹版印刷版１にスキージ５
で塗り拡げて、凹版印刷版１の凹部にはインキ３を残す
とともに凹版印刷版１の表面の余分なインキ３をドクタ
７で払拭する。

【００３３】次に、ブランケット表面に均一にシリコー
ンオイルを被覆する。被覆する方法としては表面に同量
均一に被覆できる方法であればいかなる方法であっても
良い。例えばシリコーンオイルをブランケット表面にス
プレーする方法などがある。

【００３４】そして乾燥ガス供給器１７により、ドライ
窒素ガスあるいは乾燥空気あるいは不活性ガスをブラン
ケット覆い１５によって形成されたチャンバに導入し、
その乾燥ガス雰囲気中で前記の凹版印刷版１に保持され
たインキ３をシリコーンオイルで表面が被覆されたブラ
ンケット１３表面に転移させ、さらにそのブランケット
１３表面に転移されたインキ３を透明基板１９上に転写
する。

【００３５】なお、ブランケット表面に均一にシリコー
ンオイルを被覆する代わりにインキ３が均一に載せられ
た凹版印刷版の表面にオイルを被覆しても良い。被覆方
法はブランケット表面に被覆する方法と同様な方法を採
用することができる。その後の工程は上述と同一であ
る。さらに、インキ量を減ずることによりブランケット
表面に均一にシリコーンオイルを被覆する工程と凹版印
刷版の表面にオイルを被覆する工程とを併用することも
できる。

【００３６】本製造方法にあっては、実施例２に示す凹
版印刷版覆い９により形成されたチャンバ内でドライ窒
素ガスや溶剤揮発雰囲気を常にほぼ一定の濃度に保ちな
がら工程を進めることもできるが、凹版印刷版覆い９を
用いなくてもよい。

【００３７】このようにして形成されたカラーフィルタ
は、色セルのパターン幅および間隔が30μｍ程度にまで
高精度に形成することができ、かつそのばらつきが非常
に少なかった。

【００３８】なお、上述の実施例では、液晶表示装置用
カラーフィルタの場合について例示したが、本発明はこ
れのみには限定しない。この他にも例えば単板式カラー
ビデオカメラに用いられるようなＣＣＤ撮像素子用のカ
ラーフィルタの製造などにも適用することができること
は言うまでもない。

【００３９】

【発明の効果】以上、詳細な説明で明示したように、本
発明によれば、印刷法によりカラーフィルタを製造する
にあたり、色むらの顕著な発生やピンホール欠陥等の発
生の問題を解消して、高精度なパターンに形成し色むら
の抑えられたカラーフィルタを製造する製造装置および
製造方法を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の製造装置の構造およびカラーフィルタ
を製造する製造方法を説明する図である。

【符号の説明】 １…凹版印刷版、３…インキ、５…スキージ、７…ドク
タ、９…凹版印刷版覆い、１１…溶剤揮発雰囲気供給
器、１３…ブランケット、１５…ブランケット覆い、１
７…乾燥ガス供給器、１９…透明基板、２１…台車

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 カラーフィルタのパターンが刻設された
   凹版印刷版と、前記凹版印刷版に前記カラーフィルタを
   形成するためのインキを塗り拡げるスキージと、 前記凹版印刷版の凹部には前記インキを残して前記凹版
   印刷版の表面の余分なインキを払拭するドクタと、 前記凹版印刷版および前記スキージおよび前記ドクタを
   覆ってチャンバを形成する凹版印刷版覆いと、 前記凹版印刷版覆いにより形成されたチャンバの内部
   に、前記インキに用いられる溶剤の沸点以下の沸点を有
   する溶剤の揮発雰囲気を供給する溶剤揮発雰囲気供給器
   と、 前記凹版印刷版に保持されたインキが表面に転移され該
   表面に転移されたインキをさらに透明基板上に転写する
   ブランケットとを具備することを特徴とするカラーフィ
   ルタの製造装置。
2. 【請求項２】 カラーフィルタを形成するためのインキ
   に用いられる溶剤の沸点よりも低い沸点を有する溶剤を
   揮発させ一定濃度に保った雰囲気中で、前記インキをカ
   ラーフィルタのパターンが刻設された凹版印刷版にスキ
   ージで塗り拡げて前記凹版印刷版の凹部には前記インキ
   を残し前記凹版印刷版の表面の余分なインキをドクタで
   払拭する工程と、 乾燥窒素中または乾燥空気中または不活性ガス中で前記
   凹版印刷版に保持されたインキをブランケット表面に転
   移させ、該ブランケット表面に転移されたインキを透明
   基板上に転写する工程とを具備することを特徴とするカ
   ラーフィルタの製造方法。
3. 【請求項３】 カラーフィルタのパターンが刻設された
   凹版印刷版にカラーフィルタを形成するためのインキを
   スキージで塗り拡げて前記凹版印刷版の凹部には前記イ
   ンキを残し前記凹版印刷版の表面の余分なインキをドク
   タで払拭する工程と、 ブランケット表面にオイルを被覆する工程および前記凹
   版印刷版の表面にオイルを被覆する工程のうち少なくと
   もいずれか一つの工程と、 前記凹版印刷版に保持されたインキをブランケット表面
   に転移させ、該ブランケット表面に転移されたインキを
   透明基板上に転写する工程とを具備することを特徴とす
   るカラーフィルタの製造方法。